超神曼陀羅REBOOT

第二部 覚醒篇

登場人物紹介

明石あかし　雅人まさと

　流浪の空手家。強くなる事を目的として鍛錬を積み、各地を渡り歩いて実力者との闘争に明け暮れる日々を送っていた。三年前、紀田きだ勝義かつよしとの手合わせを求めて水門市を訪れた折に渋江杏子と出会い、結果的に勝義会かつよしかいを壊滅させる手助けをする。以来、消息を絶っていたが再び水門市を訪れた。かつて自分を瀕死に追い込んだ蛟しゃおと親しげな様子を見せる。炎を操るオーヴァー・ロード“火天”となっているのだが、同じオーヴァー・ロードである蛟からは“裏切り者”と呼ばれている。


青蓮院しょうれんいん　純じゅん

　仏の笑みを浮かべる美貌の青年。頭脳明晰にして格闘能力に優れ、穏やかな表情をしながらも冷徹な判断力を持っている。天性のフェロモンのようなものを常に纏っており、知らず知らずの内に他人を魅了してしまう。又、相手の誘いを断る事がないのもその為であり、恋人である平山里美や、バイト先の店主・緑川悟などからは呆れられている。装甲そうこう聖王じょうおう〈クベラ〉を装着し、“アンリミテッド”によって獣化した者たちを始末するべく戦っている。オーヴァー・ロードを全滅する事を目的としており、蛟や雅人を敵対視する。


篠崎しのざき　治郎じろう

　陰湿な眼を持つ青年。三年前に池田いけだ組のチンピラに絡まれた所を雅人に助けられているがこの事を屈辱に思い、当時在籍していた学校の空手部で先輩や同級生に暴行を働いて出奔。池田組に監禁されるも、自分を客分として雇うよう迫り、土中監禁を乗り越えてその座に収まる。池田組の鉄砲玉をやりつつ、暗黒プロレスでは華麗な蹴り技から“蛇喰い”の異名で呼ばれていた。純と再会するも睾丸を潰され、“アンリミテッド”で変化した怪物に襲われ、自分の実力不足を突き付けられる。


渋江しぶえ　杏子きょうこ

　『おさんぽ画報』というローカル雑誌の記者。三年前に勝義会から受けた暴行を気に病み自殺した親友・美野みの秋葉あきはの真相を明らかにする為に奔走した。勝義会の暴行の記録映像を取り戻そうとする紀田勝義の部下によって監禁されるも、秋葉の仇討ちを依頼した雅人によって救出される。この時の傷が和らぎ、再び水門市を来訪し、“アンリミテッド”で変化した人間の引き起こす事件に巻き込まれる。


花巻はなまき　玲子れいこ

　水門市警察署に在籍する女性警察官。元空手部であり純に師事した事で培った格闘術を評価されたのと、本人の気質もあって、凶悪犯罪の現場に立ち会う事も多い。その原点には幼馴染みの治郎が池田組のチンピラに暴行を受け、その場に居合わせた雅人の戦いを間近で見た経験がある。池田組壊滅の為に働くも、蛟の引き起こす奇怪な展開に困惑する。


平山ひらやま　里美さとみ

　水門大学に通う女性。純の恋人。喫茶“こんぴら”でバイトをしている。親友の堀田百合が“アンリミテッド”の影響で昏睡状態にあり、その原因が自分にもあると後悔している。


緑川みどりかわ　悟さとる

　純や里美が働き、玲子も通う喫茶店“こんぴら”のマスターと、“緑川医院”で町医者を兼務する壮年の男性。


飛岡とびおか　丈じょう

　玲子の先輩刑事。正義感溢れる若者。池田組の屋敷に乗り込むも、蛟に細胞を埋め込まれて操り人形となってしまい、他の刑事たちと共に玲子を襲った。


堀田ほった　椿姫つばき

　水門第三高校に通う少女。しかし不良グループとつるんで援助交際などを始めとした違法行為をしており、時として補導される。姉との縁から里美に身元を引き受けて貰う事が多いのだが、姉が昏睡状態に陥るに当たって何の手助けにもならなかった里美を怨んでいる節もある。しかし百合が麻薬に手を出した理由が自分にもあると苦悩している。


堀田　百合ゆり

　“アンリミテッド”の作用で身体の一部を獣化させ、昏睡状態に陥って入院を続けている女性。里美の親友で、椿姫の姉。家庭の事情から椿姫が不良たちをつるむようになった事を気に病み、当時勝義会が売買していた“アンリミテッド”を使用してしまった。


里中さとなか　いずみ

　バー“わかば”の店主。明るく朗らかな笑顔が魅力的な、豊満な身体付きの女性。かつて池田組の経営する風俗店で働かされており、現在の店も池田組の土地を借りている。池田組に追われていた治郎を匿ってはそれがばれて襲われ、勝義会には明石雅人の関係者と勘違いされて誘拐されたりと不幸な目に遭っているが、それでも笑顔を絶やさずに店を続けている。


荒巻あらまき　健吾けんご

　市内のキックボクシングジムに通う青年。悪友と共にホームレス襲撃を画策した所、雅人に止められて罪の意識に苛まれ、この償いの為に真人間へ更生した。正人の強さへの憧れから格闘技を始めている。悪友の一人・ユウジが“アンリミテッド”の絡む事件によって死亡したのをきっかけとして事件に首を突っ込んでゆく。

三浦みうら　響ひびき

　水門大学三年生。陸上部。ひなたの幼馴染み。

幹みき　ひなた

　水門大学二年生。陸上部マネージャー。響の幼馴染み。


陳ちん　蛟竜しゃおろん

　勝義会や池田組に“アンリミテッド”を卸している、異国の呪術集団“アヴァイヴァルティカ”の使者を名乗る青年。水を操る異能力を持ち、自らを超越者と称して人間を見下した言動を採る。アヴァタール現象によって獣人のような姿になって戦う事もある。三年前に客分として勝義会に迎え入れられた折、青蓮院純と戦闘し、手酷い敗北を喫した事から彼を憎んでいる。町の不良少年たちを操って魔獣に変え、百鬼曼陀羅・饕餮とうてつを使って純や雅人を始末しようとするも失敗し、逃亡する。


ラクシャーサ

　ムエタイのような戦法を用いる女戦士。篠木組しのぎぐみの用心棒をやっていた。拳銃の玉を跳ね返す肉体を持ち、その格闘能力は容易に人間を死に至らしめる。“パパ”の指令によって動いているらしく、蛟の事を“蛇小僧”と呼ぶ。


紘一こういち

　七種会ななくさかいに“アンリミテッド”を受け渡していたらしい謎の少年。触れる事なく対象を吹き飛ばす不思議な能力を持っており、蛟の独断専行を“父ちゃん”から知り、ラクシャーサに伝える。奔放でありながら残虐な性格が伺える。