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第18章 ローハンに吹く風
205 ローハン
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「ここがローハンか」
馬車の上から周囲を見渡す。
なだらかな丘陵地帯から街道へと視線を移すとそこには草原が広がっていた。
僅かながらの丘と所々にある低木の広がる平野がどこまでも続いている。まるで西洋絵画のようだ。
どちらかといえば森の多いダルシアとは雰囲気が違う。
「魔素が薄い感じだな」
「ダルシアが異常なのです」
「あんなとこに住むのがおかしいのよ」
そうか、やはりこのくらいが普通なんだろうな。ここは隣国だ。これもお国柄ってやつか。
「なんだ、ユウは異国は初めてか?」
「ええ、ダルシアから出るのは初めてです」
迷宮とか魔の森とかは突破したけどもな。てか、俺って冒険ばかりしてるな。まあ使命だから仕方ないけども。
「私は最初の派遣地がローハンだった。大変だったよ。まさか最初からドラゴンの相手をさせられるとはな~、ははははっ!」
「…ドラゴン⁈」
実に簡単に言うがドラゴンって…マジか。実に頼りになるが──亜竜だよな? まさか正統なるドラゴンとかじゃないよな? いや…リスティならありうるか。
さすが残念なリスティ
頼りになるけど嫁には遠慮したい。
バビロニアの叡智の結晶である俺なら余裕だが、普通の…まあ普通じゃないにしても人族としては驚異的だ。是非にお近付きになりたいものだ。あくまでも友人としてだが。
壮絶な美女
ただかデカい。
2メートル近いもの。
街道は何処までも続くかのように地平線にまで伸びていた。森や山の多いダルシアとはえらい違いだ。
この辺りはローハンの騎兵が見回りをしており、定期的に魔獣狩りや盗賊狩りを行っているので治安はかなり高いレベルで頼まれているらしい。
この平原を中心にして王国、皇国、教国、帝国が睨み合いをしているが、大陸でも最強の騎兵団を誇るローハンがその一角を押さえている所為で小競り合いはあっても大規模戦争にまでは発展しにくいそうだ。
「ローハンがぐらつくと怪しくなるのか」
夜営地でアルマンドさんからこの辺りの事情を説明された。
だから王国もローハンとの交易を推奨して繋がりを保つ努力を惜しまないのか。
商隊の皆も国境で事件に巻き込まれはしたものの、ローハンに入り少し落ち着いているようだ。危険な辺境ダルシアとは違うって事か。実にのんびりした雰囲気である。
「ほう、中々に素早いな!」
リスティは元気すぎるがな。
「リスティ様こそ隙が無い!」
大剣をまるで小枝の様に振るうリスティに対して、キャシィは双剣で上手く受け流し懐に飛び込む隙を伺っている。
やはり力に押され後手に回り続けているのも無理からぬ事だろう。何しろ大陸にその名の轟く『姫騎士リスティ』だからな。
リスティの従者も何やら感心している。
「あれで騎士や戦士ではなく遊撃や探索がメインのスカウトやシーフとは恐れ入った」
「是非にリスティ様のお側に仕えさせたい」
そうか、キャシィは多才だからな。
移動力も高く、迷宮で罠を解除したり前衛として探索役もこなし、鞭で中距離範囲攻撃も弓矢で遠距離攻撃もこなす。
接近戦では双剣で斬り結び八面六臂の大活躍のオールラウンダーだ。
短槍と小盾も考えてたんだが、どうも双剣の方が才能がある様に見える。それに毒針も隠してるんだよな。
お互い手加減しあっているが火花散る剣戟に商隊のそれなりに強い者達も呆れて見ている。
シルビアも2人の様子を見ながら何やら魔法杖を振るい色んな構えを試している。接近戦に備えてバックラーを装備しており、護身用に小剣を腰にさしている。
風魔法の加護を受けた飛剣なんかも面白そうだ。シルビアは風の適正があるからな。威力も上がりそうだ。
「はあっ!」
リスティが上段からのいわゆるガバ面を放ったのを見切ったかのようにキャシィは切っ先では無く根元で受けそのまま懐に飛び込んだ。そして圧力を受けて双剣を離せないと察すると、なんと双剣を捨てそのまま身を翻し懐から短剣を取り出すと、リスティの脇腹に取り付いた。だかリスティも大剣を跳ね上げて下からキャシィの肩口を捉える。
(あの大剣を小枝みたいに振るうな)
燕返しっぽいな。
刃のない練習用だからこんなもんだが、リスティの愛剣は恐らく何らかの魔力付与された負けんの筈だ。そもそも、キャシィはその前の段階で真っ二つにされているだろう。
(まあ、キャシィだって本気でやり合うなら、そのまま受けるなんて事はせずに、弓矢で牽制しつつ、鞭で勝負するんだろうが)
互いに攻撃を寸止めし、一瞬の沈黙がその場を包む。
「見事だ。話によるとダルシアでは大活躍らしいな。その噂に違わぬ実力を見せてもらった」
リスティが満面の笑みを浮かべてそう告げるとキャシィも実にいい笑顔で答えた。
「い、いえ、手加減して貰えましたから、何とか追い付けました」
何故か俺と話す時より敬語になっている。まあ、この大陸における生きた英雄の1人だからな。こう、あれか、アイドルとファンみたいな関係なんだろうか?
「実に素晴らしい。是非に仲間に欲しい」
「あのリスティ様を前に怖じける事なく剣を交える事が出来るだけでも並では無い。余程凄まじい修練を積んだのでしょう」
側近の会話を聞いているとやはり何らかのスキルが発動していたらしい。『王の威圧』とかの全体に行動阻害を掛けるタイプの様だが、伝説級の魔獣や黒の者達を相手取って来たキャシィやシルビアが、英雄とは言え個人のスキル程度では干渉出来ないのだろう。
ジッと側近達が俺を見つめ──いや睨んでいる。
「あの男、ただの美少年では無いな」
「是非にリスティ様の小姓に」
不穏な空気が漂う。
リスティも美人なんだがな。褥を共にするのは丸腰でライオンの檻に飛び込む様なもなのだ。怖い──はっ! これも『王の威圧』なのか!
陰でこっそりビビっていると、キャシィが隣に座り汗を拭きはじめた。何だかいい匂いがする。
「腕が更に上がったな」
出来る男はケアを忘れない。
「そ、そうね、何時もとんでもない事件に巻き込まれるから修練の必要もする時間も無いおかげよ」
実に嬉しそうだ。うむうむ、良い傾向だね。ランク的にはCを軽く超えてると思う。少なくてもゼイラムやスグワルト辺りは軽く抜いてるっぽい。
そう思ってキャシィの綺麗な横顔を眺めいると耳まで真っ赤になっている。どうしたんだろうか?
「ユウ、手が太ももに伸びてるんだけど」
「えっ、あっ!しまった!」
慌てて手を引っ込める。周りには見えてなかったと思うが…と思ったらシルビアがジト目で此方を見ていた。
感覚共有でもしてるのだろうか?
だがシルビアも耳まで赤い。
「仲睦まじい事だな」
その時、リスティが俺の前に立ち、剣を差し出して来た。
「仲間の腕前は大したものだ。さあ、次はユウ、お前の腕前を見せてもらおうか」
さすが脳筋、頭の中はその事だけか。
回りも俺とリスティのやりとりに興味深々らしく目線を向けず様子を伺っている気配である。
触らぬ神に祟りなし
でもそう言う訳にもいかないな。
「お受けしましょう、リスティ様」
ここは異世界
そして俺の冒険譚だ。
引く訳にはいかんよな。
ニヤリと笑うその笑みは正に英雄に相応しい迫力あるものだった。
馬車の上から周囲を見渡す。
なだらかな丘陵地帯から街道へと視線を移すとそこには草原が広がっていた。
僅かながらの丘と所々にある低木の広がる平野がどこまでも続いている。まるで西洋絵画のようだ。
どちらかといえば森の多いダルシアとは雰囲気が違う。
「魔素が薄い感じだな」
「ダルシアが異常なのです」
「あんなとこに住むのがおかしいのよ」
そうか、やはりこのくらいが普通なんだろうな。ここは隣国だ。これもお国柄ってやつか。
「なんだ、ユウは異国は初めてか?」
「ええ、ダルシアから出るのは初めてです」
迷宮とか魔の森とかは突破したけどもな。てか、俺って冒険ばかりしてるな。まあ使命だから仕方ないけども。
「私は最初の派遣地がローハンだった。大変だったよ。まさか最初からドラゴンの相手をさせられるとはな~、ははははっ!」
「…ドラゴン⁈」
実に簡単に言うがドラゴンって…マジか。実に頼りになるが──亜竜だよな? まさか正統なるドラゴンとかじゃないよな? いや…リスティならありうるか。
さすが残念なリスティ
頼りになるけど嫁には遠慮したい。
バビロニアの叡智の結晶である俺なら余裕だが、普通の…まあ普通じゃないにしても人族としては驚異的だ。是非にお近付きになりたいものだ。あくまでも友人としてだが。
壮絶な美女
ただかデカい。
2メートル近いもの。
街道は何処までも続くかのように地平線にまで伸びていた。森や山の多いダルシアとはえらい違いだ。
この辺りはローハンの騎兵が見回りをしており、定期的に魔獣狩りや盗賊狩りを行っているので治安はかなり高いレベルで頼まれているらしい。
この平原を中心にして王国、皇国、教国、帝国が睨み合いをしているが、大陸でも最強の騎兵団を誇るローハンがその一角を押さえている所為で小競り合いはあっても大規模戦争にまでは発展しにくいそうだ。
「ローハンがぐらつくと怪しくなるのか」
夜営地でアルマンドさんからこの辺りの事情を説明された。
だから王国もローハンとの交易を推奨して繋がりを保つ努力を惜しまないのか。
商隊の皆も国境で事件に巻き込まれはしたものの、ローハンに入り少し落ち着いているようだ。危険な辺境ダルシアとは違うって事か。実にのんびりした雰囲気である。
「ほう、中々に素早いな!」
リスティは元気すぎるがな。
「リスティ様こそ隙が無い!」
大剣をまるで小枝の様に振るうリスティに対して、キャシィは双剣で上手く受け流し懐に飛び込む隙を伺っている。
やはり力に押され後手に回り続けているのも無理からぬ事だろう。何しろ大陸にその名の轟く『姫騎士リスティ』だからな。
リスティの従者も何やら感心している。
「あれで騎士や戦士ではなく遊撃や探索がメインのスカウトやシーフとは恐れ入った」
「是非にリスティ様のお側に仕えさせたい」
そうか、キャシィは多才だからな。
移動力も高く、迷宮で罠を解除したり前衛として探索役もこなし、鞭で中距離範囲攻撃も弓矢で遠距離攻撃もこなす。
接近戦では双剣で斬り結び八面六臂の大活躍のオールラウンダーだ。
短槍と小盾も考えてたんだが、どうも双剣の方が才能がある様に見える。それに毒針も隠してるんだよな。
お互い手加減しあっているが火花散る剣戟に商隊のそれなりに強い者達も呆れて見ている。
シルビアも2人の様子を見ながら何やら魔法杖を振るい色んな構えを試している。接近戦に備えてバックラーを装備しており、護身用に小剣を腰にさしている。
風魔法の加護を受けた飛剣なんかも面白そうだ。シルビアは風の適正があるからな。威力も上がりそうだ。
「はあっ!」
リスティが上段からのいわゆるガバ面を放ったのを見切ったかのようにキャシィは切っ先では無く根元で受けそのまま懐に飛び込んだ。そして圧力を受けて双剣を離せないと察すると、なんと双剣を捨てそのまま身を翻し懐から短剣を取り出すと、リスティの脇腹に取り付いた。だかリスティも大剣を跳ね上げて下からキャシィの肩口を捉える。
(あの大剣を小枝みたいに振るうな)
燕返しっぽいな。
刃のない練習用だからこんなもんだが、リスティの愛剣は恐らく何らかの魔力付与された負けんの筈だ。そもそも、キャシィはその前の段階で真っ二つにされているだろう。
(まあ、キャシィだって本気でやり合うなら、そのまま受けるなんて事はせずに、弓矢で牽制しつつ、鞭で勝負するんだろうが)
互いに攻撃を寸止めし、一瞬の沈黙がその場を包む。
「見事だ。話によるとダルシアでは大活躍らしいな。その噂に違わぬ実力を見せてもらった」
リスティが満面の笑みを浮かべてそう告げるとキャシィも実にいい笑顔で答えた。
「い、いえ、手加減して貰えましたから、何とか追い付けました」
何故か俺と話す時より敬語になっている。まあ、この大陸における生きた英雄の1人だからな。こう、あれか、アイドルとファンみたいな関係なんだろうか?
「実に素晴らしい。是非に仲間に欲しい」
「あのリスティ様を前に怖じける事なく剣を交える事が出来るだけでも並では無い。余程凄まじい修練を積んだのでしょう」
側近の会話を聞いているとやはり何らかのスキルが発動していたらしい。『王の威圧』とかの全体に行動阻害を掛けるタイプの様だが、伝説級の魔獣や黒の者達を相手取って来たキャシィやシルビアが、英雄とは言え個人のスキル程度では干渉出来ないのだろう。
ジッと側近達が俺を見つめ──いや睨んでいる。
「あの男、ただの美少年では無いな」
「是非にリスティ様の小姓に」
不穏な空気が漂う。
リスティも美人なんだがな。褥を共にするのは丸腰でライオンの檻に飛び込む様なもなのだ。怖い──はっ! これも『王の威圧』なのか!
陰でこっそりビビっていると、キャシィが隣に座り汗を拭きはじめた。何だかいい匂いがする。
「腕が更に上がったな」
出来る男はケアを忘れない。
「そ、そうね、何時もとんでもない事件に巻き込まれるから修練の必要もする時間も無いおかげよ」
実に嬉しそうだ。うむうむ、良い傾向だね。ランク的にはCを軽く超えてると思う。少なくてもゼイラムやスグワルト辺りは軽く抜いてるっぽい。
そう思ってキャシィの綺麗な横顔を眺めいると耳まで真っ赤になっている。どうしたんだろうか?
「ユウ、手が太ももに伸びてるんだけど」
「えっ、あっ!しまった!」
慌てて手を引っ込める。周りには見えてなかったと思うが…と思ったらシルビアがジト目で此方を見ていた。
感覚共有でもしてるのだろうか?
だがシルビアも耳まで赤い。
「仲睦まじい事だな」
その時、リスティが俺の前に立ち、剣を差し出して来た。
「仲間の腕前は大したものだ。さあ、次はユウ、お前の腕前を見せてもらおうか」
さすが脳筋、頭の中はその事だけか。
回りも俺とリスティのやりとりに興味深々らしく目線を向けず様子を伺っている気配である。
触らぬ神に祟りなし
でもそう言う訳にもいかないな。
「お受けしましょう、リスティ様」
ここは異世界
そして俺の冒険譚だ。
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