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第25話 女神様にもう少し真実を聞こう
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「『神の愛し子』とはどのような存在なのですか? 僕は信仰とかしていなかったような……」
「言葉の通り、神に愛されし者、ですよ。本来誰もが平等に神に愛されて恩恵を受けているのですが、日頃の行いから少しずつ、その恩恵は薄れていきます」
日頃の行い……僕は良かったのかな?
「日頃の行いとは別に祖先に特別な愛し子がいる場合も直径の子孫が恩恵を受ける場合があります」
「それが前世の僕だったのですね。日頃の行いは普通だったと思うので」
「『谷中 虹琥』も良い子でしたよ。小さな親切をたくさんしていましたし、家族思いでしたよね」
「でも、その家族に辛い思いをさせたのが申し訳ないです」
本当に申し訳ないな、色々と。悲しい思いをさせる精神的なものと、あのコレクションの山を処分させる体力的なものと。
「グッズは売りに出されてその金額に親族の皆さん驚いたようです。レア物に高値が付いたとか」
「あぁ……そうですよね……もう、見れないからいいんです……売ってもらって」
「何か涙ぐんでますけど続けていいですか?カレーライスが食べたいので」
涙出てましたか……そうですか。
「……そういえば恩恵ってなんですか? スキル的なものですか?」
「恩恵」と書いて「ギフト」と読ませるラノベも多かったな。
「そうですね……先ず、何か小さな良い事ってありませんでしたか?」
「小さな良い事ですか? ……お金を拾ったり、限定品が運良く買える事は多かったような……?」
目覚まし時計のタイマーを掛け忘れても時間に起きれたり、電車でうたた寝していても降りる駅で目を覚ましたり、授業中に居眠りしていても先生に見つからなかたり……寝るの好きだな。
「そういう小さな良かった事が沢山あったと思います。『虹琥』ならば少し上の高校や大学に入学できた事や就職先も希望通りだったり、ですね」
「実力じゃなかったんですね……でも恩恵を受けていたんですか」
「実力ですよ? その実力を身につける段階で恩恵が働いているのです。それは今も」
「『良い事』以外の恩恵ですか?」
「はい。『虹琥』の場合は『飽きない性格』と『忍耐力』ですね」
それは昔から言われていた……あ! それでドリルですか。
「はい。そうです。向いていたでしょ?」
「性格だと思っていましたがスキルでしたか……」
「同じドリルを百回繰り返すとか普通できませんよ?」
「ですよね……そうすると『ニコ』は」
「『身体能力の強化』ですね。この世界でも上位の力と俊敏さを持っていたのです。本人は知らなかったようですが」
「この世界で上位って……でも。それで理解できた気がします」
女神様は少しだけ笑顔で僕を見ている。カレーライスは大盛りにしますからね!
そこで満面な笑みは違います!
「『ニコ』の身体能力は『虹琥』では使いこなせなかった。だからドリルでレベルを上げて身体能力を補完する……で正しいですか?」
「正解です。もう既に今のレベルとスキルで十分、『ニコ』と同等の動きは出来ると思いますよ」
それは凄い!!あまり外に出ていないからどれくらい動けるかは分かっていないけれど。
「そして、『ニコ』は魔法は使えませんでした。これは『虹琥」の力です」
身体能力の高い魔法使いって……ラノベの無双する主人公みたい!
……なれる気がしないけれど。
「『ニコ』のスキルは今日まで隠していたので後ほど表示させますね」
それは楽しみです。後、気がかかりなのは……。
「最後に教えて下さい。『ニコ』は復活しないのですか?今の僕が消えるような事は無いですか?」
どちらかといえば僕が消えてもよいから『ニコ』に戻ってきてほしい。虹琥である僕より若くて、苦労もしてきたのだから。
「既に『虹琥』が主となっているので消える等は無いです。『ニコ』の復活は……無いと思って下さい」
「……何か有りそうですが今は納得します」
さて、かなり時間も頂いたので。
「カレーライス! ニコ! 急ぎましょう!!」
……すぐに心を読まないで下さいよ。
その後、リビングに移動して大盛りで三杯おかわりした女神様は満足したようで冷たい麦茶を飲みながら思い出した事を伝えた。
「聞こうとしなかったので教えます。恩恵を受けているのに不幸に遭うのは何故か?」
「……正直、女神様に聞きにくかったです」
「これも因果によるもので神でも止められないのです」
「プログラムの『バグ』みたいなものですか?」
「そうですね。まさに『バグ』ですね。ずっと見守っていてもどこかで事故が起きるのです」
「それが当たり前に思っていました。事故が起きる事も死ぬ事も」
やはり世界はプログラムなのかもしれない。
「そう思えても実際にはプログラムでは無いですし、ましてやゲームでも無いです。自分から無茶をすれば神や因果に関係無く死にますからね」
……ゲームだったら良かったな。コレクションを売られずに済んだし。
「でも、こちらの世界も楽しいと思えてきているので大丈夫です!」
『ニコ』の分も頑張っていこうと思えたし。
「それならばよかった」
女神様、ちょっとホッとしましたね?
「それは私が勝手に進めたので少しだけ、ほんの少しですよ? 不安はありましたよ?」
「そうですか。ではそんな女神様にはデザートをお出ししますね!」
プリンも作っていたので出すことにした。
「プリンですか!? 大好物です!!」
何でも美味しそうに食べてますよね!
次回は何をお出ししようかな? ハンバーグ? 分かりました!
中学生のドリルも進めたいところだけれど、『ニコ』のお仕事を再開しますか!
「言葉の通り、神に愛されし者、ですよ。本来誰もが平等に神に愛されて恩恵を受けているのですが、日頃の行いから少しずつ、その恩恵は薄れていきます」
日頃の行い……僕は良かったのかな?
「日頃の行いとは別に祖先に特別な愛し子がいる場合も直径の子孫が恩恵を受ける場合があります」
「それが前世の僕だったのですね。日頃の行いは普通だったと思うので」
「『谷中 虹琥』も良い子でしたよ。小さな親切をたくさんしていましたし、家族思いでしたよね」
「でも、その家族に辛い思いをさせたのが申し訳ないです」
本当に申し訳ないな、色々と。悲しい思いをさせる精神的なものと、あのコレクションの山を処分させる体力的なものと。
「グッズは売りに出されてその金額に親族の皆さん驚いたようです。レア物に高値が付いたとか」
「あぁ……そうですよね……もう、見れないからいいんです……売ってもらって」
「何か涙ぐんでますけど続けていいですか?カレーライスが食べたいので」
涙出てましたか……そうですか。
「……そういえば恩恵ってなんですか? スキル的なものですか?」
「恩恵」と書いて「ギフト」と読ませるラノベも多かったな。
「そうですね……先ず、何か小さな良い事ってありませんでしたか?」
「小さな良い事ですか? ……お金を拾ったり、限定品が運良く買える事は多かったような……?」
目覚まし時計のタイマーを掛け忘れても時間に起きれたり、電車でうたた寝していても降りる駅で目を覚ましたり、授業中に居眠りしていても先生に見つからなかたり……寝るの好きだな。
「そういう小さな良かった事が沢山あったと思います。『虹琥』ならば少し上の高校や大学に入学できた事や就職先も希望通りだったり、ですね」
「実力じゃなかったんですね……でも恩恵を受けていたんですか」
「実力ですよ? その実力を身につける段階で恩恵が働いているのです。それは今も」
「『良い事』以外の恩恵ですか?」
「はい。『虹琥』の場合は『飽きない性格』と『忍耐力』ですね」
それは昔から言われていた……あ! それでドリルですか。
「はい。そうです。向いていたでしょ?」
「性格だと思っていましたがスキルでしたか……」
「同じドリルを百回繰り返すとか普通できませんよ?」
「ですよね……そうすると『ニコ』は」
「『身体能力の強化』ですね。この世界でも上位の力と俊敏さを持っていたのです。本人は知らなかったようですが」
「この世界で上位って……でも。それで理解できた気がします」
女神様は少しだけ笑顔で僕を見ている。カレーライスは大盛りにしますからね!
そこで満面な笑みは違います!
「『ニコ』の身体能力は『虹琥』では使いこなせなかった。だからドリルでレベルを上げて身体能力を補完する……で正しいですか?」
「正解です。もう既に今のレベルとスキルで十分、『ニコ』と同等の動きは出来ると思いますよ」
それは凄い!!あまり外に出ていないからどれくらい動けるかは分かっていないけれど。
「そして、『ニコ』は魔法は使えませんでした。これは『虹琥」の力です」
身体能力の高い魔法使いって……ラノベの無双する主人公みたい!
……なれる気がしないけれど。
「『ニコ』のスキルは今日まで隠していたので後ほど表示させますね」
それは楽しみです。後、気がかかりなのは……。
「最後に教えて下さい。『ニコ』は復活しないのですか?今の僕が消えるような事は無いですか?」
どちらかといえば僕が消えてもよいから『ニコ』に戻ってきてほしい。虹琥である僕より若くて、苦労もしてきたのだから。
「既に『虹琥』が主となっているので消える等は無いです。『ニコ』の復活は……無いと思って下さい」
「……何か有りそうですが今は納得します」
さて、かなり時間も頂いたので。
「カレーライス! ニコ! 急ぎましょう!!」
……すぐに心を読まないで下さいよ。
その後、リビングに移動して大盛りで三杯おかわりした女神様は満足したようで冷たい麦茶を飲みながら思い出した事を伝えた。
「聞こうとしなかったので教えます。恩恵を受けているのに不幸に遭うのは何故か?」
「……正直、女神様に聞きにくかったです」
「これも因果によるもので神でも止められないのです」
「プログラムの『バグ』みたいなものですか?」
「そうですね。まさに『バグ』ですね。ずっと見守っていてもどこかで事故が起きるのです」
「それが当たり前に思っていました。事故が起きる事も死ぬ事も」
やはり世界はプログラムなのかもしれない。
「そう思えても実際にはプログラムでは無いですし、ましてやゲームでも無いです。自分から無茶をすれば神や因果に関係無く死にますからね」
……ゲームだったら良かったな。コレクションを売られずに済んだし。
「でも、こちらの世界も楽しいと思えてきているので大丈夫です!」
『ニコ』の分も頑張っていこうと思えたし。
「それならばよかった」
女神様、ちょっとホッとしましたね?
「それは私が勝手に進めたので少しだけ、ほんの少しですよ? 不安はありましたよ?」
「そうですか。ではそんな女神様にはデザートをお出ししますね!」
プリンも作っていたので出すことにした。
「プリンですか!? 大好物です!!」
何でも美味しそうに食べてますよね!
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