上 下
78 / 122
第四章 極寒山脈の凶龍編

第70話 セラピィと慌ただしい朝

しおりを挟む


「......ん」


意識が徐々に浮上してくる感覚がする。
俺は明るい光を視界に感じてゆっくり目を開ける。


「......あっ、そうか」


俺は視界に飛び込んできた光景を見て昨夜のことを思い出す。
広いベッドに広い部屋、そして装飾が豪華な内装。

そう、昨日はみんなで食事を満喫?した後に宿屋で泊まろうと思っていたところ、セレナお嬢様が公爵家の邸宅に泊まるよう提案してくれたのだった。もちろん最初は俺もレイナさんも申し訳ないと断ったのだが、マリアさんもぜひとお嬢様に便乗した結果なぜかいつの間にか公爵家邸宅に泊まることが決定していたのだ。

俺は以前にも泊った経験があったので以前ほどの緊張はなかったが、レイナさんは貴族の豪華な屋敷にすっかり怯えきっていて子犬のようになっていた。レイナさん、ちゃんと寝れたのだろうか...?


俺は完璧に目が覚めたのでベッドを出て着替えを済ませる。時間がまだ早かったのでインベントリに入れていた本を読みながらゆっくりと過ごすことにした。こんな朝もいいな...と環境の影響もあってか非常に優雅な気持ちに浸っていた。


「起きてる?おはよー!!」


すると何の前触れもなく突然セラピィが俺の目の前に少女形態で現れた。そういえば、ここしばらくいろいろあったからあまり構ってあげられてなかったな。もしかして寂しかったのかな。


「セラピィ、おはよう」


セラピィに挨拶を返すと彼女は近づいてきて俺の手に持っている本を覗き込む。
そして何だか不思議そうな顔をしながら俺の顔を見つめてきた。


「...何読んでるの?」

「ん、これ?これはちょっと前に買った魔法書だよ。いろんな魔法のことについて書かれてるんだ」


セラピィは「ふ~ん」と言いながらもう一度本を覗き込む。
すると俺の膝の上に座ってこう聞いてきた。


「一緒に読んでもいい?」


とても愛くるしい仕草に俺は思わず口角が上がってにやけそうになる。
俺は必死にバレないように表情を取り繕いながら平然を装って答える。


「ああ、もちろんいいよ」

「やった!」


そうして俺とセラピィは傍から見ればまるで親子かのような微笑ましいだろう状態でゆっくりとした時間を過ごした。俺はこの時、とても心が満たされていたように感じた。




...コンコンッ


本を読み始めてからしばらく経ったとき、ドアの方から誰かがノックした音が聞こえてきた。俺はすぐに返事を返してノックの主を確かめる。すると外から声が返ってきた。


「おはようございます、ユウトさん」


声の主はレイナさんであった。

俺は膝の上に座っているセラピィを椅子に座らせて本を渡す。そしてセラピィに本を読んでていいということを伝えてすぐさまドアを開けに向かう。


「おはようございます。レイナさん、昨晩は良く寝れましたか?」

「そうですね...少し寝付きは良くなかったです...」


やはり緊張してあまり寝れていなかったようだ。
今も眠そうにあくびが我慢できずに漏れているぐらいだからな。


「ユウトさんは...寝不足ではなさそうですね」

「ええ、以前も一度泊まらせてもらったことがありますからね。少し慣れちゃいました」


俺は少し冗談めいた感じで笑いながらそう話した。
まあこんな豪華絢爛な場所は何度来たって緊張はするだろうけど...


「...へっ?!ゆ、ユウトさん!!う、う、後ろ?!?!」

「えっ?!?!」


突然レイナさんが変な声を漏らしたかと思ったら顔を青ざめさせて俺の後ろを指差した。俺もそんなレイナさんに驚いてすぐさま後ろを振り向いた。するとそこには本を持って俺のすぐそばで立っていたセラピィの姿があった。


「な、何だ...セラピィか...」

「えっ?!ゆ、ユウトさん?!その子のこと知ってるんですか?!」


どうやらレイナさんはセラピィのことを幽霊か何かだと勘違いしていたようだ。
まあたしかに急に人の背後に何も言わずに知らない子が立っていたら幽霊だと思うよな。

でもそういえばセラピィって精霊だし、精霊って幽霊と言ってもある意味間違いではないのかもしれない...がまあ今はそんな細かいところはどうでもいいだろう。とりあえず俺はセラピィが幽霊ではないことを伝える。


「ゆ、幽霊じゃないんですね...よかった」


何とかレイナさんをなだめることに成功した俺だったが、次の瞬間何かに気づいたレイナさんは先ほどとは違う理由で慌て始めた。


「いや、そんなことよりも何で女の子がこんな朝早くにユウトさんの部屋にいるんですか?!どういう関係なんですか?!?!?!」


レイナさんは凄い勢いでセラピィについての質問を俺に投げかけてきた。いや、まあ何も知らない人から見れば朝から少女を寝室に連れ込んでいるヤバイ奴に見えるなと変に冷静に自分の現状を分析していた。さてどこからどういう風に説明したものか...


「どうされましたか?!」


すると廊下で騒いでいたのを聞きつけたのかマリアさんが急いでこちらへとやってきた。レイナさんの只ならぬ雰囲気に事件かと勘違いしたマリアさんが加わってさらに状況が悪化してしまった。とりあえず、まずはマリアさんに事情を説明して一緒にレイナさんをなだめる側を増やすことにする。


「...ということなんですよ」

「なるほど、そうだったのですね。私はてっきり侵入者か何かかと...」


いや、こんな警備がガチガチの屋敷に侵入するやつなんているか?
まあ教団の件もあったから心配しすぎるぐらいがいいのかもしれないけれど。



そうして俺たちはレイナさんにセラピィのことを説明するためにちゃんとした話し合いの場という名の朝食会をすることになった。もちろんそこにセレナお嬢様も交えて話せる範囲で話すことにした。

セラピィの件を話そうとすると少し誘拐事件の話も入ってきてしまうためお嬢様もいた方がいいだろうというマリアさんのアドバイスがあって朝食の場でという運びになった。

お嬢様も参加してもらう理由の中には最近なかなかセラピィに会えていなかったから寂しそうだったというマリアさんのお嬢様への配慮も含まれているようだ。もちろん二人が対面できる時間を作ることはお嬢様だけではなくセラピィにとってもいいことだろうからな。




==============================




「...という感じでセラピィさんの説明は以上になります。レイナさん、何かお聞きしたいことなどはありますか?」

「い、いえ!説明いただきありがとうございます!!」


隣でレイナさんがカチコチになりながらお嬢様にお礼を告げている。

とても綺麗に分かりやすくお嬢様がセラピィのことを説明してくれたおかげで正直非常に助かった。精霊であることを伝えて上手く事件のことは隠しながらも契約をしたことを伝えたりなど非常に人に情報を伝える能力が高いかった。俺はお嬢様のスペックの高さに改めて尊敬の念が浮かんできた。


「それにしてもまさか精霊さんにお会いできるなんて...それにユウトさんもセレナ様も契約をされているだなんてすごいです!」

「私にとってセラピィさんはユウトさんと同じく命の恩人であり、そして友人のような感覚なのです。なので私はセラピィさんを精霊として崇めるよりも一緒に笑いあっていたいと思っています」


お嬢様はセラピィの手を取って微笑みかける。
そんなお嬢様を見たセラピィも笑顔でお嬢様に抱き着いていく。

何とも微笑ましい光景に心がじんわりと温かくなっていくような気がする。


「と、とりあえずレイナさん。何とか誤解は解けましたか?」

「あっ、ユウトさん先ほどはすみませんでした!!」


そう聞くとレイナさんはこちらにペコペコと頭を下げて謝っていた。
もう大丈夫ですよと優しく告げてこの件は終わりにすることにした。


レイナさんへの説明も済んだところで本格的に朝食を頂くことになった。さすがに朝食は豪華なというわけではなくあっさりとして料理が並んでおり、俺もレイナさんも比較的落ち着いて食べることが出来た。

すると食事を終えたあたりでお嬢様が俺に話しかけてきた。


「そういえばユウトさん、今日のご予定はどうなされますか?」

「そうですね、今日は依頼の準備のために買い出しに行こうかと思っています。食料とか道具とか...あとは武器も買えたらなと思ってます」


俺がそう告げるとお嬢様は少し考える仕草をした。


「それならユウトさん、ぜひマリアに王都のいいお店を案内してもらってはどうでしょう?」

「いえいえ、そんな!申し訳ないですよ!!」


お嬢様専属メイドであり、そして護衛でもあるマリアさんに俺の買い物の付き添いをしてもらうなんて申し訳なさすぎる。絶対マリアさんもお嬢様のそばを離れるわけにはいきませんって断るに...


「私は今日、特に予定もありませんし...マリアどうですか?」

「お嬢様がよろしければ私は構いません」


いや、いいんですか?!
...まあマリアさんが良いって言うなら僕が断るわけにもいかないだろう。


「そ、それではマリアさんお願いできますか?」

「はい、お供させていただきます」


ということで俺はこのあとマリアさんと王都での買い物することに決まった。たしかに俺は王都のお店に全く詳しくないし、こんな広い都市を一日で回るのは不可能に近かったからありがたいことではある。


「では、レイナさん。私たちは良ければお二人が買い物に行っている間、お話ししませんか?」

「えっ、お話ですか?!」

「昨日の件、とかですよ」


その言葉を聞くとレイナさんは思い出したかのように少し顔を赤らめてお嬢様からの申し出を受け入れた。

昨日の件ってもしかして俺の話...?俺のいないところで何を話されるのか少し気になるけど、逆に聞きたくないような気もするからちょうどいいのかもしれない。


「セラピィさんも一緒にお話ししませんか?」

「うん、する!!」


お嬢様がセラピィにも聞くとセラピィは嬉しそうに返事をする。
ということは本格的に俺はマリアさんと二人っきりで買い物か...ちょっと緊張してきたかも。



そういうことで今日の予定は俺たちは買い物へ、お嬢様たちは女子会という予定に決まった。さて王都にはどんなお店があるのか少し楽しみである。

しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

処理中です...