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第4章 嘘みたいな日常
5.注文の多い神様
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『えぇ?』
そちらの写真を見てみると、確かに海の上の方に奇妙な発光体がぽつぽつと写っていた。
『空鰯まで!?』
『え、イワシって何すか? まあ、オーブにしちゃ偏平だなんて声もあるんですがね、何にせよ原稿も間に合ったし、盛り上がってくれて助かりましたよ!』
思わず声に出してしまったが、湊川君はご機嫌にスルーしてくれたので助かった。
『それにしても、先輩引き寄せ運もってますね~。また、お願いしますんで、今後とも宜しくお願いしますよ!』
『え? ちょ、ちょっと湊川君それは困るよ! 湊川君!?』
私の返事を聞かない内に、彼は通話を切ってしまった。またこんな厄介な事に巻き込まれるのは御免である。
『空鰯の出汁美味かったのう~。あれで味噌汁を作っても美味そうじゃな。夏也、作ってみてくれんかの?』
慌てている私の後ろで、ダラダラと横になりながら神様が注文した。
そちらの写真を見てみると、確かに海の上の方に奇妙な発光体がぽつぽつと写っていた。
『空鰯まで!?』
『え、イワシって何すか? まあ、オーブにしちゃ偏平だなんて声もあるんですがね、何にせよ原稿も間に合ったし、盛り上がってくれて助かりましたよ!』
思わず声に出してしまったが、湊川君はご機嫌にスルーしてくれたので助かった。
『それにしても、先輩引き寄せ運もってますね~。また、お願いしますんで、今後とも宜しくお願いしますよ!』
『え? ちょ、ちょっと湊川君それは困るよ! 湊川君!?』
私の返事を聞かない内に、彼は通話を切ってしまった。またこんな厄介な事に巻き込まれるのは御免である。
『空鰯の出汁美味かったのう~。あれで味噌汁を作っても美味そうじゃな。夏也、作ってみてくれんかの?』
慌てている私の後ろで、ダラダラと横になりながら神様が注文した。
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