kyrie 涙の国

くり

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ヒメの章

開拓暦586年1月、第一城壁、空き病室1

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 ずっと引っかかっていたのだ。
〈月夜〉前に戻り、二回目のコーラショ戦に紛れて城壁に戻った二人は、えっ? と互いに顔を見合わせた。
「おれ、そんなことしてないよ」
「でも、私、医務室出るところまでキリエに付き添ってもらった」
「コンドル小隊長じゃないのか」
「私、あの後仲良くなったんだもん。キリエ以外に来てくれる人、いなかった」
「うっ」
 すると、キリエは気まずそうに顔を背け、弁解を始める。
「そ、その、さ。あの時、おれ、昔のこと思いだしちゃったりとか、こう、いろいろあって、胸がむかむかして、ヒメに合わせる顔がなくて」
「? よく分かんない」
「皆まで言わせる気かよ」
 後頭部をがしがしと掻いて唇を尖らせるので、ヒメは小さく噴き出した。
「じゃ、言わなくていいよ」
「う……それで、おれ、ヒメより先に戻ったんだよ。だから、その時間はワシリエフ隊長に捕まって一緒だったと思う」
「うん。そうだね。ワシリエフ隊長がトイレから帰ってきたときにも、キリエと喋ったって言ってた」
「そうそう、だからヒメとは一緒じゃなかった」
「なのに、さっきまで一緒にいたから変だなあて思ったんだよ」
「……」
「それにほら、キリエがいないと、私、多分倒れちゃう」
「……行ってきます」
「行ってらっしゃい」
 キリエは物陰からするりと抜け出すと、血まみれでふらふらとしている“ヒメ”に近付いていった。脇を支えて、医務室へと誘導しだす。それを見てヒメは満足すると、ロオヤーで自分の顔と二刀を隠して、二人の少し後ろについて歩きだした。
 医務室の前で暫く待っていると、キリエと“ヒメ”が治療を終えて出てきた。キリエはヒメを見つけると駆け寄ろうとしたが、寸でのところで我慢して、代わりにこちらをちらちらと見ながら“ヒメ”と一緒に歩いていく。困惑と不安と焦燥を隠そうとして表情はがちがちに固まり、まるで怒っているように見えなくもない。あの時、そう勘違いして落ち込んだことを思い出し、一人で笑っていると、キリエはすぐに小走りで戻ってきた。
「笑うなよ」
「だって、私、すごい勘違いしてたんだなと思って」
「は? 勘違い?」
「うん」
「へ、へえ。なんだ、そうゆうことか……」
 そっぽを向いて気恥ずかしそうにほっと息をつくキリエに、ヒメは頷いた。
「キリエは、もっと演技頑張って」
「やっぱり、笑ってたんじゃないかっ」
 キリエは口をへの字に曲げて、行くぞと腹立たしげにずかずか医務室に入っていった。見覚えのある看護師があれっ? と声を上げて近付いてくる。
「あんた、今出てったばっかじゃない。なに? もうぐちゃったの?」
 なかなか恐ろしい擬音を口にしながら、看護師はキリエの腕を取る。キリエは笑って、やんわりとその手を外した。
「ちょっと筋が伸びただけだったろ。それよりも、猫を探してるんだけど」
「猫ぉ? 色は」
「白」
「好物は」
「苺」
「名前は」
「ショウ」
「それなら、下の空き部屋ね。奥から三個目」
「ありがとう」
 くるりと踵を返すと、きょとんとするヒメの手を引いて医務室を出る。階段を下り始めて、ようやくヒメは口を開けた。
「キリエ」
「ん? ああ、今のがこの前言った」
「ニャーちゃん飼ってたなら教えてよ」
「……なんでそうなるんだよ?」
 呆れつつ違う違うと否定して、キリエは今のが協力者だよと言った。ヒメはまばたきし、後ろを振り返り、もう一度キリエを見た。
「あの人が?」
「女王直属の密偵だ。といってもまあ、普段は普通に看護師してて、女王の求めに応じてその都度動くだけらしいけどね」
 下の階はペレも暫く世話になった個人病室が並んでいる。その奥から三番目は看護師の言った通り空室で、ベッドが一つと小机が一つ、椅子は二つあった。ペレの病室とほとんど何も変わらない。緊急患者に備えてきちんと掃除もしてあって、ベッドに転がるとこんな冬でも太陽の匂いがした。
「ふぁあ……」
 ごろごろと転がっていると、端に寄ったとき、どさりとベッドが揺れた。顔だけ振り向けば、キリエが俯せになって空いた場所に倒れている。ヒメはしばらくそれをじいっと見てから、半身を起こし、キリエの背中をつついた。ぴくっ、と肩が跳ねる。
「寝させてくれよ」
 くぐもった不機嫌そうな声が返ってくる。ヒメはえーとキリエの髪に指を絡ませた。少し砂っぽい。髪だけでなく、服も、肌も、触ると結構指についてきた。白っぽい灰色の砂に黒い点が少々。今度は耳に触れると、いやそうにすぐ払われた。指を見ると、また黒いものがついている。臭いをかぎ、ヒメはがっ! とキリエの頭を押さえつけた。
「っで! なにすん――」
「動かないで」
 起き上がろうとする背中を膝で押すと、キリエはあっさりと大人しくなる。何かおかしい。耳の周囲の髪を掻き分けると、何か硬いものに触れた。キリエの体が強張る。大きな瘡蓋ができていた。微かな鉄臭さはこれだった。だが、黒い粉は瘡蓋によるものではないはず。
 膝を下ろすと、キリエが身を起こそうとした隙に一気に上着を引っぺがした。
「づ――!」
「っ⁉」
 ヒメは思わず息を呑み、上着を持ったまま固まった。
 黒かった。
 背中が、腰から首の後ろ辺りにかけて、真っ黒に焦げている。
 重傷箇所を中心にワイシャツをきつく巻いてあったが、それで足りようはずもなかった。ヒメはキリエを思い切り睨みつけると、いきなり頭を殴った。
「だっ!? ヒ、ヒメッ!? でっ! ま、ちょっ、まっ」
 ぼこぼこと立て続けに六発ほど殴る。それでも足りずにまだ殴る。
「痛い! ほら、傷に響、ぎゃっ! お願いします! ヒメ、許して! ぶっ!」
 最後に頬に平手打ちを食らわせ、ヒメは肩を上下に揺らしながら深く息を吐き出した。そのままじっとキリエを見る。キリエはびくりと身を竦ませ、申し訳なさそうな、しかし非難がましい目でおずおずと上目遣いでヒメの様子を窺った。沈黙が続き、唐突にヒメが腹を抱えてベッドに倒れた。
「ヒ、ヒメッ?」
 伸ばしかけた手が寸前で止まる。ヒメは顔をシーツに押し付け、肩をふるふるとさせ、堪えきれずに小さく息を漏らした。
「ふっ、つ、ふっくっ……」
「……ヒメ」
 じっとりとした目を向けるキリエに、ヒメはますます激しく震えた。
「くっ、くくっ……ぶっ、だって。キリエが、ぶっ、て……。ださっ……!」
「ヒメが叩いたからじゃないか!」
「ふふふふふふふふふふっ……!」
「もう、そんなのどうだっていいだろ!」
 キリエは反論するが、みるみるその顔が赤く染まっていく。隠すように下を向き後頭部を両手で抱えるが、ヒメに外されてしまった。ヒメは妙ににこにことしてキリエの顔を覗き込んだ。
「キリエ、最初の頃と全然違う」
「そ、……そう?」
「もっと落ち着いてて、小隊長達を困らせるのがうまかった」
「なんだそれ」
「大人ぶってたんだね」
「ぶってない」
「でも、今は、すっごく子どもっぽい。可愛い」
「かわっ……!?」
 あまりに予想外の言葉に、キリエは大きく目を見開き、口をぱくぱくと開閉させた。そんなキリエを真正面からじっくりと観察して、やがてヒメは満足げに頷く。
「うん。焼き付けた」
「なっ……! 消せ! そんな記憶、向こうに持ってくな!」
「やだ。私の一生の思い出」
 事実、キリエは以前よりも表情がよく変わり、話し方もずっと砕けている。
 そんな些細な事が今は何よりも嬉しくて、そしてそれはきっとキリエだけではないとヒメは思うのだった。
 だから、ヒメは容赦なくキリエの脇腹をくすぐった。
「ちょっ、やめ、いたたたたたたたたたた……」
 思わず身を捩ったことで背中の傷も捩れ、キリエは顔を顰めてベッドの向こう側に逃げた。そのまま下に落ちて、しゃがんだままベッドの端に手をつくと、警戒するようにこちらを窺ってくる。ヒメはきょとんとしてキリエを見つめ返した。
 がちゃ、とドアが開いた。
「……何してんの、あんたたち」
 呆れ顔で看護師が言った。ヒメとキリエは暫し硬直し、それから何事もなかったかのようにヒメは椅子に、キリエはベッドに座り直す。看護師は鼻を鳴らすと、小型の台車を引っ張って中に入った。
「さ、見せなさい。その背中。相当やられてんでしょ。お見通しだからね」
「はい……」
 看護師はキリエをベッドに俯せに寝かせると、慎重に包帯代わりのワイシャツを取っていった。微かに透けて見えてはいたが、やはり背中は真っ黒こげだった。ヒメは目を背けたが、看護師は顔を近付けてそっと傷に触れる。
「わお。これ、もしかして炭化魔法?」
「炭化? 熱魔法じゃなくてですか」
「熱魔法の一種だけど、同時に空気魔法や他にも使ってんのよ。工房会が確か炭を大量生産するために使ってたわね。でなきゃ、もっと端の方がジューシーなことになってんわよ。ほら、ぎりぎりまで炭でしょ」
「確かに」
 傷とその周りの境目は焼けても赤くなってもおらず、綺麗に黒と肌色に分かれている。看護師は用意したピンセットをカチカチ鳴らしながら、まずは神経を遮断した。それから丁寧に焦げた部分をピンセットで摘出していく。剥がした下からは意外にピンク色の綺麗な皮膚が出てきた。
「っはあー、上手いわねえ。これやった奴。ハムのお焦げ取ってるみたい」
「キリエ、ブーちゃん?」
「ヒメ、うるさい」
「怪物に焼かれた奴だって、こんなにはならないわよ。あんた、工房会に殴り込みでもしたわけ?」
「なんだっていいだろ」
「ま、あたしを頼る時点で怪しい事したんだろーなーとは思うけど。でも、これやった奴に感謝しな。普通に熱魔法だったら、あんた、死んでたかもよ?」
 ヒメが振り向くと、看護師は手を動かしたまま肩を竦めた。
「だって、そうでしょ。こんだけ広範囲に熱魔法食らってたら、この辺とか酷いところは壊疽、ミイラ化からの腐敗でしょ? 内部まで進行して背骨まで到達してたら確実にどかん。それどころか、あんた、怪我してから結構経ってんじゃない。その間にどれだけ動いた? 庇っててもそのうち大出血とか起こしてたね。――まあ、これでも癒着しかけてるところは血ぃ出てるみたいだけど?」
「っ」
 ぴっと勢いよく剥がすと、痛みはないものの僅かに全身を強張らせた。じわりと滲む血を見ながら、それじゃあとヒメはおそるおそる口にした。
「手加減された、てこと……?」
 キリエの手がぎゅっと拳を作る。直後、太腿の裏を思い切り叩かれた。
「力むな!」
「す、すいません」
 口は悪いが、これでもアスカリプスの教育を短期で終えた実力者である。おとなしく従うと、もう焦げの摘出を終えて消毒を始めた。ヒメに手伝わせて二人で湿布と包帯を巻くと、最後に神経遮断を解いた。
「じゃ、暫くは安静。湿布は毎日変えて、風呂も我慢。いいね」
「ああ。ありがとう」
 看護師は台車に包帯やピンセットを片付けると、ひらひらと手を振った。
「それ以外の傷は大したことないから、唾でもつけときな。あと、あたしは掃除の時にしかもう来ないから、飯や風呂、洗濯は自分で何とかすること」
「はい」
「あんたはそこの馬鹿が馬鹿しないように見張りな」
 鋭く指さされてヒメが首肯すると、キリエが不本意そうに口をへの字にした。
「これでも、次席卒業だったんだけど……」
「頭がいいのと分別があんのは別物だよ」
「なるほど」
 ついヒメが納得すると、キリエが振り返って睨んできた。看護師は仲がよろしくていいわねなどと言いながら今度こそ部屋を出ていった。ぱたんとドアが閉まるのを見届けてから、ヒメはキリエの上着を取って思案する。
「せっかくきれいにしたのに、被せない方がいいかな」
「あー、そうだな……」
 とはいえ、なにも着ないでいるのはやや寒い。代わりに毛布を被せると、上着は小机の上に畳んで置いた。
「あとで洗ってくる」
「自分でやるよ」
「一緒に全部洗うから」
 キリエはまばたきし、すぐに真っ赤になって全力で首を振った。
「いやいやいやっ、それはまずいって!」
「? どうして」
「だって、全部ってあれもだろ!? それに、脱いだらおれどうするの?」
 なにせ、着の身着のままで城壁を飛び出したのだ。着替えなど何一つ持っていない。
「毛布被ってればいいと思う」
「あっ……いや、でも、女子に男の何日も履いてた臭いやつを」
「嗅いだの?」
「嗅いではいな、いや、嗅いだ! ものすごい悪臭だった! 触らない方がいい!」
 正直に答えたらとんでもない方向に行く気がした。しかし肯定すると、ヒメは目を剥いた。
「じゃあ、脱いで」
「なんでっ!? 待って、それだけは勘弁――」
「そんな汚いの、不衛生。今買ってくる。ワイシャツも。サイズ教えて」
「へ?」
「あ、靴下もいる?」
 ちょこんと首を傾げるヒメに段々と脱力し、キリエは力なく頷いた。危機は脱した。
「はい、お願いします……」
 ヒメは何度も何度も口の中で数字を繰り返すと、財布を持って走って出ていった。それから、買うだけならヒメに頼まなくてもいいのではと遅ればせながら気づき、キリエはなんだか余計に疲れてベッドに倒れこんだ。
 そうして静かになった部屋で考え込む。
 手加減された、てこと……?
 片腕で目を覆う。手加減されたことは間違いない。だが、それは優しさゆえの手加減だとキリエは信じていた。優しいからこそ、祖母の運命を変えようとしているのだから。
 片や自己満足のために戦うキリエは、その優しさに勝てるのだろうか。
「ただいま」
 紙袋を持ってヒメが帰ってきた。起き上がって受け取ると、新品のワイシャツと下着が二組ずつ入っている。
「ありがとう」
「その下の、私の分」
「えっ? あ、ああ」
 なるべく中を覗かないように自分の分だけ出すと紙袋ごと返した。さすがに自分のを見せるのには抵抗があるのか、素早く背嚢にしまうと、空の袋を差し出してくる。
「脱いだの入れて。このまま捨てちゃう」
「分かった」
 毛布の中でごそごそと着替えていると、ヒメは椅子を引っ張ってきて座った。特にどこを見るともなく、かといって視線を逸らしてくれるわけでもなくて、多少の居心地悪さを我慢してできるだけ早く着替える。脱いだものを入れた袋は部屋の片隅にあったごみ箱に入れた。
「洗濯はいつ行く?」
「日付が変わってから」
 人の少ない時間帯を狙うのだろう。随分と先だ。一通りやることを終えて暇になると、ヒメが背嚢から食べ物を持ってきた。思わずお腹が鳴って、ヒメはくすりとした。
「そんなにないよ」
「分かってるよ」
 足の早いものはここに来るまでに既に食べきったため、残っているのはチーズやクッキー、乾燥果物などばかりだ。もう一つの椅子の上にそれらを載せていく。橙色のものが目にとまって手を伸ばすと、横合いから別のものを渡された。
「キリエはこれ」
「え?」
「好きなんでしょ」
 渡されたのは大粒のレーズンだった。
 やけに心臓がどきりとし、手の中のレーズンとヒメを見比べる。ヒメはチーズを齧りながら首を傾げ、自分もレーズンを一粒食べた。
「自分の好きなもの食べて、元気いっぱいになるんだよ」
「……自分を甘やかしたら負ける気がする。て言ったら?」
 ヒメは咀嚼をやめ、すぐに再開して飲み込んだ。
「変なキリエ」
「そうかな」
「だって、コーラショのとき、私を甘やかしてくれたの、キリエだよ」
 キリエは目を丸くした。
「おれ?」
「そうしたら、勝てた」
 だから甘やかしていいんだよ、という言葉に押され、キリエはおそるおそる一粒口に運んでいた。
 乾物だから固くてねっとりしている。しかし、独特の感触と舌に絡みつくような甘さは、次の一粒を催促していた。どんどんどんどん口に運び、気付けばすっかり完食していた。
「おいしかった?」
「うん」
「じゃあ、これも」
 勧められるままに食べ続け、キリエは結局ヒメの分もほとんど食べてしまった。謝ると、ヒメは首を振った。
「お腹空いてたんでしょ」
「たぶん」
「じゃ、いい」
 ヒメはふっと柔らかな笑みを浮かべた。その笑顔に見惚れてしまい、キリエはぼーっとヒメを見つめ返した。ヒメが覗き込んでくる。
「眠いの?」
「ん……」
「いいよ、寝て」
 ベッドにゆっくり倒され、肩まで毛布を掛けられる。途端に強烈な睡魔が襲ってきて、キリエはゆっくりと目を閉じた。
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