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第一章
王国と手紙
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文書には、東京にある宮殿で担当官と面会し、聞き取り調査を行うと書かれていた。
しかも、交通費や宿泊費用まで支給されるという待遇だった。
無戸籍の調査に協力すれば、もしかすると、長年の苦しみから解放されるかもしれないと、期待感が高まる。
そもそも、調査されるだけで、無条件に戸籍が得られるとは限らないし、この王室からの文書の信頼性も分からない。
一人で悩んでも、王室に行くかどうか決めることが出来ず、私の無戸籍の問題をよく知る川崎施設長に相談することにした。
川崎施設長は、私が無戸籍になった経緯や、学校や就労に関するあらゆる不都合に対して、一番の理解者だ。
私は施設の夜勤シフトに入った日に、川崎施設長に手紙を渡し説明した。
「いたずらじゃないかしら。怪しいから、すぐ捨てなさい」
「でも、もしかしたら、戸籍が貰えるかもしれないし…」
「変な期待はやめなさい。さ、子どもたちの部屋の見回りをお願いね」
「……」
川崎施設長の反応は、私の予想とは真逆だった。
私のために、様々な団体役所、教育機関に出向き、奔走してくれていた過去を知っているだけに、なぜここまで興味を断つような言い方をするのか、不思議に思った。
きっと川崎施設長は私に王室に行くよう背中を押してくれるだろうという期待や思い込みがあり、私は動揺した。
王室に行くことを否定され、私はさらにこの無戸籍調査への関心が高まってしまった。
それに、生まれてからずっと、この地域を離れたことがなく、もちろん東京にも行ったことがなく、都会へのあこがれもあった。
この手紙がいたずらであったとしても、王室で門前払いされるだけで、対してダメージはないはずだ。
あとは、東京観光だと思っていけばいい。
私は、東京の王室に出向くことを決心した。
しかも、交通費や宿泊費用まで支給されるという待遇だった。
無戸籍の調査に協力すれば、もしかすると、長年の苦しみから解放されるかもしれないと、期待感が高まる。
そもそも、調査されるだけで、無条件に戸籍が得られるとは限らないし、この王室からの文書の信頼性も分からない。
一人で悩んでも、王室に行くかどうか決めることが出来ず、私の無戸籍の問題をよく知る川崎施設長に相談することにした。
川崎施設長は、私が無戸籍になった経緯や、学校や就労に関するあらゆる不都合に対して、一番の理解者だ。
私は施設の夜勤シフトに入った日に、川崎施設長に手紙を渡し説明した。
「いたずらじゃないかしら。怪しいから、すぐ捨てなさい」
「でも、もしかしたら、戸籍が貰えるかもしれないし…」
「変な期待はやめなさい。さ、子どもたちの部屋の見回りをお願いね」
「……」
川崎施設長の反応は、私の予想とは真逆だった。
私のために、様々な団体役所、教育機関に出向き、奔走してくれていた過去を知っているだけに、なぜここまで興味を断つような言い方をするのか、不思議に思った。
きっと川崎施設長は私に王室に行くよう背中を押してくれるだろうという期待や思い込みがあり、私は動揺した。
王室に行くことを否定され、私はさらにこの無戸籍調査への関心が高まってしまった。
それに、生まれてからずっと、この地域を離れたことがなく、もちろん東京にも行ったことがなく、都会へのあこがれもあった。
この手紙がいたずらであったとしても、王室で門前払いされるだけで、対してダメージはないはずだ。
あとは、東京観光だと思っていけばいい。
私は、東京の王室に出向くことを決心した。
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