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粗暴な彼女と小柄な彼
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「クソが! 入んねー!」
無理矢理ちんちんをネジ込もうとする男は私の幼馴染、日下部 保唯。
親公認の許嫁でもある。
子供の頃から通っている合気道道場の師範の三男で歳は同じ17歳。
保唯の兄二人は父親の人柄の良さを受け継いだのに、保唯だけはどうしようもないクズに育った。
ずっと一緒に育った私も男勝りで口より先に手が出る暴力女になった。
けど……少しずつ常識のようなモノも判るようになった分、保唯よりはマシかもしれない。
「痛ッ!」
全く入る気がしない。
我慢できなくなった私は脚でガードしならが上半身を起こして距離をとる。
だけど保唯はお構いなしに私の脚を掴み無理矢理開こうとした。
「止めろ!」
咄嗟に保唯の手首を掴んで関節を極める。
「離せボケぇ!」
口調は上からだけど保唯の顔は恐怖で引き攣っていた。
私が本気ならそのまま手首を砕くくらい平気でやることを知っているから。
「クソがっ!」
手を離すと保唯は悪態をつきながらベッドから離れた。
テーブルの上のローションを取って、ちんちんにぶっかけながらベッドへ戻ってくる。
「ヤレなきゃ意味ねぇだろ! さっさと股開けボケぇ!」
言われた通りに開くと股間を覗き込んできた。
膣の入り口を確認した保唯はローションボトルを穴に当てて──ゆっくりとボトルを離していく──。
──無意識に視界に入った保唯はオモチャを壊すときの何とも言えない邪悪な笑みを浮かべていた。
……ボトルの先を突き刺して、こじ開けようとしてる?
直観した瞬間、腰を斜めに引きながら膝蹴りをだす。
「何してんだ!?」
刺さる直前のボトルを蹴り飛ばした私に保唯が返した答えは──。
「ローション入れるついでに広げればさすがに入るだろ?」
──あまりの衝撃に放心していると──。
「次、ヤレなかったら捨てるから」
──と言われた。
保唯の事は嫌いじゃなかった。
好きでもなかったけど叔父さん夫婦や両親の喜ぶ顔に逆らえなくて許嫁になった。
クズでバカで仕合いも喧嘩も私より弱いけど粗暴な私にはお似合いだし、ずっと一緒に居たから愛情はあったかも。
あったかも……うん、今は無い。
あるわけがない。
保唯のちんちんは13センチくらい、ネットで調べたら日本人男子の平均だった。
入らない原因はたぶん私にある。
保唯も私に原因があると解っているから、あんな態度になるんだと思うけど……無いわ。
だから次で最後にしよう。
◇ ◇
高2の冬の終業日。
受け取った個人成績表を確認する。
偏差値69。
よっし! 2上がった!
上機嫌で教室の窓際を見て──。
「上原どうだった?♪」
──帰り支度をしていた小柄な男子に声を掛けた。
「71」
「何でお前も2あがんだよ!」
「また僕の勝ち♪」
「ムカつく~♪」
私の身長は186センチ、上原は149センチ。
胸の高さに上原の頭が来るからヘッドロックしやすい。
痛くないように捕まえて、おっぱいを押し付けながら髪をくしゃくしゃにすると上原は大人しくモフられる。
昔は抵抗していたけど私の胸が膨らみ始めた頃。
服越しに上原の顔が乳首を擦って痛がった私を見てから抵抗しなくなった。
大人しくて目立たない小柄な男子、上原 律はもうひとりの幼馴染。
小中と暴力問題ばかり起こしてきた粗暴な私を学校でまともに相手してくれるのは上原くらいだった。
顔も見た目も普通だけど自分より頭がよくて気軽に話してくれる小柄な上原は私の癒しだ。
「おい、澪。何やってんの?」
保唯は普段私を無視するくせに上原と一緒の時だけ絡んでくる。
「律~。俺の女に触んなっ──」
「──私が触ってんだ! いつも言ってんだろ」
横から上原の髪を掴もうとした保唯の手を弾く。
昔はヤキモチだと思って嬉しかったけど、今は邪魔でしかない。
「っざけんな。不能がよ。気分悪りぃから今日は無し」
そう言うと私の返事も聞かずに教室から出て行った。
「なんか……ごめん」
「気にすんな……あ」
スマホが振動したのでSNSを確認する──。
〔今日お土産届くと思うから保志に渡しといて〕
──長期海外出張中の両親からだ。
これから保唯とクリスマスデートの予定だったけど「今日は無し」って言われたし、予定が無くなった保唯が真面目に稽古しているわけがないから道場に行っても顔を合わせることもないだろ。
それにわざわざ到着日指定して連絡するくらいだから、すぐに届けたほうがよさそう。
〔わかった〕
とだけ返信する。
「用事?」
「うん」
私の予定も無くなったし、保志叔父さんにお土産届けたら年末で忙しい上原の手伝いをするつもりで──。
「あとでな」
──軽く手を挙げると──。
「おう」
──上原も察した表情で返してくれた。
◇ ◇
家に帰って宅配ボックスを確認するとお土産と書かれた小包が入っていた。
さっさと渡してこよう。
歩いて5分もしない近くに子供の頃から通っている保志叔父さんの道場がある。
この時間帯なら道場に居るはずなので直接向かうと──予想通り叔父さんが居た。
お土産を渡すと意地悪そうに私を見ながら口を開く。
「今からデートか?♪」
その顔は何想像してんだ? セクハラ? と思いながら事情を話した。
「デートな……上原とふざけてたら保唯が機嫌悪くなって無しになった」
「んあ゙!?」
重低音で凄むと同時に叔父さんの気配が変わる。
「あの馬鹿連れてくっから、待っててな澪ちゃん」
「いいって。面倒だし」
制止も効かず渡り廊下から自宅へ速足で歩く叔父さんの後を追った。
通用口の鍵を開けて入ると、叔父さんはお土産を床に置いてそのまま二階に上がる。
私は面倒なことになりそうと思いつつ拾ったお土産をリビングテーブルの上に置きなおして1階のトイレへ。
トイレのドアノブを掴んだところで隣の脱衣所から保唯の声が聞こえた。
「やっぱ紬のおまんこは最っ高だわ」
「先輩……次、中に出したらセフレ辞めますから」
「あ? あんだけ喘いで何言ってんの?」
「……そういう話じゃないっすよ先輩。うちは赤ちゃん欲しくないって言ってるんだけど……それに、もう少し澪先輩大事にしたらどうですか?」
「いやもう別れるしヤレない女とか要らんし、てことで今から紬が彼女な」
「はぁ……無理。セフレならいいけど彼女は無理」
「なんだまだ足らねぇの? じゃあ躰で分らせてやるよ」
「いや、ちょ、そういう話じゃないって!」
何だこれ……。
展開に追いつかず思考が固まっていると──。
「ひぃ!」
──背後から凄まじい怒気を感じた。
無言のまま私の横を過ぎて、脱衣所のドアを開ける叔父さん。
「おい何やってんだ保唯? ……棚橋も前隠せ」
ここからふたりの様子は見えないけど無言って事はたぶん固まっているらしい。
「とりあえずだ……棚橋から離れろ保唯……3秒待つ。3……2……」
ガタン
と何かが倒れる音がした。
「し、師範これは……その……」
「いいから棚橋は服を着なさい」
「はい」
叔父さんは怒気を強めながらも冷静に重低音の声で問い詰める。
「今日は澪ちゃんとデートだって言ってたが、これはどういう事だ?」
「……澪とは別れる」
「理由を聴こうか?」
「あいつは律と浮気してる」
はぁ!?
と反応しそうになったのを叔父さんが止めた。
怒気が一瞬だけ殺気に変わって私の躰が委縮した。
「証拠は?」
「澪の……中は狭すぎて俺のは入んねぇ。何回も色々試したけど駄目だった……でも律のなら入る」
「何が言いたい?」
「律は粗チンなんだよ。俺の半分もないからあれなら入る……あいつら今日も教室で抱き合ってたし、デキてんだろ」
「……先輩それって誰も居ない教室で抱き合ってたんすか? あの澪先輩が?」
「あ? それ何か関係あんの?」
馬鹿すぎて話にならない。
反省するどころか私が浮気してるって勝手に決めつけとか、もう無理。
無理と思ったら自然と躰が動いていた。
「帰りのホームルームが終わってすぐだ」
「な゙!?」「ッ!?」
「全国模試で負けて悔しかったから上原をヘッドロックしただけ」
「……す、みませんしたっ!!」
まだ服を着終わっていない半裸で土下座する紬。
謝られても何も感じない。
ふと紬の後ろに目線を移す。
両膝を立てたまま転んで股間丸出しの保唯が居た。
どうでもよくなった。
面倒だ、すぐ済ませて帰ろう。
「叔父さんごめん。許嫁は破棄で」
「もちろんだ。こっちこそすまん」
トイレのドアまで歩いてふたりの前から消えた後、保唯に聞こえるように声を上げる。
「もし別の誰かを好きになったら許嫁を解除する──そういう約束だったよな?」
「……あぁ。お互いの気持ち最優先での許嫁だ」
無言の保唯に代わって叔父さんが答えた。
そうだ最後にこれだけは言っておきたい。
「何が『デキてんだろ』だ……お前と一緒にすんな」
捨て台詞を残して帰宅した。
別れる覚悟はしていたけど……最後まで最悪だ。
でもこれで終わり。
──気分は最悪だけど開放感は凄いな──。
◇ ◇
許嫁を破棄してから1週間、もう大晦日だ。
両親から「すぐ帰る」って言われたけど「大した事ないから仕事しろ!」と強制した。
実際大した事はない。
毎年、叔父さん夫婦と初詣に行ってたけどそんな気分にならないのが少し寂しいだけ。
何もする気がしないから寝る。
そしてまたトラウマの様に思い出す。
『やっぱ紬のおまんこは最っ高だわ』
『いやもう別れるしヤレない女とか要らんし、てことで今から紬が彼女な』
『なんだまだ足らねぇの? じゃあ躰で分らせてやるよ』
私の躰がまともなら浮気しなかったのかな……なんて事は無いね。
あいつクズだし。
だけど問題はあいつじゃない。
私の躰に問題があるわけだから実は何の解決にもなっていない。
もし次の恋人も同じ結果になったら……。
「はぁ~」
ため息をつきながらベッドに潜っているとスマホが震えた。
「ん?」
〔明けましておめでとう〕
送ってきたのは上原だ。
時刻はもう0時を過ぎていた。
〔おめでと!〕
返信しながら上原の顔を思い出す──けど。
『律は粗チンなんだよ。俺の半分もないからあれなら入る』
──同時にあいつの声もリピートした。
私が間近で見たちんちんは、あいつのだけ。
あいつのを思い出そうとして吐き気がした。
本当に無理になったみたい。
裏切った男のちんちんから、癒してくれる親友のちんちんを想像しようとした自分にも嫌気がさして、スマホを持ったままベッドの中でうずくまった。
〔年賀状。ドヤッ!〕
塞ぎこんでいる私なんてお構いなしに画像を送ってくる。
何がドヤだよ。
ツッコミながら見た画像に写っていたのは──白地に青い大輪の花が鮮やかに咲き誇ったとても上品な振袖を着て、振り返りながら満面の笑みを浮かべる私。
振袖なんて着たことない。
小っちゃい頃から道場の男の子とばかりつるんでたし、女っぽい服を着るといつもあいつに馬鹿にされていた。
だから私は七五三でも嫌がって女らしい服は着なかった。
画像に写っている私は月刊連載中のプロの漫画家、上原が描いたイラスト。
見た瞬間に私だと判るほどの描き込み。
よく漫画の仕事を手伝うからこのイラストにどれほど手間が掛かっているのかも解る。
〔なんだよこれ……盛りすぎだろ!〕
爆笑する漫画キャラのスタンプを連打しながら──泣いていた。
……
…………
それからのやり取りは記憶に無い。
感情が溢れでて覚えていない。
「上原、上原ぁ」
気付いたら上原を思いながら独りで慰めていた。
クチュ
「んっ……」
信じられないくらい濡れている。
あいつとする時はこんなになったことは無い。
膣から溢れる粘液を中指ですくってクリの上に落とす。
肌に触れないくらいの加減でそっと粘液を延ばしながら皮に隠れたクリを刺激した。
「っ……んっ、ぁあ……」
すぐに指を入れるのは怖いから少しだけ入口を押す。
それだけでも気持ちいい。
右手でクリと膣口を往復しながら左手でおっぱいをきつく揉んだ。
軽く痛みが走る。
「律……そこは優しく……」
上原が興奮している姿をイメージしながら今度はゆっくりと軽く触る。
「……律ぅ……」
夢中になっていると──。
「……んひぃい!!」
少し指先に力を入れたらクリの皮に掛かったみたい。
ちょっとだけ剥けたクリを粘液まみれの指が擦って強い刺激が襲った。
ピチャ、クチュ
右手はクリに集中して左手で膣口をこねる。
「律ぅ、もう入れて……」
ゆっくりと中指を入れて第一関節が埋まろうとしたところで──。
「……ぃっ、ぃくっ!!」
──腰が跳ね上がった。
……うそ……初めていけた。
あいつに無理やりやらされた時は全然気持ちよくなかったのに。
『律は粗チンなんだよ……あれなら入る』
入る? 馬鹿か……入るじゃない……入れたい……入れたい──律のを入れたい!──律が欲しい!!
〔相談がある〕
スマホを取ると衝動的に誘っていた。
◆ ◆
元旦早々、幼馴染の日下部 澪から相談を持ち掛けられた。
ついでに初詣に行こうって話になって僕は自宅で待機中。
日下部は僕が漫画描きだと知ってからよく手伝ってくれる。
作業場は自宅なので日下部の用事がない土日はほとんど一緒に作業していた。
冬休みも手伝いをお願いしていたけど、終業日の夜に〔体調が悪くなった〕と連絡が来たので手伝いは中止にした。
それだけ仲が良いのに苗字呼びなのは、日下部に許嫁がいるから。
子供が生まれる前から親通しが決めていた許嫁。
そいつに日下部を呼び捨てにするなと脅された。
喧嘩は苦手だけど僕の親戚はみんな化け物みたいに強くて怖い。
だからそいつの脅しなんて赤ちゃんの駄々にしか見えない──無視してもいいけど確かに許嫁がいる女性を呼び捨てにするのはどうかと思って止めた。
日下部は嫌がったけど僕が苗字呼びすると諦めて僕の事も苗字で呼ぶようになった。
昔を思い出しているとチャイムが鳴る。
玄関のドアを開けて挨拶をする。
「いらっしゃ──」
そこで僕は固まった。
いつものボーイッシュな服装とは全く違う。
合気道の稽古で邪魔だからと無造作に束ねられがちな髪は下ろされ、ショートウルフの髪型が日下部の男性的な顔つきによく似合っていてカッコイイのに何だか色っぽい。
スカート姿なんて出会ってすぐの頃か制服でしか見たことがない。
それも制服スカートの下は常にレギンスだったのに今日はタイツ? ストッキング?
暖色系の上下で揃えた落ち着いた感じの服装に大きめの褐色マフラー。
長身ですらっと足が長く筋肉質でモデル体型の日下部は何を着ても映える──じゃない。
どういう心境の変化?
「すまん、母さん出張中だから振袖着れんかった」
「え?」
「せっかく振袖の年賀状貰ったから振袖着ようと思ったけどさ」
「あ、あぁ、いや、うん、振袖姿は見たいけど今のも大人っぽくて似合ってるよ」
「ん゙あ!? 何言ってんだよ! ほら、さっさと行くぞ!」
「おう」
しおらしさが一瞬でいつも通りに戻った──。
近くのちょっと有名な神社で参拝しておみくじを引く。
〔末吉〕〔大吉〕
「運は私のほうがいいっぽい♪」
「そう? 末吉のほうがご利益あるって聞いたけど」
「ばっか、大吉のほうがいいに決まってんだろ!」
「だな」
そしてコンビニ弁当を買う。
お互い人混みは好きじゃない。
相談もあるし、さっさと自宅へ帰ろう──。
正月なのに昼食は自宅でコンビニ弁当。
おせち料理を注文してもいいけど、そもそもおせち料理が好きじゃない。
日下部は食えれば何でもいいほうなので文句を言うどころか美味そうにがっついている。
「駅伝でも見る?」
「親父かよ」
「くくく♪」
「ったくもう」
呆れたまま立ち上がってリビングのソファに座り直した日下部。
しばらくするとアップテンポなジャズ調のBGMが終わって、ゆったりとしたバラードが流れ出す。
僕はテーブルの上を片付けた後、無糖コーラのボトルをふたつ持って日下部の斜め前のソファに座った。
「で、相談って何?」
ボトルを渡しながら切り出す。
受け取った後、一瞬だけ日下部の動きが止まった。
そして意を決したようにとんでもない事を口走る。
「上原って粗チンなん?」
あれ?
「聞き間違いかな?」
「ご、ごめん! 直過ぎた!」
動揺したのか無糖コーラを持ったままの手を振って否定している。
何故、何も持ってないほうの手を振らないのか……。
「だな。まぁ、たぶん粗チンだと思うけど。だったら何?」
「わ、私の中に……上原のちん……入るか試したい」
日下部は喧嘩っ早くて男言葉で声も大きいし身長も高い。
すぐ威圧するし幼少から合気道やってるだけあって強い。
だから学校では孤立していた。
でも、面倒見が良くて気さくでリラックマが好きで何より信頼できるから一部の女子からは凄く慕われている。
僕から見てもこんなイイ女は滅多にいない。
そんな日下部から「ちん○入るか試したい」って言われた。
マジか……わかった今すぐ試そう!──と答えたいところだけど──。
「……待て……どうしてそうなった? ちゃんと順を追って説明して」
──親友は大切にしたい。
「あぁ……まず……保唯と別れた」
「そっか」
結婚する前に別れてよかった。
「それで何回かあいつと……したんだけど……」
「うん」
思ったことがそのまま口に出る日下部だから、もの凄く言葉を選んでいるのが分る。
「たぶん私のが狭すぎて入らなかった」
「……だから僕ので試したいと?」
「……うん」
漫画脳をフル回転してストーリーをシミュレーションする……。
……入らないってなったあの馬鹿が……。
『律の粗チンなら入るんじゃね?www』
とか
『もう律の粗チン入れてもらえよwww』
とか、言ったんだろうか──。
プシュウウウウウッ!
「ふぎゃああーっ!」
──考え中の僕の斜め前で無糖コーラが飛沫き荒れる。
「……あれだけ振ってればこうなるね♪」
「あうう」
全身コーラまみれの僕と日下部。
無糖だからべたつかないけど──。
「シャワー浴びて来なよ」
他意はない。
「い、しょに入りゅ?」
「え?」
噛んだ……真っ赤になりながら噛んだ……何これかわいい。
「あうっ」
速足で脱衣所へ駆け込んでいった。
今まで見たことがない女の子らしい日下部。
鼓動が激しくなって痛い。
なんだよあれ、かわいすぎ……だけど、そうか入らないか。
狭すぎるって、骨盤に問題が有るとかロキなんちゃら症候群だっけ? 先天性腟欠損症とか処女膜強靭症だとそもそも物理的に無理な場合もあるらしい。
病院で診察したほうがいい気がする。
とりあえず飛び散ったコーラをキッチンペーパーで拭き取って、濡らした布巾で二度拭きしていると、お泊り用パジャマを着た日下部が現れた。
仕事上がりにここでシャワーを浴びる事も多いから日下部のパジャマや部屋着も置いてある。
ブラはしていない……程よい大きさの双丘の先が尖っていた。
見ないことにする。
「あとは私がやるよ」
「うん」
布巾を渡して脱衣所へ向かう。
「上原」
「何?」
振り返ろうとして後ろから抱き着かれた。
風呂上がりの日下部の匂いに包まれる。
後頭部から首にかけて張りのある双丘で挟まれて心地良い。
いや心地良くなってる場合じゃないね。
「どうした?」
「私……怖いんだ……出来ない躰じゃないかって……だから……お願い」
段々小さくなっていく声──。
スー、ハァ、スー、ハァ
──と代わって荒くなっていく鼻息。
顔を押し付けて頭の匂いを嗅いでいる。
「落ち着く……」
日下部が満足するまで待つ事にした。
「前にさ……」
「うん」
「エロ漫画の資料で調べたことがあるんだけど」
「エロも描いてたんだ……スケベ」
「男子高校生なめんな」
「童貞キモ♪」
その童貞に抱き着いて頭の匂い嗅いでるのは誰でしょうね?
「骨盤が原因だったり、先天的な問題で出来ない人もいるらしくて」
「そうなんだ」
ギュっと少し強めに抱きしめられ密着する。
もう勃起しすぎて痛いんだが。
「手術すれば治るらしい」
「マジ!?」
「うん、おばさんに相談して病院行ったほうがいいかも」
密着が弱まった。
「……やっぱり上原も私みたいな女は無理なんだ」
そう来たか。
「無理じゃなくて、躰の問題なら専門家を頼ったほうが善いって思った……で、日下部さん」
「なんだよ」
さん付けで呼ばれてあからさまに不機嫌になる。
「このままだと襲いそうだから放して」
「あ゙?」
「日下部を押し倒して無理やりエッチしそうだから放して」
「ぁあ゙!?」
「童貞の性欲なめんな」
「だから……していいって言ってんだよ!」
後ろから抱き着かれたまま両脚を片手ですくわれた。
「日下部にお姫様抱っこされるとは思わなかった」
「うっせぇわ♪」
そのままソファに座らされ無理やり唇を奪われる。
チュ、ニュル
いきなり舌を入れてきた。
日下部の舌が口の中を舐め回す。
僕の舌を絡め取り唾液を啜って飲み込んだ。
なんだろこれ、すっごい気持ちいいんだけどすっごい気持ち悪い。
試しに舌を伸ばして突き出すと──。
ジュチュ、ジュ、ジュ、ジュ
──迷わず吸い付いて何度も頭を上下する。
まるで僕の舌をフェラチオするかのように……。
あぁ……挿入は出来なくてもそれ以外はあいつに仕込まれたのか。
理解した瞬間、日下部の両肩を強く押して離した。
だけどキスで完全に発情した日下部はそのまま上半身を落として僕が穿いてるデニムパンツのベルトを緩め、ボタンを外し、ファスナーを下ろす。
手際良すぎだろ。
止める隙もなくトランクスごとずらされた。
全部じゃない、ペニスが取り出せる最低限までだ。
なるほど……全部脱がさなくていいからさっさと咥えろって事ね……。
ただセックスがしたいだけなら最高かもしれない。
余計な事は言わずに受け入れて楽しめばいい。
ジュッ、ジュポ
躊躇なく僕のペニスにしゃぶりつく日下部を見ながら思った。
このままだと躰だけの関係になる。
ちゃんと好きなら嫌われても言わなきゃいけない。
「日下部悪い、いったん離れて」
レロ、レロ、チュ
「何で? 気持ち良くない?」
「……保唯のやり方じゃなくて僕らのエッチがしたい」
「ッ!? ぅげぇ……」
僕から離れた日下部は見たこともない酷い顔でえずいた。
色々覚悟を決めて吐きそうになっている日下部の唇を唇で塞ぐ。
「ん゙っ!?」
そのまま背中を擦りながら日下部の唇を僕の唇で甘噛みした。
「んっ、はぁ……吐いたらどうすんだよ」
「飲む」
「ば、か! 変態!」
「変態ですが何か?」
涙どころか鼻水も涎も垂れている酷い顔だけど、これはこれでそそると思う僕はどうやら本当に変態のようだ。
「くっ、バカ……でも好き……あと、ごめん」
「傷付ける事言ったから飲むくらいは覚悟しないと。正直キスもフェラも気持ちよかった。またして欲しい。けど今じゃない。今それを受け入れると、躰だけで満足しそう。僕は躰だけじゃなくて澪の心も欲しい」
捲し立てる僕を見つめる日下部の目はもうさっきとは違う。
劣情と激情が混じった淫魔のようだ。
「……もっかい言ぇ……」
「何?」
「もっかい名前言えっつってんだよ! 律っ!!」
「……澪!! 好きだ! エッチしたい!!」
「結局やるんじゅねぇか♡」
「うん、やる。ってことで本題に入ろう」
「どうしたらいい? 律の好きに犯して……」
好きに犯して? ……澪ってマゾっぽいな。
冷静を装いながら今すぐ襲いたい衝動を心の奥に押し込めた。
「まずどうなってるか見たいからソファに座って」
「あう」
首筋まで真っ赤にして俯きながらソファに腰かける。
「もうちょっと浅く座って」
「浅く?」
上目遣いで質問してきた澪の前に跪いて両手をソファとお尻のあいだに差し込んで手前に動かす。
意味を理解した澪は僕が動かしやすいように腰を浮かした。
うっわ。お尻やわらか。
指先に力を入れるとぐにゅっと沈み込む。
ソファからお尻が少しはみ出す位置で座らせた。
「パジャマの下、脱がすね」
「うん」
この格好だと脱がしやすい。
ショーツも一緒にと思ったけど穿いていなかった。
ずり下げて引っかかるとすぐに澪が腰を上げてくれる。
太ももまで脱がしたら両脚がくっついて──オムツを替える時に赤ちゃんのお尻を拭く格好になった。
赤ちゃんプレイに興味は無いけど長身筋肉質モデル体型の澪がやると破壊力が凄まじい。
太ももの付け根には綺麗な一本線が……キラキラと光を反射して神々しくさえある。
「なんか問題あったか?」
「ない。澪がエロ綺麗すぎて見惚れてた」
「ばっ……嬉しい」
パジャマパンツを脚から抜いてソファに投げた。
澪は恥ずかしいのか閉じたままの両脚を左手で抱いて右手でおまんこを隠そうとしている──おい、それだと完全に腰が浮いてお尻の穴が丸見えなんだけど……。
桜色の小さな穴。
かわいい。
「脚開くよ」
「あう」
ゆっくりと開いた先で会ったのは無地の白肌と薄ピンクの一本線。
「剃ったの?」
剃ったにしては綺麗すぎる脱毛かな。
まさか……。
僕の表情が曇ったんだと思う。
すぐに澪が反論した。
「違う! もとから! パイパンはたぶん母さん似。母さんに聴いたら『それ遺伝しちゃったかぁ』って言われた!」
「おばさんの遺伝か」
「想像すんなよ」
澪のおまんこが綺麗すぎておばさんのを想像する余裕なんてない!
「これ……綺麗すぎ」
薄っすらと浮かび上がる腹筋。
高校生らしからぬくびれと、ちょっと大きめなお尻と太もも。
なのにその中心は完全無毛でただ一本のスジマンが濡れて光っていた。
「あ、んまり観んな」
クチャ
一本線を優しく丁寧に開くと愛液が糸を引いて雫が垂れる。
「聞いてねぇし♡」
確か結構下に膣口があったはず──。
「入り口はあるね。広げるから痛かったらすぐ言って」
「分った!」
痛みに耐えるため力を入れたらしく膣口もキュっと締まった。
両サイドから親指を軽く掛けてゆっくりと動かすけど開かない。
乾いた指で触ると痛いだろうから自分の唾液で濡らした人差し指を膣へ差し込む。
全く入る気がしない。
これだと僕のペニスでも無理だ。
「駄目そう?」
「んー。ゆっくり深呼吸して」
スー、ハー、スー、ハー
澪の呼吸に合わせて膣口も少しだけ動く。
もしかして、おまんこに集中しないほうがよい?
やれることは試そう。
「んぅ」
目を閉じて深呼吸する澪に被さって唇が触れる感じでキス。
右手でおまんこのヒダをなぞりながら膣口をほぐす。
時々口を軽く開いては閉じる澪。
なにかを躊躇している感じだ。
「どうしたい?」
「んっ、律の舌舐めたい♡」
「ダメ」
「にゃんだと!?」
「澪が舌だして」
遠慮がちに出してきた舌に吸い付いて唾液を澪の中に流し込んだ。
「ん゙ん゙っ……はぁ♡ 美味しい、もっかいもっかい♡」
溜めた唾液を舌に乗せて澪の前に突き出す。
僕の舌から垂れる唾液を舌で拾って飲み込むと、そのまま舌をしゃぶりだした。
ただ無理やりキスしたときのとは違う。
僕が澪の舌を吸ったやりかたに近い。
ピチャ、ッチュ、チュッ
じっくりと感触を味わいながら愛おしそうにしゃぶり続ける。
いい感じで力が抜けて来た。
これで入らなかったらヤバいな……頼む入ってくれ!
ほぐし続けていた膣口にそっと中指を入れる。
第一関節くらいまで入ると澪の腰が跳ね上がった。
「ん゙!? ぁひいいいいい! みりゅなあああああ!!」
中指の第一関節だけなのに痛いくらいの締め付け。
そういう事か──入らない理由は何となく解ったけど澪は両腕を交差させて顔を隠しながらピクピク痙攣している。
落ち着くのを待とう──。
……
…………
「律にいかされた♡」
顔を隠したまま言う澪。
「可愛すぎ」
「あうう」
脱力した片脚で股間を隠しながら恥ずかしそうに悶える。
「いつもそんな感じならモテると思うけど……」
顔を隠し続ける澪の左手に僕の右手を重ね、恋人繋ぎして──。
「……僕が独占したい」
──交差した腕の隙間越しに見つめ合う。
「うん♡ 私はもう離れない。絶対離れない。離れたら殺す」
"殺す" のところで本気の威圧を当ててきた。
でも威圧どころか常に殺気を纏っている親戚に囲まれて育った僕にはそれすらも可愛く映る。
「いきなり重いな! いいけど!」
「しゅき♡」
「あぁ、僕も好き。澪……」
恋人繋ぎしたままの手をずらして軽くキス。
真面目な顔で見つめると意思が伝わったらしい。
「どうだった?」
「たぶん」
「うん」
「エッチできると思う」
澪の瞳から涙がこぼれる。
「ひぐぅ……してぇ、律ぅ、犯して……孕ませてぇ♡」
繋いでいないほうの手が僕のペニスを卑猥に擦った。
「孕ませてって……あ、コンドーム無い」
「いらん! そんなもんいらん! 赤ちゃん欲しい!!」
「いやまて! 17で妊娠していいの!?」
「すりゅ! 律の赤ちゃん欲しい!!」
「マジか」
「マジ♡」
「ふぅ~、僕はほら、一応連載持ちのプロ漫画家だから自立はしてるし貯金もそこそこある」
「私は良いアシになるよ?♪」
「うん、だから豪遊は出来ないかもだけどなんとかなる」
「うん♪」
「連載が無くなってもイラストとかエロ同人でやっていけると思うし、最悪本家の伝手を頼ってもいい」
「上原グループ……大企業だよな」
「……澪、幸せにするから僕と結婚してください」
「?? ……あぁぁ……律っ、律!!」
おぅ!? 持ち上げられて力づくで躰の位置を入れ替えられた。
そして全身にキスの嵐が止まらない。
必死に吸い付いて跡を残す……。
「マーキングかよ」
「私の男♪ 私の律♪ これ私の──」
僕のペニスを蕩け切った目で凝視する澪。
「私のおちんちん♡ 舐めていい?♡」
「初めは優しくお願い」
「はーい♪」
いつもとキャラ違うくない!?
チュ
先っぽにキスする。
レロ、ニュル、チュ
そのまま舐めて尿道口にキスした。
「あ」
「ここ?♡」
「そこはちょっと痛いから丁寧に」
「ごめん!」
「丁寧に舐めて欲しい。そしたら凄く気持ちいいから……舐めて」
「はい♪ あ・な・た♡」
だからキャラ崩壊してるって……。
唾液をしっかり尿道口に塗り込んで優しく舐められる。
ニュチュ、レロレロ、ジュ、ジュポ、チュ
「んっ、はぁ……うそ……ヤバいよ律」
「どうした?」
「美味しい……律のおちんちん美味しいし、格好可愛い♡ んっ、匂いも好き♡」
「粗チンで喜んでくれるなら嬉しい」
「言うほど小っちゃくない……」
「そっか……」
勃起したら10センチくらいはあるもんね。
「入るかな?」
「澪の中に入れるなら大きさより硬さが大事かも。僕のはたぶん大丈夫」
「……欲しい。私の硬いおちんちん……」
興奮しきった澪が堪らず僕に跨ってきた。
腰を下ろしペニスを膣口にあてがうけど、詰まって先に進まない。
「ん゙っ、っぅ……入れ……よ!!」
正直痛い。
初体験で男も痛いならそれは公平ではないか?
なんて馬鹿なことを考えながら澪を止める。
「キスしたい。唾液飲ませて」
その言葉の意味に気付いた澪から焦りが消えた。
興奮で崩れ切った顔にもどり溜めこんだ唾を舌に乗せて僕の口に注ぎ込む。
澪が夢中で唇を貪るあいだ僕はペニスを膣口に当ててこね回した。
「それ……気持ちぃ♡」
「澪」
「何?」
「犯すぞ」
マゾ気がある澪を普段使わない言葉で責めた。
「ふぇ?」
錯乱させたところに不意打ちで挿入する。
「ひゃいぃぃいひいいいぃ♡ はぁ、はぁぅ、こりぇ、はいってりゅ?」
喋り終わると舌を伸ばしてきた。
だらしなく垂れる舌先をチロチロと舐めながら澪のお尻を両手で支えてゆっくりと先に進む。
「ぃひぃぅ、ぃくう♡」
「ッ!! ヤバっ!!」
膣口が痛いほど締まってペニスを固定するとヒダヒダの一枚一枚が搾り取るように蠢動する。
ペニスの先っぽを何枚もの舌と唇が舐めながら咥えて吸い上げるみたいな……生まれて初めての快感。
「ッガ、まん……」
ビュッ! ビューッ!
……出来るわけない。
思いっきり中に射精した。
「アッ。んぁ、あったかい……これ、中に出した?」
確認しようとして澪が膣を意識したんだと思う。
膣の中のヒダヒダが舐めるのを止めて一斉に吸いついてきた。
「ぅっ、ぁあ、また出る!!」
ビュル! ビュル!
「ばっ、そんなん……ぃぎゅううううぅ♡」
合わせて澪の躰も硬直する。
膣口に絞められた部分が痛い。
硬さが足りなかったらそのまま千切られそうだ。
「そこ私の弱点だな♡」
「だな……澪……」
「何?♡」
「無理を言って悪いけど膣の入り口のところだけ、ちょっとだけ力を弱めたりできる?」
「え? 無理じゃね?」
「たぶん出来ると思う。出来ないと思い込まないでやってみて」
「マジか」
「不随意筋は周りの随意筋を使って間接的に動かせるって爺ちゃんが言ってた」
「あ、それなら出来るかも♪ んっ、ふぁあ♡」
膣口が緩むと同時にヒダヒダがペニスをしゃぶりだす。
「お? いこら! それ、やめ、ぃひい!!」
ドビュ!
「わたしも、い、きゅっ♡」
もうこれ凶器。
子供の頃から合気道で鍛えてきた躰と生まれつきの資質。
相乗効果を発揮した澪の膣は名器を超越して凶器に進化したのだった。
馬鹿な事を言っている自覚はある。
でもこれが入らない原因だと思った。
繋がったままの膣からペニスを伝って精液が流れ落ちる。
エロい……澪の膣に全部入れたい……これはもう男の衝動だよな。
「奥に出したい」
ポツリと漏れたひと言で澪の躰がぶるっと震えた後、堪らなく発情した雌の顔が近づいてきた。
「孕ませて……♡」
耳元で囁きながら、ペニスを味わうようにじっくりと腰を落とす澪──。
「「あ」」
──そして、ペニスの先が何かに当たって止まった。
「これ、膜にあたってる?」
「うん」
「良かった♪ 破れてると思ってたけどちゃんと処女あげれる! 膜破って女にしてもらえるの嬉しい!!」
「澪」
「うん♪ 律が破って♡」
「もしかするとさ」
「何?」
「すっごい痛いかも……」
ずっと合気道で鍛えて、スポーツも強つよで、男みたいな躰の使い方をしてきた澪の膣にハッキリと感触が判るほど残っている処女膜。
もし処女膜強靭症だったら……最悪破れない。
破れても一生セックスで激しい痛みを伴う可能性が……。
「覚悟は出来てる♡」
「……分った。僕も覚悟する!」
ゆっくりと奥へ進ませる。
「っう……律ごめん、一気に頼む!!」
解った。
心の中で返事した後、澪の腰を掴んで引き寄せながらひと思いに貫いた!!
「ひぎぃいいいぃぃっ……っう……♡」
ペニスで串刺しにされたまま背筋を仰け反って固まる澪。
「くっそ♡……すっげぇ痛てぇ♡」
「ぅあぁ……」
ヒダヒダが竿の部分を上下に舐め、先っぽを唇で絞るようにしゃぶり回した。
それでいて膣全体が強弱をつけながら精液を吸い出そうと収縮する。
童貞でも解る。
こんなの絶対普通じゃない!!
「律はどう?♡」
「ごめん、良すぎて言葉がない……」
澪が痛みに慣れるまで止まっていたけど膣壁が絶妙に収縮するからそれだけで気持ち良すぎる。
「嬉しい……私のおちんちん……繋がってる……好き!! 律しゅき♡」
大きく脚を開いてペニスの根元まで尻を打ちつけながら僕に被さってキスしてきた。
「んぁ……ちょ、無理すんな!」
ピチャ、ピチャ
尻と腰が打つのに合わせて白濁した愛液と精液が混ざり合って水音を立てる。
「うぎ、く、ふぅ、お゙、お゙、ぎっ、はぁ、お゙っ」
舌を垂らしながら、ただただ夢中で尻を打ち下ろす澪。
変な喘ぎ方をする度に膣壁のヒダが動きを変える。
「なんだこれ! すごっ、で……るっ!!」
澪は僕の射精に合わせて尻を打ちつけ、ペニスを根もとまで咥え込んだ。
ドピュ、ビュルルッ!
「お゙ぁ、痛いのか気持ちいいのか……」
ビューッ!
「わっ、かんねぇえええ♡」
ハァ、ハァ、ハァ
ほとんど澪しか動いていないのに呼吸が乱れているのは僕だけ。
さすが鍛え方が違うと思って見たら──ピクピク痙攣しながら失神していた。
汗と涙と鼻水と唾液で酷いことになっているけど幸せそうだからいいや。
澪の膣は失神している間でさえ呼吸に合わせてゆったりと撫でる感じで僕のペニスに密着する。
「お疲れさま」と労っているかのように。
お返しに背中を擦っていると澪が起きた。
「んぁ、ありぇ? 寝てた?」
「5分くらいかな」
「ふぁ、まだ繋がってる?」
「うんそのままにしてた」
澪は上半身を起こして下腹部を愛おしそうに触る。
「……律のおちんちんが私の中に入ってる……嬉しい♡」
「ふぅ、自分勝手な解釈だけど……」
「あぅ?」
「澪が無意識に保唯を拒んでたのかも」
「ぅん……そう思う……あ、入り口痛くない?」
「大丈夫、気持ちいい強さ」
「よかったあ♡ どれくらいが気持ちいいのか試してたら躰が律の形を覚えた感じがした♪」
「あれ凄かった」
「これ?♡」
膣全体と壁、ヒダヒダを使っての全方向フェラ!?
「んあっ!!」「ぃきゅぅ♡」
更には僕の射精感に合わせて吸い上げる。
ドビュ、ドビュッ。
小刻みに突きながら射精した。
「ぅきゅ……何回出すんだよ♡ まだ硬てぇし♡」
「ハァ、澪の中が凄いんだって」
「あれだ……筋力だけじゃ男に負けるから躰を極限までコントロールするトレーニングばっかやってたせいかも?」
「それだ」
「くっ、アハハハハハ!」
繋がったまま抱き着き僕の頭の上で大笑いする。
「どうした!?」
「よくやった! 私の躰! 躰が拒んだせいで浮気されて捨てられたけど、そのお陰で律と結ばれた♡」
「え? 浮気?」
「クリスマスイブに風呂で妹弟子と浮気してた」
「なんか……ごめん」
「気にすんな、もうどうでもいい♪」
軽く躰を起こして僕に微笑みかける澪。
「そっか……澪」
「何?♡」
「愛してる」
「わたしも♡ 愛してるぅううう♡」
「ばっ、また……いくっ!」
……快感に呑まれ薄れゆく意識の中でふと思った。
これ絶対ヤリまくるやつ……。
無理矢理ちんちんをネジ込もうとする男は私の幼馴染、日下部 保唯。
親公認の許嫁でもある。
子供の頃から通っている合気道道場の師範の三男で歳は同じ17歳。
保唯の兄二人は父親の人柄の良さを受け継いだのに、保唯だけはどうしようもないクズに育った。
ずっと一緒に育った私も男勝りで口より先に手が出る暴力女になった。
けど……少しずつ常識のようなモノも判るようになった分、保唯よりはマシかもしれない。
「痛ッ!」
全く入る気がしない。
我慢できなくなった私は脚でガードしならが上半身を起こして距離をとる。
だけど保唯はお構いなしに私の脚を掴み無理矢理開こうとした。
「止めろ!」
咄嗟に保唯の手首を掴んで関節を極める。
「離せボケぇ!」
口調は上からだけど保唯の顔は恐怖で引き攣っていた。
私が本気ならそのまま手首を砕くくらい平気でやることを知っているから。
「クソがっ!」
手を離すと保唯は悪態をつきながらベッドから離れた。
テーブルの上のローションを取って、ちんちんにぶっかけながらベッドへ戻ってくる。
「ヤレなきゃ意味ねぇだろ! さっさと股開けボケぇ!」
言われた通りに開くと股間を覗き込んできた。
膣の入り口を確認した保唯はローションボトルを穴に当てて──ゆっくりとボトルを離していく──。
──無意識に視界に入った保唯はオモチャを壊すときの何とも言えない邪悪な笑みを浮かべていた。
……ボトルの先を突き刺して、こじ開けようとしてる?
直観した瞬間、腰を斜めに引きながら膝蹴りをだす。
「何してんだ!?」
刺さる直前のボトルを蹴り飛ばした私に保唯が返した答えは──。
「ローション入れるついでに広げればさすがに入るだろ?」
──あまりの衝撃に放心していると──。
「次、ヤレなかったら捨てるから」
──と言われた。
保唯の事は嫌いじゃなかった。
好きでもなかったけど叔父さん夫婦や両親の喜ぶ顔に逆らえなくて許嫁になった。
クズでバカで仕合いも喧嘩も私より弱いけど粗暴な私にはお似合いだし、ずっと一緒に居たから愛情はあったかも。
あったかも……うん、今は無い。
あるわけがない。
保唯のちんちんは13センチくらい、ネットで調べたら日本人男子の平均だった。
入らない原因はたぶん私にある。
保唯も私に原因があると解っているから、あんな態度になるんだと思うけど……無いわ。
だから次で最後にしよう。
◇ ◇
高2の冬の終業日。
受け取った個人成績表を確認する。
偏差値69。
よっし! 2上がった!
上機嫌で教室の窓際を見て──。
「上原どうだった?♪」
──帰り支度をしていた小柄な男子に声を掛けた。
「71」
「何でお前も2あがんだよ!」
「また僕の勝ち♪」
「ムカつく~♪」
私の身長は186センチ、上原は149センチ。
胸の高さに上原の頭が来るからヘッドロックしやすい。
痛くないように捕まえて、おっぱいを押し付けながら髪をくしゃくしゃにすると上原は大人しくモフられる。
昔は抵抗していたけど私の胸が膨らみ始めた頃。
服越しに上原の顔が乳首を擦って痛がった私を見てから抵抗しなくなった。
大人しくて目立たない小柄な男子、上原 律はもうひとりの幼馴染。
小中と暴力問題ばかり起こしてきた粗暴な私を学校でまともに相手してくれるのは上原くらいだった。
顔も見た目も普通だけど自分より頭がよくて気軽に話してくれる小柄な上原は私の癒しだ。
「おい、澪。何やってんの?」
保唯は普段私を無視するくせに上原と一緒の時だけ絡んでくる。
「律~。俺の女に触んなっ──」
「──私が触ってんだ! いつも言ってんだろ」
横から上原の髪を掴もうとした保唯の手を弾く。
昔はヤキモチだと思って嬉しかったけど、今は邪魔でしかない。
「っざけんな。不能がよ。気分悪りぃから今日は無し」
そう言うと私の返事も聞かずに教室から出て行った。
「なんか……ごめん」
「気にすんな……あ」
スマホが振動したのでSNSを確認する──。
〔今日お土産届くと思うから保志に渡しといて〕
──長期海外出張中の両親からだ。
これから保唯とクリスマスデートの予定だったけど「今日は無し」って言われたし、予定が無くなった保唯が真面目に稽古しているわけがないから道場に行っても顔を合わせることもないだろ。
それにわざわざ到着日指定して連絡するくらいだから、すぐに届けたほうがよさそう。
〔わかった〕
とだけ返信する。
「用事?」
「うん」
私の予定も無くなったし、保志叔父さんにお土産届けたら年末で忙しい上原の手伝いをするつもりで──。
「あとでな」
──軽く手を挙げると──。
「おう」
──上原も察した表情で返してくれた。
◇ ◇
家に帰って宅配ボックスを確認するとお土産と書かれた小包が入っていた。
さっさと渡してこよう。
歩いて5分もしない近くに子供の頃から通っている保志叔父さんの道場がある。
この時間帯なら道場に居るはずなので直接向かうと──予想通り叔父さんが居た。
お土産を渡すと意地悪そうに私を見ながら口を開く。
「今からデートか?♪」
その顔は何想像してんだ? セクハラ? と思いながら事情を話した。
「デートな……上原とふざけてたら保唯が機嫌悪くなって無しになった」
「んあ゙!?」
重低音で凄むと同時に叔父さんの気配が変わる。
「あの馬鹿連れてくっから、待っててな澪ちゃん」
「いいって。面倒だし」
制止も効かず渡り廊下から自宅へ速足で歩く叔父さんの後を追った。
通用口の鍵を開けて入ると、叔父さんはお土産を床に置いてそのまま二階に上がる。
私は面倒なことになりそうと思いつつ拾ったお土産をリビングテーブルの上に置きなおして1階のトイレへ。
トイレのドアノブを掴んだところで隣の脱衣所から保唯の声が聞こえた。
「やっぱ紬のおまんこは最っ高だわ」
「先輩……次、中に出したらセフレ辞めますから」
「あ? あんだけ喘いで何言ってんの?」
「……そういう話じゃないっすよ先輩。うちは赤ちゃん欲しくないって言ってるんだけど……それに、もう少し澪先輩大事にしたらどうですか?」
「いやもう別れるしヤレない女とか要らんし、てことで今から紬が彼女な」
「はぁ……無理。セフレならいいけど彼女は無理」
「なんだまだ足らねぇの? じゃあ躰で分らせてやるよ」
「いや、ちょ、そういう話じゃないって!」
何だこれ……。
展開に追いつかず思考が固まっていると──。
「ひぃ!」
──背後から凄まじい怒気を感じた。
無言のまま私の横を過ぎて、脱衣所のドアを開ける叔父さん。
「おい何やってんだ保唯? ……棚橋も前隠せ」
ここからふたりの様子は見えないけど無言って事はたぶん固まっているらしい。
「とりあえずだ……棚橋から離れろ保唯……3秒待つ。3……2……」
ガタン
と何かが倒れる音がした。
「し、師範これは……その……」
「いいから棚橋は服を着なさい」
「はい」
叔父さんは怒気を強めながらも冷静に重低音の声で問い詰める。
「今日は澪ちゃんとデートだって言ってたが、これはどういう事だ?」
「……澪とは別れる」
「理由を聴こうか?」
「あいつは律と浮気してる」
はぁ!?
と反応しそうになったのを叔父さんが止めた。
怒気が一瞬だけ殺気に変わって私の躰が委縮した。
「証拠は?」
「澪の……中は狭すぎて俺のは入んねぇ。何回も色々試したけど駄目だった……でも律のなら入る」
「何が言いたい?」
「律は粗チンなんだよ。俺の半分もないからあれなら入る……あいつら今日も教室で抱き合ってたし、デキてんだろ」
「……先輩それって誰も居ない教室で抱き合ってたんすか? あの澪先輩が?」
「あ? それ何か関係あんの?」
馬鹿すぎて話にならない。
反省するどころか私が浮気してるって勝手に決めつけとか、もう無理。
無理と思ったら自然と躰が動いていた。
「帰りのホームルームが終わってすぐだ」
「な゙!?」「ッ!?」
「全国模試で負けて悔しかったから上原をヘッドロックしただけ」
「……す、みませんしたっ!!」
まだ服を着終わっていない半裸で土下座する紬。
謝られても何も感じない。
ふと紬の後ろに目線を移す。
両膝を立てたまま転んで股間丸出しの保唯が居た。
どうでもよくなった。
面倒だ、すぐ済ませて帰ろう。
「叔父さんごめん。許嫁は破棄で」
「もちろんだ。こっちこそすまん」
トイレのドアまで歩いてふたりの前から消えた後、保唯に聞こえるように声を上げる。
「もし別の誰かを好きになったら許嫁を解除する──そういう約束だったよな?」
「……あぁ。お互いの気持ち最優先での許嫁だ」
無言の保唯に代わって叔父さんが答えた。
そうだ最後にこれだけは言っておきたい。
「何が『デキてんだろ』だ……お前と一緒にすんな」
捨て台詞を残して帰宅した。
別れる覚悟はしていたけど……最後まで最悪だ。
でもこれで終わり。
──気分は最悪だけど開放感は凄いな──。
◇ ◇
許嫁を破棄してから1週間、もう大晦日だ。
両親から「すぐ帰る」って言われたけど「大した事ないから仕事しろ!」と強制した。
実際大した事はない。
毎年、叔父さん夫婦と初詣に行ってたけどそんな気分にならないのが少し寂しいだけ。
何もする気がしないから寝る。
そしてまたトラウマの様に思い出す。
『やっぱ紬のおまんこは最っ高だわ』
『いやもう別れるしヤレない女とか要らんし、てことで今から紬が彼女な』
『なんだまだ足らねぇの? じゃあ躰で分らせてやるよ』
私の躰がまともなら浮気しなかったのかな……なんて事は無いね。
あいつクズだし。
だけど問題はあいつじゃない。
私の躰に問題があるわけだから実は何の解決にもなっていない。
もし次の恋人も同じ結果になったら……。
「はぁ~」
ため息をつきながらベッドに潜っているとスマホが震えた。
「ん?」
〔明けましておめでとう〕
送ってきたのは上原だ。
時刻はもう0時を過ぎていた。
〔おめでと!〕
返信しながら上原の顔を思い出す──けど。
『律は粗チンなんだよ。俺の半分もないからあれなら入る』
──同時にあいつの声もリピートした。
私が間近で見たちんちんは、あいつのだけ。
あいつのを思い出そうとして吐き気がした。
本当に無理になったみたい。
裏切った男のちんちんから、癒してくれる親友のちんちんを想像しようとした自分にも嫌気がさして、スマホを持ったままベッドの中でうずくまった。
〔年賀状。ドヤッ!〕
塞ぎこんでいる私なんてお構いなしに画像を送ってくる。
何がドヤだよ。
ツッコミながら見た画像に写っていたのは──白地に青い大輪の花が鮮やかに咲き誇ったとても上品な振袖を着て、振り返りながら満面の笑みを浮かべる私。
振袖なんて着たことない。
小っちゃい頃から道場の男の子とばかりつるんでたし、女っぽい服を着るといつもあいつに馬鹿にされていた。
だから私は七五三でも嫌がって女らしい服は着なかった。
画像に写っている私は月刊連載中のプロの漫画家、上原が描いたイラスト。
見た瞬間に私だと判るほどの描き込み。
よく漫画の仕事を手伝うからこのイラストにどれほど手間が掛かっているのかも解る。
〔なんだよこれ……盛りすぎだろ!〕
爆笑する漫画キャラのスタンプを連打しながら──泣いていた。
……
…………
それからのやり取りは記憶に無い。
感情が溢れでて覚えていない。
「上原、上原ぁ」
気付いたら上原を思いながら独りで慰めていた。
クチュ
「んっ……」
信じられないくらい濡れている。
あいつとする時はこんなになったことは無い。
膣から溢れる粘液を中指ですくってクリの上に落とす。
肌に触れないくらいの加減でそっと粘液を延ばしながら皮に隠れたクリを刺激した。
「っ……んっ、ぁあ……」
すぐに指を入れるのは怖いから少しだけ入口を押す。
それだけでも気持ちいい。
右手でクリと膣口を往復しながら左手でおっぱいをきつく揉んだ。
軽く痛みが走る。
「律……そこは優しく……」
上原が興奮している姿をイメージしながら今度はゆっくりと軽く触る。
「……律ぅ……」
夢中になっていると──。
「……んひぃい!!」
少し指先に力を入れたらクリの皮に掛かったみたい。
ちょっとだけ剥けたクリを粘液まみれの指が擦って強い刺激が襲った。
ピチャ、クチュ
右手はクリに集中して左手で膣口をこねる。
「律ぅ、もう入れて……」
ゆっくりと中指を入れて第一関節が埋まろうとしたところで──。
「……ぃっ、ぃくっ!!」
──腰が跳ね上がった。
……うそ……初めていけた。
あいつに無理やりやらされた時は全然気持ちよくなかったのに。
『律は粗チンなんだよ……あれなら入る』
入る? 馬鹿か……入るじゃない……入れたい……入れたい──律のを入れたい!──律が欲しい!!
〔相談がある〕
スマホを取ると衝動的に誘っていた。
◆ ◆
元旦早々、幼馴染の日下部 澪から相談を持ち掛けられた。
ついでに初詣に行こうって話になって僕は自宅で待機中。
日下部は僕が漫画描きだと知ってからよく手伝ってくれる。
作業場は自宅なので日下部の用事がない土日はほとんど一緒に作業していた。
冬休みも手伝いをお願いしていたけど、終業日の夜に〔体調が悪くなった〕と連絡が来たので手伝いは中止にした。
それだけ仲が良いのに苗字呼びなのは、日下部に許嫁がいるから。
子供が生まれる前から親通しが決めていた許嫁。
そいつに日下部を呼び捨てにするなと脅された。
喧嘩は苦手だけど僕の親戚はみんな化け物みたいに強くて怖い。
だからそいつの脅しなんて赤ちゃんの駄々にしか見えない──無視してもいいけど確かに許嫁がいる女性を呼び捨てにするのはどうかと思って止めた。
日下部は嫌がったけど僕が苗字呼びすると諦めて僕の事も苗字で呼ぶようになった。
昔を思い出しているとチャイムが鳴る。
玄関のドアを開けて挨拶をする。
「いらっしゃ──」
そこで僕は固まった。
いつものボーイッシュな服装とは全く違う。
合気道の稽古で邪魔だからと無造作に束ねられがちな髪は下ろされ、ショートウルフの髪型が日下部の男性的な顔つきによく似合っていてカッコイイのに何だか色っぽい。
スカート姿なんて出会ってすぐの頃か制服でしか見たことがない。
それも制服スカートの下は常にレギンスだったのに今日はタイツ? ストッキング?
暖色系の上下で揃えた落ち着いた感じの服装に大きめの褐色マフラー。
長身ですらっと足が長く筋肉質でモデル体型の日下部は何を着ても映える──じゃない。
どういう心境の変化?
「すまん、母さん出張中だから振袖着れんかった」
「え?」
「せっかく振袖の年賀状貰ったから振袖着ようと思ったけどさ」
「あ、あぁ、いや、うん、振袖姿は見たいけど今のも大人っぽくて似合ってるよ」
「ん゙あ!? 何言ってんだよ! ほら、さっさと行くぞ!」
「おう」
しおらしさが一瞬でいつも通りに戻った──。
近くのちょっと有名な神社で参拝しておみくじを引く。
〔末吉〕〔大吉〕
「運は私のほうがいいっぽい♪」
「そう? 末吉のほうがご利益あるって聞いたけど」
「ばっか、大吉のほうがいいに決まってんだろ!」
「だな」
そしてコンビニ弁当を買う。
お互い人混みは好きじゃない。
相談もあるし、さっさと自宅へ帰ろう──。
正月なのに昼食は自宅でコンビニ弁当。
おせち料理を注文してもいいけど、そもそもおせち料理が好きじゃない。
日下部は食えれば何でもいいほうなので文句を言うどころか美味そうにがっついている。
「駅伝でも見る?」
「親父かよ」
「くくく♪」
「ったくもう」
呆れたまま立ち上がってリビングのソファに座り直した日下部。
しばらくするとアップテンポなジャズ調のBGMが終わって、ゆったりとしたバラードが流れ出す。
僕はテーブルの上を片付けた後、無糖コーラのボトルをふたつ持って日下部の斜め前のソファに座った。
「で、相談って何?」
ボトルを渡しながら切り出す。
受け取った後、一瞬だけ日下部の動きが止まった。
そして意を決したようにとんでもない事を口走る。
「上原って粗チンなん?」
あれ?
「聞き間違いかな?」
「ご、ごめん! 直過ぎた!」
動揺したのか無糖コーラを持ったままの手を振って否定している。
何故、何も持ってないほうの手を振らないのか……。
「だな。まぁ、たぶん粗チンだと思うけど。だったら何?」
「わ、私の中に……上原のちん……入るか試したい」
日下部は喧嘩っ早くて男言葉で声も大きいし身長も高い。
すぐ威圧するし幼少から合気道やってるだけあって強い。
だから学校では孤立していた。
でも、面倒見が良くて気さくでリラックマが好きで何より信頼できるから一部の女子からは凄く慕われている。
僕から見てもこんなイイ女は滅多にいない。
そんな日下部から「ちん○入るか試したい」って言われた。
マジか……わかった今すぐ試そう!──と答えたいところだけど──。
「……待て……どうしてそうなった? ちゃんと順を追って説明して」
──親友は大切にしたい。
「あぁ……まず……保唯と別れた」
「そっか」
結婚する前に別れてよかった。
「それで何回かあいつと……したんだけど……」
「うん」
思ったことがそのまま口に出る日下部だから、もの凄く言葉を選んでいるのが分る。
「たぶん私のが狭すぎて入らなかった」
「……だから僕ので試したいと?」
「……うん」
漫画脳をフル回転してストーリーをシミュレーションする……。
……入らないってなったあの馬鹿が……。
『律の粗チンなら入るんじゃね?www』
とか
『もう律の粗チン入れてもらえよwww』
とか、言ったんだろうか──。
プシュウウウウウッ!
「ふぎゃああーっ!」
──考え中の僕の斜め前で無糖コーラが飛沫き荒れる。
「……あれだけ振ってればこうなるね♪」
「あうう」
全身コーラまみれの僕と日下部。
無糖だからべたつかないけど──。
「シャワー浴びて来なよ」
他意はない。
「い、しょに入りゅ?」
「え?」
噛んだ……真っ赤になりながら噛んだ……何これかわいい。
「あうっ」
速足で脱衣所へ駆け込んでいった。
今まで見たことがない女の子らしい日下部。
鼓動が激しくなって痛い。
なんだよあれ、かわいすぎ……だけど、そうか入らないか。
狭すぎるって、骨盤に問題が有るとかロキなんちゃら症候群だっけ? 先天性腟欠損症とか処女膜強靭症だとそもそも物理的に無理な場合もあるらしい。
病院で診察したほうがいい気がする。
とりあえず飛び散ったコーラをキッチンペーパーで拭き取って、濡らした布巾で二度拭きしていると、お泊り用パジャマを着た日下部が現れた。
仕事上がりにここでシャワーを浴びる事も多いから日下部のパジャマや部屋着も置いてある。
ブラはしていない……程よい大きさの双丘の先が尖っていた。
見ないことにする。
「あとは私がやるよ」
「うん」
布巾を渡して脱衣所へ向かう。
「上原」
「何?」
振り返ろうとして後ろから抱き着かれた。
風呂上がりの日下部の匂いに包まれる。
後頭部から首にかけて張りのある双丘で挟まれて心地良い。
いや心地良くなってる場合じゃないね。
「どうした?」
「私……怖いんだ……出来ない躰じゃないかって……だから……お願い」
段々小さくなっていく声──。
スー、ハァ、スー、ハァ
──と代わって荒くなっていく鼻息。
顔を押し付けて頭の匂いを嗅いでいる。
「落ち着く……」
日下部が満足するまで待つ事にした。
「前にさ……」
「うん」
「エロ漫画の資料で調べたことがあるんだけど」
「エロも描いてたんだ……スケベ」
「男子高校生なめんな」
「童貞キモ♪」
その童貞に抱き着いて頭の匂い嗅いでるのは誰でしょうね?
「骨盤が原因だったり、先天的な問題で出来ない人もいるらしくて」
「そうなんだ」
ギュっと少し強めに抱きしめられ密着する。
もう勃起しすぎて痛いんだが。
「手術すれば治るらしい」
「マジ!?」
「うん、おばさんに相談して病院行ったほうがいいかも」
密着が弱まった。
「……やっぱり上原も私みたいな女は無理なんだ」
そう来たか。
「無理じゃなくて、躰の問題なら専門家を頼ったほうが善いって思った……で、日下部さん」
「なんだよ」
さん付けで呼ばれてあからさまに不機嫌になる。
「このままだと襲いそうだから放して」
「あ゙?」
「日下部を押し倒して無理やりエッチしそうだから放して」
「ぁあ゙!?」
「童貞の性欲なめんな」
「だから……していいって言ってんだよ!」
後ろから抱き着かれたまま両脚を片手ですくわれた。
「日下部にお姫様抱っこされるとは思わなかった」
「うっせぇわ♪」
そのままソファに座らされ無理やり唇を奪われる。
チュ、ニュル
いきなり舌を入れてきた。
日下部の舌が口の中を舐め回す。
僕の舌を絡め取り唾液を啜って飲み込んだ。
なんだろこれ、すっごい気持ちいいんだけどすっごい気持ち悪い。
試しに舌を伸ばして突き出すと──。
ジュチュ、ジュ、ジュ、ジュ
──迷わず吸い付いて何度も頭を上下する。
まるで僕の舌をフェラチオするかのように……。
あぁ……挿入は出来なくてもそれ以外はあいつに仕込まれたのか。
理解した瞬間、日下部の両肩を強く押して離した。
だけどキスで完全に発情した日下部はそのまま上半身を落として僕が穿いてるデニムパンツのベルトを緩め、ボタンを外し、ファスナーを下ろす。
手際良すぎだろ。
止める隙もなくトランクスごとずらされた。
全部じゃない、ペニスが取り出せる最低限までだ。
なるほど……全部脱がさなくていいからさっさと咥えろって事ね……。
ただセックスがしたいだけなら最高かもしれない。
余計な事は言わずに受け入れて楽しめばいい。
ジュッ、ジュポ
躊躇なく僕のペニスにしゃぶりつく日下部を見ながら思った。
このままだと躰だけの関係になる。
ちゃんと好きなら嫌われても言わなきゃいけない。
「日下部悪い、いったん離れて」
レロ、レロ、チュ
「何で? 気持ち良くない?」
「……保唯のやり方じゃなくて僕らのエッチがしたい」
「ッ!? ぅげぇ……」
僕から離れた日下部は見たこともない酷い顔でえずいた。
色々覚悟を決めて吐きそうになっている日下部の唇を唇で塞ぐ。
「ん゙っ!?」
そのまま背中を擦りながら日下部の唇を僕の唇で甘噛みした。
「んっ、はぁ……吐いたらどうすんだよ」
「飲む」
「ば、か! 変態!」
「変態ですが何か?」
涙どころか鼻水も涎も垂れている酷い顔だけど、これはこれでそそると思う僕はどうやら本当に変態のようだ。
「くっ、バカ……でも好き……あと、ごめん」
「傷付ける事言ったから飲むくらいは覚悟しないと。正直キスもフェラも気持ちよかった。またして欲しい。けど今じゃない。今それを受け入れると、躰だけで満足しそう。僕は躰だけじゃなくて澪の心も欲しい」
捲し立てる僕を見つめる日下部の目はもうさっきとは違う。
劣情と激情が混じった淫魔のようだ。
「……もっかい言ぇ……」
「何?」
「もっかい名前言えっつってんだよ! 律っ!!」
「……澪!! 好きだ! エッチしたい!!」
「結局やるんじゅねぇか♡」
「うん、やる。ってことで本題に入ろう」
「どうしたらいい? 律の好きに犯して……」
好きに犯して? ……澪ってマゾっぽいな。
冷静を装いながら今すぐ襲いたい衝動を心の奥に押し込めた。
「まずどうなってるか見たいからソファに座って」
「あう」
首筋まで真っ赤にして俯きながらソファに腰かける。
「もうちょっと浅く座って」
「浅く?」
上目遣いで質問してきた澪の前に跪いて両手をソファとお尻のあいだに差し込んで手前に動かす。
意味を理解した澪は僕が動かしやすいように腰を浮かした。
うっわ。お尻やわらか。
指先に力を入れるとぐにゅっと沈み込む。
ソファからお尻が少しはみ出す位置で座らせた。
「パジャマの下、脱がすね」
「うん」
この格好だと脱がしやすい。
ショーツも一緒にと思ったけど穿いていなかった。
ずり下げて引っかかるとすぐに澪が腰を上げてくれる。
太ももまで脱がしたら両脚がくっついて──オムツを替える時に赤ちゃんのお尻を拭く格好になった。
赤ちゃんプレイに興味は無いけど長身筋肉質モデル体型の澪がやると破壊力が凄まじい。
太ももの付け根には綺麗な一本線が……キラキラと光を反射して神々しくさえある。
「なんか問題あったか?」
「ない。澪がエロ綺麗すぎて見惚れてた」
「ばっ……嬉しい」
パジャマパンツを脚から抜いてソファに投げた。
澪は恥ずかしいのか閉じたままの両脚を左手で抱いて右手でおまんこを隠そうとしている──おい、それだと完全に腰が浮いてお尻の穴が丸見えなんだけど……。
桜色の小さな穴。
かわいい。
「脚開くよ」
「あう」
ゆっくりと開いた先で会ったのは無地の白肌と薄ピンクの一本線。
「剃ったの?」
剃ったにしては綺麗すぎる脱毛かな。
まさか……。
僕の表情が曇ったんだと思う。
すぐに澪が反論した。
「違う! もとから! パイパンはたぶん母さん似。母さんに聴いたら『それ遺伝しちゃったかぁ』って言われた!」
「おばさんの遺伝か」
「想像すんなよ」
澪のおまんこが綺麗すぎておばさんのを想像する余裕なんてない!
「これ……綺麗すぎ」
薄っすらと浮かび上がる腹筋。
高校生らしからぬくびれと、ちょっと大きめなお尻と太もも。
なのにその中心は完全無毛でただ一本のスジマンが濡れて光っていた。
「あ、んまり観んな」
クチャ
一本線を優しく丁寧に開くと愛液が糸を引いて雫が垂れる。
「聞いてねぇし♡」
確か結構下に膣口があったはず──。
「入り口はあるね。広げるから痛かったらすぐ言って」
「分った!」
痛みに耐えるため力を入れたらしく膣口もキュっと締まった。
両サイドから親指を軽く掛けてゆっくりと動かすけど開かない。
乾いた指で触ると痛いだろうから自分の唾液で濡らした人差し指を膣へ差し込む。
全く入る気がしない。
これだと僕のペニスでも無理だ。
「駄目そう?」
「んー。ゆっくり深呼吸して」
スー、ハー、スー、ハー
澪の呼吸に合わせて膣口も少しだけ動く。
もしかして、おまんこに集中しないほうがよい?
やれることは試そう。
「んぅ」
目を閉じて深呼吸する澪に被さって唇が触れる感じでキス。
右手でおまんこのヒダをなぞりながら膣口をほぐす。
時々口を軽く開いては閉じる澪。
なにかを躊躇している感じだ。
「どうしたい?」
「んっ、律の舌舐めたい♡」
「ダメ」
「にゃんだと!?」
「澪が舌だして」
遠慮がちに出してきた舌に吸い付いて唾液を澪の中に流し込んだ。
「ん゙ん゙っ……はぁ♡ 美味しい、もっかいもっかい♡」
溜めた唾液を舌に乗せて澪の前に突き出す。
僕の舌から垂れる唾液を舌で拾って飲み込むと、そのまま舌をしゃぶりだした。
ただ無理やりキスしたときのとは違う。
僕が澪の舌を吸ったやりかたに近い。
ピチャ、ッチュ、チュッ
じっくりと感触を味わいながら愛おしそうにしゃぶり続ける。
いい感じで力が抜けて来た。
これで入らなかったらヤバいな……頼む入ってくれ!
ほぐし続けていた膣口にそっと中指を入れる。
第一関節くらいまで入ると澪の腰が跳ね上がった。
「ん゙!? ぁひいいいいい! みりゅなあああああ!!」
中指の第一関節だけなのに痛いくらいの締め付け。
そういう事か──入らない理由は何となく解ったけど澪は両腕を交差させて顔を隠しながらピクピク痙攣している。
落ち着くのを待とう──。
……
…………
「律にいかされた♡」
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「ひぐぅ……してぇ、律ぅ、犯して……孕ませてぇ♡」
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「すりゅ! 律の赤ちゃん欲しい!!」
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「マジ♡」
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そして全身にキスの嵐が止まらない。
必死に吸い付いて跡を残す……。
「マーキングかよ」
「私の男♪ 私の律♪ これ私の──」
僕のペニスを蕩け切った目で凝視する澪。
「私のおちんちん♡ 舐めていい?♡」
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チュ
先っぽにキスする。
レロ、ニュル、チュ
そのまま舐めて尿道口にキスした。
「あ」
「ここ?♡」
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「ごめん!」
「丁寧に舐めて欲しい。そしたら凄く気持ちいいから……舐めて」
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唾液をしっかり尿道口に塗り込んで優しく舐められる。
ニュチュ、レロレロ、ジュ、ジュポ、チュ
「んっ、はぁ……うそ……ヤバいよ律」
「どうした?」
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「それ……気持ちぃ♡」
「澪」
「何?」
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マゾ気がある澪を普段使わない言葉で責めた。
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「ひゃいぃぃいひいいいぃ♡ はぁ、はぁぅ、こりぇ、はいってりゅ?」
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「ぃひぃぅ、ぃくう♡」
「ッ!! ヤバっ!!」
膣口が痛いほど締まってペニスを固定するとヒダヒダの一枚一枚が搾り取るように蠢動する。
ペニスの先っぽを何枚もの舌と唇が舐めながら咥えて吸い上げるみたいな……生まれて初めての快感。
「ッガ、まん……」
ビュッ! ビューッ!
……出来るわけない。
思いっきり中に射精した。
「アッ。んぁ、あったかい……これ、中に出した?」
確認しようとして澪が膣を意識したんだと思う。
膣の中のヒダヒダが舐めるのを止めて一斉に吸いついてきた。
「ぅっ、ぁあ、また出る!!」
ビュル! ビュル!
「ばっ、そんなん……ぃぎゅううううぅ♡」
合わせて澪の躰も硬直する。
膣口に絞められた部分が痛い。
硬さが足りなかったらそのまま千切られそうだ。
「そこ私の弱点だな♡」
「だな……澪……」
「何?♡」
「無理を言って悪いけど膣の入り口のところだけ、ちょっとだけ力を弱めたりできる?」
「え? 無理じゃね?」
「たぶん出来ると思う。出来ないと思い込まないでやってみて」
「マジか」
「不随意筋は周りの随意筋を使って間接的に動かせるって爺ちゃんが言ってた」
「あ、それなら出来るかも♪ んっ、ふぁあ♡」
膣口が緩むと同時にヒダヒダがペニスをしゃぶりだす。
「お? いこら! それ、やめ、ぃひい!!」
ドビュ!
「わたしも、い、きゅっ♡」
もうこれ凶器。
子供の頃から合気道で鍛えてきた躰と生まれつきの資質。
相乗効果を発揮した澪の膣は名器を超越して凶器に進化したのだった。
馬鹿な事を言っている自覚はある。
でもこれが入らない原因だと思った。
繋がったままの膣からペニスを伝って精液が流れ落ちる。
エロい……澪の膣に全部入れたい……これはもう男の衝動だよな。
「奥に出したい」
ポツリと漏れたひと言で澪の躰がぶるっと震えた後、堪らなく発情した雌の顔が近づいてきた。
「孕ませて……♡」
耳元で囁きながら、ペニスを味わうようにじっくりと腰を落とす澪──。
「「あ」」
──そして、ペニスの先が何かに当たって止まった。
「これ、膜にあたってる?」
「うん」
「良かった♪ 破れてると思ってたけどちゃんと処女あげれる! 膜破って女にしてもらえるの嬉しい!!」
「澪」
「うん♪ 律が破って♡」
「もしかするとさ」
「何?」
「すっごい痛いかも……」
ずっと合気道で鍛えて、スポーツも強つよで、男みたいな躰の使い方をしてきた澪の膣にハッキリと感触が判るほど残っている処女膜。
もし処女膜強靭症だったら……最悪破れない。
破れても一生セックスで激しい痛みを伴う可能性が……。
「覚悟は出来てる♡」
「……分った。僕も覚悟する!」
ゆっくりと奥へ進ませる。
「っう……律ごめん、一気に頼む!!」
解った。
心の中で返事した後、澪の腰を掴んで引き寄せながらひと思いに貫いた!!
「ひぎぃいいいぃぃっ……っう……♡」
ペニスで串刺しにされたまま背筋を仰け反って固まる澪。
「くっそ♡……すっげぇ痛てぇ♡」
「ぅあぁ……」
ヒダヒダが竿の部分を上下に舐め、先っぽを唇で絞るようにしゃぶり回した。
それでいて膣全体が強弱をつけながら精液を吸い出そうと収縮する。
童貞でも解る。
こんなの絶対普通じゃない!!
「律はどう?♡」
「ごめん、良すぎて言葉がない……」
澪が痛みに慣れるまで止まっていたけど膣壁が絶妙に収縮するからそれだけで気持ち良すぎる。
「嬉しい……私のおちんちん……繋がってる……好き!! 律しゅき♡」
大きく脚を開いてペニスの根元まで尻を打ちつけながら僕に被さってキスしてきた。
「んぁ……ちょ、無理すんな!」
ピチャ、ピチャ
尻と腰が打つのに合わせて白濁した愛液と精液が混ざり合って水音を立てる。
「うぎ、く、ふぅ、お゙、お゙、ぎっ、はぁ、お゙っ」
舌を垂らしながら、ただただ夢中で尻を打ち下ろす澪。
変な喘ぎ方をする度に膣壁のヒダが動きを変える。
「なんだこれ! すごっ、で……るっ!!」
澪は僕の射精に合わせて尻を打ちつけ、ペニスを根もとまで咥え込んだ。
ドピュ、ビュルルッ!
「お゙ぁ、痛いのか気持ちいいのか……」
ビューッ!
「わっ、かんねぇえええ♡」
ハァ、ハァ、ハァ
ほとんど澪しか動いていないのに呼吸が乱れているのは僕だけ。
さすが鍛え方が違うと思って見たら──ピクピク痙攣しながら失神していた。
汗と涙と鼻水と唾液で酷いことになっているけど幸せそうだからいいや。
澪の膣は失神している間でさえ呼吸に合わせてゆったりと撫でる感じで僕のペニスに密着する。
「お疲れさま」と労っているかのように。
お返しに背中を擦っていると澪が起きた。
「んぁ、ありぇ? 寝てた?」
「5分くらいかな」
「ふぁ、まだ繋がってる?」
「うんそのままにしてた」
澪は上半身を起こして下腹部を愛おしそうに触る。
「……律のおちんちんが私の中に入ってる……嬉しい♡」
「ふぅ、自分勝手な解釈だけど……」
「あぅ?」
「澪が無意識に保唯を拒んでたのかも」
「ぅん……そう思う……あ、入り口痛くない?」
「大丈夫、気持ちいい強さ」
「よかったあ♡ どれくらいが気持ちいいのか試してたら躰が律の形を覚えた感じがした♪」
「あれ凄かった」
「これ?♡」
膣全体と壁、ヒダヒダを使っての全方向フェラ!?
「んあっ!!」「ぃきゅぅ♡」
更には僕の射精感に合わせて吸い上げる。
ドビュ、ドビュッ。
小刻みに突きながら射精した。
「ぅきゅ……何回出すんだよ♡ まだ硬てぇし♡」
「ハァ、澪の中が凄いんだって」
「あれだ……筋力だけじゃ男に負けるから躰を極限までコントロールするトレーニングばっかやってたせいかも?」
「それだ」
「くっ、アハハハハハ!」
繋がったまま抱き着き僕の頭の上で大笑いする。
「どうした!?」
「よくやった! 私の躰! 躰が拒んだせいで浮気されて捨てられたけど、そのお陰で律と結ばれた♡」
「え? 浮気?」
「クリスマスイブに風呂で妹弟子と浮気してた」
「なんか……ごめん」
「気にすんな、もうどうでもいい♪」
軽く躰を起こして僕に微笑みかける澪。
「そっか……澪」
「何?♡」
「愛してる」
「わたしも♡ 愛してるぅううう♡」
「ばっ、また……いくっ!」
……快感に呑まれ薄れゆく意識の中でふと思った。
これ絶対ヤリまくるやつ……。
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