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第四章 極寒山脈の凶龍編

第88話 黒幕

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「ユウト!!!」


背後からセラピィの声が聞こえてきた。
後ろを振り向くと人化したセラピィが浮遊してこちらへと向かって来ていた。


「ユウト、大丈夫?怪我とかない?」

「大丈夫だよ、この通り!」


俺はセラピィの頭を撫でて落ち着かせる。ただ万が一のことがあるかもしれないので、俺が声をかける前に物陰から出て来てしまったことはセラピィに優しく注意する。

ごめんなさい...と反省した様子のセラピィに話を聞くと、どうやら激しい戦闘音が静まってチラッとこちらを見てた時にドラゴン・イクシードの頭が斬られたのを見たのとやつの魔力が感じられなくなったので思わず駆け寄ってきたらしい。


「まあたぶん討伐は完了しただろうから大丈夫だろうけど、もし何かあったらすぐに逃げるんだよ?」

「うん!」


そう言うとセラピィは元気よく返事をする。
この何気ない会話が戦いですり減らした心を癒してくれるものだなと感じた。


「さて、とりあえずドラゴン・イクシードの魔晶石を回収してグランドマスターに報告しに帰るとしますか」


そうして俺たちは倒れたドラゴン・イクシードの体のもとへと向かった。
こんな巨体もインベントリに収納できるのだろうかと少し心配がよぎる。


「やっぱり改めてこう見てみると大きいな...」

「本当に大きいね」


俺はドラゴン・イクシードの体を触りながらじっくりと観察する。前回のゴブリン・イクシードとの戦いでは戦いの直後に洞窟の崩落が起きて調べることが出来なかったので、今回はインベントリに収納する前に少し超越種の体を調べておきたいのだ。


二度あることは三度ある。


もし次、超越種と戦うような機会があればその時のために何か特徴や弱点などが分かれば有利に戦えるからな。竜種以上の厄介な超越種なんて今のところ思いつかないが情報はあるに越したことはないしな。


「特に弱点らしい弱点は......っ?!」


すると突然全身に雷が走るような感覚に襲われる。
これは...まずいっ!!!

俺はすぐさま側にいたセラピィを抱きかかえてその場から全力で離れる。


「え、どうしたのっ?!」


俺たちがその場を離れて1秒も経たないすぐ後に先ほどまでいた場所の地面から何やら黒い棘みたいなものが突き出してきたのだ。もし少しでも遅れていたら今頃俺たちはあの棘に串刺しにされていただろう。

俺は先ほどの場所から数メートルほど離れた場所に着地をして追撃が来ないか警戒を強める。まさか攻撃される直前まで気配に全く気付けないだなんて、一体何者だ?


「誰だ!!姿を現せ!!!」


俺は微かに気配のするドラゴン・イクシードの死体周辺に剣を向ける。
すると小さな笑い声と共に黒い棘のすぐそばの地面から黒い物体が出てきた。


「ふっふっふ、まさか先ほどのを避けるとは。さすがは紛い物とは言え超越種を倒しただけはある」


黒い物体は人の姿へと変わり、そこには黒い神父服を着た謎の男が現れた。
その特徴的な服装は忘れもしない、あいつらに違いない。


「お前、マモン教か!」

「おぉ、私たちのことをご存じでしたか。それはそれは嬉しいですね~」


すると目の前の灰色髪の男はにこやかに笑いながら丁寧にお辞儀をした。この場においてここまで冷静に自分のペースを保っていられるやつからは何だか言葉に出来ない不気味な雰囲気を感じる。


「私たちのことを存じていただけているということなのでお礼の意味も込めてご挨拶いたしましょう。初めまして、私はマモン教大司教ローガンスと申します。以後お見知りおきを」

「冒険者のユウトだ。そんなことより、マモン教の大司教がこんなところで一体何をしている?」


俺が何か情報を引き出せればと対話を試みる。
それと同時にセラピィに念話ですぐに逃げる準備をしておくように伝えておく。


「そうですね、簡単に言えば『実験』ですかね」

「実験...?」


そういうとローガンスは倒れているドラゴン・イクシードに触れて不敵な笑みを浮かべた。


「私たちのことを知っているということはマモン様のこともご存じなのでしょう?私はマモン様の再来のための実験を行っているのですよ」

「...もしかして、その超越種とお前は何か関係があるのか?」

「関係があるもなにも、この子は私の大切な実験動物ですよ」


超越種が実験動物だと...?!
ということはこいつが超越種を意図的に生み出したというのか...?


「つまりお前はこいつを超越種にすることに成功したというのか?」

「いいえ、半分正解で半分間違いです。なぜならこの子は紛い物ですからね」

「紛い物?」


するとローガンスは嬉しそうにこちらに向かって語り出す。
俺はこの男に今までに感じたこともない狂気を感じて少し寒気が走った。


「ええ、その通り!私はマモン様の魔力残滓をいろんな魔物に取り込ませてマモン様の魔力に耐えうる肉体を生み出そうと日夜研究に明け暮れているのです。最初は失敗続きだったのですが、何とここ最近は強制的に2体もの魔物に対して種の限界を突破させることに成功したのですよ!まあ、本来の超越種とは少し違った存在でしたがね」

「2体だと...?!」

「ええ、このドラゴンの前にとあるゴブリンが成功したのです。しかし、どうやら私が少し目を離した間に討伐されてしまったようで。死体の回収はおろか肝心の魔晶石が回収できずに困っていたのですよ」


あのゴブリン・イクシードはこいつが生み出した魔物だったのか!こいつの実験のせいでサウスプリングの冒険者たちは危険な目に...


「まあ、データをちゃんと記録していたおかげで結果的に適性のある魔物にマモン様の魔力で変異させる技術は確立したので良いのですがね。それにゴブリンごときが超越種になれたところでたかが知れていますよ。なので今回が私の本命なのです!ドラゴン・イクシードともなれば素体としては一級品ですからね!」

「どうでもいい...だと?お前のせいで、あのゴブリン・イクシードのせいで死にかけた人だっているんだぞ!!!」


俺はやつの自己中心的で傲慢な言葉に湧いてくる怒りを抑えきれずにいた。一歩間違えればゴブリン・イクシードのせいでゲングさんが死んでいたかもしれないのだから。


「おやおや、ゴブリン・イクシードのこともご存じでしたか。もしかしてあの子を討伐したのもあなたですか。いやはやこんな短期間に超越種を2体も倒すなんて将来有望な冒険者ですね」


俺の怒号にも顔色一つ変えず目の前の男はヘラヘラとしながら拍手している。こいつはこのまま野放しにしておくわけにはいかない、そんな思いが怒りと共にさらに強くなる。


「...ということは、あなたが死体を持って行ってしまったのですか。どうでもいいとは言いましたが、私の大事な実験の邪魔をしてくれたのですからそのお礼を差し上げないといけませんね~」


そういうとローガンスはチラッとドラゴン・イクシードの方へと視線を向けた。その瞬間、俺は魔剣を手に取り一瞬でローガンスを間合いに入るところまで詰め寄った。


「はあああぁぁぁ!!!!」

「おっと!」


俺の一撃は完全にやつを捉えたかと思ったがなぜか俺の魔剣は何もない空を斬っていた。今の一瞬でやつは先ほどの黒い物体に変化してどこかへと消えたのだ。


「なっ?!」


すると先ほどまで目の前にいたローガンスの気配が一瞬で俺の背後に回っていた。まるで瞬間移動かのような芸当だ。


「いきなり攻撃とは野蛮ですね。それにしてもこんなところに可愛らしい同行者を連れているとは...」


俺はその言葉を聞いた瞬間に全身に恐怖と怒りの入り混じった感情が電流のように暴れまわった。すると次の瞬間には考えるよりも行動が先行していた。


「セラピィ逃げろ!!!!!!!」

「っ!!」


俺が叫ぶとセラピィはびっくりしながらも人化を解いてスキルを使用した。するとその場にいたセラピィの気配は一瞬にして消え去った。

どうやら無事にセレナたちのもとへと戻ることが出来たようだ。


「ほう、人間ではありませんでしたか。興味深いですね...研究してみたいものだ」

「させるわけないだろ!!!!」


俺はもう一度ローガンスに向かって攻撃を仕掛ける。
物理攻撃が聞かないのであれば今度は魔法だ!


「ライトニングストライク!!!」


魔法発動と同時にローガンスの頭上から強烈な落雷が落ちた。強烈な光が発した直後に鼓膜が破れそうなほどの轟音が遅れてやってきた。雷魔法の中でも不可避に近い、音速をはるかに超えた一撃。威力も相当なもので以前試しに使ってみた時には落下地点の半径5mほどの地面が溶解していたほどだ。


「どうだっ!」


激しい爆風が収まるとそこには確かに魔法の跡があったにもかかわらずローガンスの姿がどこにもなかった。また逃げられたのか...?!


「今のはさすがに危なかったですね」

「ちっ!!」


そこにはドラゴン・イクシードの死体の上に立っているローガンスの姿があった。しかし今回に関しては全くの無傷という訳ではなく先ほどの雷撃が掠ったのか片腕から少し血が流れていた。


「今の状態であなたと戦えば私の目的が達成できなさそうなのでまた次回にさせて頂きましょう。それに私からのプレゼントも楽しみにしていてくださいね、とっておきの物を用意しておきますから」

「逃がすか!!!」


再び俺は雷魔法を発動させてローガンスを狙う。すると彼とドラゴン・イクシードの死体が一瞬にして黒い泥のようなものに変化して地面へと消えていった。

そのまま俺の魔法は何もない空へと消えていった。
辺りには再び静寂が戻ってきた。


「くそっ!!!!!!!!!」


辺りには俺の声だけが虚しく響き渡っていた。




《第4章:極寒山脈の凶龍編》~完~
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