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第55話 呪いを解いてしまおう
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「やぁ 、ニコ、久しぶり!」
公爵邸に何故か勇者リオンも来た。笑顔で手を握ってきた。
相変わらず爽やかで麗しいね。
「ごめんなさい! 警備隊からの依頼で東の魔獣討伐に向かう所だったから、リオンも来たいと言って聞かなかったの」
聖女様が平謝りしてきた。
「僕はいいですけど……公爵様の方が」
「公爵は大丈夫だよ。 僕は身内みたいなものだからね!」
……貴族様でしたか。
「いや、貴族じゃないよ? 一時期、ミリア様の護衛をしていたからね」
「心を読めるのですか!?」
「読めないよ? 分かりやすい顔してたからね」
ニヤリと笑われると本当かどうか分からないです……。
「リオンの言う通り、一時期、護衛してもらった時があってね。それからは彼にも出入りは許している」
公爵公認ですか。スキル『鑑定』。
>リオン・フェルトナー:勇者。パーティーリーダー。精霊の守護者。
情報が少ない……けれど「精霊の守護者」? 精霊なんているのかな? 本人に聞いてよいのだろうか?
あ、リオンがじっとこちらを見ている……そらさないと!
「護衛をしていたんですね! 知りませんでした!」
「そうなんだよ。では、早速、ミリア様の元へ行こうか。ニコ」
何故かリオンの音頭で全員でミリア様のお部屋に向かう。
ミリア様は部屋で椅子に座ってお茶を飲んでした。
随分回復していたんだな。
「みなさん、こんにちは」
ミリア様から挨拶を頂き、返す。
「こんにちは。ミリア様。今日で完全回復をさせて頂きますね!」
元気に返しておこう。
「はい! ニコ、お願いしますね」
始める前にスキル『鑑定』。
>ミリア・シュバリア:公爵家長女。二年前より呪いにより伏せっていた。現在は魔力により抑えられているがあと4:29:45で呪いは復活する。神の愛し子。
呪いが復活する時間がカウントダウンされている。時間的に余裕あると言えるのかな?
そしてやはり『神の愛し子』だった。ここまで分かるんだね。
「それでは準備をします。アーカムさん『神輝石』を使わせて下さい。デムスさんは僕にお薬を分けて下さい」
二人が『神輝石』と薬をミリア様の前にあるテーブルに置いた。
さて、試した事もない、一発勝負の上にこの人数に見せてよいかは悩むけれど……今更だから大丈夫かな。
スキル『錬金術』。
……ウィンドウが開いた。
『特殊魔石 + 薬 =>特殊魔石に元から有する魔力増幅効果を更に上げ、回復効果の付与、対水・対氷の耐性の付与を行いますか?」
……やたら説明くさいな。女神様、色々悩んだ末なのかな?
「はい」
声に出してみる。すると、
『神輝石』と薬が発光しながら溶けて合わさっていく。
熱そうだけれどテーブルは大丈夫そうだ。
数秒の光の後、次第に収まり、赤い結晶石がテーブルの上にあった。
成功かな? スキル『鑑定』。
>特殊魔石(錬成済み):『神輝石』とも呼ばれる。微弱な虹色の光を放つ。通常の魔鉱石よりも魔力量が多い。魔力を吸収し増幅して発生させる効果がある。
錬成後→薬との錬成により更なる効果のアップと回復能力、対水・対氷への耐性を付与できる。
長い! けれど基本の部分は元の特殊魔石の説明と変わらないかな。
皆さん、目を見開いてますね……そうなりますよね……でも説明は後にしよう!
「ミリア様、これで最後にしてよい人生を送りましょう!」
ミリア様の前に『神輝石』を近づける。
「はい。お願い致します!」
僕をじっと見つめてから頷き、両手で石を持ち、握る。こぶし大のサイズだけれどまだ小さなミリア様の手だと少しはみ出ている。
「失礼します」と言いつつ、僕も両手でミリア様の手を包むように握る。手が冷たい。緊張されていますよね。
「大丈夫ですか?」
心配無いと気持ちを込めて笑みを浮かべながら声をかける。
「はい、大丈夫です!」
ミリア様も少し笑顔で返してくれた。これなら大丈夫!
「では、始めます」
見渡すと皆さん頷いてくれた。
スキル『解呪』そして『回復』!
『神輝石』を握るての隙間から赤味の強い光が放たれ、次第に虹色に輝き出した。
瞬間、僕はグラッと揺らいだ。
「何か」を持っていかれる感じ。おそらく魔力だ。
大量の魔力を『神輝石』へ吸われているのが感覚として分かる。
僕は倒れてもいいと全力でスキルを掛け続けた。
しばらくすると石の発光が止み、ミリア様が光り輝いた。
それも数秒続いた後、光はスッと消えた。
……終わった、かな?
うん、ラノベでよく出てくる魔力欠乏状態みたいだ。気持ち悪くなってきた。
でも……まだ倒れていられない。
スキル『鑑定』。
>ミリア・シュバリア:公爵家長女。二年前より呪いにより伏せっていたが現在は完治。神の愛し子。
……治ったようだ。よかった!
「ミリア様……完治です……よかった…ですね……」
それ以上の言葉が発せず、僕は意識を失った。
……笑顔で言えたかなぁ。
公爵邸に何故か勇者リオンも来た。笑顔で手を握ってきた。
相変わらず爽やかで麗しいね。
「ごめんなさい! 警備隊からの依頼で東の魔獣討伐に向かう所だったから、リオンも来たいと言って聞かなかったの」
聖女様が平謝りしてきた。
「僕はいいですけど……公爵様の方が」
「公爵は大丈夫だよ。 僕は身内みたいなものだからね!」
……貴族様でしたか。
「いや、貴族じゃないよ? 一時期、ミリア様の護衛をしていたからね」
「心を読めるのですか!?」
「読めないよ? 分かりやすい顔してたからね」
ニヤリと笑われると本当かどうか分からないです……。
「リオンの言う通り、一時期、護衛してもらった時があってね。それからは彼にも出入りは許している」
公爵公認ですか。スキル『鑑定』。
>リオン・フェルトナー:勇者。パーティーリーダー。精霊の守護者。
情報が少ない……けれど「精霊の守護者」? 精霊なんているのかな? 本人に聞いてよいのだろうか?
あ、リオンがじっとこちらを見ている……そらさないと!
「護衛をしていたんですね! 知りませんでした!」
「そうなんだよ。では、早速、ミリア様の元へ行こうか。ニコ」
何故かリオンの音頭で全員でミリア様のお部屋に向かう。
ミリア様は部屋で椅子に座ってお茶を飲んでした。
随分回復していたんだな。
「みなさん、こんにちは」
ミリア様から挨拶を頂き、返す。
「こんにちは。ミリア様。今日で完全回復をさせて頂きますね!」
元気に返しておこう。
「はい! ニコ、お願いしますね」
始める前にスキル『鑑定』。
>ミリア・シュバリア:公爵家長女。二年前より呪いにより伏せっていた。現在は魔力により抑えられているがあと4:29:45で呪いは復活する。神の愛し子。
呪いが復活する時間がカウントダウンされている。時間的に余裕あると言えるのかな?
そしてやはり『神の愛し子』だった。ここまで分かるんだね。
「それでは準備をします。アーカムさん『神輝石』を使わせて下さい。デムスさんは僕にお薬を分けて下さい」
二人が『神輝石』と薬をミリア様の前にあるテーブルに置いた。
さて、試した事もない、一発勝負の上にこの人数に見せてよいかは悩むけれど……今更だから大丈夫かな。
スキル『錬金術』。
……ウィンドウが開いた。
『特殊魔石 + 薬 =>特殊魔石に元から有する魔力増幅効果を更に上げ、回復効果の付与、対水・対氷の耐性の付与を行いますか?」
……やたら説明くさいな。女神様、色々悩んだ末なのかな?
「はい」
声に出してみる。すると、
『神輝石』と薬が発光しながら溶けて合わさっていく。
熱そうだけれどテーブルは大丈夫そうだ。
数秒の光の後、次第に収まり、赤い結晶石がテーブルの上にあった。
成功かな? スキル『鑑定』。
>特殊魔石(錬成済み):『神輝石』とも呼ばれる。微弱な虹色の光を放つ。通常の魔鉱石よりも魔力量が多い。魔力を吸収し増幅して発生させる効果がある。
錬成後→薬との錬成により更なる効果のアップと回復能力、対水・対氷への耐性を付与できる。
長い! けれど基本の部分は元の特殊魔石の説明と変わらないかな。
皆さん、目を見開いてますね……そうなりますよね……でも説明は後にしよう!
「ミリア様、これで最後にしてよい人生を送りましょう!」
ミリア様の前に『神輝石』を近づける。
「はい。お願い致します!」
僕をじっと見つめてから頷き、両手で石を持ち、握る。こぶし大のサイズだけれどまだ小さなミリア様の手だと少しはみ出ている。
「失礼します」と言いつつ、僕も両手でミリア様の手を包むように握る。手が冷たい。緊張されていますよね。
「大丈夫ですか?」
心配無いと気持ちを込めて笑みを浮かべながら声をかける。
「はい、大丈夫です!」
ミリア様も少し笑顔で返してくれた。これなら大丈夫!
「では、始めます」
見渡すと皆さん頷いてくれた。
スキル『解呪』そして『回復』!
『神輝石』を握るての隙間から赤味の強い光が放たれ、次第に虹色に輝き出した。
瞬間、僕はグラッと揺らいだ。
「何か」を持っていかれる感じ。おそらく魔力だ。
大量の魔力を『神輝石』へ吸われているのが感覚として分かる。
僕は倒れてもいいと全力でスキルを掛け続けた。
しばらくすると石の発光が止み、ミリア様が光り輝いた。
それも数秒続いた後、光はスッと消えた。
……終わった、かな?
うん、ラノベでよく出てくる魔力欠乏状態みたいだ。気持ち悪くなってきた。
でも……まだ倒れていられない。
スキル『鑑定』。
>ミリア・シュバリア:公爵家長女。二年前より呪いにより伏せっていたが現在は完治。神の愛し子。
……治ったようだ。よかった!
「ミリア様……完治です……よかった…ですね……」
それ以上の言葉が発せず、僕は意識を失った。
……笑顔で言えたかなぁ。
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