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第18話 家に帰って考えてみよう
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その後、ドレスを十着、と言っていたのに合うサイズがあるからとかなりの数の女性ものの服を着た。着させられた……そしてお化粧まで……女性の店員さん達に囲まれたら逃げ場も拒否権も無かった……後半の記憶もほとんど無い。
開放された頃には夜になっていたので食堂まで戻ってきてコーレルさんと夕飯を一緒にする事にした。
色々疲れて帰りたかったけど鎧の金額分は我慢しよう! 金額は分からないけどね!
食堂前で馬車から降りたところでコーレルさんがフラフラな僕の肩と組んで、
「そうだ。ニコ、この食堂の横が私の庶民の男性向けの服飾店だから贔屓にしてくれ!」
……!?
……よくよく見たら服屋だ!!
何度も通っていたのに中を覗かないと分かりにくい店構えだったから全く気づかなかった。
最初からこっちを教えてくれても……と言おうと思ったけれどやめよう。目的が目的だっただけにここでは無理だ……自分の為にも。
夕食もご馳走になった。
頂いた革鎧を着けてみせると似合っていると皆さんに褒めてもらえた。
そして、前の装備に誰もが不安を感じていた事も知った。そんなに酷かったんだね。
夜だからお酒も入っているからか「次はブーツを作ろう!」や「いや、剣を新調しよう」「リュックが先だ!」なんて職人さん達が盛り上がっていた。どれも必要そうだからお願いだけした。
「エプロンドレスも作らねば!」って声は速攻で却下した。さっき着ましたよね!?
あ、違うデザインですか。それなら……って違う!!
そして、コーレルさんに自宅前まで馬車で送って頂いた。
仕事の依頼もしたいけれど色々と元に戻るまでは待ってくれるとの事。その気持ちに感謝しかない。
家に入り、お茶を用意してテーブルに着く。
あぁ、お茶が美味しい。
……あれ?
テーブルの上は片付けて何もなかったはずなのに白い紙が置いてある。
手に取りひっくり返す。
……あ、メイド服を着た僕の写真!
女神様!? あの光はカメラのフラッシュみたいなものだったんですかね!!
ビリッビリに破いて捨てようかと思ったけれど、この世界ではおそらく写真は無い、と気付く。
精神年齢は二十代後半な身としては若気の至りで撮ったコスプレ写真と思えば捨てなくて良い気がしてきた。恥ずかしいけれど。
どこかに隠して保管しようかな。家にはケイトくらいしか来ないし、彼女はこの家に来るとおとなしくて勝手な行動をしない事は分かっている。
でも、どこかよい隠し場所ってどこかあったかな? この家は引き出しの付いた家具が少な過ぎる。
そうだ。こんな時によいスキルは無いかな?
****************************
ニコ(谷中 虹琥)
Lv.408
16歳
男
<スキル>
神との交信(トータルレベルx10秒)
学習ドリル※ Lv.24→国語(小学6年まで)
算数(小学6年まで)
社会(小学6年まで)
理科(小学6年まで)
英語(小学6年まで)
識字 Lv.5(大陸内の文字は読める)
会話 Lv.5(大陸内の会話ができる)
思考加速 Lv.5(任意で1時間、通常の100%の思考能力が向上)
並列思考 Lv.1(もう1人分の思考が可能)
心眼 Lv.5(音速程度は目で捉えられる)
方向感覚 Lv.5(自分を起点に半径1km以内であれば道に迷わない)
索敵 Lv.1(半径1km内の危険を察知できる。位置もわかる)
鑑定 Lv.5(おおよそのものならば詳細も分かる)
魔法→火属性 Lv.5(中級魔法が使える)
水属性 Lv.5(中級魔法が使える)
地属性 Lv.5(中級魔法が使える)
風属性 Lv.5(中級魔法が使える)
聖魔法→回復 Lv.1(軽度の傷や病気を回復できる)
****************************
まだ使った事がなかった『並列思考』を使ってみようかな。考えるには良さそうなスキルだ。
「並列思考」!
『で、どうしたい? 僕』
「あ、並列だからもう一人の僕が現れるんだ……心の中だけど」
『当たり前だよ。時間制限があると思うからすぐに検討を始めよう』
「もう一人の僕はクールな気がする……」
『呑気なんだよ。僕』
「そ、そうかな? 『もう一人分の思考』が自分との会話だとは考えてもみなかったから……」
『はい、十秒の無駄。普通気付くでしょ』
[ごめん」
『じゃ、結論から。寝室の机の引き出しの奥かベッドの下で確定』
「……やましい物を隠す定番場所だね」
『君と見たのと同じ情報しかないからね。では終わりでいいかな?』
「はい…クールな僕」
『ではまた。呑気な僕』
……スキルの僕が勝手にスキルをが止めた!
でも、他に無いのかな? 隠し場所。ベタ過ぎて不安を感じる。
スキルを改めて眺める。
現状と関係が無さそうだけど『方向感覚』って便利そう。
道案内的なスキルだと思うけれどレベルもかなり上がっているからその地域の詳細が分かったりするかもしれない。使ってみよう。
『方向感覚』……任意発動なんだ。
そう思っていたらブワッと目の前にSFチックな俯瞰で立体的な地図が現れた!
行った場所や見て認識した場所は名称が記載されている。
しかも「自分を起点に半径一キロ」は高さも含まれているようで建物も立体的に見えている。
SFチックならばと手を伸ばしてスマホやタブレットPCの操作のように動かすと拡大縮小や角度も変えられた。前世で慣れた操作だからとても分かりやすい。
隠し場所のヒントが無いかとこの家を色々な角度で見てみる。
……あれ? この家、地下室があるみたい。
開放された頃には夜になっていたので食堂まで戻ってきてコーレルさんと夕飯を一緒にする事にした。
色々疲れて帰りたかったけど鎧の金額分は我慢しよう! 金額は分からないけどね!
食堂前で馬車から降りたところでコーレルさんがフラフラな僕の肩と組んで、
「そうだ。ニコ、この食堂の横が私の庶民の男性向けの服飾店だから贔屓にしてくれ!」
……!?
……よくよく見たら服屋だ!!
何度も通っていたのに中を覗かないと分かりにくい店構えだったから全く気づかなかった。
最初からこっちを教えてくれても……と言おうと思ったけれどやめよう。目的が目的だっただけにここでは無理だ……自分の為にも。
夕食もご馳走になった。
頂いた革鎧を着けてみせると似合っていると皆さんに褒めてもらえた。
そして、前の装備に誰もが不安を感じていた事も知った。そんなに酷かったんだね。
夜だからお酒も入っているからか「次はブーツを作ろう!」や「いや、剣を新調しよう」「リュックが先だ!」なんて職人さん達が盛り上がっていた。どれも必要そうだからお願いだけした。
「エプロンドレスも作らねば!」って声は速攻で却下した。さっき着ましたよね!?
あ、違うデザインですか。それなら……って違う!!
そして、コーレルさんに自宅前まで馬車で送って頂いた。
仕事の依頼もしたいけれど色々と元に戻るまでは待ってくれるとの事。その気持ちに感謝しかない。
家に入り、お茶を用意してテーブルに着く。
あぁ、お茶が美味しい。
……あれ?
テーブルの上は片付けて何もなかったはずなのに白い紙が置いてある。
手に取りひっくり返す。
……あ、メイド服を着た僕の写真!
女神様!? あの光はカメラのフラッシュみたいなものだったんですかね!!
ビリッビリに破いて捨てようかと思ったけれど、この世界ではおそらく写真は無い、と気付く。
精神年齢は二十代後半な身としては若気の至りで撮ったコスプレ写真と思えば捨てなくて良い気がしてきた。恥ずかしいけれど。
どこかに隠して保管しようかな。家にはケイトくらいしか来ないし、彼女はこの家に来るとおとなしくて勝手な行動をしない事は分かっている。
でも、どこかよい隠し場所ってどこかあったかな? この家は引き出しの付いた家具が少な過ぎる。
そうだ。こんな時によいスキルは無いかな?
****************************
ニコ(谷中 虹琥)
Lv.408
16歳
男
<スキル>
神との交信(トータルレベルx10秒)
学習ドリル※ Lv.24→国語(小学6年まで)
算数(小学6年まで)
社会(小学6年まで)
理科(小学6年まで)
英語(小学6年まで)
識字 Lv.5(大陸内の文字は読める)
会話 Lv.5(大陸内の会話ができる)
思考加速 Lv.5(任意で1時間、通常の100%の思考能力が向上)
並列思考 Lv.1(もう1人分の思考が可能)
心眼 Lv.5(音速程度は目で捉えられる)
方向感覚 Lv.5(自分を起点に半径1km以内であれば道に迷わない)
索敵 Lv.1(半径1km内の危険を察知できる。位置もわかる)
鑑定 Lv.5(おおよそのものならば詳細も分かる)
魔法→火属性 Lv.5(中級魔法が使える)
水属性 Lv.5(中級魔法が使える)
地属性 Lv.5(中級魔法が使える)
風属性 Lv.5(中級魔法が使える)
聖魔法→回復 Lv.1(軽度の傷や病気を回復できる)
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まだ使った事がなかった『並列思考』を使ってみようかな。考えるには良さそうなスキルだ。
「並列思考」!
『で、どうしたい? 僕』
「あ、並列だからもう一人の僕が現れるんだ……心の中だけど」
『当たり前だよ。時間制限があると思うからすぐに検討を始めよう』
「もう一人の僕はクールな気がする……」
『呑気なんだよ。僕』
「そ、そうかな? 『もう一人分の思考』が自分との会話だとは考えてもみなかったから……」
『はい、十秒の無駄。普通気付くでしょ』
[ごめん」
『じゃ、結論から。寝室の机の引き出しの奥かベッドの下で確定』
「……やましい物を隠す定番場所だね」
『君と見たのと同じ情報しかないからね。では終わりでいいかな?』
「はい…クールな僕」
『ではまた。呑気な僕』
……スキルの僕が勝手にスキルをが止めた!
でも、他に無いのかな? 隠し場所。ベタ過ぎて不安を感じる。
スキルを改めて眺める。
現状と関係が無さそうだけど『方向感覚』って便利そう。
道案内的なスキルだと思うけれどレベルもかなり上がっているからその地域の詳細が分かったりするかもしれない。使ってみよう。
『方向感覚』……任意発動なんだ。
そう思っていたらブワッと目の前にSFチックな俯瞰で立体的な地図が現れた!
行った場所や見て認識した場所は名称が記載されている。
しかも「自分を起点に半径一キロ」は高さも含まれているようで建物も立体的に見えている。
SFチックならばと手を伸ばしてスマホやタブレットPCの操作のように動かすと拡大縮小や角度も変えられた。前世で慣れた操作だからとても分かりやすい。
隠し場所のヒントが無いかとこの家を色々な角度で見てみる。
……あれ? この家、地下室があるみたい。
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