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戸惑いの診断結果
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迎えに来てくれたルシィさんと一緒にルベンさんの家に入ると、ルシアンさんが玄関で待っていた。
「こんばんは! アリスです。いつもお父さまとお姉さまにはお世話になっております」
「あ、こんばんは。 いや、こちらこそ家族と村が世話になってます。 あと、美味い飯をありがとうございます。今日も美味かったです」
ルシアンさんはルシィさんとよく似た穏やかで優しげな感じの人だった。ハウンドドッグを倒した弓の腕前を見ていないと、狩人と言われてもピンとこなかっただろう。
「あの、俺の足……」
「はい、まずは診せてくださいね。 どうぞ、座って楽にしていてください」
家に入ってから、ルベンさんもルシィさんも何も話さない。家族で納得がいくまで話せたんだろう。
治療ができると良いんだけど……。 【診断】
名前:ルシアン
性別:男
年齢:17歳
状態:健康
健康!? 何で!?
(ハク! 【診断】スキルが壊れた!)
(にゃ!? スキルが壊れるなんて、ありえないにゃ!)
(だって、ルシアンさんの状態が“健康”って出るんだよ!)
(スキルにそう出るのなら、健康なのにゃ!)
(杖がないと歩けなくても!?)
(スキルにそう出るのなら、ルシアンは健康なのにゃ。わからないことはスキルに聞くにゃ!)
スキルに聞く? そうか! …少し落ち着こう。
ルシアンさんの右足に手を置いて診断をやり直す。
状態:健康
↓
先天性の右脛骨欠損
脛骨って、どこだっけ?
状態:健康
↓
先天性の右脛骨欠損 (膝から足首までの骨がない)
骨がないのに、健康って何? この状態で健康ってこと?
ふと顔を上げると、ルベンさんとマルゴさんが心配そうな顔になっていた。
診断にこれだけ時間を掛けたことがなかったから、不安にさせているようだ。
「ルシアンさん。 怪我をした時の状況と、治療を受けたときの事を話してもらえますか?」
「……?」
「この怪我の診断をするのに必要な情報なんです。お願いします」
一瞬不審そうな顔になったけど、ルシアンさんは話し始めてくれた。
「この怪我は、魔物狩りに行った時に突っ込んできたホーンラビットを避け損ねて…」
「どうして避けそこなったんですか? 気が付かなかった?」
「一緒に狩りに行ったヤツが狙われたから……。 なんでそんなことを聞くんだ?」
「治療に関係のないことを聞いていると思うでしょうが、診断に必要な情報なんです。 もう一度、始めから詳細な説明をお願いします」
「…………」
「ルシアン、話せ」
黙り込んだルシアンさんをルベンさんがうながした。
「……狩りは5人で行った。俺は木の上からワイルドボアを狙って両目を射抜き、他の4人がその後に囲んで切り掛かって仕留めた。 木から下りてボアに近づいている時に、戦闘で負った怪我を治療中で無防備な4人に向かってホーンラビットが突っ込んで行くのが見えた。とっさに走ってヤツは庇えたが、俺の足の膝下にホーンラビットの角が突き刺さった。持っていたナイフで止めを刺してから、角を抜いた。ポーションは直前に全て使い切っていたから村に帰ろうとしたが、奴等はもう1頭仕留めないと村には帰らないと言い張り俺を引き止めた。その夜に俺は熱を出し、次の朝には足が腐り始めていた。 俺は自分で足を落として、一人で村に帰ってきてポーションを使ったが、塞がったのは傷口だけで切り落とした足はそのままだ。
親父とマルゴおばさんが街の治癒士に診せてくれたが、金貨を払って買えたのは、動かない足だった。
…これでいいか?」
金貨って、一千万メレ!? 中途半端な治療で1千万メレって……。
「自分で足を切り落としたんですか? それに1人で帰ってきたって……」
「奴等はホーンラビットを追いかけて行って、側にはいなかった」
「ルシアンさんは熱を出していて、足が腐り始めていたのに!?」
自分を庇ってくれたルシアンさんを放り出して、狩りに行ったの? まともに治療をしていない怪我人を引き止めたって、なにそれ……。
「足を切り落として、どうやって1人で?」
「森の入り口に馬をつないでいたからな。 …一体何なんだ? これが必要な情報なのか!?」
ルシアンさんは仲間を信用できなくなって、自分で足を切り落として、馬に乗って独りで帰った?
自分で切り落としたことで意識が変わってしまったのかも…。 そこに半端なリカバーで、見た目だけの治療になった?
自分なりの解釈をしながら、もう一度、骨のない足に手を置き【診断】をかける。
状態:先天性の右脛骨欠損 (膝から足首までの骨がない)
:リカバー 2回 (ただし、下腿部を一度切断すること。もともと健康体であること)
やっと出た! 治療法! リカバー2回で治せる!!
……え?
………ええっ!?
「こんばんは! アリスです。いつもお父さまとお姉さまにはお世話になっております」
「あ、こんばんは。 いや、こちらこそ家族と村が世話になってます。 あと、美味い飯をありがとうございます。今日も美味かったです」
ルシアンさんはルシィさんとよく似た穏やかで優しげな感じの人だった。ハウンドドッグを倒した弓の腕前を見ていないと、狩人と言われてもピンとこなかっただろう。
「あの、俺の足……」
「はい、まずは診せてくださいね。 どうぞ、座って楽にしていてください」
家に入ってから、ルベンさんもルシィさんも何も話さない。家族で納得がいくまで話せたんだろう。
治療ができると良いんだけど……。 【診断】
名前:ルシアン
性別:男
年齢:17歳
状態:健康
健康!? 何で!?
(ハク! 【診断】スキルが壊れた!)
(にゃ!? スキルが壊れるなんて、ありえないにゃ!)
(だって、ルシアンさんの状態が“健康”って出るんだよ!)
(スキルにそう出るのなら、健康なのにゃ!)
(杖がないと歩けなくても!?)
(スキルにそう出るのなら、ルシアンは健康なのにゃ。わからないことはスキルに聞くにゃ!)
スキルに聞く? そうか! …少し落ち着こう。
ルシアンさんの右足に手を置いて診断をやり直す。
状態:健康
↓
先天性の右脛骨欠損
脛骨って、どこだっけ?
状態:健康
↓
先天性の右脛骨欠損 (膝から足首までの骨がない)
骨がないのに、健康って何? この状態で健康ってこと?
ふと顔を上げると、ルベンさんとマルゴさんが心配そうな顔になっていた。
診断にこれだけ時間を掛けたことがなかったから、不安にさせているようだ。
「ルシアンさん。 怪我をした時の状況と、治療を受けたときの事を話してもらえますか?」
「……?」
「この怪我の診断をするのに必要な情報なんです。お願いします」
一瞬不審そうな顔になったけど、ルシアンさんは話し始めてくれた。
「この怪我は、魔物狩りに行った時に突っ込んできたホーンラビットを避け損ねて…」
「どうして避けそこなったんですか? 気が付かなかった?」
「一緒に狩りに行ったヤツが狙われたから……。 なんでそんなことを聞くんだ?」
「治療に関係のないことを聞いていると思うでしょうが、診断に必要な情報なんです。 もう一度、始めから詳細な説明をお願いします」
「…………」
「ルシアン、話せ」
黙り込んだルシアンさんをルベンさんがうながした。
「……狩りは5人で行った。俺は木の上からワイルドボアを狙って両目を射抜き、他の4人がその後に囲んで切り掛かって仕留めた。 木から下りてボアに近づいている時に、戦闘で負った怪我を治療中で無防備な4人に向かってホーンラビットが突っ込んで行くのが見えた。とっさに走ってヤツは庇えたが、俺の足の膝下にホーンラビットの角が突き刺さった。持っていたナイフで止めを刺してから、角を抜いた。ポーションは直前に全て使い切っていたから村に帰ろうとしたが、奴等はもう1頭仕留めないと村には帰らないと言い張り俺を引き止めた。その夜に俺は熱を出し、次の朝には足が腐り始めていた。 俺は自分で足を落として、一人で村に帰ってきてポーションを使ったが、塞がったのは傷口だけで切り落とした足はそのままだ。
親父とマルゴおばさんが街の治癒士に診せてくれたが、金貨を払って買えたのは、動かない足だった。
…これでいいか?」
金貨って、一千万メレ!? 中途半端な治療で1千万メレって……。
「自分で足を切り落としたんですか? それに1人で帰ってきたって……」
「奴等はホーンラビットを追いかけて行って、側にはいなかった」
「ルシアンさんは熱を出していて、足が腐り始めていたのに!?」
自分を庇ってくれたルシアンさんを放り出して、狩りに行ったの? まともに治療をしていない怪我人を引き止めたって、なにそれ……。
「足を切り落として、どうやって1人で?」
「森の入り口に馬をつないでいたからな。 …一体何なんだ? これが必要な情報なのか!?」
ルシアンさんは仲間を信用できなくなって、自分で足を切り落として、馬に乗って独りで帰った?
自分で切り落としたことで意識が変わってしまったのかも…。 そこに半端なリカバーで、見た目だけの治療になった?
自分なりの解釈をしながら、もう一度、骨のない足に手を置き【診断】をかける。
状態:先天性の右脛骨欠損 (膝から足首までの骨がない)
:リカバー 2回 (ただし、下腿部を一度切断すること。もともと健康体であること)
やっと出た! 治療法! リカバー2回で治せる!!
……え?
………ええっ!?
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