護堂先生と神様のごはん あやかし子狐と三日月オムライス

栗槙ひので

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第2章 お稲荷様とふわふわスフレ

11.公園ランチ

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 公園へ向かう間も、西園寺先生は終始楽しそうに、自らの教育論を機関銃のように展開し、私はただ生返事を繰り返しながら歩いた。

 商店街の脇道を少し進むと、小さな公園がある。人があまりおらず、緑や花壇もあり、天気の良い日はこのベンチでまったりお昼やおやつにするのも好きだった。
 今は大音量の同伴者がいるので台無しではあるが。

(まあ、うちの中学も田舎なせいか教職員に20代は殆どいないし、歳の近い教員同士仲良くした方が良いのかも……)

 などと思いながら、ベンチに座ってパンの包みを開けると、私はそっと横に向けて神様にパンの幽霊を抜き取らせた。

『しかし、Luckyでした。昨年もSwimming classや芋掘りでは、Mr.護堂にお世話になっていたのに、ゆっくりお話できませんでしたから!』

『……そうですね』

 避けてましたからね。私が。

 砂場では幼稚園くらいの子どもと母親が遊んでいた。パンの幽霊を齧っている神様の腕の中で、こむぎは興味深そうにそちらを見ている。

『西園寺先生は何を買われたんですか?』

 私は紙袋からメロンパンを取り出しながら、別に興味は無かったが当たり障りの無さそうな質問を投げ掛けた。

『コーヒーロールです! cinnamonが好きなものですからッ!』

 そう話しながら、彼は何故か空いている方の手をぶん回すとキメポーズを取った。そんな西園寺先生の横から、するりと白い手が伸びてくる。
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