kyrie 涙の国

くり

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ヒメの章

開拓暦586年1月、第一城壁、病棟

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 コンドルに言われてもう一度医務室に行き、ちゃんと治っているか確認した。先程と同じ看護師に会って説教をされかけたが、事情を説明するとまたかと溜め息を吐いていた。
「あいつ、当たるなら物にしてくんないかな……。魔法だって万能じゃねーんだから。しかも、応急処置程度のカスいやつぐらいしか習ってねーくせに」
「そうなんですか?」
「そうだよ。アスカリプスなら十年、おまけに研修期間でもう十年やんないと一人前として認めらんねーの。あたしは早かったけど、それでも十六年かかってんだからね」
「十六年……」
 全く想像がつかなかった。看護師が年齢のわりに若く見えるのも原因かもしれない。
「そんなあたしからのアドバイス」
 看護師は腰に手を当て身を屈めるとヒメの顔を覗き込んだ。
「あんまり怪我すると、寿命が縮んで元に戻りにくくなるよ。せっかく可愛い顔してんだから、もっと大事にしな」
「はい」
「ん、物分かりの良い子は好き」
 よしよしと頭を撫でられる。それから看護師はお大事にと背を向けようとし、そうそうとヒメの髪をつまんだ。
「あんた、元第二の子よね? あの人、起きたわよ。もう行った?」
「え?」
 ヒメは目を瞠り、思わず確認してしまった。
「ペレが、ですか? 本当に?」
「その様子だとまだみたいだね。今すっげー安定してるから、見舞いするなら今の内だよ」
 ほらと急かされ、ヒメはわたわた飛び出した。三番目だよと看護師が叫んだ。
「階段下りて三番目の部屋!」
「はいっ」
 走りながら返す。言われた通り階段を下り、三番目の扉の前に立つと、以前はドアノブに下がっていた入室禁止の札が外されていた。もう我慢できなかった。ヒメは勢いよくドアを開けて中に飛び込んだ。
「ペレ! あ――」
 ペレはベッドに横たわり、すうすうと穏やかな寝息を立てていた。クリーム色に近い亜麻色の短髪と少しだけ浅黒い肌。そして盾戦士らしい巨躯。怪我はどこにも見当たらず、これまで昏睡状態だったわりには血色も良さそうだった。
 だが、ヒメの目を奪ったのは別のものだった。
「ミリア……?」
「ヒメ……?」
 ペレにしがみつくようにして伏せていた少女が顔を上げる。彼女と目が合ったとき、驚きのあまり、ヒメは息を止めていた。
 ぱさついた髪。痩せこけ骨の浮いた頬。第二小隊最年少でまだどこか垢抜けなかった可愛らしい少女の面影はどこにもなかった。パジャマから覗く細い手首。黄色く変色した爪。自分でやったと思われる引っ掻き傷や打撲の跡。見れば見るほどその姿は無惨で、本当にこれがあのミリアなのかとヒメは受け入れることができなかった。
 衝撃に身動きを取れずにいると、かつてはしっくりと収まっていたのに、今はぎょろりと浮いた大きな瞳が段々とうるみだし、ひっくと喉が鳴った。ヒメははっと我に返り、慌ててミリアに駆け寄ってすっかり痩せ細った体を抱き締めた。
「ミリア」
「ひっ…うっ、め」
「ミリアッ……」
「ひっ、めええぇぇっ」
 堰を切ったようにミリアはむせび泣いた。顔を隠すようにヒメの軍服に顔を埋め、声を押し殺すように口を押し付ける。初めは、ほんの少しでも力を入れたら壊れて粉々に砕けてしまうような気がして強く抱くことができなかったが、反対にミリアの腕が思いきり締め付けてきて、いつの間にかヒメもぎゅっと腕を回していた。子供をあやすようにとんとんと背中を叩いてやる。ミリアはますます肩を大きく震わせた。しかし、自分でやっておきながらヒメの喉も詰まってきて、ヒメはこっそりと目と口をぎゅっと閉じた。
 暫くすると、泣き声は小さくなり、いつしかやんでいた。それでもミリアは動かなかった。ミリアが離れたのは、それからさらに経った時だった。
「ごめ……なさい……」
 ミリアはパジャマの袖で濡れた軍服の胸元を擦った。
「気にしないで」
 ヒメは首を振ると、自分も椅子を引っ張って隣に座った。そっと覗き込むと、ミリアはうつむき、目を何度もしばたかせ、唇を噛み締めていた。こういう時にはどんな言葉をかけたらいいのかヒメはさっぱりで、どうしたらいいのかわからず結局沈黙が流れる。
 足元には、何人かの仲間が転がっていた。
「追い込め! 下手に突出するな! 増援が来るまで保たすぞ!」
 第二小隊長セジュン・キムの言葉にすぐに反応できたのはほんの僅かだった。皆、ぼろぼろだった。傷を負っていない者なんて一人もいなかった。
「カルロス!」
 振り向くと、一体の新種が高々と跳躍し、カルロスの顔面を蹴り上げたところだった。ごぎっ――、とカルロスの首が異様な曲がり方をする。が、直後にカルロスの左手が新種の足首を掴み、包囲の内側に引き戻した。彼の口が動くが、首をやられたせいでこの混戦の中ではなにも聞こえなかった。だから、これはヒメの想像で、幻聴だ。
「行か、せ、ね、よ」
 新種のパンチとキックがカルロスの頭に、腹に叩き込まれた。助けに入ろうとしたカルロスの相棒を別の新種が邪魔をするが、もう無意味だということは明らかだった。カルロスの体が宙に舞う。そこに何体もの新種が飛びつき、鮮血が辺り一面に降り注いだ。カルロぉぉぉぉぉぉスッ!! と彼の相棒が叫ぶ声も、そのうち掻き消された。
「輪を縮めろ! 奴等の動きを押さえ込め!」
 セジュンが踏み込み巨大な戦斧を振り回すと、新種は慌てたように飛び退いた。その隙に隊士達が陣営をなんとか整え前進する。衝突でまた誰かが倒れた。輪は小さくなる。だが、仲間も減っていく。このままでは決壊する。増援はまだなのか。セジュンがまた声を張り上げようとした時、それまで保守的だった新種がいきなり攻めに転じた。
「キヒヒッ」「キヒャ」「キヒアッ」「シーネ」「シーネ」「シーネ」「シーネ」「シーネ」「シーネ」
「死んで――」
 悲鳴が上がる中、セジュンだけは決して折れなかった。
「たまるかっ!!」
 重い斬撃が新種を蹴散らす。セジュンは盾戦士だが、軍学校出身なだけあってその機敏さにも定評があった。第二小隊で機能している盾はもはやセジュンだけだった。他の盾達は武器を拾うのを諦め、雄叫びと共に突っ込んだ。殴られても頭が陥没しても無我夢中で新種に取りつき、最低一体、中には四体の新種を道連れにして城壁の外に飛び出した。それでも新種達は生き延びるだろう。だが、少なくとも新種だけでは城壁を登ることはできない。今、この時だけ、敵を減らすことができれば。第二小隊にはもうこんな道しか残されていなかった。
 それでも粘る。
 限界まで、最後の一滴の後に残った滓まで。
 セジュンがいる限り、第二小隊は折れない。
 もはや包囲も何もなかった。セジュンを中心にまとまってはいるが、殆ど壊滅しかけていた。新種の猛攻は辛うじて分断していたタコアシに、タコアシと戦っていた別隊士のところにまで及び、魔法攻撃もこれで完全に見込めなくなった。ヒメはセジュンから離れて仲間を援護して回っていた。もう呼吸はひいひいと悲鳴のようで、足元の感覚もふわふわして、駆けつけた先々で仲間が倒れていった。四肢が、首が、飛んだ。
「ヒメッ! ミリアを!」
 セジュンの声にばっ、とミリアに駆け寄る。惰性的に兄刀と弟刀を振るうと、新種達は逃げていった。まだ愛刀は奴等の血を充分に吸っていない。こんなに戦っているのに、奴等の拳とだってぶつかったのに、汚れているのは全て己と仲間の血によってだった。
「ミリアッ」
「ペレが!」
 ミリアの後ろには彼女の相棒であるペレがいた。ペレの両足は潰れていて、座りながら小刀を構えている。しかし、こめかみから夥しい血が流れていて、視線も定まっていなかった。
「ペレ! あともうちょっとだから!」
「う……あ……」
 呂律も回っていない。危ない。唇を噛んだ時、遠くから喊声が聞こえた。援軍だ。やっと、やっと来た。少しだけ泣きそうになって、代わりにヒメはセジュンを振り返った。
「セジュン! 援軍がっ――」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
 セジュンの上に二体の新種が乗っていた。噛みついた。殴ろうとした腕を逆に取り、捩じ切った。別の新種が足にタックルし、セジュンは倒れ、さらに新種達が群がり、積み重なり、ぶちぶちぬちゃぬちゃ嫌な音が聞こえた。それまで麻痺しかけていた感覚が蘇り、ぞわぞわと鳥肌が立つのが分かった。
「セジュンッ――!!!」
 気付いたら、もう立っている人間はいなかった。
 ヒメはぶるりと身震いし、こみ上げてきた胃液を気取られないように飲み込んだ。すると、ミリアの手がヒメの肩を抱いた。
「ヒメも、なく?」
「え」
 ヒメはぶんぶん首を振り、ミリアの手に自分の手を重ねた。
「大丈夫。ミリアは、もっと泣いとく?」
「……そっか」
 ミリアは首を振る。その手に力がこもるが、しかし白兵とは思えない弱々しさにヒメは胸が痛くなった。
「ミリア……」
「ヒメ、ごめんなさい」
 唐突に謝られ、ヒメは訳が分からず狼狽えた。
「な、なにが?」
「だって……聞いたよ。さっき、また、来たんでしょ……?」
 迷いながらも正直に頷くと、ミリアは再び声を震わせ、つっかえつっかえ言った。
「どうして、ヒメは行けるの……? 私、絶対無理。怖いよ。怖いし、痛いし、辛いし。ヒメだってそうでしょ……? でも、ヒメは、みんなのためにっ……ねえ、どうしてそんなに強いの? 私が弱すぎるだけ? やっぱり、私がいけないのっ?」
「ミリア……?」
「ちょっとは苦しがってよ……! 私に……当たってよ!」
「当たっ……なんで、そんなこと」
 意味が分からず混乱するヒメだったが、それでもなんとなくミリアの手を離してはならないような気がして、彼女の手を握り直した。それを振りほどく勢いでミリアは手を振り上げ、一転してヒメの肩を叩きだす。
「だって! 私がもっとしっかりしてたら、ヒメは小隊長を助けられたのに! 私が、私がもっと強かったら、ペレだって、そうしたら私とペレで守れたかもしれないのに! 私がいけないんじゃん! 私のせいじゃん! ほら、怒ってよ! お前のせいだって! どうして復讐しようとしないんだって! でないと、私、なんでここにいるの……。なんで優しくされてんの……? おかしいよ……変だよ……ねえ、なんで。なんでよ……答えてよ……」
「答えられないよ」
 即答すると、ミリアは信じられないというふうに大きな目をさらに見開き、ふるふると首を振ってヒメから離れようとした。
「自分のことじゃん。なんで答えらんないの。簡単じゃん」
「私、みんなと上手く噛み合わないから」
 ヒメは慎重に言葉を選びながら、ことさらゆっくりと言う。間違いのないように、丁寧に、想いを並べていく。
「だから、私の考えは答えにならないよ。だって、私はミリアに優しくできないから。私は、ミリアを責めることができないから。私があの時ぼんやりしてなかったら、セジュンだけじゃなくて、もっとたくさんの仲間を助けられたかもしれない。そればっかり考えちゃって、ミリアのことを忘れてた」
「それは……仕方がないよ。あんな、ひどかったのに。でも、ヒメは走り回ってて、私は……!」
「ミリアはペレを助けたよ。でも、私は、誰も助けられなかった」
 息が苦しくなって、胸元をぎゅっと掴もうとする。そこで、いまだに握っているミリアの手を思い出し、だがもうそんな資格はないように思えて、そっと離した。しかし、ミリアはそろりと立ち上がって、おそるおそるヒメの頭を抱きしめてくれた。
「なのに、みんな優しくしてくれて。それがすごく申し訳なくて。どうして、私、生き残っちゃったんだろうって。だから、死んでもいいから、あいつらを倒そうと思った。……私、本当に強かったらよかったのに。そうしたら、今日だって失敗しなかったのに」
「もう、いいよ」
 ぽつりと滴が頭に落ちてきた。
「ごめんなさい、ヒメ。ごめんなさい。自分ばっかりで、ヒメのこと全然考えてなくて。ごめんなさい。だから、もういいよ。いいから。死なないで。生きて。お願いだから、ヒメまでいなくならないで……」
 お願い、とミリアは静かに涙を零した。ヒメは頷いた。
「死なないよ。私は、もう、死ぬ気はない。死ねないよ。こんなにたくさんの人が心配してくれてるのに。裏切ることなんてできない」
 キリエ。ワシリエフ隊長。コンドル。そして、ミリア。目を閉じれば、皆の顔が浮かんでくる。そして、今、コンドルのお陰で迷いの消えていた心に、火が点いた。
「守るよ。必ず。それで、絶対に帰ってくる」
 待っててくれる? と訊くと、ミリアは首を振った。
「やだ。私も戦う。白兵じゃなくてもいい。私も、もう、ここにいるのはいや」
 ミリアはごしごしと顔をこすり、キッ、と前を睨んだ。
「待ってて、ヒメ」
「……うん」
 この時のミリアの笑顔を、きっと一生忘れない。

 泣き疲れて眠ってしまったミリアを残して廊下に出ると、キリエが壁によりかかって立っていた。
「キリエ」
「あ」
 キリエは少しだけ気まずそうに視線を逸らし、ぼそりと言った。
「さっき、看護師さんに言っといたから。あの子のこと、看てくれると思う」
「そっか」
 ヒメはキリエの隣に並んだ。
「ありがとう」
「なんか……ごめん」
「ううん。聞かれて困る話じゃないし」
 そう言って笑いかけると、キリエは顔を背け、がしがしと後頭部を掻いた。ヒメはぷっと噴き出してしまった。
「キリエは、照れると頭ぼりぼりする」
「えっ、嘘。あ、や、別にこれはそういうんじゃなくて……」
「なんで否定するの? いいじゃない、照れ屋さん」
「照れてない!」
「顔、まっかっか」
「んああああ、もおおお」
 口元を手で覆うが、既に耳まで赤い。キリエは不貞腐れたようにそっぽを向いた。ちょうどそこへ看護師が来てくれたので、二人はミリアのことを預けて歩き出した。
「招集、もう終わっちゃったよね」
「うん。でも、まだ具体的な作戦は決まってないから、大丈夫だと思う」
「そっか」
「お腹空いた。もう三時だよ、食堂行こう」
「うん」
 そういえば、朝から何も食べていない。時間ではないが、軽食ぐらいなら用意してあるはずだった。そこまで考えて、いつもならすぐにお腹が鳴りだすはずが、今日に限ってうんともすんとも言わなかった。
 それでも、食べなくてはならない。キリエの後を追い、横に並んで歩きながら、ヒメは改めて礼を言い直した。
「今日は、ありがとう。助けてくれて」
「いや。おれは何もしてないよ」
「そんなことない」
「本当だって。それより、ヒメだよ。おれ、白兵で刀使う人って初めて見た。北はタコアシとかでかいのばっかりだから、みんな長柄なんだよ。刀ってあんな使い方できるんだな」
 ヒメはつい口元をほころばせ、刀の柄を撫でていた。
「私、体小さいから、長柄は向いてないって。セジュンが知り合いの工房会の人に頼んで作ってくれた」
「セジュンさんが」
 キリエは驚いたようだったが、何事もなかったように相槌を打った。ヒメも内心では驚いていた。この話を誰かにするのは初めてだった。
 だが、キリエなら、いいと思った。
「私、もともと魔法兵になりたくて」
「魔法兵に?」
 こくりと頷く。
「でも、セジュンが、お前向いてるって。いつの間にか白兵になってて、セジュンの相棒になってた。最初はすごいいやだった。怖いし。ずっと魔法使いに憧れてたし。でも、セジュンの言う通りにしたら、どんどん上達して。それがちょっと、嬉しくて。――褒められたのが、もっと嬉しくて。初めて大物を倒した時、みんながお祝いを開いてくれた。大袈裟だよね」
「そうだな」
 でも、とキリエの手が伸びる。
「あったたかったんだな」
「うん」
 しっかりと指を絡め、手を繋いだ。
 セジュンに拾われてから、ヒメの短い兵士人生の殆どがセジュンと共にあった。セジュンと共に成長し、セジュンと共に認められ、セジュンが第二小隊を引き継いでからは彼を支えてここまで一緒に来た。そこはヒメの全てだった。ヒメを構成するものの大半がそこに詰まっていた。
「十分。援軍要請をしてからたったの十分で、残りはたったの三人。でも、最後の方はひどかったから、もっと呆気なかった」
 目が異様に熱い。
「どうして、魔法はあるのに、生き返る方法はないんだろ……?」
 ある一部の人間の魂を喰う怪物が相手だったなら、確率は低いが生き返らせることができたかもしれないのに。
 キリエは近くの病室を開け、中に誰もいないことを確認すると、ヒメを中に引っ張りこんだ。ヒメは手渡されたハンカチをぼおっと見た。
「はい」
「ありが、とっ……!」
 ミリアと話していた時も、今日の戦闘の時も、あの別れの日も、涙はほんのちょっぴりしか出なかったのに。
 ヒメはキリエにしがみついて、わんわん泣いた。キリエは固まっていたが、やがてヒメがミリアにしたようにぎゅっと腕を回した。
「……ここには誰もいないから。誰も見てないから。もう気張んなくていいから」
「うあっ、あああっ、せじゅっ、あああっ」
「おれが取り戻す。全部」
「ああ、ああああああっ」
「次は、負けない」
 どうしてキリエと波長が合うのか、ようやくヒメは分かったような気がした。
 彼は似ているのだ。
 たとえようのない自責の念と使命感に駆りたてられ、何かを叶えようと必死に足掻いている。
 だから、彼には拠り所がない。少し前までのヒメのようにふらふらと足が着かず、ただ成しえるべき目標のみを見据えて息をし続けている。
 ヒメは怖くなった。
 今離したら、冗談ではなくそのままいなくなってしまうような気がして、ヒメは怖くて怖くて堪らなくなった。この温もりを見失わないよう、ますます強くしがみついた。
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