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護衛旅 依頼人は商売上手!

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すみません! 投稿予約を忘れていました><


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 次に着いた集落で、

「おかわりをくれっ!」

「あ、すみませ~ん! お1人様一杯だけの限定販売なんです~!」

「そんな……」

「こんなに美味い汁がたったの870メレなのに、おかわりできないのかっ!?」

「だったらこの赤ワイン煮込みはどうだ? 3,000メレもするのだからおかわりできるだろう!?」

「あ、それもお1人様一皿だけの限定販売なんです~!」

「そんな! 3,000メレもするのだぞっ!? わかった、5,000メレ出すからもう一皿出してくれっ!」

「お客さま。この豊饒な甘味と香りの<オウルベアの赤ワイン煮込み>が本当に、たったの3,000、いえ、5,000メレの価値しかないとお思いですか?」

「……………」

「本日は私たちのオーナーにとって特別な記念日なのです。そこで皆さまにも❝特別❞のお裾分けをしたいというオーナーの気持ちから、この二品を特別価格で販売しています。多くのお客さまに❝特別❞のお裾分けをしたいというオーナーの気持ちを、どうかご理解ください」

「……仕方がないな。とても美味しい特別だったとオーナーさんに伝えてくれ。ありがとう、ともな」

「はい、確かに! ありがとうございました!」

 アルフォンソ夫妻が販売した<熊汁>と<赤ワイン煮込み>は大好評だった。

 最初は熊汁を1杯500メレ、赤ワイン煮込みを一皿1,500メレで設定していたんだけど、オデッタとアルフォンソさんに大反対されて、価格を高く設定し直した。

 3,000メレは少しお高いんじゃないかな~? という私の意見はハクのため息と苦笑を誘ってしまったけど、結果を見れば納得するしかない。……オーナーって誰のこと? 特別な記念日って何?とかは気になるけどね!

 元は私たちが狩ったオウルベアだし、野菜も大量買いでお得に買った物を【複製】したものだからほとんど❝タダ❞なことを考えるととんでもない利益になった。ここからオデッタとアルフォンソさんのアルバイト代、屋台(ラリマーで作って貰った変形馬車が大活躍!)を置くために借りた土地代を引いてもなかなかな金額が手元に残り、ホクホク顔の私だ。

(オウルベアは、ギルドで肉を卸した時の価格と比べていくらの利益が出たのかにゃ?)

 なんて、同じくホクホク顔のハクに言われて、

(手間をかけた甲斐があったね~!)
(手間をかけた甲斐があったのにゃ~!)

 夜番の間に頑張ったことをお互いに称え合った。

 夜番の間ず~っと、お鍋を見ていてくれたハクのお陰で、とってもおいしい熊料理になりました!











 次に着いた集落ではアルフォンソ夫妻が、

「冒険者の皆さん! 狩りに行く前に薬の補充はどうですか? 普段お使いの初級ポーションの3分の2の量で同じ効き目の特別なポーションを扱っていますよ! 品質はこの町の商業ギルドのお墨付き! 通常の物より少し割高に感じるかもしれませんが、賢明な冒険者の皆さんならこの価値がおわかりでしょう!?」

「そこの弓を持った冒険者のお嬢さん! キラービーの毒針はいかが!? 鏃に塗れる麻痺薬もあるわよ? ちなみに、持っていて安心!の毒消し薬も扱ってるの! これは、初級だけど魔物の毒にも植物の毒にも両方効き目がある特別なお薬よ! 効き目? もちろんこの町の商業ギルドのお墨付き!」

 私から仕入れたアイテムを屋台で全て売り切って結構な利益を出していた。

 驚いたのは<商業ギルドのお墨付き>! 

 売りたい商品を商業ギルドで鑑定してもらった結果、ギルドの求める品質を越えていると❝この商品はギルド規定の品質を保持している❞とお墨付きをもらうことができるのだ。

 商業ギルドに所属していることが条件で、もちろん別料金が掛かるし。1日だけしか使えない上にこのお墨付きが有効な期間に売った商品の中にもしも粗悪な品が混じっていたら、即、ギルドから除名されるデメリットもあるんだけど。顔の売れていない土地で商売する時には有効な代物だよね!

 夫妻には私がギルドに卸す時と同じ価格で薬を売ったんだけど、なかなかに強気な価格で売り切った。商売上手な2人の今後を頼もしく思いながら、私はニールとスレイを背もたれに、ハクとライムを思う存分にもふり倒して幸せを感じている。

 夫妻にとっても、私にとっても、とても有意義な時間になりました♪
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