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ホストに嫉妬しているらしい。1
しおりを挟むいたずらのつもりでキスをしたら、つい止まらなくなってしまった。不覚だ。さらに、まだキスしかしていないというのに下腹部は完全に反応してしまっている。ひょっとしたらスバルの太ももに当たっているかもしれない。バレていたら俺はマジで死にたい。
キスしながらそこまで考えたとき、スバルが小さい声で、「一緒にシャワー浴びよ……?」なんて可愛らしいことを囁いてきた。
「お、お前、前に俺と風呂入るのやんわり拒否したくせに、何をっ」
「あれはっ!!」
スバルは明らかに酒のせいだけではない赤い顔で、恥ずかしそうに言った。
「勃っちゃうと思ったから……」
「!!」
うまく言えないが、心臓を撃ち抜かれた感覚があった。可愛い。拒否されたと思っていたが、そういう理由があったのか、と納得する。確かにあの頃、俺がスバルとえろいことするのを明確に拒否していたせいで、色々とぎくしゃくしていたのだった。それにしても、今は勃っても大丈夫だと安心してくれているのが地味に嬉しい。
それがなあなあになるどころか、俺が自ら求めるようになるとは……。
まあいいか、恋人なんだし。
俺は開き直り、スバルが服を脱がせてくれたので、おとなしくされるがままになった。
◆
「無理に決まってんだろ」
ベッドでスバルと向き合うようにして座っている。
あのあと、開き直った俺はスバルにちょっかいをかけ、イチャイチャしながら一緒にシャワーを浴びた。途中からスバルの目がとろんとしてきて、いつも以上に甘えてくるようになったので、ますます欲情したりなんかして。なるべく痛くないようにしてやろう、などと考えていたのに。
お願いを却下されたスバルは傷ついた顔をした。
「……やっぱりだめ?」
「だめ。お前は大人しく俺の言うこと聞いてろ」
以前スバルと初めてそういう展開になったとき、これ以上はだめ、と拒否したのはスバルの方だった。その理由が今しがた明らかになったのだ。
「僕、こういうことになったら絶対受けだって思ってたんだけど……優也を好きにしたい気持ちが出てきちゃったんだもん……」
「俺は自分の貞操をお前に譲る気はない!!」
考えてもみなかったことだ。想像するだけで恐ろしい。ここはスバルを腰が抜けるほど快楽に溺れさせ、二度とこんな提案をできないようにしてやらなくてはならない。強行突破だ。
「スバルくん、いいからさっさとこっちに来なさい。俺はもう我慢できそうにない」
座った状態で両腕を広げ、おいでおいで、と指先で合図する。スバルはあほな上にちょろいから、さっきの傷ついた様子はどこへやら、求められたことに喜んで尻尾を振って抱きついてきた。その頭を撫でてやる。単純なのがこいつのいいところだ。ていうか……髪からいいにおいがする……。
「はあ、好き」
言葉が勝手に漏れていた。もう恥ずかしいとかどうでもよくなってきた。恥ずかしがってるスバルを無視して思いっきりディープなキスをしてやった。
「んっ……優也、っ」
「んー?」
頭を押さえて逃げられないようにする。スバルの身体がどんどん熱くなっているのを感じた。俺の思考回路はとっくにショートしているのでどうしようもない。
「は、ぁっ……僕も好き、だよ」
屹立したスバルのものが俺の腹部に当たっている。先端から透明な糸が引いているのに気がついた。遅れてスバルも気づき、慌てたように腰を引く。
「ご、ごめん、僕」
「なんで謝ってんだよ」
「だって……気持ち悪くない……?」
「ない。てか好き。まじで。好きだ」
優しくしてやろう、などと考えていたわりにそんな余裕もなく、そのまま押し倒してしまった。
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