22 / 59
第二十二話 デッドヒートエルフ
しおりを挟む
砂塵轍を蹴立てながらー太陽の元走り抜けるー!段々と興奮して参りました!チープなスリルに身を任せた私に、敵は居ない!手に入れろ野生なパワー!一人でも、傷ついた帝都を取り戻して見せます!
無言でいると聞こえてくるのは、ゴンとかゴロゴロドカーンとか、キンキンヒヒーンとかしかウギャーとかばかりになってしまいますので、デスレースの傍ら皆さまに今の状況をご説明致しましょう。ヒー皆私を狙ってる!殺す気ですね!潰す気ですね!死ぬのは貴方たちだ!
只今、私、先頭集団に食らいつこうと爆走しておりますが、どいつもこいつも私を集中攻撃、前後左右あらゆる方向から攻撃を受けております。
そこはそれ、私、最強で完璧なエルフでございますので、人間さんの攻撃など物ともしません、何時もでしたら、、、
ご承知の通り戦車に乗っておりますので、徒で争うのと訳が違います。人間さん考案のこのデスレース、一応のルールと致しまして、お馬さんには攻撃禁止なんですが、戦車本体や騎手にはどの様な攻撃も許可、武器持ち込み自由と言う、飛んでもニャールールな物で、相手方の皆さまは刀剣や槍棍棒等は言うに及ばず、投げやり、投げ斧、ルール上の穴を付きまして、射手を乗せて弓まで撃ちこんで来る始末です。
レースに勝つは最早度外視、皆さま、私をこの場で始末しようとしております。なんで?何で?何故に?此処まで殺意が高いの?鎧を着こんでいる奴までいますよ!
大戦車大会の最後を飾るこのレース。流血必死のデスマッチ、剣闘なんだか、戦車戦なんだか訳が分かりませんが、最大の見せ場な物で、殺意が高いのは何時もの事なんですが、流石に殺意Maxすぎます。
本来は此処まで殺意高くないのですよ。考えて見て下さい。戦車を乗りこなすのは、エルフと違い人間さんには相当に時間が掛かる芸当です。時間をかけ金を掛けて育てた選手にそう簡単に死んで貰っちゃ困るわけですよ。
だから武器の持ち込み自由と言っても、数合撃ちあうとか、当たるか当たらないかの距離で振り回しあうだけの言わば見せ金が普通なのです。それでも唯でさえ危険な戦車戦です、事故は発生、まぐれ当たりが流血を招き、観客大興奮それくらいなはずなんですよ。
ですので、私は各選手や賭けの胴元共に少なくない金を握らせ、家族を人質にしたり、邪教の信徒に落とし込んだり地道な努力をしまして、八百長をしようと頑張っって来たのにこの仕打ち。
クソ!前に出た二台!並んで通せんぼとは良い度胸ですね!行きなさい百段!生食!
私の声に答えて、我が戦車を引くお馬さんたちは相手戦車に猛接近、この戦車、後ろが開いてますから、むき出しの足に噛みつきます。忽ち絶叫を上げて戦車から振り落とされる相手選手。横に居た相手もビックリして道をそれます、見えた!はい今日は!お隣よろしくて?
私の駆るお馬さんが唯のお馬さんだと思いましたか!お馬鹿さんたち!エルフの駆る馬は猛獣なんですよ!生来の大人しさなんて私の力と血からがあれば、忽ち戦争獣に早変わりです!お前も落ちろ!
この戦車、四頭引きのデカい奴ですが、私に手綱なんていりません。お馬さんと私は一心同体、心の赴くまま進んでくれます、銜見たか!これが森のエルフの力だ!
おおう!殺る積りですね!入れ替えられた選手の皆さん相当な手練れです。見ればオークじゃないですか!花形選手には彼らが多いとは聞いていましたが、ここで投入してきましたね。
では行きますよ!ピッタリ並んでランデブーしましょう。血走ったお目目、怒りに燃えるその表情、嵐の如く、槍を突き出して私を串刺しにせんとしてきます。
狭い戦車の上で、避けるのも一苦労ですが、ほらもう直ぐ直線コースになります。その儘のコースでお願いしますよ、可愛いお馬さんたち!
ひらりと風を撒き、私は相手戦車に飛び乗りました。はりうっど!観客総立ち!皆さま前代未聞の荒業にどよめいているのが長いお耳に聞こえます。
どうもオークさん。相乗りさせてね。狭いですか?なら貴方が降りなさい!みっちりと詰まった筋肉の鎧に私は短剣を滑り込ませます。肝臓の所が狙い目です。森では長い事狩り生活でしたからね、獲物の急所なんてのも心得ております。
そうだクラリス、段々と眠たくなってくる。頭が痺れてきたでしょう?ゆっくりと風呂に付かる様に大いなる混沌に帰りなさい、、、、
魂の去った肉塊は有効利用、ごろんと蹴りだし、後ろ奴に、、、超エキサイティング!命中しました。
オークが弱いのではありません。彼、私が人間さんだと思ってしまっただけです。エルフと知っていれば、直ぐに戦法を変えたでしょう。危ない相手でした、私の玉のお肌ににも良いのを貰ってしまいました、右腕上腕を掠った傷から血が止まりません。
我慢しましょう。勝負はこれから、デスレースはゴールまで終わりません。いま確か三周目、後二周の残っています。ハイ御免なさいよお馬さんたちチョットお背中に乗らせてね。八艘飛びチャレンジ開始!見事着艦!点数は十点満点!
ごちゃごちゃしてる内に大分近づかれてしましましたね。現在生き残りは私を含めて四台、十台参加してましたから、私単独で六台潰した事になります。
観客の皆さん、この惨事にドン引くどころか大興奮、そうですよね、血と興奮を求めていらしたののですから、今は最高にハイな状態の筈です。
空気中に僅かに薫り出した月光草の香が、子供たちが計画に取り掛かり始めて事を知らせてくれます。このまま私が勝利すれば、賭けの是非は兎も角、観客の皆さんの興奮は天元を突破してくれるでしょう。
それよりも、さっきも思いましたが、何故此処まで殺意むき出しで掛かって来るのですかね?八百長試合を行おうとした事は嗅ぎつけられたのでしょうが、それだけでは此処まで私を潰しに掛かる理由になる気はしません。
大暴動計画が何処かで漏れたのでしょうか?あり得ません、計画の主要部分は私と子供達で行いました。血酒にしてもそうです。血酒にするのはワインでなくとも効果は別段変わりませんので、大会の為に持ち込まれた酒のどれが劇物と化しているかなんて、分かるはずもないのです。
婿殿がマークされていたのですかね?その線が濃厚です。彼が何やら怪しい計画を行おうとしていた、訳は分からないが妨害に出ようとかそんな感じ。第一皇子に取って黒幕は婿殿なんです。よもや居酒屋の女将が全て黒幕で自分のライバルはその手駒なんて思いもしないでしょう。
人間さんは、いえ、私たちエルフも、神ならぬ身は見たいものしか見えない者。第一皇子派に取って、不気味でしかない昨今の帝都の現状は全て、婿殿に帰すると考えていたとしても無理はない処、先手を取られる前に鼻先を潰すのが目的なんでしょうね。
そんな事を考えてますと、四週目に入って参りました。さあラストスパートですよ!チラリと大会貴賓席を千里眼で見ますと、涼しい顔をしている婿殿と歯噛みしている第一皇子が見えます、敵対しあう二人ですが、近頃、皇帝が病気で臥せっている関係で名代として帝都で活動している手前、同じ所にいます。
第二皇子?同じくいますよ。彼は第一皇子派です。目の上の大たんこぶとかした、婿殿に対して共闘してますからね。凄い顔で婿殿を睨んでいます。あっなんか指示した。
オイ!なんで戦車が増えてるんですか!飛び入り自由でしたかこの試合!なりふり構わず私を殺すつもりですね!そう言う事するから、不人気なんですよ!
会場もこの暴挙には興奮とは違うどよめきを起こしてます。お馬鹿さん目!これで私は権力の横暴にされされる一般市民の代表です。力があれば何をしても良い訳ではないのです、、、私が言えた事じゃないか。
うおおお!矢が矢が飛んでくる!どいつも射手乗せてる!一時後退!スピードを落として、、、、貰いますよ!
私は、団子になった集団の一台に再度跳躍、射手を蹴倒し、弓をふんだくります。矢?飛んでくるのを掴むなんて朝飯前です!オラ!鴨撃ちですよ!一つ!二つ!三つ!
けっ!ざまあ!弓の腕でエルフに勝てる筈ないでしょ!このままゴールです!
大歓声が聞こえます。並みいる妨害を打ち破った私の華麗なる勝利を前に観客は湧いております。ウイニングランと行きましょうか。
投げ込まれる花束、惜しみない拍手、そして貴賓席へのブーイング、此処までの試合で、私を集中砲火してたのは誰の目にも明らか、こんな事出来るのは誰でしょうね?
歓声に変わりブーイングが強くなって参りました。参加者には新エルフ教の信者を仕込ませて頂いております、彼らは示し合わせて、権力の横暴を叫んでおります。段々と会場の空気が変わってきましたよ。
貴賓席の皇子様、焦ってますね。会場の非難が自分に向いているのが分かったのでしょう。何故って顔してますよ。私を仕留めていれば、八百長試合の阻止と理由を付けて抑えつけらたかもしれませんが、残念ピンピンしておりま、、、、、
はて、知らない天井だ。いえ良く知ってる天井です。十年以上仕事してるサメの巣亭の見慣れた天井ですよ。
「起きたか、母さん」
はれ、海燕ではないですか、私どうしました。二周目のウイングランしてた所まで覚えているんですが?
「血を流しすぎたな、戦車から落ちて転がったのよ、直ぐに助けられて良かった。危うく死ぬ所だった」
そうでした、道理であちこち痛いはずです。有り難うございます、まだ死ぬわけにはいきませんからね。時に他の者はどうしました?貴方だけですか?
「面白い事になってるから、皆参加中、耳を澄ましてみて」
あれまあ。ワーワーキャーキャーボウボウドッカーンと聞こえますね。大暴動始まってますねこれ。
「母さんが気絶してすぐ、衛兵隊が会場に突っ込んできた。暴動鎮圧と言う名目だけど、あれは悪手だった、大方、命の危機を感じた第一皇子派が無理矢理命じたのだろう」
大混乱になりました?
「煽動するまでもなかった、誰かが食って掛かったら後は直ぐ火が付いた。あの酒を飲んでいた者も多いから、正義と公正には敏感、義憤と日ごろの鬱憤であっと言う間に滅茶苦茶になった」
婿殿は無事ですか?彼、貴賓席にいましたから心配なんですよ。これ幸いと第一皇子が襲い掛かったりしてませんか?
「姉さんが直ぐに連れ出したから大丈夫」
良かった。安心しました。それで現状は?
「凄い事になってる。皆次の指示をしないと動けない」
あれ、事前に指示してましたよね?それに従えばいいのでは?
「母さんは人間を甘く見過ぎ、自分の目で見た方が良い。はいお水」
どうも。ふーん、どうなってるんですかね?楽しい事にはなってるでしょうが、事前計画を逸れる程事態がヒートアップしてます?
娘の言いよう、なんだかしっくりきません。でも此処まで上手くいったのですから心配ないでしょう。この帝都はもう直ぐわが手に落ちるのです。うーん楽しみ。
無言でいると聞こえてくるのは、ゴンとかゴロゴロドカーンとか、キンキンヒヒーンとかしかウギャーとかばかりになってしまいますので、デスレースの傍ら皆さまに今の状況をご説明致しましょう。ヒー皆私を狙ってる!殺す気ですね!潰す気ですね!死ぬのは貴方たちだ!
只今、私、先頭集団に食らいつこうと爆走しておりますが、どいつもこいつも私を集中攻撃、前後左右あらゆる方向から攻撃を受けております。
そこはそれ、私、最強で完璧なエルフでございますので、人間さんの攻撃など物ともしません、何時もでしたら、、、
ご承知の通り戦車に乗っておりますので、徒で争うのと訳が違います。人間さん考案のこのデスレース、一応のルールと致しまして、お馬さんには攻撃禁止なんですが、戦車本体や騎手にはどの様な攻撃も許可、武器持ち込み自由と言う、飛んでもニャールールな物で、相手方の皆さまは刀剣や槍棍棒等は言うに及ばず、投げやり、投げ斧、ルール上の穴を付きまして、射手を乗せて弓まで撃ちこんで来る始末です。
レースに勝つは最早度外視、皆さま、私をこの場で始末しようとしております。なんで?何で?何故に?此処まで殺意が高いの?鎧を着こんでいる奴までいますよ!
大戦車大会の最後を飾るこのレース。流血必死のデスマッチ、剣闘なんだか、戦車戦なんだか訳が分かりませんが、最大の見せ場な物で、殺意が高いのは何時もの事なんですが、流石に殺意Maxすぎます。
本来は此処まで殺意高くないのですよ。考えて見て下さい。戦車を乗りこなすのは、エルフと違い人間さんには相当に時間が掛かる芸当です。時間をかけ金を掛けて育てた選手にそう簡単に死んで貰っちゃ困るわけですよ。
だから武器の持ち込み自由と言っても、数合撃ちあうとか、当たるか当たらないかの距離で振り回しあうだけの言わば見せ金が普通なのです。それでも唯でさえ危険な戦車戦です、事故は発生、まぐれ当たりが流血を招き、観客大興奮それくらいなはずなんですよ。
ですので、私は各選手や賭けの胴元共に少なくない金を握らせ、家族を人質にしたり、邪教の信徒に落とし込んだり地道な努力をしまして、八百長をしようと頑張っって来たのにこの仕打ち。
クソ!前に出た二台!並んで通せんぼとは良い度胸ですね!行きなさい百段!生食!
私の声に答えて、我が戦車を引くお馬さんたちは相手戦車に猛接近、この戦車、後ろが開いてますから、むき出しの足に噛みつきます。忽ち絶叫を上げて戦車から振り落とされる相手選手。横に居た相手もビックリして道をそれます、見えた!はい今日は!お隣よろしくて?
私の駆るお馬さんが唯のお馬さんだと思いましたか!お馬鹿さんたち!エルフの駆る馬は猛獣なんですよ!生来の大人しさなんて私の力と血からがあれば、忽ち戦争獣に早変わりです!お前も落ちろ!
この戦車、四頭引きのデカい奴ですが、私に手綱なんていりません。お馬さんと私は一心同体、心の赴くまま進んでくれます、銜見たか!これが森のエルフの力だ!
おおう!殺る積りですね!入れ替えられた選手の皆さん相当な手練れです。見ればオークじゃないですか!花形選手には彼らが多いとは聞いていましたが、ここで投入してきましたね。
では行きますよ!ピッタリ並んでランデブーしましょう。血走ったお目目、怒りに燃えるその表情、嵐の如く、槍を突き出して私を串刺しにせんとしてきます。
狭い戦車の上で、避けるのも一苦労ですが、ほらもう直ぐ直線コースになります。その儘のコースでお願いしますよ、可愛いお馬さんたち!
ひらりと風を撒き、私は相手戦車に飛び乗りました。はりうっど!観客総立ち!皆さま前代未聞の荒業にどよめいているのが長いお耳に聞こえます。
どうもオークさん。相乗りさせてね。狭いですか?なら貴方が降りなさい!みっちりと詰まった筋肉の鎧に私は短剣を滑り込ませます。肝臓の所が狙い目です。森では長い事狩り生活でしたからね、獲物の急所なんてのも心得ております。
そうだクラリス、段々と眠たくなってくる。頭が痺れてきたでしょう?ゆっくりと風呂に付かる様に大いなる混沌に帰りなさい、、、、
魂の去った肉塊は有効利用、ごろんと蹴りだし、後ろ奴に、、、超エキサイティング!命中しました。
オークが弱いのではありません。彼、私が人間さんだと思ってしまっただけです。エルフと知っていれば、直ぐに戦法を変えたでしょう。危ない相手でした、私の玉のお肌ににも良いのを貰ってしまいました、右腕上腕を掠った傷から血が止まりません。
我慢しましょう。勝負はこれから、デスレースはゴールまで終わりません。いま確か三周目、後二周の残っています。ハイ御免なさいよお馬さんたちチョットお背中に乗らせてね。八艘飛びチャレンジ開始!見事着艦!点数は十点満点!
ごちゃごちゃしてる内に大分近づかれてしましましたね。現在生き残りは私を含めて四台、十台参加してましたから、私単独で六台潰した事になります。
観客の皆さん、この惨事にドン引くどころか大興奮、そうですよね、血と興奮を求めていらしたののですから、今は最高にハイな状態の筈です。
空気中に僅かに薫り出した月光草の香が、子供たちが計画に取り掛かり始めて事を知らせてくれます。このまま私が勝利すれば、賭けの是非は兎も角、観客の皆さんの興奮は天元を突破してくれるでしょう。
それよりも、さっきも思いましたが、何故此処まで殺意むき出しで掛かって来るのですかね?八百長試合を行おうとした事は嗅ぎつけられたのでしょうが、それだけでは此処まで私を潰しに掛かる理由になる気はしません。
大暴動計画が何処かで漏れたのでしょうか?あり得ません、計画の主要部分は私と子供達で行いました。血酒にしてもそうです。血酒にするのはワインでなくとも効果は別段変わりませんので、大会の為に持ち込まれた酒のどれが劇物と化しているかなんて、分かるはずもないのです。
婿殿がマークされていたのですかね?その線が濃厚です。彼が何やら怪しい計画を行おうとしていた、訳は分からないが妨害に出ようとかそんな感じ。第一皇子に取って黒幕は婿殿なんです。よもや居酒屋の女将が全て黒幕で自分のライバルはその手駒なんて思いもしないでしょう。
人間さんは、いえ、私たちエルフも、神ならぬ身は見たいものしか見えない者。第一皇子派に取って、不気味でしかない昨今の帝都の現状は全て、婿殿に帰すると考えていたとしても無理はない処、先手を取られる前に鼻先を潰すのが目的なんでしょうね。
そんな事を考えてますと、四週目に入って参りました。さあラストスパートですよ!チラリと大会貴賓席を千里眼で見ますと、涼しい顔をしている婿殿と歯噛みしている第一皇子が見えます、敵対しあう二人ですが、近頃、皇帝が病気で臥せっている関係で名代として帝都で活動している手前、同じ所にいます。
第二皇子?同じくいますよ。彼は第一皇子派です。目の上の大たんこぶとかした、婿殿に対して共闘してますからね。凄い顔で婿殿を睨んでいます。あっなんか指示した。
オイ!なんで戦車が増えてるんですか!飛び入り自由でしたかこの試合!なりふり構わず私を殺すつもりですね!そう言う事するから、不人気なんですよ!
会場もこの暴挙には興奮とは違うどよめきを起こしてます。お馬鹿さん目!これで私は権力の横暴にされされる一般市民の代表です。力があれば何をしても良い訳ではないのです、、、私が言えた事じゃないか。
うおおお!矢が矢が飛んでくる!どいつも射手乗せてる!一時後退!スピードを落として、、、、貰いますよ!
私は、団子になった集団の一台に再度跳躍、射手を蹴倒し、弓をふんだくります。矢?飛んでくるのを掴むなんて朝飯前です!オラ!鴨撃ちですよ!一つ!二つ!三つ!
けっ!ざまあ!弓の腕でエルフに勝てる筈ないでしょ!このままゴールです!
大歓声が聞こえます。並みいる妨害を打ち破った私の華麗なる勝利を前に観客は湧いております。ウイニングランと行きましょうか。
投げ込まれる花束、惜しみない拍手、そして貴賓席へのブーイング、此処までの試合で、私を集中砲火してたのは誰の目にも明らか、こんな事出来るのは誰でしょうね?
歓声に変わりブーイングが強くなって参りました。参加者には新エルフ教の信者を仕込ませて頂いております、彼らは示し合わせて、権力の横暴を叫んでおります。段々と会場の空気が変わってきましたよ。
貴賓席の皇子様、焦ってますね。会場の非難が自分に向いているのが分かったのでしょう。何故って顔してますよ。私を仕留めていれば、八百長試合の阻止と理由を付けて抑えつけらたかもしれませんが、残念ピンピンしておりま、、、、、
はて、知らない天井だ。いえ良く知ってる天井です。十年以上仕事してるサメの巣亭の見慣れた天井ですよ。
「起きたか、母さん」
はれ、海燕ではないですか、私どうしました。二周目のウイングランしてた所まで覚えているんですが?
「血を流しすぎたな、戦車から落ちて転がったのよ、直ぐに助けられて良かった。危うく死ぬ所だった」
そうでした、道理であちこち痛いはずです。有り難うございます、まだ死ぬわけにはいきませんからね。時に他の者はどうしました?貴方だけですか?
「面白い事になってるから、皆参加中、耳を澄ましてみて」
あれまあ。ワーワーキャーキャーボウボウドッカーンと聞こえますね。大暴動始まってますねこれ。
「母さんが気絶してすぐ、衛兵隊が会場に突っ込んできた。暴動鎮圧と言う名目だけど、あれは悪手だった、大方、命の危機を感じた第一皇子派が無理矢理命じたのだろう」
大混乱になりました?
「煽動するまでもなかった、誰かが食って掛かったら後は直ぐ火が付いた。あの酒を飲んでいた者も多いから、正義と公正には敏感、義憤と日ごろの鬱憤であっと言う間に滅茶苦茶になった」
婿殿は無事ですか?彼、貴賓席にいましたから心配なんですよ。これ幸いと第一皇子が襲い掛かったりしてませんか?
「姉さんが直ぐに連れ出したから大丈夫」
良かった。安心しました。それで現状は?
「凄い事になってる。皆次の指示をしないと動けない」
あれ、事前に指示してましたよね?それに従えばいいのでは?
「母さんは人間を甘く見過ぎ、自分の目で見た方が良い。はいお水」
どうも。ふーん、どうなってるんですかね?楽しい事にはなってるでしょうが、事前計画を逸れる程事態がヒートアップしてます?
娘の言いよう、なんだかしっくりきません。でも此処まで上手くいったのですから心配ないでしょう。この帝都はもう直ぐわが手に落ちるのです。うーん楽しみ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
182
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる