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第1話 クロスブラッド誕生
Part9 怪物
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黒く膨らんだ身体から、硬質そうな赤い体毛がめちゃくちゃに生えている。地面に突いている二本の肢には鋸のような爪が生えていた。その肩口から広がるのは鴉のような翼だが、翅の一本一本は昆虫のそれのように透けて薄い。肩の間から長くて太い頸が伸び、頭には四つの眼があり、しかも牙を覗かせる口らしい器官は人間でいうと額の部分にある。
体格は、俺の数倍だ。
それが、昇降口のガラスを突き破って、校舎の外に佇んでいた。
地面に置いた前肢の爪が、赤い液体で濡れている。前肢を持ち上げて、再び校舎の中に入り込んで来ようとすると、この液体が地面との間に粘着質な尾を引いた。
見れば、その胴体にも同じ液体が付着している。ペンキで満たしたバケツを、正面の壁に向かって振り出し、飛び出した赤色が胸まで跳ね返ってしまったようにも見えた。
俺はどうにか上体を起こしたのだが、それが近付いて来るまで、どのようにも動けないでいた。ただ、その場に座り込んで、怪物が接近するのを待っている。
怪物は、自らの身体でガラスを粉砕した昇降口の敷居を跨ぐ。校舎の内外の境界を超えた途端、俺の全身を堪らないプレッシャーが押し包んだ。
全身の皮膚が、氷を当てられたように冷え切っている。
細胞の一つ一つが、余りの寒さに引き裂かれてしまいそうだった。
怪物がゆったりと近付いた。俺と奴との距離は、俺が腕を伸ばせば触れ合うまでになっている。
それはつまり、怪物からすればちょっと前肢を前に出すだけで、俺を捕えられる位置にいるという事だ。
むぅぅぉぉぉぉ……押し寄せる威圧感。俺と怪物との間に、見えない液体が充満しているようだった。しかしそれを、怪物の方は感じていない。俺ばかりが恐怖の泥に動きを封じられている。
奴の身体から、匂い立つ、獣の体臭。
それに混じる生臭さ、鉄臭さ。
俺はその臭気に当てられて、悲鳴を上げる事さえ出来なかった。
その間にも怪物は俺との距離を詰めようとしている。亀の這う速度に感じるのだが、それは俺の脳が怖さを和らげるのに分泌したアドレナリンの所為かもしれない。俺は息をする事も忘れ、異質なモンスターの爪が、二人目の血を吸う瞬間を待つ他にはないようだった。
――それで良いのか?
声がした。
何でこんな時に、そんな事を訊くんだ。
思い出したのは彼の事だ。脅されていたひょろりとした先輩。彼がやられていたのを、見て見ぬ振りした事は、本当に俺にとって良かった事なのか?
違う、今、そんな事はどうでも良い。今、俺がやるべきなのは……。
怪物の顔が、眼前に迫っていた。額の口が開く。四つの眼が俺を注視した。この時初めて、俺は獣毛に包まれた怪物の顎の辺りに、更に一対の眼と口があるのを確認した。だが、主に感覚器官としての役割を担っているのは四つの眼の方で、五、六番目の眼は使われていなさそうであった。
額の口が開いた。やたらに多い牙が、唾液を引いて上下に広がる。二本の舌がちろり蠢いた。蛇のように先端が二つに割れているのではなく、初めから二つの舌がその口腔には収められていたのだった。
その二つの舌が、俺の鼻先を撫でそうになる瞬間――
漸く俺の身体が、自由を取り戻した。
それまで俺を拘束していた恐怖が、一転して俺の身体を強く弾いた。
俺は、この先、一生発揮する事がないかもしれないくらいの瞬発力で立ち上がり、後方に跳び込むようにして怪物の前から逃げ出していた。
俺は足をもつれさせて、校舎の中に転倒してしまうのだが、怪物は俺の咄嗟の動きに反応し切れなかったのかすぐには追って来なかった。
だが、それでも俺を追跡する意思はあったようで、やはりゆっくりとではあったが先程飛び出した校舎に足を踏み入れた。
俺は、兎に角あれから逃げるべく、後先考えずに校舎の闇へと逃げ込んだ。
闇とは言っても、実際に入ってみると、教室に射し込む仄かな月明かりが廊下にまで漏れて、真の闇という訳ではない。深海のように濃厚なブルーに染め上げられた校舎を、出来得る限りの全力で疾走した。
だが、廊下の真ん中辺りに差し掛かった所で、俺はそこに転がっていたものに突っ掛かって顔面から突っ伏してしまう。
受け身を取った手がぬめる。床に倒れた俺を包み込んだ生臭い匂いは、あの怪物が発していたのと同じものだった。
という事は……
俺は、俺が躓いた理由を見て、酷く気分が悪くなった。本当ならばその場で胃の中のものを吐き出してしまいたかったのだが、そんな時間はないらしい。
あの怪物が、俺を追い駆けて来ていた。
俺は靴底がぬめらないよう、なるべく足に力を込めて走り出した。
けれど、俺は何処へ逃げれば良いのだろうか。このまま廊下を真っ直ぐに突き進んで、俺は果たして逃げる事が出来るのか?
逃げるつもりがあるのなら、校舎の外へ出なければいけない。ひと気のない、構造に全く親しみのない校舎から外に出るのに、昇降口以外のルートを見付ける事が出来るのか?
背後から気配が迫る。
肩越しに振り向いてしまった俺のすぐ後ろに、あの怪物が!
「うわあぁぁぁぁぁっ」
俺は錯乱して足を滑らせ、三度目の転倒をした。
俺の身体が廊下を転がって、壁にぶつかる。その衝撃で、壁が裂けてしまう。違う、扉だ。教室への扉が、巧い事、施錠されていなかったのだ。俺はその教室に入り込み、勢い良く扉を閉めた。
教室の中身は、中学校と大して変わらない。俺は――無駄な抵抗だろうが――扉の前に机を並べ、バリケードを作った。そして窓の方へ駆けてゆき、鍵を開けて、外に出た。
すると予想通り、怪物は教室の壁を突き破り、前肢を滅茶苦茶に振るって机や椅子を弾き飛ばしながら、窓へと突撃した。俺が教室の窓の外で身を屈めていると、そのすぐ横の壁を、ガラスも柱も関係ないとばかりに怪物が巨体をうならせて貫通して来た。
怪物はそのままの勢いで宙に舞い上がり、肩から生えた翼を広げた。半透明の羽根が、三日月の放つ光を倍増して地上に降り注がせる。又、怪物の軌道を追うようにして散らばされたガラスの破片が、蝶の鱗粉のように夜空に煌めいた。
そのおぞましき怪物が、この時ばかりは、美しい神獣にさえ映った。
校庭に、砂埃を上げて着地する怪物。
その姿に一瞬とは言え見惚れてしまった俺は、逃げおおせるチャンスを失ってしまう。
全力疾走から、逃げ出す好機を得て喜んだ俺だったが、それが失敗したと分かって全身の力がふわりと抜け落ちてしまった。
背中を校舎の壁にもたれさせて、ふは……と、間抜けな溜め息を吐く。
怪物が、俺に迫っていた。
駄目だァ。
逃げられない。
この怪物が何を目的とした何であるのかは分からないが、廊下に転がっていた壮年教師の死体は、怪物の凶暴な爪が作り出したものだろう。
そして俺も、同じようになってしまうのだ……。
そう思うと逆に、何だか心が楽になるようだった。それまでの緊張や恐怖が薄れて、もうどうでも良いやという気分になる。
完全脱力して、地面に寝そべるような気分だった。しかし後ろに壁があるからそうはならず、視線だけがぐったりと持ち上がる。
三日月だった。
刃物のように鋭い、空の裂け目が、俺を見下ろしている。
だが、空を雲が覆い始めていた。分厚い夜の雲は、月の明かりを隠してしまう。
月が雲に喰われた夜、諦めを孕んだ少年に肉薄する異形の怪物……
伝奇小説の挿絵になりそうだ。
それを、例え落書きでも形に出来ないのは、何となく心残りではある。
怪物の爪が、砂利を掻く音を聞いていた。
心残りと言えば、両親の事だ。いきなり、何の予兆もなく、俺がいなくなってしまったら二人は哀しむだろうか。通った事もない高校の敷地内で死体が発見されたと知ったら、どんな思いだろう。
怪物が、俺の視界から夜空を奪い取った。
位置的な問題だろうが、怪物が使用する四つの眼が俺からは見えず、代わりに、機能が使われていない顎の位置の二つの眼と、獣毛に縫い合わされて開けない口が、俺の真上にあった。
怪物が前肢を持ち上げた。血で濡れた鋸のような爪を。
そして俺の身体に、振り下ろすのだろう。
体格は、俺の数倍だ。
それが、昇降口のガラスを突き破って、校舎の外に佇んでいた。
地面に置いた前肢の爪が、赤い液体で濡れている。前肢を持ち上げて、再び校舎の中に入り込んで来ようとすると、この液体が地面との間に粘着質な尾を引いた。
見れば、その胴体にも同じ液体が付着している。ペンキで満たしたバケツを、正面の壁に向かって振り出し、飛び出した赤色が胸まで跳ね返ってしまったようにも見えた。
俺はどうにか上体を起こしたのだが、それが近付いて来るまで、どのようにも動けないでいた。ただ、その場に座り込んで、怪物が接近するのを待っている。
怪物は、自らの身体でガラスを粉砕した昇降口の敷居を跨ぐ。校舎の内外の境界を超えた途端、俺の全身を堪らないプレッシャーが押し包んだ。
全身の皮膚が、氷を当てられたように冷え切っている。
細胞の一つ一つが、余りの寒さに引き裂かれてしまいそうだった。
怪物がゆったりと近付いた。俺と奴との距離は、俺が腕を伸ばせば触れ合うまでになっている。
それはつまり、怪物からすればちょっと前肢を前に出すだけで、俺を捕えられる位置にいるという事だ。
むぅぅぉぉぉぉ……押し寄せる威圧感。俺と怪物との間に、見えない液体が充満しているようだった。しかしそれを、怪物の方は感じていない。俺ばかりが恐怖の泥に動きを封じられている。
奴の身体から、匂い立つ、獣の体臭。
それに混じる生臭さ、鉄臭さ。
俺はその臭気に当てられて、悲鳴を上げる事さえ出来なかった。
その間にも怪物は俺との距離を詰めようとしている。亀の這う速度に感じるのだが、それは俺の脳が怖さを和らげるのに分泌したアドレナリンの所為かもしれない。俺は息をする事も忘れ、異質なモンスターの爪が、二人目の血を吸う瞬間を待つ他にはないようだった。
――それで良いのか?
声がした。
何でこんな時に、そんな事を訊くんだ。
思い出したのは彼の事だ。脅されていたひょろりとした先輩。彼がやられていたのを、見て見ぬ振りした事は、本当に俺にとって良かった事なのか?
違う、今、そんな事はどうでも良い。今、俺がやるべきなのは……。
怪物の顔が、眼前に迫っていた。額の口が開く。四つの眼が俺を注視した。この時初めて、俺は獣毛に包まれた怪物の顎の辺りに、更に一対の眼と口があるのを確認した。だが、主に感覚器官としての役割を担っているのは四つの眼の方で、五、六番目の眼は使われていなさそうであった。
額の口が開いた。やたらに多い牙が、唾液を引いて上下に広がる。二本の舌がちろり蠢いた。蛇のように先端が二つに割れているのではなく、初めから二つの舌がその口腔には収められていたのだった。
その二つの舌が、俺の鼻先を撫でそうになる瞬間――
漸く俺の身体が、自由を取り戻した。
それまで俺を拘束していた恐怖が、一転して俺の身体を強く弾いた。
俺は、この先、一生発揮する事がないかもしれないくらいの瞬発力で立ち上がり、後方に跳び込むようにして怪物の前から逃げ出していた。
俺は足をもつれさせて、校舎の中に転倒してしまうのだが、怪物は俺の咄嗟の動きに反応し切れなかったのかすぐには追って来なかった。
だが、それでも俺を追跡する意思はあったようで、やはりゆっくりとではあったが先程飛び出した校舎に足を踏み入れた。
俺は、兎に角あれから逃げるべく、後先考えずに校舎の闇へと逃げ込んだ。
闇とは言っても、実際に入ってみると、教室に射し込む仄かな月明かりが廊下にまで漏れて、真の闇という訳ではない。深海のように濃厚なブルーに染め上げられた校舎を、出来得る限りの全力で疾走した。
だが、廊下の真ん中辺りに差し掛かった所で、俺はそこに転がっていたものに突っ掛かって顔面から突っ伏してしまう。
受け身を取った手がぬめる。床に倒れた俺を包み込んだ生臭い匂いは、あの怪物が発していたのと同じものだった。
という事は……
俺は、俺が躓いた理由を見て、酷く気分が悪くなった。本当ならばその場で胃の中のものを吐き出してしまいたかったのだが、そんな時間はないらしい。
あの怪物が、俺を追い駆けて来ていた。
俺は靴底がぬめらないよう、なるべく足に力を込めて走り出した。
けれど、俺は何処へ逃げれば良いのだろうか。このまま廊下を真っ直ぐに突き進んで、俺は果たして逃げる事が出来るのか?
逃げるつもりがあるのなら、校舎の外へ出なければいけない。ひと気のない、構造に全く親しみのない校舎から外に出るのに、昇降口以外のルートを見付ける事が出来るのか?
背後から気配が迫る。
肩越しに振り向いてしまった俺のすぐ後ろに、あの怪物が!
「うわあぁぁぁぁぁっ」
俺は錯乱して足を滑らせ、三度目の転倒をした。
俺の身体が廊下を転がって、壁にぶつかる。その衝撃で、壁が裂けてしまう。違う、扉だ。教室への扉が、巧い事、施錠されていなかったのだ。俺はその教室に入り込み、勢い良く扉を閉めた。
教室の中身は、中学校と大して変わらない。俺は――無駄な抵抗だろうが――扉の前に机を並べ、バリケードを作った。そして窓の方へ駆けてゆき、鍵を開けて、外に出た。
すると予想通り、怪物は教室の壁を突き破り、前肢を滅茶苦茶に振るって机や椅子を弾き飛ばしながら、窓へと突撃した。俺が教室の窓の外で身を屈めていると、そのすぐ横の壁を、ガラスも柱も関係ないとばかりに怪物が巨体をうならせて貫通して来た。
怪物はそのままの勢いで宙に舞い上がり、肩から生えた翼を広げた。半透明の羽根が、三日月の放つ光を倍増して地上に降り注がせる。又、怪物の軌道を追うようにして散らばされたガラスの破片が、蝶の鱗粉のように夜空に煌めいた。
そのおぞましき怪物が、この時ばかりは、美しい神獣にさえ映った。
校庭に、砂埃を上げて着地する怪物。
その姿に一瞬とは言え見惚れてしまった俺は、逃げおおせるチャンスを失ってしまう。
全力疾走から、逃げ出す好機を得て喜んだ俺だったが、それが失敗したと分かって全身の力がふわりと抜け落ちてしまった。
背中を校舎の壁にもたれさせて、ふは……と、間抜けな溜め息を吐く。
怪物が、俺に迫っていた。
駄目だァ。
逃げられない。
この怪物が何を目的とした何であるのかは分からないが、廊下に転がっていた壮年教師の死体は、怪物の凶暴な爪が作り出したものだろう。
そして俺も、同じようになってしまうのだ……。
そう思うと逆に、何だか心が楽になるようだった。それまでの緊張や恐怖が薄れて、もうどうでも良いやという気分になる。
完全脱力して、地面に寝そべるような気分だった。しかし後ろに壁があるからそうはならず、視線だけがぐったりと持ち上がる。
三日月だった。
刃物のように鋭い、空の裂け目が、俺を見下ろしている。
だが、空を雲が覆い始めていた。分厚い夜の雲は、月の明かりを隠してしまう。
月が雲に喰われた夜、諦めを孕んだ少年に肉薄する異形の怪物……
伝奇小説の挿絵になりそうだ。
それを、例え落書きでも形に出来ないのは、何となく心残りではある。
怪物の爪が、砂利を掻く音を聞いていた。
心残りと言えば、両親の事だ。いきなり、何の予兆もなく、俺がいなくなってしまったら二人は哀しむだろうか。通った事もない高校の敷地内で死体が発見されたと知ったら、どんな思いだろう。
怪物が、俺の視界から夜空を奪い取った。
位置的な問題だろうが、怪物が使用する四つの眼が俺からは見えず、代わりに、機能が使われていない顎の位置の二つの眼と、獣毛に縫い合わされて開けない口が、俺の真上にあった。
怪物が前肢を持ち上げた。血で濡れた鋸のような爪を。
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