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縁
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しおりを挟む「……そう、でしたか」
ロドニーの死に、デレクも目を伏せた。
「とにかく。僕は旧知の仲だったレジーに会いに行ったところ、ジェイダが心配して探し回ったことになってるから。……身の上を明かしていなかったのは僕だ」
言っていたら、何かが変わっていただろうか。
ロドニーや彼の妻が、あのような目に遭わずとも済んだのか。
「土手っ腹殴っといて何だが。……もう、言っても仕方のないことだ」
レジーの怒りは、どこへ行ったのだろう。
嬉しいような、悲しいような。
気になったが、まずはこれを伝えねばならない。
「……北が動いているとの情報がある。協力を得て、アルが僕諸ともクルルを攻め入ると」
「何ですと!? そんな馬鹿な話が……」
だが、キャシディの様子を見るに、嘘を言っているとも思えなかった。
真意は不明だが、むしろ先に耳に入れてくれた感じすらする。
「明日は必ず突かれるね。それにしても、何でそんなことになったのか」
知らないことはどうしようもないが、それで通るとも思えない。
でっち上げだと騒ぐのも、これからのことを思えば得策ではない。
さて、どうしたものか。
「使いを出すのも不自然ですね」
どうなっているのか確めたいが、この時期に人を送るのも躊躇われる。ロイ自ら外に出るなど、論外だ。
(うーん……。何か、そもそも忘れてるような)
《誰が、ジェイダを呼んだと思ってるのさ》
頭の中に、呆れたような高い声が響く。
(……あ、そうだった)
森の大精霊がいたではないか。
都合のいいことに、アルフレッドにはマロのことがバレている。
本人が信じていようがいまいが、この際関係ない。
(頼んだ)
《大精霊をこき使いすぎだよ。……ったくもう、人間は……》
自分から言い出したくせに、ぶつくさいつもの文句を述べて開始したアルフレッドとの通信は、どうやら難航しているようである。
《あぁ~っ、もう! 適応能力に欠けるなあ、王様のくせに。いい加減、慣れてもらわないと困るよ! 》
ポケットの中で、マロのくるんとした瞳が何とかしろと訴えていた。
(……アル)
《……ロイか。本当にあのリスは……いや、いい。それより、そちらの様子は》
ともかく話をする気になったらしい。
(ちょっとまずい。僕らが北と共謀して、クルルを落とそうとしているなんて噂が……)
《……まるっきり、ただの噂でもない》
(……何だって? )
耳を疑っていると、アルフレッドが苦々しく続けた。
《……エミリアだ。どうもあいつの家は、北と繋がりを持ったらしい》
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