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護衛旅 平穏な旅路 1

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明けましておめでとうございます!

本年も拙作をよろしくお願いいたします!


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 たまに起きるオデッタ絡みのアクシデントを除いたら、旅はとても平穏に続いている。

「アルフォンソさん! 馬を止めて馬車の中で待機! 8体のオークが近づいて来ているからオデッタの顔を出させないように!」

「わかりました!」

(オークにゃ♪)
(オークなの♪)

 馬を止めたアルフォンソさんが素早く馬車の中で入るとすかさずハクが結界を張って馬車の保護をしてくれる。

 その間に私はライムを従魔部屋ハウスに避難させてニールとスレイのハーネスを外し、自分の馬車をインベントリに収納。これで戦闘の準備はOK。

(ニールとスレイはオデッタたちの馬車の周りを警護、馬車に近づいたオークのみ攻撃にゃ! 攻撃するときは頭。それ以外は食べられなくなるから攻撃禁止なのにゃ!)

 ハクが弟妹に指示を出すのを聞きながら、オークたちに向かって走り出しながら攻撃魔法を放つ。

「【ウインドカッター・クアドラプル4かい】!! ……くっ、外したっ!」

 今ではクインティプル5かいまでは同時発動できるようになったウインドカッターだけど、依頼人を確実に守る為にコントロールがしやすいクアドラプルで発動。

 それでも狙い通りに首を落とせたのは3体だけ。残りの1発は4体目のオークの頭を輪切りにした。やっぱり動いている的に魔法攻撃を当てるのは難しい。

 オーク4体の命を絶つことには成功したけど、4体目のオークの首を落とせなったことを反省。だって色んなものをまき散らしてしまったので、正直なところ回収作業に向かうのが辛いから。

 でも悔やんでいる暇はない。残りの4体が距離を縮めてきている。

「<鴉>! 【ウインドカッター・ダブル】っ!」

 インベントリから太刀からすを取り出しながらウインドカッターを2発。

 距離が近づいている分、確実に当てる為に今度は胴体を狙った。……本当は狙いたくないんだけどね、胴体。だって、狙いを付ける為にはどうしてもオークの下半身が目に入るんだもん。一応布で隠れてはいるんだけど、その布を突き上げるように盛り上がっている股間なんて見たくない!

 キッチリと上半身と下半身を分けてくれたウインドカッターの威力に感謝をしながら、残りの2体に向かって走る。

 自分たちの仲間が次々と倒されているのに逃げもせずに突っ込んでくるのは、思考を下半身に乗っ取られているから? それとも仲間を倒されたことを怒って頭に血が上ってる?

 さび付いた大剣を大きく振りかぶったオークの胴体を、右上から斜めに振り下ろした鴉で真っ二つに切断する。その隙を突いて大きな木鎚らしきものが私の頭を狙って振り下ろされたけど、横に跳んで避けた。

 勢い余って木に突っ込んでしまったけど、着物ドレスドレスアーマーが衝撃を吸収してくれたのでダメージはほとんどない。さすがは女神ビジューの力作!

 木に突っ込んで一瞬だけ動きが止まってしまった私の胴体を狙って、木槌が横から襲ってくるけどとっさにしゃがんで避ける。別に避けなくても、胴体への攻撃ならドレスアーマーが守ってくれるんだけどね? やっぱり攻撃を受けることの恐怖からとっさに避けてしまう。

 しゃがんだ姿勢のまま鴉を横に一振りると、簡単にオークの両膝を切断してくれる。すかさず立ち上がり、膝から下を失くして体制が崩れたオークの首を狙って鴉を振り下ろしたら、狙いが少しずれてしまって首から左の脇の下までを両断してしまった。

 まあ、オークの命を刈り取ることには成功したのだから、大丈夫だよね? でも、肩から落としているから1枚として取れる面積が小さくなって価値を下げてしまったかも!と、恐る恐るハクに視線を向けると、

「怪我をしないでオークを倒して偉いのにゃ! さあ、お肉が傷まないうちに回収するのにゃ!」

 にっこり笑顔のハクが労ってくれた。 

 首と一緒に片腕を落としてしまったけど、胴体の大きな皮に傷が入っていないからセーフらしい。

「うん! 今日はオークのステーキにしようね! いっぱいあるからおかわりし放題だよ!」

「やった!なのにゃ~♪」

 普通のオーク肉なら【複製】で増やせるけど、お肉が追加で手に入るとやっぱり気分が違う。

 かわいい従魔たちが飽きずにお腹いっぱい食べられるように、今日はどんなソースを作ろうかと献立を考えながらオークを回収する。

 あまり見たくない状態の1体については、ハクが首を切り落としてから、私が開けっ放しにしているインベントリに放り込んでくれた。

 とっても小さな体なのに、とんでもなく力持ち! 牙が折れちゃわないかと不安になったから、ちゃんとカルシウムも食べられるように考えないとね! 今日のメインはオーク肉と乳製品で決まりだ!

 今日も平穏で楽しい1日になりそうな予感に頬を緩ませながら、ハウスから出てきたライムと腕に飛び込んできたハクを抱き、可愛い従魔と依頼人たちが待つ馬車に戻った。


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今日も読みに来ていただいてありがとうございます!

皆さまの1年が、よい1年になりますように!

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