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第二章
21.スライムの別れ
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今日はボクとアインの旅立ちの日。
みんな、町の門まで見送りに来てくれた。
「ニイムとアインがいなくなったら寂しくなるなぁ」
「ホントよね~……」
「わたくしなんて、たった一日しか一緒にいられませんでしたわ! もっとお話してみたかったのに……」
「つーか異次元収納がなくなるのが痛ェわ。本人(?)の意思ってことなら仕方ねえけどよ……」
クリス達も涙ながらに別れを惜しんで……うん、そうでもない人もいるけど、まぁそれはそれだ。
「ニイム、元気でね……」
『フェリもね! 次に会う時は、おみやげに面白い話を持って来るからね』
「ぼくも……色んなこと、話せるように……がんばるね……」
『うん! フェリの成長、楽しみにしてるよ~♪』
フェリは赤い目をしながら、しっかりと抱きしめてくれる。
この柔らかい感触ともしばらくお別れだなぁ……。
ボクとフェリが最後のお別れをしてる横で、アインとクリス達も最後の言葉を交わしてた。
「俺達はしばらくこの近辺にいるだろうから、また近く寄ることがあったら訪ねてくれ。ギルドで聞けば詳しい場所も分かるはずだ」
「分かった」
「アイン、ニイムちゃんと仲良くね!」
「ああ」
「でもあんまし町中で喋んなよ? スライムと会話する変な奴って思われっから」
「……ああ」
「今度は戦っているところも見せてくださいね。次を楽しみにしていますわ」
「ああ」
……って、アインってば『ああ』ばっかりじゃないか!
んもう、お別れの時ぐらいもっと気の利いたことでも言えばいいのにぃ!
まぁ、アインらしいと言えばアインらしいけどさ……。
「では、行くぞ」
『うん……』
――ぽいん、ぽいん、ぽいん……
ボクは、アインと一緒に歩き出した。
フェリと出会ってから、色んなことがあったなぁ……。
スライムの身で冒険者をやることになるとは思わなかったし。
それにクリス達と最初に会った時は、まさか一緒にパーティーを組むことになるなんて……ねぇ?
奇襲にあってクリスが死にそうになったり、ものすごい迫力のミノタウロスと戦うことになったり、大変なこともあったけど今になってみれば良い経験だと思える。
ティナとはちょっとしか一緒にいれなかったけど、どんな子なのかもっと知りたかったな。
あぁ……思い出と一緒に、また未練が湧いてきちゃうよ……。
って、ダメだダメだ!
これは悲しいお別れなんかじゃない。
また会えたね、って言うためのお別れなんだ。
だから、ちゃんと笑顔でアイサツしないとねっ!
『みんな……ありがとー! みんなと会えて良かった! 一緒に冒険できて楽しかったよ! また、会おうね~!!』
――ぽいーん!!
みんな、町の門まで見送りに来てくれた。
「ニイムとアインがいなくなったら寂しくなるなぁ」
「ホントよね~……」
「わたくしなんて、たった一日しか一緒にいられませんでしたわ! もっとお話してみたかったのに……」
「つーか異次元収納がなくなるのが痛ェわ。本人(?)の意思ってことなら仕方ねえけどよ……」
クリス達も涙ながらに別れを惜しんで……うん、そうでもない人もいるけど、まぁそれはそれだ。
「ニイム、元気でね……」
『フェリもね! 次に会う時は、おみやげに面白い話を持って来るからね』
「ぼくも……色んなこと、話せるように……がんばるね……」
『うん! フェリの成長、楽しみにしてるよ~♪』
フェリは赤い目をしながら、しっかりと抱きしめてくれる。
この柔らかい感触ともしばらくお別れだなぁ……。
ボクとフェリが最後のお別れをしてる横で、アインとクリス達も最後の言葉を交わしてた。
「俺達はしばらくこの近辺にいるだろうから、また近く寄ることがあったら訪ねてくれ。ギルドで聞けば詳しい場所も分かるはずだ」
「分かった」
「アイン、ニイムちゃんと仲良くね!」
「ああ」
「でもあんまし町中で喋んなよ? スライムと会話する変な奴って思われっから」
「……ああ」
「今度は戦っているところも見せてくださいね。次を楽しみにしていますわ」
「ああ」
……って、アインってば『ああ』ばっかりじゃないか!
んもう、お別れの時ぐらいもっと気の利いたことでも言えばいいのにぃ!
まぁ、アインらしいと言えばアインらしいけどさ……。
「では、行くぞ」
『うん……』
――ぽいん、ぽいん、ぽいん……
ボクは、アインと一緒に歩き出した。
フェリと出会ってから、色んなことがあったなぁ……。
スライムの身で冒険者をやることになるとは思わなかったし。
それにクリス達と最初に会った時は、まさか一緒にパーティーを組むことになるなんて……ねぇ?
奇襲にあってクリスが死にそうになったり、ものすごい迫力のミノタウロスと戦うことになったり、大変なこともあったけど今になってみれば良い経験だと思える。
ティナとはちょっとしか一緒にいれなかったけど、どんな子なのかもっと知りたかったな。
あぁ……思い出と一緒に、また未練が湧いてきちゃうよ……。
って、ダメだダメだ!
これは悲しいお別れなんかじゃない。
また会えたね、って言うためのお別れなんだ。
だから、ちゃんと笑顔でアイサツしないとねっ!
『みんな……ありがとー! みんなと会えて良かった! 一緒に冒険できて楽しかったよ! また、会おうね~!!』
――ぽいーん!!
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こんにちは(´∀`*)
初めて感想を書かせていただきます
二人共可愛いです(≧∇≦)
これからストーカー天使の監視の下、二人の旅が始まるんですね(笑)
どんな事が待ち受けているのか…楽しみです!これからも応援しています(・x・)/
それと質問なんですが…
22話で薬草と魔石を収納している、と書かれていますが進化前では消化していますし、ブラックスライムに進化してからは、すぐに外に出た描写があるので収納するタイミングが無いと思います
こちらの勘違いかもしれませんが、確認のほどよろしくお願いしますm(*_ _)m
それと、端末の問題かもしれませんが22話と23話が同じ内容になっています
この小説を応援しています!
これから寒くなるので体に気をつけてください
o(≧∇≦)o
すみません、ずっと書き込みに気づいていませんでした!
遅ればせながら、返信をさせていただきます~(;・ω・)
>二人共可愛いです(≧∇≦)
>これからストーカー天使の監視の下、二人の旅が始まるんですね(笑)
>どんな事が待ち受けているのか…楽しみです!これからも応援しています(・x・)/
でへへ、ありがとうございます(*゚▽゚*)
最近ではストーカーもなりを潜め、よりストーカーらしく見えないところからストーキングをしていることかと思います。
>22話で薬草と魔石を収納している、と書かれていますが進化前では消化していますし、ブラックスライムに進化してからは、すぐに外に出た描写があるので収納するタイミングが無いと思います
ブラックスライムに進化する直前、薬草と魔石がモッタイナイからと体に入れようと奮闘しているところ。
収納が成功=進化、という流れになっています。
少しわかりにくかったかもしれませんが…そういうことで、どうか補完いただければ!
>22話と23話が同じ内容になっています
はいっ、申し訳ありませんっ!
第二章を作った時かな? 各話を移動しているときに気が付きました…。
コッソリ修正済みです。
今まで22→24と読み進めていた方には申し訳ないです(´・ω・`)
というわけで、感想ありがとうございましたー!
楽しんで読んでもらえて、とっても嬉しいです。
もうすぐ完結の予定ですが、あともう少しお付き合いいただけたらと思います。