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第六章 戴冠
第五節 conference
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俺は状況を呑み込めないでいる。
死んだ筈のン・ダーモが生きており、見知らぬ女と一緒に、長老や祈祷師たちくらいしか知らないという秘密の黄金室にやって来た。しかもその女は、ワカフ翁と知り合いであるばかりか、長老の事を年下として扱っている風だ。
「――お前……」
その女……長老がメルバと呼んだ彼女が、俺に眼をやった。彼女の瞳を見ていると、吸い込まれそうになってしまう。しかしその顔立ちを眺めていると、驚くべき事に気付いた。
「あんた……まさか、ディバーダ族か!?」
顔立ちがヴァーマ・ドゥエルのものと違うというのはすぐに分かったが、通った鼻筋やぱっちりとした眼、額や顎の形から見て、ディバーダ族の特徴を備えていた。
それにあの金属の装飾品は、ヒヒイロカネと、俺たちが思っていたもの――だ。
「そうだ。私はディバーダ族のカムンナーギ・メルバ。お前には弟が迷惑を掛けたらしいな」
「弟……?」
「ハーラ・グル・アーヤバは私の弟だ。ナーガ・ゾデのククーラさ」
あの男の――あの包帯男の、姉。
その名を聞くと、ワカフ翁が血相を変えた。
「は、は……ハーラ・グル・アーヤバ……奴め、い、生きておったのか。トゥケィ、お主、奴と会ったのか!?」
「え、ええ……」
「一体何の用だ、メルバ! 再びあの惨劇を起こそうと言うのか……!」
「心配するな、ワカフ坊や。今、ハーラはここにはいない。争う気もな。それに、話の腰を折ってしまったようだ。私も愚弟に代わり一族を預かる身……お前の今の立場も分からないではない。それとも、続きは私がしてやろうか。一〇年前の事ならば、私もお前に敗けない程度には知っている心算だからな」
メルバは冷たい表情で言い放つと、俺の方を向き、その時だけ薄く唇を吊り上げた。その表情を見ていたン・ダーモが、呆けたような顔になった後、俺の方を睨み付けたが、どういう事なのだろう。
「構わぬか、選ばれし戦士よ」
メルバは、俺に意見を求めているようだった。彼女からは戦意を感じない。寧ろ好意的な印象さえ持っていた。ディバーダ族の中に、彼女のように聡明と一目で分かる人物がいるとは思わなかった。
俺はワカフ翁に視線を送り、渋々といった形ではあるが頷いたのを見て、メルバに向けて首肯した。
メルバがゆったりと、俺たちの傍へ歩み寄って来る。
「どうした、鼠。お前も聞いて置くべき話ではないか?」
そう言われたン・ダーモは、一つ舌打ちをして、まるで彼女の下僕であるかのように傅いて、俺たちの近くへやって来た。ワカフ翁はン・ダーモに対しては良い顔をしなかったが、これもやはり渋い顔で受け入れた。
メルバは衣の裾を捌いて腰を下ろした。その時に下腹部を覆っている逆三角形の白い布と、恥丘の横手の肉の膨らみが見えてしまい、俺は若干ながら眼を逸らした。マキアのような不健康な肌でも、カーラのような瑞々しい脚でも、既に死んだシュメやアビーのような筋肉質な腿でもない、適度な肉と適度な脂肪を身に着けた女の下半身に、俺の胸がときめきそうになった。
「一〇年前の話だったな。つまり、ハーラがナーガ・ゾデとなった日の事だ」
そう言うメルバの横に、ン・ダーモが腰掛けた。
「奴は、対抗するリオディン・ダグラ族、ドドラグラ族、アージュラ族、フィダス族、バックベム族、そしてお前たちヴァーマ・ドゥエルの砦に乗り込み、抵抗する戦士たちを素手にて虐殺し、一〇〇〇にも及ぶ骸を積み上げた。その功績を以てハーラは、グル・アーヤバの名と、ナーガ・ゾデの称号を手にした」
「一〇〇〇人以上の戦士を……?」
最も人口の多い時期のヴァーマ・ドゥエルであっても、一五〇〇人に届いたのがやっとだ。他の五部族を加えて、戦士のみに限定したとしても……恐るべき殺戮であった。しかも、素手で。
「しかしハーラは、一度だけ……一人の戦士を倒す為だけに、唯一、武器を使用した事がある。その武器こそが、そこにある“剥離の鎧”だ。鎧と組み合わせて使うべき剣に関しては手に入れられなかったがな」
「“剥離の鎧”……? しかし長老、“剥離の鎧”はヴァーマ・ドゥエルの砦の中に封印されていたのではないですか? それをどうして、ディバーダ族の男が……」
「知っていたからだよ、私が、鎧の封印場所をな」
「何?」
「私はかつてこの地に住んでいたのだ。ワカフが子供の頃の事も知っている。私はフルマ族の巫女だった。当時、フルマ族には男子が生まれず、しかも司祭であった父が早世し、私は若くしてフルマ族を継承する事になった。封印の儀式に、私も立ち会った。だから鎧の隠し場所を知っていたのだ」
「何だと!?」
フルマ族というのは、カーラの出身であるルマ族と同じ、祈祷師の一族だ。しかしだとするとメルバの、ヴァーマ・ドゥエルの人種とは異なる顔立ちの理由が分からない。
「私はハーラに、鎧の事を教えた。ヴァーマ・ドゥエルを突き崩すにはそれを手にするのが最も早い。お前ならばあの鎧の力を完全に引き出す事が出来る……とな。ハーラはこのヴァーマ・ドゥエルの砦に進撃し、忽ち鎧を奪取した。お前たちは完全に後手に回った、幾ら何でも対応が遅過ぎた」
「対応?」
「確かに……平和ボケ、しておったのかもしれんな」
ワカフ翁が苦い顔で言った。
「お前たちの侵略の目的が“剥離の鎧”である事に気付き、その封印場所が悉く知られている事から、内通者の存在を我々は疑ったが……まさか、お主がそうだったとは思わなんだ。儂らは内通者を炙り出すよりも早く、鎧の封印場所を移すか、或いは、戦うべきだったのかもしれん」
「しかしあのハーラから、剣だけとは言え守る事が出来たのならば、大したものだ」
「……長老、対応と言うのはまさか……そして、若しや、あの石鉈が発見された遺跡とは、土砂崩れとは……父が行なっていた工事とは……」
俺の中で、様々な情報の欠片が繋がってゆく。
工事中に土砂崩れに巻き込まれて死んだ両親。その現場から発見された石鉈。“剥離の鎧”の製造に携わった俺の祖先。その一つである双剣が隠されていた遺跡……。
「左様、お主の父は、“剥離の鎧”製造に関わった者の子孫として、鎧を狙う者から剣を守る為に封印を別の場所へ移す作業の指揮を執っておった。そしてその場に、“剥離の鎧”を奪い取ったあの男がやって来たのじゃ……」
とすると、ハーラ・グル・アーヤバは、“剥離の鎧と剣”、その最後の一つであるこの双剣を奪うべく、作業現場を訪れ、その場にいた者たちを殺害したという事になるのであろう。
つまり、俺の父を……母を。
「そうか……」
メルバが俺を見て、呟くように言った。
「お前があの時の子供か」
「――っ、あんたも、あの時、あの場所にいたのか……」
「ハーラに鎧の場所を教えたのは私だからな。ワカフ、憶えているか」
「忘れぬ……あのような、あのような事は……」
どうやら二人の会話からして、長老とメルバは、俺の両親が死に、俺と妹が巻き込まれた土砂崩れの場に居合わせたようであった。
「まさか、“剥離の鎧”に対抗するだけの力を、お前たちが持ち合わせていたとは思わなかった。幾ら自分たちで造り上げたものとは言え、臆病風に吹かれ、早々にあれを封印したお前たちの事だ、アポイタカラの研究も、同じように廃棄したものと考えていたよ」
「アポイタカラ?」
意味としては――“未だ成らざる高貴なるもの”と、なる。
ヒヒイロカネと並んで使われたという事は、ヒヒイロカネを再現しようと造られたガルドやジルヴァの事を差しているのだろうか。
長老の方に顔を向けた俺だったが、それについて答えたのはメルバだった。
「アポイタカラはその名の通り、地球上の物質でヒヒイロカネに近しい金属を造り出そうとして出来たものだ。完成度で言えば、九割九分、ヒヒイロカネと同じ性質を持っていた。その輝きは、燃え盛る火の如くヒヒイロカネと反対に、凍て付いた水のように蒼く透き通るものであった。これによって造り上げられた鎧を、かつての戦士たちは“穿孔の盾と矛”と名付けたのだ」
「ヴォール・ド・ヴォツィリ……」
「これも、お前たちの神の名だ。ゼノ・キッツァと同じで、食人習慣に関わる神……そして戦いの神だ。以前のヴァーマ・ドゥエルでは戦いの折にはこのヴォール・ド・ヴォツィリに祈りを捧げて力を授かり、勝利した後には敵の捕虜から心臓を取り出してヴォール・ド・ヴォツィリに貢ぎ物とした。その戦神の名を受けた鎧こそが“穿孔の盾と矛”……恐らくは唯一、“剥離の鎧と剣”に対抗出来る武器だった」
「――」
「敗れはしたが――お前の父は、“穿孔の盾と矛”を用いて、“剥離の鎧”を纏ったハーラと、よくもあそこまで、対等に戦えたものだ――」
死んだ筈のン・ダーモが生きており、見知らぬ女と一緒に、長老や祈祷師たちくらいしか知らないという秘密の黄金室にやって来た。しかもその女は、ワカフ翁と知り合いであるばかりか、長老の事を年下として扱っている風だ。
「――お前……」
その女……長老がメルバと呼んだ彼女が、俺に眼をやった。彼女の瞳を見ていると、吸い込まれそうになってしまう。しかしその顔立ちを眺めていると、驚くべき事に気付いた。
「あんた……まさか、ディバーダ族か!?」
顔立ちがヴァーマ・ドゥエルのものと違うというのはすぐに分かったが、通った鼻筋やぱっちりとした眼、額や顎の形から見て、ディバーダ族の特徴を備えていた。
それにあの金属の装飾品は、ヒヒイロカネと、俺たちが思っていたもの――だ。
「そうだ。私はディバーダ族のカムンナーギ・メルバ。お前には弟が迷惑を掛けたらしいな」
「弟……?」
「ハーラ・グル・アーヤバは私の弟だ。ナーガ・ゾデのククーラさ」
あの男の――あの包帯男の、姉。
その名を聞くと、ワカフ翁が血相を変えた。
「は、は……ハーラ・グル・アーヤバ……奴め、い、生きておったのか。トゥケィ、お主、奴と会ったのか!?」
「え、ええ……」
「一体何の用だ、メルバ! 再びあの惨劇を起こそうと言うのか……!」
「心配するな、ワカフ坊や。今、ハーラはここにはいない。争う気もな。それに、話の腰を折ってしまったようだ。私も愚弟に代わり一族を預かる身……お前の今の立場も分からないではない。それとも、続きは私がしてやろうか。一〇年前の事ならば、私もお前に敗けない程度には知っている心算だからな」
メルバは冷たい表情で言い放つと、俺の方を向き、その時だけ薄く唇を吊り上げた。その表情を見ていたン・ダーモが、呆けたような顔になった後、俺の方を睨み付けたが、どういう事なのだろう。
「構わぬか、選ばれし戦士よ」
メルバは、俺に意見を求めているようだった。彼女からは戦意を感じない。寧ろ好意的な印象さえ持っていた。ディバーダ族の中に、彼女のように聡明と一目で分かる人物がいるとは思わなかった。
俺はワカフ翁に視線を送り、渋々といった形ではあるが頷いたのを見て、メルバに向けて首肯した。
メルバがゆったりと、俺たちの傍へ歩み寄って来る。
「どうした、鼠。お前も聞いて置くべき話ではないか?」
そう言われたン・ダーモは、一つ舌打ちをして、まるで彼女の下僕であるかのように傅いて、俺たちの近くへやって来た。ワカフ翁はン・ダーモに対しては良い顔をしなかったが、これもやはり渋い顔で受け入れた。
メルバは衣の裾を捌いて腰を下ろした。その時に下腹部を覆っている逆三角形の白い布と、恥丘の横手の肉の膨らみが見えてしまい、俺は若干ながら眼を逸らした。マキアのような不健康な肌でも、カーラのような瑞々しい脚でも、既に死んだシュメやアビーのような筋肉質な腿でもない、適度な肉と適度な脂肪を身に着けた女の下半身に、俺の胸がときめきそうになった。
「一〇年前の話だったな。つまり、ハーラがナーガ・ゾデとなった日の事だ」
そう言うメルバの横に、ン・ダーモが腰掛けた。
「奴は、対抗するリオディン・ダグラ族、ドドラグラ族、アージュラ族、フィダス族、バックベム族、そしてお前たちヴァーマ・ドゥエルの砦に乗り込み、抵抗する戦士たちを素手にて虐殺し、一〇〇〇にも及ぶ骸を積み上げた。その功績を以てハーラは、グル・アーヤバの名と、ナーガ・ゾデの称号を手にした」
「一〇〇〇人以上の戦士を……?」
最も人口の多い時期のヴァーマ・ドゥエルであっても、一五〇〇人に届いたのがやっとだ。他の五部族を加えて、戦士のみに限定したとしても……恐るべき殺戮であった。しかも、素手で。
「しかしハーラは、一度だけ……一人の戦士を倒す為だけに、唯一、武器を使用した事がある。その武器こそが、そこにある“剥離の鎧”だ。鎧と組み合わせて使うべき剣に関しては手に入れられなかったがな」
「“剥離の鎧”……? しかし長老、“剥離の鎧”はヴァーマ・ドゥエルの砦の中に封印されていたのではないですか? それをどうして、ディバーダ族の男が……」
「知っていたからだよ、私が、鎧の封印場所をな」
「何?」
「私はかつてこの地に住んでいたのだ。ワカフが子供の頃の事も知っている。私はフルマ族の巫女だった。当時、フルマ族には男子が生まれず、しかも司祭であった父が早世し、私は若くしてフルマ族を継承する事になった。封印の儀式に、私も立ち会った。だから鎧の隠し場所を知っていたのだ」
「何だと!?」
フルマ族というのは、カーラの出身であるルマ族と同じ、祈祷師の一族だ。しかしだとするとメルバの、ヴァーマ・ドゥエルの人種とは異なる顔立ちの理由が分からない。
「私はハーラに、鎧の事を教えた。ヴァーマ・ドゥエルを突き崩すにはそれを手にするのが最も早い。お前ならばあの鎧の力を完全に引き出す事が出来る……とな。ハーラはこのヴァーマ・ドゥエルの砦に進撃し、忽ち鎧を奪取した。お前たちは完全に後手に回った、幾ら何でも対応が遅過ぎた」
「対応?」
「確かに……平和ボケ、しておったのかもしれんな」
ワカフ翁が苦い顔で言った。
「お前たちの侵略の目的が“剥離の鎧”である事に気付き、その封印場所が悉く知られている事から、内通者の存在を我々は疑ったが……まさか、お主がそうだったとは思わなんだ。儂らは内通者を炙り出すよりも早く、鎧の封印場所を移すか、或いは、戦うべきだったのかもしれん」
「しかしあのハーラから、剣だけとは言え守る事が出来たのならば、大したものだ」
「……長老、対応と言うのはまさか……そして、若しや、あの石鉈が発見された遺跡とは、土砂崩れとは……父が行なっていた工事とは……」
俺の中で、様々な情報の欠片が繋がってゆく。
工事中に土砂崩れに巻き込まれて死んだ両親。その現場から発見された石鉈。“剥離の鎧”の製造に携わった俺の祖先。その一つである双剣が隠されていた遺跡……。
「左様、お主の父は、“剥離の鎧”製造に関わった者の子孫として、鎧を狙う者から剣を守る為に封印を別の場所へ移す作業の指揮を執っておった。そしてその場に、“剥離の鎧”を奪い取ったあの男がやって来たのじゃ……」
とすると、ハーラ・グル・アーヤバは、“剥離の鎧と剣”、その最後の一つであるこの双剣を奪うべく、作業現場を訪れ、その場にいた者たちを殺害したという事になるのであろう。
つまり、俺の父を……母を。
「そうか……」
メルバが俺を見て、呟くように言った。
「お前があの時の子供か」
「――っ、あんたも、あの時、あの場所にいたのか……」
「ハーラに鎧の場所を教えたのは私だからな。ワカフ、憶えているか」
「忘れぬ……あのような、あのような事は……」
どうやら二人の会話からして、長老とメルバは、俺の両親が死に、俺と妹が巻き込まれた土砂崩れの場に居合わせたようであった。
「まさか、“剥離の鎧”に対抗するだけの力を、お前たちが持ち合わせていたとは思わなかった。幾ら自分たちで造り上げたものとは言え、臆病風に吹かれ、早々にあれを封印したお前たちの事だ、アポイタカラの研究も、同じように廃棄したものと考えていたよ」
「アポイタカラ?」
意味としては――“未だ成らざる高貴なるもの”と、なる。
ヒヒイロカネと並んで使われたという事は、ヒヒイロカネを再現しようと造られたガルドやジルヴァの事を差しているのだろうか。
長老の方に顔を向けた俺だったが、それについて答えたのはメルバだった。
「アポイタカラはその名の通り、地球上の物質でヒヒイロカネに近しい金属を造り出そうとして出来たものだ。完成度で言えば、九割九分、ヒヒイロカネと同じ性質を持っていた。その輝きは、燃え盛る火の如くヒヒイロカネと反対に、凍て付いた水のように蒼く透き通るものであった。これによって造り上げられた鎧を、かつての戦士たちは“穿孔の盾と矛”と名付けたのだ」
「ヴォール・ド・ヴォツィリ……」
「これも、お前たちの神の名だ。ゼノ・キッツァと同じで、食人習慣に関わる神……そして戦いの神だ。以前のヴァーマ・ドゥエルでは戦いの折にはこのヴォール・ド・ヴォツィリに祈りを捧げて力を授かり、勝利した後には敵の捕虜から心臓を取り出してヴォール・ド・ヴォツィリに貢ぎ物とした。その戦神の名を受けた鎧こそが“穿孔の盾と矛”……恐らくは唯一、“剥離の鎧と剣”に対抗出来る武器だった」
「――」
「敗れはしたが――お前の父は、“穿孔の盾と矛”を用いて、“剥離の鎧”を纏ったハーラと、よくもあそこまで、対等に戦えたものだ――」
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