kyrie 涙の国

くり

文字の大きさ
上 下
16 / 30
ヒメの章

開拓暦586年2月、王城、王宮図書館1

しおりを挟む
 怪物の湖。それが確認されたのは百年ほど昔のことだ。
 男が一人、こちら側の世界に迷い込んだ。男は比較的この国に近い場所に出たため、怪物に喰われる前に何とか生き延びることができたのだが、それまではたったの一人で荒野を逃げ惑っていた。食べるものも水もなく、男はとうとう倒れた。
 その時、微かに水の匂いがした。
 男は最後の力を振り絞って、その匂いの先へと這っていった。暫くすると、前に伸ばした手がぴちゃりと水に浸った。男はがむしゃらに顔を水面に付け、夢中で甘露を貪った。
 落ち着いてから辺りを見回すと、そこは大きな窪地にできた湖のようだった。他の生物の姿は見当たらず、ひょっとして飲んではいけないものだったのかと思ったが、男は疲れ切っている。助かる見込みは無きに等しいのだから今更気にすることもないと、男は水の中に入って体を洗った。ひんやりと冷たい水は男の心身をほぐし、男はそのままゆっくりと水中に倒れこんだ。
 このままでいたい。
 腹いっぱいの水を飲みたい。
 癒されたい。
 空腹なんて嫌だ。
 常に満たされていたい。
 せめて、この状況が終わる時まで――……
 湖を出て、男は再び白い城壁を目指して歩きだした。襲ってくる怪物から逃げ、隠れ、翌日に救助された。
 その間、男は空腹や喉の渇きを感じることはなかった。
「汗をかかなかったということ?」
「いいえ。汗はかいたの。でも、体調に何の支障も来さなかったのよ。――これが〈大嘘吐き〉の頃の話」
 図書館地下の書庫にヒメと女王は来ていた。女王は古びた本を閉じて棚に戻すと、今度は抽斗からさらに古そうな本を持ってきた。本というよりは粘土の板だった。見たことのない文字が躍っている。
「〈大嘘吐き〉の記録よ」
「〈大嘘吐き〉の……。なんて書いてあるんですか?」
「詳しくは言えないのだけれど、この国の成り立ちや世界のあらゆることについて、彼女の見知ったことが纏められているの。これによれば、〈大嘘吐き〉は既に湖の存在を知っていて、それを怪物の湖と呼んでいたらしいわ」
「怪物……」
「湖の水を飲むと、不思議な力を手に入れることができたの。〈大嘘吐き〉はそこから不老不死を手に入れたんだわ。でも、そんな水を飲むだけでいいのなら、皆がほしがってしまう。そうすると、〈大嘘吐き〉の優位性はなくなってしまう。だから、〈大嘘吐き〉は湖の存在を隠していたのよ。さっきの男が見つけたのは、本当にたまたまだったの」
「でも、それがどう関係してくるんですか」
 湖があるのは城壁の外だ。なんとなく嫌な予感がしながらも尋ねると、女王は首を振った。
「怪物の湖は移動しているのよ」
「え」
「一つ所に存在しないの。ある特別な怪物と一緒にこの世界を巡っているんだわ」
「それって、もしかして、こんな大きくて、わさわさで、首のない怪物ですか」
 大きく身振りも交えて尋ねると、女王はヒメを安心させるようにヒメの手を下ろさせた。
「怖いのは見た目だけよ。人に危害は加えないわ」
「本当?」
 ヒメの顔が輝く。先程からずっとキリエの母親のことが気に掛かっていたのだが、女王にそれを尋ねてよいのか分からず、女王も何も言わないので心の片隅で悶々としていたのだった。ほっと胸を撫で下ろすヒメに、女王は静かな微笑みを向けた。
「ヒメ。あなたは水の中に落ちて、何を思った?」
「何を?」
 ヒメは首を傾げる。
「あれが怪物の湖だったから、あなたはキリエの姿を見たのよ。あなたが水の中で願ったことを形にして……」
「でも……本当に私なんかに」
「湖の力は人を選ばないわ。それとも、あなたが見たのは幻覚?」
 否定しようとした言葉は喉元まで来て、しかし出なかった。ヒメは気まずそうに目を逸らした。
「あなたは、何を求めたの?」
 再度問われ、ヒメはふるりと震えた。震えたのは体だけではなかった。
「キリエに……」
「キリエに?」
「会いたかった。キリエに会う前に死ぬのが悔しくて、まだキリエのこともよく知らないのにあそこで終わるのが怖くて。私は……とにかくキリエに会いたくて」
 知らず知らずのうちに手を握り締めていた。手の内の卒業記念の絵の感触が痛かった。
「だから、私はキリエを責めた」
 大きく息を吸い込むと、地下の冷え冷えとした空気が喉を焼くようだった。
「どうして、私に何も言ってくれないんだろう。どうして、私じゃ駄目なんだって。ずるいよ。キリエは私の事知ってるのに、どうして私は知らないの? 私も知りたいよ。キリエのこと。でなきゃ、私はキリエに会えないっ……!」
 女王の手がヒメを抱き寄せた。ヒメも女王の腕を掴み、熱い息を零す。いったん吐き出すと、なにもかもが溢れてしまうような気がした。女王はそれを塞き止めていた。
「……落ち着いた?」
「……はい」
 ヒメは自分から女王の抱擁を解いて、一歩退がった。
「もう、大丈夫です。――あの、これってどういうことなんでしょう」
「まずは座りましょう」
「はい」
 机を挟んで向かい合わせになる。女王はそうねと〈大嘘吐き〉の粘土版を暫く弄ってから口を開けた。
「怪物の湖が持つ力はね、時間にまつわるものなの。〈大嘘吐き〉やわたし達の不老不死はつまり、時間からの離脱で、わたし達の体は衰えることも傷つくこともないわ。こちら側に迷い込んだ男は、おそらく時間の停止でしょう。常に満たされることを、満たされたままでいることを望んだのだから」
「満たされたまま……」
「あなたは、キリエの過去がほしかった、ということなんじゃあないかしら」
「それじゃあ……」
 手を伸ばし、寸前で慌てて女王を見ると、女王は微笑んで〈大嘘吐き〉の粘土板を差し出した。ヒメはこくりと音がするほど唾を呑み込み、ゆっくりと粘土板に触れた。
「……?」
 眉を顰める。
 しばらくぺたぺたといじってから、ヒメはしょげた顔で返した。
「見えませんでした。ごめんなさい」
「どうして謝るのかしら? もしかしたら、あなたの力には条件があるだけなのかもしれないのに」
「条件?」
「もしかしたら、あなたが見られる過去はキリエに関するものだけなのかもしれないでしょう?」
「あっ……」
 ヒメは慌てて卒業記念の絵を持ち直す。どうすればいいか考え、とりあえずキリエの名を頭の中で繰り返してみると、静電気にも似たような刺激が指先から走ってまたあの声が脳内に響いた。思わず絵を落としたが、ヒメは確信を持って女王と目を合わせた。
「どうかしら?」
「見えます。でも……」
キリエの秘密を知るための手段は手に入れた。だが、それにはキリエの物が必要だった。空っぽの部屋を思い出し眉を曇らせると、女王はそんなヒメをじっと見つめ、頬杖をついた。
「ヒメは逞しいわね」
「そう、ですか?」
「こんな無謀なこと、普通ならとっくに折れていそうなものよ」
「無謀、でしょうか?」
 何をもって無謀とするのか、その基準がヒメにはよく分からない。だが、ふっと笑みをこぼした。
「でも、みんなのお陰で少しずつ進めてる……。陛下には特に、すっごく引っ張ってもらってます。一人なら折れてたかもしれないけど、キリエを待っているのは私だけじゃないから」
 女王はきょとんとまばたきし、食い入るようにヒメの瞳を覗き込んだ。
 そして、全く唐突に噴き出した。
「いやだわあ。そんな目をされたら、私、悪者みたいじゃない」
「え?」
 驚くヒメを気にせず、女王は腹を抱えて机に突っ伏す。女王の纏う雰囲気が僅かに変わったような気がして、ヒメは胸元を掴んだ。しかし、その正体までは判然とせず、静かなざわめきが心のうちに広がる。
 女王はようやく顔を上げた。目尻に浮かんだ涙を指先で拭い、口元はまだおかしそうに震えている。何故かヒメはその姿にひどく惹きつけられた。
 人間味がある、と思った。
「ごめんなさいね。あんまりおかしいから、ちょっといじりたくなっちゃっただけなの」
「はあ……」
 訳が分からず曖昧に返す。女王は今にも鼻歌を歌いだしそうな楽しげな様子で、〈大嘘吐き〉の粘土板の角を立ててくるくると回しだした。
「ねえ、もう一度キリエの過去を話してちょうだい」
「あ、はい」
 ヒメはキリエが物を捨てていたこと、それら――卒業記念の絵も含めて――偽物と呼んでいたこと、自分を責めていたこと、そして母が生き返ったことをその理由としていたことを話した。女王は目を瞑り、にこにこと口角を上げて聞いていた。
「人が生き返るって、どういうことだと思う?」
「ありえるのは、人の魂を喰う怪物から喰われた魂を取り戻し、なおかつ身体の機能が回復している場合だけです。それ以外に生き返る方法はありません。でも、」
「でも?」
「その、……もしかして、それ以外の方法があるんですか? 怪物の湖みたいに隠してあるとか」
「それはないわ」
 はっきりと否定され、ヒメはそっかと俯いた。うーんと唸りながら女王の回す粘土板を見る。見るとはいっても、視界にあるだけで何の意味もなしていなかったが。
「やっぱり、そうですよね。キリエも死者再生法はないとか言ってたみたいだし。でも、じゃあ、なんでないものの話をするんだろ」
「あら、なんだかそれ、私の事みたい」
 すると、女王は粘土板を回す手を一度止め、口元を覆って苦笑した。
「わたし、一時期向こう側にいたことがあるのよ。だからつい、向こうのことわざを使ってしまったりして。わたしにとっては当たり前でもみんなにはそうじゃないから、昔はずいぶん困らせてしまったわ」
「わたしにとっては、当たり前……?」
 ヒメがはっとすると、女王は首を振った。
「向こう側に魔法はないわ。当然、死者再生法もね」
「あぅ」
 ひょっとして、キリエも向こう側にいたことがあったのではないかと思ったのだが、違うようだった。それでは、死者再生法が当たり前に存在する世界とは、一体どこにあるのだろうか――。
 ふと疑問を覚え、ヒメは女王を見た。
「そういえば、私、死者再生法の話ってしましたか?」
 つい自然に会話をしていたが、ヒメから説明をした記憶はなかった。女王はばれたというふうにわざとらしく手で口を押さえた。声にも出した。
「あらっ。ばれちゃった」
「……もしかして、」
 ヒメの目が僅かにきつくなる。先程の不快感を滲ませたようなものではなく、そこには初めて女王に対する警戒があり、その証拠に身構えるように少しだけ腰が浮いた。
「陛下、全部知ってたんですか?」
 女王は困ったように首を傾げ、また粘土板を回し始めた。ヒメは思わず声を荒げた。
「陛下っ」
「そうね、全部ではないけれど、キリエから聞いた話なら知っているわ」
「え……?」
 間抜けな声が出る。体の端から順に力が抜けていくのが分かった。
「キリエに会ったことがあるんですか……?」
「あの子のことは、あの子が生まれた時から知っているわ。小さい時はよく遊びに来てくれたのよ。だから、悩み事や相談があると今でもたまに来てくれるの」
「生まれたときから……?」
「あの子は独りぼっちだったから」
 そんなはずはない。キリエにはアンが、大事な母がいるのだ。なのに、ヒメの喉は詰まって何も言えなかった。
 おれが、母さんが生き返ったことを喜んだから。
 重くのしかかってくる――
 不意に、当たり前の違いという言葉が脳裏に鳴り響いた。
「どういうこと……?」
 椅子に座り直すというより、すとんっ――、と落ちる。混乱するヒメに、女王は相変わらず粘土板を回したまま優しく言った。
「わたし達とあなたとの違いがどこから生まれたのか、あなたにはもう分かるはずよ。それが可能であることの証拠を、あなたはその身に得たのだから」
「そんな……それじゃあ……」
 眼球が乾いていく。張り付いた喉からひゅーひゅー音が鳴った。
「これは、今まで起きたことは、私は、――――全部、“偽物”?」
 死んだはずのアン。存在しない死者再生法。それらが本当は全て“あったこと”なのだとしたら。
 怪物の湖。
 時間にまつわる力。
「私達は、二回目、なんですか――?」
 粘土板の回転が止まる。
 そして、逆方向に回りだした。
「……この国は、アルビオンは、本当は強い国なのよ」
 ヒメはどうしてだか泣きたい衝動に駆られた。
「新しい兵器に頼らなくてもいい、強くて優秀で果敢な白兵が何人何十人何百人といて、多くの魔法を操る素晴らしい魔法使いがいて、コーラショなんて取るに足らない、最強の国なの。強くて、誇らしい、わたし達の自慢の国」
「どうして、変わっちゃったんですか」
「それを望まない者がいたからよ」
「誰なん、です、か」
「〈薔薇の魔女ローゼン・マグ〉」
「ろーぜ……?」
 聞いたことのない名前だった。だが、綽名がある、つまりそれだけ有名であるという事実は、ヒメに警戒心を抱かせるのに十分だった。
「メアリー・ローズクランス。〈偉大なる母マグナ・メイツ〉の唯一の弟子にして、複合魔法の大家よ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

異世界転移したよ!

八田若忠
ファンタジー
日々鉄工所で働く中年男が地球の神様が企てた事故であっけなく死亡する。 主人公の死の真相は「軟弱者が嫌いだから」と神様が明かすが、地球の神様はパンチパーマで恐ろしい顔つきだったので、あっさりと了承する主人公。 「軟弱者」と罵られた原因である魔法を自由に行使する事が出来る世界にリストラされた主人公が、ここぞとばかりに魔法を使いまくるかと思えば、そこそこ平和でお人好しばかりが住むエンガルの町に流れ着いたばかりに、温泉を掘る程度でしか活躍出来ないばかりか、腕力に物を言わせる事に長けたドワーフの三姉妹が押しかけ女房になってしまったので、益々活躍の場が無くなりさあ大変。 基本三人の奥さんが荒事を片付けている間、後ろから主人公が応援する御近所大冒険物語。 この度アルファポリス様主催の第8回ファンタジー小説大賞にて特別賞を頂き、アルファポリス様から書籍化しました。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

不遇な王妃は国王の愛を望まない

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。 ※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷 ※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...