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第16話 スキルと共に外出してみよう
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中学生のドリルができるようになるまで頑張らないといけないけれど、そろそろ外での活動もしようかな。
女神様とお話ししたら外に出るもの怖くなくなった気もするので、今日は朝から外出しようと思う。街中探検の第二弾!目標は「買い物をする」にしよう。
食べに出かけても買い物はした事がなかった。
鑑定で人の名前やある程度の情報が分かるのであればやっていける気がする!
家を出て鍵をかける。
わりと厚めの扉を蹴開けるケイトはすごい……と思う。
「よう!」
パン屋のご主人から挨拶される。
せっかくだから「鑑定」。
>ジョエル:パン屋「クマパン」の主人。近衛騎士団の元団長。
近衛騎士団の団長……体格を考えればありえたか。
「ジョエルさん、おはようございます!」
挨拶は返さないとね。ご近所付き合いの基本です!
「今日はどこかに出かけるのかい? ずっと引き籠もっていたみたいだけど」
見られている、見守られているんだろうと思う。
「はい。リハビリで少し街中を歩こうかと」
「それはいい! 気をつけてな!」
笑顔で送り出された。気持ちがいい。
王都だからか街中は人通りが多い。
歩いているとやはり声をかけられる。
鑑定をかけると、掃除を依頼した、話し相手になっていた、など色々とつながりが分かった。
「またよろしくな!」と言って肩を組んできたお兄さんは「魔獣の討伐依頼を一緒に受けた事がある仲」とあった。僕にはそんな能力は無さそうだから荷物持ちだろうね。
何度も話しかけられていたら状況に次第に慣れてきた気がする。鑑定頼みだけれど。
ケイトの食堂近くまで来た。中心街だ。「中央」と言っても庶民にとってのだ。 広場や空き地に屋台で食料品や雑貨などを売っていた。
食料品は買わなくても大丈夫だから衣類や雑貨を見てみたい。
せっかくだからケイトのお店「まるいひつじ亭」で腹ごしらえと情報収集をしよう。
お店に入るとやはり満員御礼状態だ。
どうしようかな?と見渡していたらケイトが飛んできた。ほぼ飛んでいる。
「ニコ、ここ座って!」
今日も強引に空けられた席に着かせる。
「なんでもいいよね!?」
はい、としか言えない……何でも美味しいから大丈夫だけれど。
さて、テーブルには六人の先客がいた。
皆さんから「よう!」とか「久しぶり」と声をかけられたから知り合いなのだろう。
その中に以前一緒だった執事のアーカムさんと薬屋さんのデニムさんがいた。
身なりが整っている二人は一般庶民の中にいると浮いている気がする……やはり気さくな方たちなんだね。
そして「鑑定」。
>アーカム・クロード:シュバリア公爵家の筆頭執事。本人も伯爵位を持つ。様々な依頼を請けていた。
>デムス:薬屋の店主。数々の薬草その他の入手依頼を請けていた。
アーカムさん……かなり高位な方だったんですね……皆さん知っていても気にしないようにしているのだろう。
デムスさんはやはりただの薬屋さんなんだな。規模については今は知りたくない。
そのお二人と話していたのがやはり身なりが整った男性だ。話す時の身振り手振りが激しい。後ろで結わえた長い金髪はからこの人も高貴な人と思われる。
なので「鑑定」。
>コーレル・モンド:服飾店のオーナー。モンド子爵家当主。貴族から庶民まで幅広く展開している。過去に素材採取の依頼を請けていた。
あぁ、やはり貴族様だった。
でも気になっていた衣類関連の人にさっそく会えた、幸先がいい!
挨拶もしてくれて依頼も頂いていたのならば声をかけて問題無いだろう。
「コーレルさん、僕が着れるような服ってありますか?何着か欲しくて」
庶民向けもあるのなら高いお店じゃないですよね!?
「ニコが服を? 勧めてもいつも逃げるのに!? じゃ、ご飯を食べたらウチのお店に連れて行くよ!」
……逃げている? ……あれ? 間違えた!?
でも詳しいことは分からないから、
「お、お願いします……」
そう言うしかないよね!?
コーレルさんはものすごく嬉しそうだった。
「ニコ、お待たせ。ドーン!!」
ケイト、ガレットのタワー初めて見たよ……パンケーキじゃないんだから。
美味しいから残さず食べるけど!
女神様とお話ししたら外に出るもの怖くなくなった気もするので、今日は朝から外出しようと思う。街中探検の第二弾!目標は「買い物をする」にしよう。
食べに出かけても買い物はした事がなかった。
鑑定で人の名前やある程度の情報が分かるのであればやっていける気がする!
家を出て鍵をかける。
わりと厚めの扉を蹴開けるケイトはすごい……と思う。
「よう!」
パン屋のご主人から挨拶される。
せっかくだから「鑑定」。
>ジョエル:パン屋「クマパン」の主人。近衛騎士団の元団長。
近衛騎士団の団長……体格を考えればありえたか。
「ジョエルさん、おはようございます!」
挨拶は返さないとね。ご近所付き合いの基本です!
「今日はどこかに出かけるのかい? ずっと引き籠もっていたみたいだけど」
見られている、見守られているんだろうと思う。
「はい。リハビリで少し街中を歩こうかと」
「それはいい! 気をつけてな!」
笑顔で送り出された。気持ちがいい。
王都だからか街中は人通りが多い。
歩いているとやはり声をかけられる。
鑑定をかけると、掃除を依頼した、話し相手になっていた、など色々とつながりが分かった。
「またよろしくな!」と言って肩を組んできたお兄さんは「魔獣の討伐依頼を一緒に受けた事がある仲」とあった。僕にはそんな能力は無さそうだから荷物持ちだろうね。
何度も話しかけられていたら状況に次第に慣れてきた気がする。鑑定頼みだけれど。
ケイトの食堂近くまで来た。中心街だ。「中央」と言っても庶民にとってのだ。 広場や空き地に屋台で食料品や雑貨などを売っていた。
食料品は買わなくても大丈夫だから衣類や雑貨を見てみたい。
せっかくだからケイトのお店「まるいひつじ亭」で腹ごしらえと情報収集をしよう。
お店に入るとやはり満員御礼状態だ。
どうしようかな?と見渡していたらケイトが飛んできた。ほぼ飛んでいる。
「ニコ、ここ座って!」
今日も強引に空けられた席に着かせる。
「なんでもいいよね!?」
はい、としか言えない……何でも美味しいから大丈夫だけれど。
さて、テーブルには六人の先客がいた。
皆さんから「よう!」とか「久しぶり」と声をかけられたから知り合いなのだろう。
その中に以前一緒だった執事のアーカムさんと薬屋さんのデニムさんがいた。
身なりが整っている二人は一般庶民の中にいると浮いている気がする……やはり気さくな方たちなんだね。
そして「鑑定」。
>アーカム・クロード:シュバリア公爵家の筆頭執事。本人も伯爵位を持つ。様々な依頼を請けていた。
>デムス:薬屋の店主。数々の薬草その他の入手依頼を請けていた。
アーカムさん……かなり高位な方だったんですね……皆さん知っていても気にしないようにしているのだろう。
デムスさんはやはりただの薬屋さんなんだな。規模については今は知りたくない。
そのお二人と話していたのがやはり身なりが整った男性だ。話す時の身振り手振りが激しい。後ろで結わえた長い金髪はからこの人も高貴な人と思われる。
なので「鑑定」。
>コーレル・モンド:服飾店のオーナー。モンド子爵家当主。貴族から庶民まで幅広く展開している。過去に素材採取の依頼を請けていた。
あぁ、やはり貴族様だった。
でも気になっていた衣類関連の人にさっそく会えた、幸先がいい!
挨拶もしてくれて依頼も頂いていたのならば声をかけて問題無いだろう。
「コーレルさん、僕が着れるような服ってありますか?何着か欲しくて」
庶民向けもあるのなら高いお店じゃないですよね!?
「ニコが服を? 勧めてもいつも逃げるのに!? じゃ、ご飯を食べたらウチのお店に連れて行くよ!」
……逃げている? ……あれ? 間違えた!?
でも詳しいことは分からないから、
「お、お願いします……」
そう言うしかないよね!?
コーレルさんはものすごく嬉しそうだった。
「ニコ、お待たせ。ドーン!!」
ケイト、ガレットのタワー初めて見たよ……パンケーキじゃないんだから。
美味しいから残さず食べるけど!
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