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第2話 まずは現状確認しよう
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「…………知らない天井だ」
よく覚えていた! よく言えた! こんな時じゃないと使えないからね!
他に人がいたら恥ずかしいけど!
目が覚めると僕はベッドの中だった。
古民家を思い浮かべる木の梁や柱、漆喰の塗り壁が良い感じの部屋だ。布団も柔らかくていい。
その他は机と椅子、奥に小さなクローゼットが見える。とてもシンプルだ。
上半身を起き上がると自分がパジャマ的な服を着ている事に気付く。天然素材らしい薄茶色ながら肌触りが良い。前の世界だったらいい値段だろうな。
ベッドから立ち上がる。
幸い目が眩んだり、フラつく事もなかった。
鏡は近くに無かったので顔は分からないけれど背丈はほとんど変わっていないようだ。体型は細身だけれどかなり引き締まっている。そこそこ鍛えていたと思われる。前世の記憶を保持したままでも違和感は無さそうだ。
でも顔は見たい。どんな感じに変わったのかなぁ。
机の上にも何もなく、クローゼットには着替えが綺麗に並んでいた。
靴もあったから改めて西洋風なんだと実感。そうだ土足厳禁にしよう。掃除も大変だし。屋内全て裸足で大丈夫か不安なので一足を屋内用と決めて履いた。
クローゼットの中に手鏡があった!
あれ……あまり変わっていない?
顔つきは年齢に合わせて若さを感じるけれど前世とほぼ一緒だ。
変わったのは髪の色が茶色くなって、瞳の色も黒っぽい緑になったくらい。
ウィッグとカラーコンタクトを着けてコスプレしている気分。
少しだけ残念な気がした。本当にちょっとだけね。
窓を開けると暖かな空気を感じる。温暖で適度な湿気が気持ちがいい。
見渡すと自分が四階建ての二階の部屋にいた事が分かる。見えた外の世界は昔のヨーロッパ風の街並みのような石畳みが敷かれた通りに馬車や人が行き交い、どの建物も我が家と同じような建物が並んでいた。遠くには高い壁らしき物が見えるから城塞都市だと思われる。それなりに大きな街なのだろう。
外へ出かけるのは後にして、家の中を探索しよう。
扉を開けて部屋を出たら他に一部屋あったので合計二部屋。トビラを開けてみたけど自分の寝ていた部屋と同様、ベッドと窓際の机と椅子、クローゼットがあるのみ。クローゼットには何も無かった。
三階も二階と同じ間取りで二部屋あった。
四階は仕切りが無い、ただ広い部屋になっていた。何も無いから広く感じる。
一階まで階段を降りると玄関と思われるドアがあった。外に出たいけれどちょっと怖いのでもう少し屋内探検をしてからにしよう。
一階はリビングと台所があった。リビングのテーブルは六人座れるように椅子もあった。一人なのに。
その他に食器などもあるから生活に必要な物は揃っているように見える。
台所の奥にある食糧庫には食材が豊富に揃えられていた。料理は出来るから問題無い。
玄関横には収納庫があり、掃除道具などが並んでいた。
奥にはトイレとお風呂があった!トイレは流石にお尻洗浄は無いけれど臭いが無いので水洗・・・あ、暗い穴が空いている……水が流れている音がするからやはり水洗なのだろう。お風呂もシャワーは無いけれど浴槽がある。蛇口みたいなものが二つあり、コックに青と赤それぞれ石が付いていた。見慣れた感じがあるので試しに赤のコックをひねったら赤く光ってお湯が出た。丁度よい湯加減・・・って魔道具!?早くも異世界感を感じた。そして上下水道が完備されている事も分かるのでとても助かる。
リビングに戻るとテーブルの上に紙が置いてあった。何か書いてある。女神様からのようだ。
『あなたのこの世界での名前はニコです。前世のままですがファミリーネームはありません』
名字は無いんだ。でも気に入っている名前が変わらないのはよかった。
『お伝えしましたがこの家はあなたの所有物です』
実はお金持ちなのかな?
『あなたのスキルについてはステータスから確認してください。この世界はあなたもよく知る剣と魔法の世界ですがあなたのようにステータスなど見える人はいません』
ステータス表示に疑問を持っていた女神様が関わる世界なら当然だよね。
『あなたはこの世界に馴染んでいる、と伝えましたが言葉や文字は覚えていませんので注意して下さい』
何故?不便でしょ。衣食住は困らなくてもコミュニケーション取れないのは……生来、そんなに人と関わってなかったから大丈夫かもしれない。
『それでは頑張ってください。女神より』
かなり説明不足だけれどまた話せると言ってたので細かい事は気にしない!
さて、ステータスはどうやって確認するのかな?
「ステータス」
何となく言ったらパソコンのウインドウみたいなのが開いた。白い枠に角のあるゴシックフォント。女神様の言葉じゃじゃないけど少しSF感を感じるのはファンタジー世界に合わないかも。あ、これ女神様のセンスがわる・・・ガコッ!!
痛てて、何か頭に落ちてきたっ!
……あれ?何も落ちていない?
転生したばかりだから頭痛とか少し不調があったのかもしれない。多分。
ステータスの表示は思ったよりも簡素だった。
****************************
ニコ(谷中 虹琥)
Lv.1
16歳
男
※能力値はLv.100から表示
スキル
神との交信
学習ドリル Lv.1 →国語(小学1年生まで)
****************************
やはりレベルってあるんだ。
どれくらい頑張れば上がるかは分からないけれど。
『神との交信』は聞いていた通りだ。
でも・・・『学習ドリル』ってなんだ?
国語とか算数の問題集だよね?
それがスキルって意味が分からない!
よく覚えていた! よく言えた! こんな時じゃないと使えないからね!
他に人がいたら恥ずかしいけど!
目が覚めると僕はベッドの中だった。
古民家を思い浮かべる木の梁や柱、漆喰の塗り壁が良い感じの部屋だ。布団も柔らかくていい。
その他は机と椅子、奥に小さなクローゼットが見える。とてもシンプルだ。
上半身を起き上がると自分がパジャマ的な服を着ている事に気付く。天然素材らしい薄茶色ながら肌触りが良い。前の世界だったらいい値段だろうな。
ベッドから立ち上がる。
幸い目が眩んだり、フラつく事もなかった。
鏡は近くに無かったので顔は分からないけれど背丈はほとんど変わっていないようだ。体型は細身だけれどかなり引き締まっている。そこそこ鍛えていたと思われる。前世の記憶を保持したままでも違和感は無さそうだ。
でも顔は見たい。どんな感じに変わったのかなぁ。
机の上にも何もなく、クローゼットには着替えが綺麗に並んでいた。
靴もあったから改めて西洋風なんだと実感。そうだ土足厳禁にしよう。掃除も大変だし。屋内全て裸足で大丈夫か不安なので一足を屋内用と決めて履いた。
クローゼットの中に手鏡があった!
あれ……あまり変わっていない?
顔つきは年齢に合わせて若さを感じるけれど前世とほぼ一緒だ。
変わったのは髪の色が茶色くなって、瞳の色も黒っぽい緑になったくらい。
ウィッグとカラーコンタクトを着けてコスプレしている気分。
少しだけ残念な気がした。本当にちょっとだけね。
窓を開けると暖かな空気を感じる。温暖で適度な湿気が気持ちがいい。
見渡すと自分が四階建ての二階の部屋にいた事が分かる。見えた外の世界は昔のヨーロッパ風の街並みのような石畳みが敷かれた通りに馬車や人が行き交い、どの建物も我が家と同じような建物が並んでいた。遠くには高い壁らしき物が見えるから城塞都市だと思われる。それなりに大きな街なのだろう。
外へ出かけるのは後にして、家の中を探索しよう。
扉を開けて部屋を出たら他に一部屋あったので合計二部屋。トビラを開けてみたけど自分の寝ていた部屋と同様、ベッドと窓際の机と椅子、クローゼットがあるのみ。クローゼットには何も無かった。
三階も二階と同じ間取りで二部屋あった。
四階は仕切りが無い、ただ広い部屋になっていた。何も無いから広く感じる。
一階まで階段を降りると玄関と思われるドアがあった。外に出たいけれどちょっと怖いのでもう少し屋内探検をしてからにしよう。
一階はリビングと台所があった。リビングのテーブルは六人座れるように椅子もあった。一人なのに。
その他に食器などもあるから生活に必要な物は揃っているように見える。
台所の奥にある食糧庫には食材が豊富に揃えられていた。料理は出来るから問題無い。
玄関横には収納庫があり、掃除道具などが並んでいた。
奥にはトイレとお風呂があった!トイレは流石にお尻洗浄は無いけれど臭いが無いので水洗・・・あ、暗い穴が空いている……水が流れている音がするからやはり水洗なのだろう。お風呂もシャワーは無いけれど浴槽がある。蛇口みたいなものが二つあり、コックに青と赤それぞれ石が付いていた。見慣れた感じがあるので試しに赤のコックをひねったら赤く光ってお湯が出た。丁度よい湯加減・・・って魔道具!?早くも異世界感を感じた。そして上下水道が完備されている事も分かるのでとても助かる。
リビングに戻るとテーブルの上に紙が置いてあった。何か書いてある。女神様からのようだ。
『あなたのこの世界での名前はニコです。前世のままですがファミリーネームはありません』
名字は無いんだ。でも気に入っている名前が変わらないのはよかった。
『お伝えしましたがこの家はあなたの所有物です』
実はお金持ちなのかな?
『あなたのスキルについてはステータスから確認してください。この世界はあなたもよく知る剣と魔法の世界ですがあなたのようにステータスなど見える人はいません』
ステータス表示に疑問を持っていた女神様が関わる世界なら当然だよね。
『あなたはこの世界に馴染んでいる、と伝えましたが言葉や文字は覚えていませんので注意して下さい』
何故?不便でしょ。衣食住は困らなくてもコミュニケーション取れないのは……生来、そんなに人と関わってなかったから大丈夫かもしれない。
『それでは頑張ってください。女神より』
かなり説明不足だけれどまた話せると言ってたので細かい事は気にしない!
さて、ステータスはどうやって確認するのかな?
「ステータス」
何となく言ったらパソコンのウインドウみたいなのが開いた。白い枠に角のあるゴシックフォント。女神様の言葉じゃじゃないけど少しSF感を感じるのはファンタジー世界に合わないかも。あ、これ女神様のセンスがわる・・・ガコッ!!
痛てて、何か頭に落ちてきたっ!
……あれ?何も落ちていない?
転生したばかりだから頭痛とか少し不調があったのかもしれない。多分。
ステータスの表示は思ったよりも簡素だった。
****************************
ニコ(谷中 虹琥)
Lv.1
16歳
男
※能力値はLv.100から表示
スキル
神との交信
学習ドリル Lv.1 →国語(小学1年生まで)
****************************
やはりレベルってあるんだ。
どれくらい頑張れば上がるかは分からないけれど。
『神との交信』は聞いていた通りだ。
でも・・・『学習ドリル』ってなんだ?
国語とか算数の問題集だよね?
それがスキルって意味が分からない!
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