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生死の急騰
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この様に軍事的な面でも世界に衝撃が走るソ連崩壊の余波であるが、その衝撃波に直撃された国々もいる。言わずもがな、現在ナチスドイツと取っ組み合う大英帝国である。
ソ連の崩壊と消滅は大英帝国にはとことんバットなニュースであった。紳士の誇りとして胡乱な薬に頼る事を良しとしなかった宰相閣下が、紅茶に少量垂らして飲む事を自分に許してしまう程、英国人の精神と肉体にダメージが入った悪ーい知らせだ。
だがそんな事で紳士は諦めない、希望はあるのだ。
「もしヒトラーが地獄を侵攻するのなら、少なくとも私は、悪魔に好意的な言及を庶民院において示すだろう。」
宰相は1941年に庶民院でこう述べたが、好意と支援を行う予定であった赤い悪魔が、吸血鬼と木乃伊の連合に食い殺された今、更に踏み込んだ発言を行っている。
「諸君らには遺憾であろうが、私はこの戦争に勝ち抜く為ならば悪魔とも同盟もするし、必要であれば神の横っ面を張り倒すだろう」
これは議会での発言ではなく、ソ連崩壊に際して報道各誌にコメントを求められての発言である。宰相閣下は祖国を守り抜く為なら何でもするとお言いなのだ。
その真意とはなにか?この発言が大英帝国に残された希望となにが関係あるのだろうか?順を追って説明しよう。
第一に大英帝国とドイツ第三帝国、なかんずく枢軸と連合には覆し難い人的資源差があると言う事だ。不毛で陰鬱な消耗戦となれば大英帝国は必ず勝てる。ちょび髭は何か勘違いしているようだが、こちらを本気にさせたアイツが悪い。
人的資源?そんなに人口に差はなかった筈だが?とお思いだろう?宰相閣下がお言いの通り、大英帝国は悪魔と同盟する事に決めたのだからそんな物は関係ない。
人的資源とは生者の事ではない死者の事だ。太陽の沈むこと無い帝国の津々浦々、正確にはアジア・中東・アフリカで帝国は死者を搔き集める事に本気を出す。全てはあいつ等が悪い。
「これより帝国は絞る!レモンの種がギャン泣きするまで、植民地を絞って絞って絞り尽くす!なに幾らでもいるのだ問題はない!」
宰相閣下のオフレコの言である。議会での答弁ではもう少しトーンはダウンしている。
「収奪を良しとするのか?と議員諸君らはおっしゃるが、これは人道的な処置である。我が帝国は植民地人から何も奪わない、彼らの資産も権利も何一つだ。我々は彼らに只腐りゆくだけの物を引き取らせて貰うだけである。これを収奪と呼べるのか議員諸君らは今一度考えて頂きたい。そしてこうも言わせて頂こう、植民地から骨の一欠片が手に入る度に、英国人の命、なかんずく大英帝国構成国の人命が救われるのだと」
トーンはダウンしているが言っている事は同じである。宰相閣下は戦後の事も見据えている。
(まだ分からんのかこいつら!どんなに嫌がった所で死体は次世代の資源になっているんだぞ!その為には植民地を維持しなければならない!インド独立など以ての外だ!戦時のいまだからこそ動く死体を山ほど用意して忌々しい独立論者共を黙らせる良い機会なのだ!)
これは何も宰相閣下一人の考えではない。貴族院にも庶民院にも同じような事を考える帝国主義者は存在する。
「今次大戦が終了したら大英帝国は没落する」
宰相閣下初め、頭の良いのは分かっていた。植民地は権利を要求し、ズタボロになった本国はそれを止める術はない。そう考えていた。
だがそこに悪魔の登場である。
悪魔、大日本帝国と名乗る大悪魔のもたらす、本来であれば唾棄すべき技術はその凋落を止められる。大した資源も儲けも生まない植民地であったとしても、そこに人間が住んでいると言うだけで宝に変わるのだ。
手放す事など出来ようもない。手放してなる者か!怠け者の現地民などもう働かなくても良い!ただそこにいろ!逃げるな!逃がすか!独立?絶対にNOだ!お前たちは資源になるんだよ!
以上の様な理由で大英帝国は枢軸に圧倒的に人的資源で勝っている。今回、日本が新たに提供した技術で死体は余すところなく利用できる事が実証された事からもそれは明らかだ。(東南アジア資源地帯へのアクセス権を差し出したのは痛い出費だったが)
寄港されたニューヨーク港湾局を混乱に陥れたタイタニック号初め、骨と錆びた鉄、朽ち果てた木材できた幽霊船は生命線たる英米航路を維持する要に昇格している程なのだ。
「「植民地は宝!植民地は戦力!大英帝国が大英帝国である限り、我々に敗北はない!」」
以上が英国が抗戦し続ける希望其の一である。
第二の希望。それは幽霊船団に押しかけられてドン引きしている合衆国の存在だ。
彼らが日本の脅迫に負けてソ連を見捨てる決断をした事は英国は早い段階で掴んでいた。宰相閣下としてはもう一度ホワイトハウスを燃やしてやりたいし、大統領と自称する元植民地代表をボストン港に投げ入れてやりたい事夥しいが、彼らが希望である事には変わりはない。
なんとなれば彼らの生産能力は膨大を通り越して無限大とも言えそうな程なのだ。それもその筈だ。日本の脅迫材料である奇跡の薬Mark2は、合衆国の大部分の人間を生産人口に変えてしまったのだ、今次大戦を戦い抜く為の補給基地として彼らは大いに当てにできる存在だ。
今や合衆国は文字通り若い国だ。老いは消え去り、成人男子は仕事を奪い合う程余り、引退した筈の熟練工は工場で汗を流している。
この事態に合衆国政府はケインズ博士の理論を迷うことなく実行して対処する腹積もりだ。今までの不景気が何だったのか?インフラの伸びは100%を超え、吐き出される製品は次々と危機にある英国に送られて来ている。
ついでにベビーブームも起こっている。若くなったらやる事は一つだ。元老夫婦はベットに飛び込み子供が呆れる程頑張って歳が離れすぎた兄弟と叔父叔母を生産し、その子供の方も親父と御袋に呆れながらもやる事やって孫世代を呆れさせている。
なんでも1942年後半の出生数のグラフは直線を描いているらしい。病院がパンクしそうなものだが、そこには奇跡の薬があるので問題ナッシングらしい。
報告を聞いていた宰相閣下は「これだから植民地人は、、、慎みをしらんのか?」と漏らしたそうだ。
それはそうかもしれないが、合衆国は気にしていない。
若さが燃えている。国中が活気に満ち、盤石の政権基盤を手にした民主党は、落ち続ける共和党を尻目に猛烈な勢いで法案を通している。
英国の希望は其処にもある。米国は徴兵年齢の制限を撤廃した上、若者を軍に志願以外では入れないと決定した。
「若者を戦争にやるな!」
第一次大戦のトラウマから生まれたスローガンが米国の欧州大戦参加を阻んでいた問題である。
「ならば老人を送る!問題ない!全部若返った!退役兵も多いので経験も豊富だ!文句を言うな!若者を戦争に送りたくないんだったらお前らが行くんだよ!」
大統領閣下の周辺から出たコメントである。
若き国合衆国はやる気だ。有り余る生産力は吐き出す先を求めている。資源であれば太平・大西の両洋から幽霊船団が献上に来る、太平洋からの方は製品を毟り取りもするが、それは後々解決する算段がある。
合衆国は、死霊術等と言う胡乱な技術に頼らなくとも全てが余っている。そんな物に頼るのは老人と死者の国だからだ。
「「我らは若い!若き我らは病める老人を救う義務がある!何より死者を愚弄し続けるナチスをこのままのさばらせて良いのか!」」
「若さは馬鹿さだな。大変に結構、こちらは大いに利用させて貰う。精々仮初の若さに有頂天になるが良い、植民地人よ。勝つのは我々だ。大英帝国こそが不滅なのだと何れは分からせてやる」
激務の中でのひと時の休息を書斎で楽しでいた英国宰相サー・ウィンストン・レナード・スペンサー・チャーチルは意気上がる元植民地人に対しての感想を葉巻の煙と共に独りごちた。
「だが今は最後の希望に付いて考えなくてはいけないか、、、、さてどうしたものか」
机に目を落とせばそこには幾つかの報告書が乗っている。それこそが彼言う英国が持ちうる希望の最後の一つである。
その書類は調査報告書だ。そしてそこにあるのは何人もの名前と居場所が記載されている。
「良し!決めた!五月蠅いだけの人間だったが、遂に君たちにも役割が出来た訳だな、帝国に奉仕できるのだ、君らには過分な終わりと言える。死んでくれた前、紳士諸君」
そう言うと英国宰相はペンを取り、付随していた決済書類にサインを行った。
そこには「新兵器大量生産計画の為の資源回収作戦」と記されている
宰相はこの鬼畜の作戦にGOサインを記したのだ。報告書の正体、それは新兵器の肝である強い魂の持ち主たち調査記録、詰まる所、英国の支配に抵抗する独立指導者たちのリストなのだ。
大英帝国は収奪の先駆けとして、今まで帝国を悩ましてきた愚かな、、、今では愛おしいと思う程貴重な資源となった彼らを、帝国繁栄の炉に投げ入れる事に決めたのである。
帝国宰相の決断から時を置かずして、大英帝国はヴァンガード級陸上戦艦、ライオン級超弩級戦艦の生産が宣言された。
大英帝国は遂に認めた。死は資源だ。魂は燃料で骨は建材である。そして帝国にはそれが余りある。
「我が国に挑戦した事を思知らせてやるぞ、ちょび髭」
地獄がある。紫煙が書斎を満たし、其処にジョニー・ウォーカーの香りが仄かに漂う地獄が。そこに座る宰相には間違いなく角と尻尾が生えていた。
人を呪えば穴二つ。深淵は常に見返して来る。悪魔と取引したのならその人物もやがては、、、
ソ連の崩壊と消滅は大英帝国にはとことんバットなニュースであった。紳士の誇りとして胡乱な薬に頼る事を良しとしなかった宰相閣下が、紅茶に少量垂らして飲む事を自分に許してしまう程、英国人の精神と肉体にダメージが入った悪ーい知らせだ。
だがそんな事で紳士は諦めない、希望はあるのだ。
「もしヒトラーが地獄を侵攻するのなら、少なくとも私は、悪魔に好意的な言及を庶民院において示すだろう。」
宰相は1941年に庶民院でこう述べたが、好意と支援を行う予定であった赤い悪魔が、吸血鬼と木乃伊の連合に食い殺された今、更に踏み込んだ発言を行っている。
「諸君らには遺憾であろうが、私はこの戦争に勝ち抜く為ならば悪魔とも同盟もするし、必要であれば神の横っ面を張り倒すだろう」
これは議会での発言ではなく、ソ連崩壊に際して報道各誌にコメントを求められての発言である。宰相閣下は祖国を守り抜く為なら何でもするとお言いなのだ。
その真意とはなにか?この発言が大英帝国に残された希望となにが関係あるのだろうか?順を追って説明しよう。
第一に大英帝国とドイツ第三帝国、なかんずく枢軸と連合には覆し難い人的資源差があると言う事だ。不毛で陰鬱な消耗戦となれば大英帝国は必ず勝てる。ちょび髭は何か勘違いしているようだが、こちらを本気にさせたアイツが悪い。
人的資源?そんなに人口に差はなかった筈だが?とお思いだろう?宰相閣下がお言いの通り、大英帝国は悪魔と同盟する事に決めたのだからそんな物は関係ない。
人的資源とは生者の事ではない死者の事だ。太陽の沈むこと無い帝国の津々浦々、正確にはアジア・中東・アフリカで帝国は死者を搔き集める事に本気を出す。全てはあいつ等が悪い。
「これより帝国は絞る!レモンの種がギャン泣きするまで、植民地を絞って絞って絞り尽くす!なに幾らでもいるのだ問題はない!」
宰相閣下のオフレコの言である。議会での答弁ではもう少しトーンはダウンしている。
「収奪を良しとするのか?と議員諸君らはおっしゃるが、これは人道的な処置である。我が帝国は植民地人から何も奪わない、彼らの資産も権利も何一つだ。我々は彼らに只腐りゆくだけの物を引き取らせて貰うだけである。これを収奪と呼べるのか議員諸君らは今一度考えて頂きたい。そしてこうも言わせて頂こう、植民地から骨の一欠片が手に入る度に、英国人の命、なかんずく大英帝国構成国の人命が救われるのだと」
トーンはダウンしているが言っている事は同じである。宰相閣下は戦後の事も見据えている。
(まだ分からんのかこいつら!どんなに嫌がった所で死体は次世代の資源になっているんだぞ!その為には植民地を維持しなければならない!インド独立など以ての外だ!戦時のいまだからこそ動く死体を山ほど用意して忌々しい独立論者共を黙らせる良い機会なのだ!)
これは何も宰相閣下一人の考えではない。貴族院にも庶民院にも同じような事を考える帝国主義者は存在する。
「今次大戦が終了したら大英帝国は没落する」
宰相閣下初め、頭の良いのは分かっていた。植民地は権利を要求し、ズタボロになった本国はそれを止める術はない。そう考えていた。
だがそこに悪魔の登場である。
悪魔、大日本帝国と名乗る大悪魔のもたらす、本来であれば唾棄すべき技術はその凋落を止められる。大した資源も儲けも生まない植民地であったとしても、そこに人間が住んでいると言うだけで宝に変わるのだ。
手放す事など出来ようもない。手放してなる者か!怠け者の現地民などもう働かなくても良い!ただそこにいろ!逃げるな!逃がすか!独立?絶対にNOだ!お前たちは資源になるんだよ!
以上の様な理由で大英帝国は枢軸に圧倒的に人的資源で勝っている。今回、日本が新たに提供した技術で死体は余すところなく利用できる事が実証された事からもそれは明らかだ。(東南アジア資源地帯へのアクセス権を差し出したのは痛い出費だったが)
寄港されたニューヨーク港湾局を混乱に陥れたタイタニック号初め、骨と錆びた鉄、朽ち果てた木材できた幽霊船は生命線たる英米航路を維持する要に昇格している程なのだ。
「「植民地は宝!植民地は戦力!大英帝国が大英帝国である限り、我々に敗北はない!」」
以上が英国が抗戦し続ける希望其の一である。
第二の希望。それは幽霊船団に押しかけられてドン引きしている合衆国の存在だ。
彼らが日本の脅迫に負けてソ連を見捨てる決断をした事は英国は早い段階で掴んでいた。宰相閣下としてはもう一度ホワイトハウスを燃やしてやりたいし、大統領と自称する元植民地代表をボストン港に投げ入れてやりたい事夥しいが、彼らが希望である事には変わりはない。
なんとなれば彼らの生産能力は膨大を通り越して無限大とも言えそうな程なのだ。それもその筈だ。日本の脅迫材料である奇跡の薬Mark2は、合衆国の大部分の人間を生産人口に変えてしまったのだ、今次大戦を戦い抜く為の補給基地として彼らは大いに当てにできる存在だ。
今や合衆国は文字通り若い国だ。老いは消え去り、成人男子は仕事を奪い合う程余り、引退した筈の熟練工は工場で汗を流している。
この事態に合衆国政府はケインズ博士の理論を迷うことなく実行して対処する腹積もりだ。今までの不景気が何だったのか?インフラの伸びは100%を超え、吐き出される製品は次々と危機にある英国に送られて来ている。
ついでにベビーブームも起こっている。若くなったらやる事は一つだ。元老夫婦はベットに飛び込み子供が呆れる程頑張って歳が離れすぎた兄弟と叔父叔母を生産し、その子供の方も親父と御袋に呆れながらもやる事やって孫世代を呆れさせている。
なんでも1942年後半の出生数のグラフは直線を描いているらしい。病院がパンクしそうなものだが、そこには奇跡の薬があるので問題ナッシングらしい。
報告を聞いていた宰相閣下は「これだから植民地人は、、、慎みをしらんのか?」と漏らしたそうだ。
それはそうかもしれないが、合衆国は気にしていない。
若さが燃えている。国中が活気に満ち、盤石の政権基盤を手にした民主党は、落ち続ける共和党を尻目に猛烈な勢いで法案を通している。
英国の希望は其処にもある。米国は徴兵年齢の制限を撤廃した上、若者を軍に志願以外では入れないと決定した。
「若者を戦争にやるな!」
第一次大戦のトラウマから生まれたスローガンが米国の欧州大戦参加を阻んでいた問題である。
「ならば老人を送る!問題ない!全部若返った!退役兵も多いので経験も豊富だ!文句を言うな!若者を戦争に送りたくないんだったらお前らが行くんだよ!」
大統領閣下の周辺から出たコメントである。
若き国合衆国はやる気だ。有り余る生産力は吐き出す先を求めている。資源であれば太平・大西の両洋から幽霊船団が献上に来る、太平洋からの方は製品を毟り取りもするが、それは後々解決する算段がある。
合衆国は、死霊術等と言う胡乱な技術に頼らなくとも全てが余っている。そんな物に頼るのは老人と死者の国だからだ。
「「我らは若い!若き我らは病める老人を救う義務がある!何より死者を愚弄し続けるナチスをこのままのさばらせて良いのか!」」
「若さは馬鹿さだな。大変に結構、こちらは大いに利用させて貰う。精々仮初の若さに有頂天になるが良い、植民地人よ。勝つのは我々だ。大英帝国こそが不滅なのだと何れは分からせてやる」
激務の中でのひと時の休息を書斎で楽しでいた英国宰相サー・ウィンストン・レナード・スペンサー・チャーチルは意気上がる元植民地人に対しての感想を葉巻の煙と共に独りごちた。
「だが今は最後の希望に付いて考えなくてはいけないか、、、、さてどうしたものか」
机に目を落とせばそこには幾つかの報告書が乗っている。それこそが彼言う英国が持ちうる希望の最後の一つである。
その書類は調査報告書だ。そしてそこにあるのは何人もの名前と居場所が記載されている。
「良し!決めた!五月蠅いだけの人間だったが、遂に君たちにも役割が出来た訳だな、帝国に奉仕できるのだ、君らには過分な終わりと言える。死んでくれた前、紳士諸君」
そう言うと英国宰相はペンを取り、付随していた決済書類にサインを行った。
そこには「新兵器大量生産計画の為の資源回収作戦」と記されている
宰相はこの鬼畜の作戦にGOサインを記したのだ。報告書の正体、それは新兵器の肝である強い魂の持ち主たち調査記録、詰まる所、英国の支配に抵抗する独立指導者たちのリストなのだ。
大英帝国は収奪の先駆けとして、今まで帝国を悩ましてきた愚かな、、、今では愛おしいと思う程貴重な資源となった彼らを、帝国繁栄の炉に投げ入れる事に決めたのである。
帝国宰相の決断から時を置かずして、大英帝国はヴァンガード級陸上戦艦、ライオン級超弩級戦艦の生産が宣言された。
大英帝国は遂に認めた。死は資源だ。魂は燃料で骨は建材である。そして帝国にはそれが余りある。
「我が国に挑戦した事を思知らせてやるぞ、ちょび髭」
地獄がある。紫煙が書斎を満たし、其処にジョニー・ウォーカーの香りが仄かに漂う地獄が。そこに座る宰相には間違いなく角と尻尾が生えていた。
人を呪えば穴二つ。深淵は常に見返して来る。悪魔と取引したのならその人物もやがては、、、
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