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第二章 管理者編

第五話 チート?

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 ステータス

 名前……ユウト・サトウ

 年齢……十三歳

 魔法……創造魔法『隠蔽』、全属性魔法、空間魔法、回復魔法

スキル……言語理解、鑑定、アイテムボックス、身体強化、気配察知、全耐性『極』、武術『極』、体術『極』、全自動回復『極』、思考加速、複数無詠唱

 固有スキル……不老不死

 称号……『底辺を生きた者』、『転生者』、『浮遊城の管理者』、『神獣の長』

 加護……『創造神の加護』




 完全にぶっ壊れチート……

 スキルの全自動回復(極)なんて、毎秒千回復だもんな……。
 なんだよダメージ受けたそばから回復って、魔力もスタミナもほぼ減ることがないじゃん!


 受付から離れ、F級でも受けられる依頼がないか掲示板を見る。
 依頼を受かられるのは、F級と一つ上のE級だ。

 うん。 予想通り、ゴブリン・ウルフ討伐と薬草採取が常設依頼か……

 さすがに掃除や荷物運びなどは遠慮したい。
 常設討伐依頼は、一匹銀貨一枚で上限なし…。

 ここで硬貨について話しておく。

 日本円で例えると……。

 十円……銅貨一枚
 百円……大銅貨一枚
 千円……銀貨一枚
 一万円……大銀貨一枚
 十万円……金貨一枚
 百万円……大金貨一枚
 一千万円……白金貨一枚


 こんな感じ。
 安宿ならば、銀貨四枚で三食付き一週間といったところ。
 高級宿なら、大銀貨五枚で三食、風呂付き一週間。

 通常は討伐証明として、魔物の一部をギルドに出すものだが、魔物の素材をあまり傷付けずに持ち帰れば、素材の買い取りもおこなってくれる。

 例えば、ウルフを一匹討伐し、証明だけ持ち帰った場合の報酬は銀貨一枚に対して、素材を丸ごと持ち帰えった場合の報酬は銀貨二枚になる。


 余談だが、高価なマジックポーチ持ちやアイテムボックス持ちは狙われやすい。
 ポーチを盗られたり、荷物持ち兼囮役にさせられ、分け前は十分の1だったりと扱いが酷い場合が多い。


 常設依頼表には、王都の東の森の中にいると記載されておりそのまま向かうことにした。
 王都の門を出て東の森へ向かう。
 〈転移〉でパパッと終わらせたかったがせっかくなので、駆け足で向かう。
 森の入口付近で、〈探査サーチ〉を使いゴブリンかウルフを探す。

 「見つけた!」

 マップ上では、森の中心地点で密集しているのか赤い点が沢山集まっていた。 その数、五十匹。

 五十匹=銀貨五十枚=大銀貨五枚。
相手はゴブリンなので、討伐証明だけ持ち帰れば良いし、右耳と魔石以外は土魔法で埋めれば良い。
 これだけで、五万円の価値になる。

 ユウトはゴブリンの集団に向けて、魔法を放った。

 〈風魔法 エアトルネード〉

 小規模の風の竜巻がゴブリンの身体をバラバラに切断する。

 間一髪で風魔法から逃れた残りのゴブリンに対して、万能具を弓に変え風の矢を射った。

 「グギャギャギャー!」

 複数のゴブリンの叫び声が森の中に響く。
 その声に誘われてウルフが十匹程集まったが、ユウトは難なく討伐。
 ウルフを討伐する際、喉元に剣の先を刺し倒した。
 そしてウルフはアイテムボックスへ、ゴブリンの右耳と魔石以外は一箇所に埋め、森の入口まで〈転移〉し王都へ戻って行った。


 冒険者ギルドの受付に向かい受付嬢のミリアさんに常設討伐依頼の報告をした。
 袋に詰めたゴブリン討伐の証明と魔石をカウンターに出したところ、その数の多さに目を丸くしユウトを応接室に促した。
 応接室にはスキンヘッドの男性と耳の尖ったエルフの男性が居て、更にオルストンさんが座っていた。

 オルストンさんが受付嬢と入って来たユウトを見て、手を振り「やあ、ユウトくん」と声をかけた。

 「失礼します、サブギルドマスター。 今日の昼前に登録をしたこちらのユウトくんが常設討伐依頼の証明を持って帰って来たのですが、少し量が多くて見てもらえますか?」

 と、遠慮がちに言う。

 それもそのハズ、公爵との話し合いの最中にお邪魔したのだから。

 「む、この袋を君が?」

 「はい、何か問題でも?」

 「大ありだ。 ギルドカードを出してくれるかね」

 「どうぞ」

 ギルドカードを出して渡そうとする前に、サブギルドマスターはカードを奪いこう言った。

 「このカードは処分し冒険者資格を剥奪する!」


 「「「「え?」」」」


 四人分の声が綺麗に重なった。

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