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第二十八話 この世界の歴史

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「じゃあ、僕はお菓子を新しく買ってくるね」

「おーう。行ってらー」

 ボーグンがベッドから立ち上がり、部屋の扉を開け外に出ていく。
 え?あの後ボーグンを殴ったかって?
 もちろん殴ってませんよ?ええ。お菓子を分けてもらうことで和解しました。
 俺にお菓子を分けたからかどうか知らんけど、新しくお菓子を貰って来るようだ。
 もちろんそれも分けるように交渉済みだ。
 さて、ボーグンが行ってる間に歴史の本でも読むか。
『たった一冊でこの国の歴史が分かる!これで君も歴史マスター!』を手に取り一ページ目を開く。

《はじめに この本には本当に基本的なことしか書いていません。そのあたりはご了承願います。》

 うん!この世界の歴史を全く知らない俺からしたら、十分だ!

《っていうかこんな本読む人いるんでしょうか……。だってだれでも知ってることしか書いてないんですよ?》

 まぁ、確かにな。そんな誰でも知ってることを書いててもって感じだろうな。
 でも俺が助かったから!うん!それでいいじゃないか!

《つまり、これを読んでる人は相当の常識知らずということになりますね(笑)》

「なめてんのか!!」

 俺は自分の椅子から立ち上がり、本を床に投げつける。
 完っ全に煽ってきてるだろこれ!!キレちゃうよ!?俺キレちゃうよ!?
 ……はっ!いかんいかん!この本図書館で借りたやつだった!
 乱暴に扱っちゃ駄目だ!学校の備品だしな。
 落ち着いて読み直そう。

《まぁ、そんな冗談は置いておいて、次のページに目次があります。目次を見て、自分が知りたい所をピックアップしてご覧ください。》

 なるほど。時代ごとに分けられているのか。これは助かる。
 俺はこの世界の歴史を全く知らないし、最初から読んだほうが良さそうだ。

《第一章 神からの使者》

 神からの使者?前の転生者のことだろうか?
 これが第一章ということは、ここから文明が、もしくはこの国が始まったことになる。
 前の転生者は、一体どんなことをして、何をなして、この世界の基盤を創ったのだろうか。
 まずは、そのことを知っていこう。

《この世界に住む人間たちが誰にも統治されず、混沌としていた時代、神から使命を受け、この世界に顕現したある人間がいた。その名を、マコト・サトーという。》

 前の転生者の名前は、マコト・サトーっていう名前だったのか。
 この人がこの国を創り、この世界の人間をまとめた人。
 さあ……この人は何をしてこの国を創ったんだ?
 そして、魔王はいつ頃にこの世界に誕生したのだろう。
 よし。このままどんどん読み進めていこう。
 そうすればすべてが分かってくるはずだ。
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