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第二章
7.体当たりスライム
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「ミノタウロスはこの先の大部屋にいる。取り巻きはソルジャースケルトンが二体。たぶん罠は無し」
「よし、大方予想通りだな。ありがとうシーロ」
野営を終えたボク達は、中ボスがいるっていう部屋の近くまで来ていた。
こういう時、シーロの斥候スキルや技術がすごく役に立つ。
おかげで準備万端で戦えるもんね!
「俺がミノタウロス、シーロとフェリがソルジャースケルトンを一体ずつ受け持つ。セシリアは火の矢でソルジャースケルトンを一体ずつ確実に仕留めていってくれ。二体とも仕留められたら、全員でミノタウロスと交戦だ」
「オーケー」「わかったわ!」「はい」『ばっちこーい!』
ボクはもちろんフェリとセットだ。
ボクが人並みに考えるスライムだってことはクリス達も知ってるけど、戦力的には一人前って言えないからねぇ。
「アインは入り口で待機を。他のモンスターが来るようなら、そっちは任せても良いかな」
「ああ」
アインなら一人でもバッサバッサなぎ倒せるもんね~。
頼もしい限りだよ!
「よし、じゃあ……行くぞ!」
ボク達はボスがいる部屋に素早く駆け込み、作戦通り散開した。
うん、クリスとシーロは予定通りのモンスターに行ったね。
よーし、ボク達もまずはソルジャースケルトンをやっつけるぞ!
「ニイム、行くよ……!」
『オッケー、任せてっ!』
フェリはクリスに倣って盾持ちスタイルだ。
小さめの盾だけどフェリが捌くにはちょうど良い大きさで、ボクと二人で戦う時は盾役をしてくれる。
「っく……はぁっ!」
『おりゃおりゃー! てやーっ!』
――ごぼいんっ! ごぼいんっ!
フェリが注意を引きつけてくれてる間に、背後から体当たりアターック!
……って、骨だからあんまり効かないよぉ……。
『フェリ、ボクの体当たりじゃ隙を作れないかも! 頭を吹っ飛ばせない~!』
「う、うん……!」
スケルトン系は頭を壊すのが定番の倒し方だ。
別に体から切り離さなくてもいいんだけど、セシリアは魔法を当てるのが苦手らしくて……動かなくしてからじゃないと難しいんだって。
『ボクが注意を引きつけるから、代わりにフェリが頭をお願い!』
「で、でも……ぼく……!」
フェリが何かを躊躇ってる。
ぬうぅ、それならここはボクが頑張って体当たりを極めるしか……!
「おい坊主、そっちまだか!」
ボク達がもたもたしていると、シーロの声が飛んできた。
あっちのソルジャースケルトンは倒し終わっていて、セシリアも次の魔法の準備ができてるみたい。
完全にボクら待ちだ!
――ごぼいんっごぼいんっ! ごぼいんっごぼいんっ!
『ぐぬぬぅ~! フェリ~、やっぱり難しい~!』
「うぅっ……」
必死に体当たりを繰り返したけど、やっぱり頭を吹っ飛ばせない。
位置が高くてよく動くし……あぁもう、こういう時もっと攻撃手段があればなぁ!
「ったく、何やってんだ……よっ!!」
――ガッキィーン!
応援に駆けつけてくれたシーロがソルジャースケルトンの頭をカッ飛ばしてくれた!
そこに、すかさずセシリアの火の矢がヒット。前の時と同じく、煤だらけになって沈黙した。
……命中したのは3本中の1本だけだったね、今回も。
『ありがとう、シーロ! セシリア!』
「ご、ごめんなさい……」
「しっかりしろよ! ほれ、次だ次!」
「は、はいっ!」
そうだ、次こそが本命。ミノタウロスとの戦闘が待ってる。
クリスを早く楽にしてあげなくちゃ!
「よし、大方予想通りだな。ありがとうシーロ」
野営を終えたボク達は、中ボスがいるっていう部屋の近くまで来ていた。
こういう時、シーロの斥候スキルや技術がすごく役に立つ。
おかげで準備万端で戦えるもんね!
「俺がミノタウロス、シーロとフェリがソルジャースケルトンを一体ずつ受け持つ。セシリアは火の矢でソルジャースケルトンを一体ずつ確実に仕留めていってくれ。二体とも仕留められたら、全員でミノタウロスと交戦だ」
「オーケー」「わかったわ!」「はい」『ばっちこーい!』
ボクはもちろんフェリとセットだ。
ボクが人並みに考えるスライムだってことはクリス達も知ってるけど、戦力的には一人前って言えないからねぇ。
「アインは入り口で待機を。他のモンスターが来るようなら、そっちは任せても良いかな」
「ああ」
アインなら一人でもバッサバッサなぎ倒せるもんね~。
頼もしい限りだよ!
「よし、じゃあ……行くぞ!」
ボク達はボスがいる部屋に素早く駆け込み、作戦通り散開した。
うん、クリスとシーロは予定通りのモンスターに行ったね。
よーし、ボク達もまずはソルジャースケルトンをやっつけるぞ!
「ニイム、行くよ……!」
『オッケー、任せてっ!』
フェリはクリスに倣って盾持ちスタイルだ。
小さめの盾だけどフェリが捌くにはちょうど良い大きさで、ボクと二人で戦う時は盾役をしてくれる。
「っく……はぁっ!」
『おりゃおりゃー! てやーっ!』
――ごぼいんっ! ごぼいんっ!
フェリが注意を引きつけてくれてる間に、背後から体当たりアターック!
……って、骨だからあんまり効かないよぉ……。
『フェリ、ボクの体当たりじゃ隙を作れないかも! 頭を吹っ飛ばせない~!』
「う、うん……!」
スケルトン系は頭を壊すのが定番の倒し方だ。
別に体から切り離さなくてもいいんだけど、セシリアは魔法を当てるのが苦手らしくて……動かなくしてからじゃないと難しいんだって。
『ボクが注意を引きつけるから、代わりにフェリが頭をお願い!』
「で、でも……ぼく……!」
フェリが何かを躊躇ってる。
ぬうぅ、それならここはボクが頑張って体当たりを極めるしか……!
「おい坊主、そっちまだか!」
ボク達がもたもたしていると、シーロの声が飛んできた。
あっちのソルジャースケルトンは倒し終わっていて、セシリアも次の魔法の準備ができてるみたい。
完全にボクら待ちだ!
――ごぼいんっごぼいんっ! ごぼいんっごぼいんっ!
『ぐぬぬぅ~! フェリ~、やっぱり難しい~!』
「うぅっ……」
必死に体当たりを繰り返したけど、やっぱり頭を吹っ飛ばせない。
位置が高くてよく動くし……あぁもう、こういう時もっと攻撃手段があればなぁ!
「ったく、何やってんだ……よっ!!」
――ガッキィーン!
応援に駆けつけてくれたシーロがソルジャースケルトンの頭をカッ飛ばしてくれた!
そこに、すかさずセシリアの火の矢がヒット。前の時と同じく、煤だらけになって沈黙した。
……命中したのは3本中の1本だけだったね、今回も。
『ありがとう、シーロ! セシリア!』
「ご、ごめんなさい……」
「しっかりしろよ! ほれ、次だ次!」
「は、はいっ!」
そうだ、次こそが本命。ミノタウロスとの戦闘が待ってる。
クリスを早く楽にしてあげなくちゃ!
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