kyrie 涙の国

くり

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ヒメの章

開拓暦586年2月、城壁の外

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 戦闘中に落ちて生還する方法はない訳ではない。
 まずは、着地だ。魔法によって落下速度を落とせばいい。だが、落下までの数秒間で正しい魔法を選び実行するのは非常に困難で、さらに減速がかかってからの残る時間や距離を考えると、一秒で魔法を完成させなければならない。何故なら、落下までにかかる時間は約四秒だ。軍学校はもちろん、軍隊でも落下対策の訓練は行っているが、それでも落ちればほとんどが助からない。口で呑気に詠唱しているようでは、間に合うわけがない。
 そして、着地を成功させたとしても、そこは怪物の荒野だ。しかも、今回のような集団での襲撃だと、下で仲間の怪物が落ちてくる獲物を待っている可能性が高い。今回は既に排除した後だったが、魔法無効化型であれば、成功した魔法も解かれて結局は死ぬ。
 だから、これはたんなる心の準備だった。
 目が覚める、というよりは時間になって目を開けると、予備の軍服を取り出した。何かを口にする気はなく、ジュースを一杯だけ貰いに行く。それから、清掃に預けた兄弟刀を受け取り、ヒメは西門に出た。西門には既に回収用の荷馬車があった。
 回収作業の目的は二つある。一つは資材確保のために、落ちた武器や怪物の死体を手に入れること。資源に乏しいこの国では、そうしないと生きていけない。そして、もう一つが遺品の確保だった。
 今回は発条式対大型怪物用兵器があるので、荷馬車の数が多かった。よって、兵の数も多かった。作業に当たる一般兵やその補助と索敵にあたる魔法兵、そして、いざという時の護衛としての白兵。参加する白兵は今朝の戦闘に参加しなかった者ばかりだが、中にはヒメのような者もちらほらいた。
 合図とともに西門が開く。城門は巨大な一枚戸だ。引き戸を横にしたように、門扉はするすると上がっていく。荷馬車が通れるだけの高さになると上昇はそこで止まった。全員が潜り抜けると、城門はするすると下がっていって、今度は僅かな隙間だけを残した。
 今回の主戦場は主塔、すなわち城門のすぐ外側だ。〈月夜〉が明けたばかりだからか、何の怪物の気配もなく、さっそく作業が始まった。ヒメは最初それを眺めていたが、すぐに背中を向けた。
 広がっているのは、どこまでも続く灰色の大地だ。
 かつてはこの国の中も灰色だった。それを先人たちが耕し、長い時間をかけて今の緑が誕生した。灰色の大地は不毛だ。だから、そこで生まれた金属や怪物は頑丈にできている。それなのに、怪物はわざわざ人間を襲い喰らう。今日も死んだ。今はまだお祭りのように騒いでいるが、やがていなくなった顔に気付き、別れに打ちひしがれるのだろう。よくあることだ。
 そう、よくあること――
「捜さなくていいのか」
 コンドルが隣に立った。ヒメは頷いた。
「私は、白兵だから」
「そんなことを気にしている者は誰もいない」
 上着泥棒を倒したヒメは英雄扱いだった。部屋に引っ込むまで、いろんな人に肩を叩かれ讃えられた。お前のお陰だ。よくやった。だが、そのせいで二人は落ちた。
 あの時、ペンダを引っ張り上げてからでもよかったはずだ。そもそも、ヒメが奴から目を離さなければよかったのだ。そうすれば、犠牲だってもっと減らせた。
 大勢を救うのが英雄ならば、それはきっと奇跡ではない。
 奇跡ならば、こんな不幸は起こりえない。
 零れそうになるものを抑え、胸一杯に息を吸い込んだ。乾いた空気に喉の奥がひりついた。
「作業は、どうなってますか?」
「落ちた奴の武器や衣類の一部が見つかってるようだ。あとは、検証もしているが、戦闘の痕跡はなさそうだ」
「そう……ですか……」
 ヒメは俯き、ぐっと歯を食い縛った。苦しくて息ができない。胸を押さえてその場にうずくまった。このくらいならば、許されるだろう。
「そっ……か……」
 せめて二人が安らかに眠ったことを祈り、目を閉じた。
 足音が近づいてくる。
「おいっ」
 肩を揺さぶられて顔を上げると、コンドルがおかしな顔をしていた。驚いているような、喜んでいるような、困惑しているような、そんな奇妙な表情をヒメはぼおっと見た。
「――おい、聞いているのか」
「え」
「生存者がいたらしい。おそらく盾戦士だ。歩けるか」
 引っ張られるままに立ち上がり、ついていく。発条式対大型怪物用兵器の発射口のところに人が集まっていた。二人が近づくと皆が場所を開けた。
「あ……」
 発射口の、あの人が入れる円筒から白い軍服を着て兜を被った人間が出てくる。救出されたその人にヒメは飛びついていた。涙が一滴頬を伝った。
「ペンダ!」
 しがみつくと、心臓の音が確かに聞こえた。離れてと一般兵が言ったが、ヒメの耳には届かなかった。コンドルが声を張り上げる。周辺を探せ! まだいるかもしれん! ……

 作業はそれから一時間続いた。
 生存者は、ペンダ・アクトンただ一人だった。


 医務室を出ると、ヨアヒム先生が待っていた。ヒメはちらりと振り返って、尋ねる。
「あの、入らないんですか」
「無事ならいい」
 ペンダはまだ意識を取り戻していないが、怪我は城壁上での戦闘によるものだけのようで、ほぼ無傷だった。
「食堂へ行こう」
 ヨアヒム先生はさっさと歩きだす。二人は食堂に着くと、ヒメの定位置に座った。ヨアヒム先生は料理長にお茶を淹れてもらってきた。熱々のお茶にジャムを溶かして飲む。
「お前は、シュナイダーをどう思う」
 質問の意図を掴みかねて首を捻ると、ヨアヒム先生はもう一度言った。
「お前は、シュナイダーをどう思う。生きているか、死んだか」
「……」
 キリエは見つからなかった。見つかったのは千切れたポケットと北軍所属を表す刺繍部分だけだった。それに、キリエはペンダを助けようとした時に武器を手放していて、彼の矛は城壁上に見つかっていた。状況から考えると、キリエがペンダを隠し、自分を囮にしたというところだろう。
 普通に考えれば、生きているはずがない。だが、ヒメは絞り出すように答えた。
「生きてると、私は思います」
「何故だ」
 この時、珍しくヒメの勘は冴えていた。
「刺繍が、きれいだったからです」
「俺も同感だ」
 はっとしてヒメは顔を上げた。ヨアヒム先生は頷いて続けた。
「コーラショに襲われたにしてはきれいすぎる。ワシリエフ隊長やコンドルも疑ってるだろう」
「じゃ、じゃあ!」
「だが、あいつらは動かない。シュナイダーは死んだということになる」
 立ち上がったヒメを宥めるように、ヨアヒム先生は座れと手で促す。
「分かってやれ。あいつらは何十人もの命を背負っている。生きてるか分からんような奴のために割く人員はないし、これがシュナイダーがわざとやったことなら上層部から責任を問われることにすらなる」
「はい……」
 ヒメは言う通りにすると、大きな溜め息を吐いて顔を覆った。
「キリエ、どうして……」
「分からん。だが、あいつがいなくなるのはこれが初めてじゃない」
「え?」
 全く予想外のことに、ヒメはヨアヒム先生を凝視した。
「どういうことですか?」
「そのままだ。あいつは軍学校最後の冬休みに失踪した。いなくなったのは三日間だが、帰ってきた時、あいつの服に何が付いていたと思う?」
 灰色の砂だ、とヨアヒム先生は言った。
「あいつは何も言わなかったが、外に行ったんだ。城壁軍の目を盗んで、あいつは荒野に出たんだ」
「…………」
 ヒメは何も言えなかった。そうして思い返すと、ヒメはキリエについて何も知らなかった。キリエ・シュナイダーという人物がどういう環境で成長し、何を経験し、どんなことを抱えて生きているのか、ヒメは何一つ知らない。そんな大事なことに今更気付いて、ヒメは悔しさのあまり泣きたくなった。
「キリエについて、教えてください。私は、キリエを見つけたい」
「俺もそのつもりだ。だが、俺は学校に戻ってがきどもの面倒を見なきゃならん」
 そして、ヨアヒム先生は訥々と語りだした。

 キリエ・シュナイダーは優秀だった。武術はもちろん、魔法もそつなくこなし、おまけに頭が回る。だが、残念なことに、シュナイダーは悪ガキだった。演習は喜んで参加する癖に座学はさぼり、せっかく出ても教師の揚げ足を取る。寮は抜け出すし、グラウンドに穴は掘るし、パンの残りをくすねるし、全く手に負えない。現場を押さえても逃げ足が速くて捕まえられない。いつの間にか、ヨアヒム・グロはシュナイダー担当になっていた。過去に類のない悪ガキだったが、誰かをいじめるというようなことはなかったし、自分の犯行をなすりつけたりもせず、どこか潔かった。だから、ヨアヒムはシュナイダーを気に入っていた。そんなヨアヒムの態度が伝わったのか、シュナイダーもヨアヒムには懐いているようだった。追いかけまわすうちに、シュナイダーの屈折した思いも分かった。だから、ある日言ってやった。
「このひよっこが。俺に勝とうなんざ百億年早いわ!」
「死んでるよ、それ!」
 父アベル・シュナイダーと比較され、父のように優秀だと言われ続けてきたシュナイダーは、ただ自分を見てほしかっただけなのだ。叫び返したシュナイダーを捕まえ、こめかみをぐりぐりしてやった。
 シュナイダーには一人、悪ガキ仲間がいた。トルン・トマス。両親はともに農家で、生まれ持った頭脳と恵まれた体格で軍学校に入った、シュナイダーよりもよっぽど本物の天才だった。最初は落ち着いて優等生をしていたトマスだったが、どういうわけかシュナイダーと意気投合し、いつの間にかヨアヒムが追いかけているのは二人になっていた。シュナイダーとトマスはペアを組むようになり、実力、相性、どれをとっても最高の組み合わせとなった。そのまま軍でも活躍するだろうと、高学年になっても相変わらず続く脱走・悪戯・逃走に頭を悩ませつつ、教師たちはひそかに楽しみにしていたのだ。
 そうして、最高学年の秋、実習がやって来た。シュナイダーは父親の威光のせいで北軍行きが決定し、トマスも共に北軍へ行った。ヨアヒムは引率としてそれについていった。元北軍軍団長の息子の登場に北軍兵は沸いた。現役白兵との合同訓練では誰もがシュナイダーを褒めそやし、実践演習ではわざとシュナイダーに一体取らせた。ヨアヒムはあまりつけあがらせるなと言ったが、内心は歯噛みしていた。シュナイダーはつけあがることはない。代わりに、どんどん鬱屈としたものをため込んでいく。なんとか順調に三日が過ぎた頃、ヨアヒムはシュナイダーとトマスに倉庫に荷物を取りに行くよう言った。シュナイダーは三日間常に誰かに囲まれていて、この調子では一週間ももたず、息抜きが必要だと思ったからだ。戦闘が終わってから、二人を第一城壁と第三城壁の間の三角地帯に送り出した。
 第一城壁は星型をしているから、頂点を繋ぐ第三との間にどうしても隙間ができる。そして、そこの一角は倉庫群になっていた。慣れていなかったり方向音痴だと迷うこともある。だから、多少遅れても言い訳になる。ヨアヒムは一応倉庫群に続く扉のところで二人が帰ってくるのを待っていた。
 十分が経過した頃、通りがかった一般兵がヨアヒムを見て話しかけてきた。
「今、倉庫群には出ない方がいいですよ」
「なに?」
「さっき、戦闘があったでしょう」
 続く言葉にヨアヒムは立ち尽くした。
「怪物が一体落ちたんですが、見当たらないんです。これから部隊を送って確認予定で」
 戦闘中に城壁の外に落ちるように、中に落ちることもある。だから、この三角地帯には魔法無効化がかけられていたし、当然攻撃魔法も仕掛けられていた。それでも生き延びた場合を想定してこの迷路のような倉庫群を設置しているが、そもそも簡単に落ちるような怪物は少ない。ヨアヒムはそう思って、二人を送り出したのだ。
 一般兵に礼を言うと、ヨアヒムは駆け出した。途中の倉庫で手頃な武器を選び、二人を探した。
「シュナイダーッ! トマースッ!」
 先生、と聞こえた気がした。ヨアヒムは慌てて方向転換し、死に物狂いで走った。
 まず見えたのは、地面に散らばった白い粉――二人に頼んだ砂糖だった。その跡を辿ると、段々しわがれた喘ぎ声が聞こえてきた。白線が消えても、もう場所は分かった。最後の角をヨアヒムは曲がった。
「シュナイダー! トマス!」
 オレンジ色のぶよぶよした怪物、イェローズが前肢の長い爪を振り上げたところを、ヨアヒムは戦槌で思い切り殴った。吹っ飛ばされ、それでも立ち上がろうとするのを、叩き潰す。蹴り、殴り、イェローズは動かなくなった。元々、城壁から落ちてぼろぼろだったから、あっという間だった。
 戦槌を放り出し、振り返る。そこに恐れていた光景が広がっていた。
「トマスッ!!」
 トマスの胸に黒い穴が開いていた。前からではなく、後ろから刺された傷だった。そんなトマスを抱え、シュナイダーはいつもの生意気はどこに行ったのか、今にも泣きだしそうな顔でヨアヒムを見ていた。
「先生っ……!」
 泣きたいだろうにぐっと我慢するシュナイダーに、ヨアヒムはかろうじて落ち着きを取り戻した。トマスの傷に手をかざす。
「…………くっ」
 だが、ヨアヒムは何もしなかった。というより、できなかった。傷は心臓を貫いていた。ヨアヒムの知る治療魔法では治せない。上手く血を止めても、医師が来るまで持ちそうになかった。
 ヨアヒムが手を引っ込めると、シュナイダーが手を伸ばした。
「よせ」
「嫌だ」
「シュナイダーッ」
「大丈夫だ! 脳はやられてない! これさえなんとかすれば、トルンは、」
 見ていられなかった。
「もういい、シュナイダー」
 トマスを抱えたままシュナイダーを抱きしめると、シュナイダーはぼろぼろと泣き出した。
「おれの、せいだっ」
「違う。俺だ。俺が確認していれば、こんなことにはならなかった」
「違うよ。先生のせいじゃないっ。おれが調子に乗ってなかったらっ……!」
 罰が当たったんだ、とシュナイダーは言った。どうして、トルンが。当てるならおれにしろよ。トルンは関係ないだろ。どうして。どうして。どうして、死者再生法がないんだ。どうして。どうして。どうして……。
 耳元で繰り返された言葉は、ヨアヒムの心を深く抉った。

「シュナイダーは皆より早く帰された。逆に俺は残って、トマスの家族にトマスを引き渡した。――あんなのは初めてだった。今までだって実習中の事故はあったが、城壁の上ですらない、あんな場所で、俺のせいで死なせてしまうなんて、誰が思う? 胸が潰れるかと思った。一時期は教師を辞めようとも思った」
 けれども、ヨアヒム先生は辞めなかった。
「シュナイダーは家でもぎくしゃくしだしてな。しかも、討つ敵もいないのに卒業後の配属希望には北と書く。そんな時に辞めたら、何をしでかすか分からんし、俺が教師としてあそこにいれば、いざという時に連絡が取れる。だから、俺は性懲りもなく先生を続けている」
 ヨアヒム先生はお茶を飲もうとして、空なのに気付いた。ばつが悪そうに咳払いをする。
「今回、俺が西軍に来たのもな、ワシリエフ隊長のお陰なんだ」
「ワシリエフ隊長が?」
「もし、シュナイダーがこっちで上手くやっていたら、これを機に北から移そうと思ったんだ。それで、俺に様子を見てほしいってな。来て良かった。あいつ、前の相棒が死んでから、北で居心地の悪い思いをしていたようだからな。お前と一緒にいるのを見て、すごく安心した」
 それなのに、あの野郎と机の上で拳を握った。ヒメは少し考え、質問した。
「キリエがいなくなったのは、その後ですか?」
「そうだ。年末と年始ぐらい、家に帰ってやれって行かせて、そうしたらそのままいなくなった」
「他には」
「俺が知っているのは、それぐらいだ」
 キリエの失踪は今に始まったことではないこと。親友が亡くなったこと。分かったのはそれだけだった。
 ふと、ヒメはヨアヒム先生の話を思い返した。
「死者再生法、てなんでしょう」
「ん? ああ、それか。俺も訊いたんだがな、勘違いだと言われた。大方、父親から聞いた機密情報かなんかなんだろうとは思うが、まあ、あったとしても大方失敗して流れたんだろう」
 今もそうだが、昔はもっと隠蔽体質だったとヨアヒム先生は肩を竦める。それは無視して、ヒメは顎に指をあてて考えた。
「脳……。脳が損傷を受けてないなら、生き返るっていうこと?」
「それは人間の魂を喰う怪物の話だろう」
 動転して間違えたか、何らかの情報と誤ったというのが確かに妥当な線だろう。だが、ヒメは何かが引っ掛かった。それは、この一週間、ずっとキリエをすぐ近くから見てきた故の違和感なのだと、ヒメは信じたい。
 キリエと最初に一緒に戦い、ミリアが帰ってきたあの日。泣きじゃくるヒメを抱いてキリエが言った言葉が蘇る。
 おれが取り戻す。全部。
 次は、負けない。
「何を? 何に?」
「なんだ?」
「キリエが言ったんです」
 ヨアヒム先生に教えると、ヨアヒム先生は眉間を深く寄せて唸った。
「ヒメ」
「はい」
「明日、休めるか」
「え?」
 ヒメはふるふると首を振った。
「明日すぐは無理だと思います。仕事ならともかく」
「仕事、か」
 ヨアヒム先生は腕を組み、また唸ると、よしと膝を叩いた。
「ワシリエフ隊長に交渉してやる。いいか? 明日、シュナイダーの荷物を持ってあいつの実家に行くんだ」
「えっ?」
「行くぞ」
 のしのしと歩き出すヨアヒム先生。ヒメは暫し呆然としたが、慌ててその後を追った。
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