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第三十八話 パイ投げ祭り前夜祭
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アメリカ合衆国政府上層部が大日本帝国に苛立ちを募らせている頃、常春の国では陸海空の軍人たちは頭を悩ませていた。
ドイツ第三帝国を痛撃した核兵器その余りの威力にである。
核兵器。
既存の兵器体系を根底いから覆す兵器だ。
たった一発で都市を消滅させ、ドレスデン、ハンブルクでの死者は50万を超えると言う。
二発でこの惨劇。これが昨今の大発展で一千万都市になろうかと言う帝都で破裂したならばどれ程の事になるかは考えたくない。
しかし、考えなければいけないのが国防を担う者の務め。
ああでもないこうでもないと連日軍人たちは頭を捻っている。
常勝無敵名実ともに世界最強と胸を張って来た手前、打つ手なしですぅとは言えない。
新興組織大日本帝国空軍においてはそこは顕著だ。
今後、航空機の発展は更に進んでいくだろう。
今まではソコソコの性能で数で押すと言う戦法が取れたが、敵は成層圏ギリギリを高速で飛んでくるのだ。手元に実物が有るのだから間違いない。
撃墜された残骸を搔き集め、ドイツから奪い取って再現したB29の性能は目を見張るばかりだった。
600キロ以上出す高速に高度10000メートル以上の上昇能力、足の長さは爆装して3000キロ、搭載能力は10トンに届く。
何だこれ。とても敵わん。如何したらこんな物作ろうと思えるんだ。
米国も無理をして開発したのだろう、一回飛ぶ事にエンジンの何処かが故障するが、それでもとんでもない化け物だ。
それと一応礼は言っておこう。
「米国さん有り難う。今日から君は富岳だ!キ91?何それ知らない」
ドイツから貰った戦闘機フッケバインも何だこりゃ!マッハ1に届こうかと言う超高速。
空軍主力の三式戦闘機飛燕の速力が、600キロを超えたぞ万歳と叫んでいた自分たちが情けなくなってくる。
これで一息付けたが後はどうする?兵器開発は血を吐いて走るマラソンの如し。
こいつ等を超える物を作るんだよ!早くしろ!ボヤボヤしてると年内にでもマッハ越えの新型機が登場するぞ。
中島!「降ります」
立川!「駄目です」
川崎!「無理」
三菱!「如何しろと?」
「でしたら、こうしてはどうですか?」
なに?ああメイドさん如何したの?何々メーカー統合?どうせ量産は私ども何ですから、この際国営化してしまえ?
でもなー、一応メイカーにも聞かないと。何!もう軍需から足を洗いたい?民需一本にしたい?この非国民!まあ仕方ないか。
メイド軍団は日本国内の民需関連にはインフラ事業、サービス産業を除いて関与していないのだ。
幾何級数的に増える需要に応えるべく民間企業は増産に次ぐ増産。
儲からない軍事産業なぞやっていられないのが本音。
ここまでよく頑張った方だろう。こうして各メーカーは軍事から撤退。航空開発は国営企業、なかんずくメイド企業に吸収される。
開発はこれで良い。
働く満足度120%のメイドさん企業でなら。各社より放り出された技師も良い結果を上げてくれるだろう。
何々、わが社ではわーくらいふばらんすを重視しております。ふむふむ、ノルマ無し、社食無料、福利厚生充実、自由な出社時間、お見合いを斡旋、婚姻率100%。空軍止めてこっちに就職しようかな。
レーダー網の全国配備もやらなきゃならん。
ミサイルによる対空網整備?陸軍に投げろそこまでやれるか。しかし、これで本当に核攻撃を全て防げるのだろうか?もし、ドイツのロケットに搭載できるような小型核が登場したら、、、、
陸軍も悩んでいた。
新兵器ミサイルと言う奴を空軍が投げてきたが、こいつは有効な防御手段である。ドイツに送った観戦武官から効果大なりと報告も来ている。
悩みはそこではない。今後、核兵器を主力とした戦争でどの様な立ち回りをしたらよいか分からないのだ。
機械力と砲火を持って踏みつぶす戦いを行ってきた自分たちは核兵器の登場によって、過去の物になろうとしている。
どんな大兵力でも核の雨を受ければ蒸発確実。
ドレスデンを検分した観戦武官によれば市の中心部は文字通り蒸発していたとの事。
被害は市の数キロに及び、被害者の治療に当たっているドイツ医師団からの聞き取りでは、広範囲の放射線障害と言う聞いた事もない被害まで出ている。
こんなものがポンポン落ちてきたら、戦争どころではない。戦場に付く前に被害甚大、集めた兵力も即蒸発してしまう。どうしたら良いんだ?如何しろと言うのだ?
ええぃ!杞憂ばかりしていてもしょうがない。
全軍にミサイル主体の高射部隊を配備、歩兵もできうる限り熱線防御のため天蓋付きの装甲車両に乗って移動。それしかない。それよりない。戦車開発も今後は火力より防御優先、爆風で吹っ飛ばされない重い奴が必要だな。
後は本土防衛だ。これこそどうしたら良いんだ。空軍が撃ち落としてくれるのを待つか、ミサイルで撃ち落とす事くらいしかない。後は、、、。
核開発だ。
こちらも核兵器しかない。空軍に重爆運用を取られて航空機による核運用は出来ないが。ロケット兵器がある。全国に大陸間弾道弾に搭載した核を配備し、やられる前に殺る。だがその先は?もし相手も同じ物を持っていたら?勝者は誰だ?一面の焼け野原に残って何があると言うのだ?
如何したら、、、ん?如何したのメイドさん?ほう、そんな計画があるのか。それだったら最後に立つのは。しかし。本当にそれしかないのか?恨むなら米国か。そうだな。
海軍は、もうどうしたら良いのか分からない。
一向に活躍できなかった対ソ戦、存在する事に意義があるとは言え、やる事がない以上、国民の目は冷たい。そこに陸軍大活躍。
海軍いらなくない?空軍がいれば良いでしょ?馬鹿言うな!海軍が居なくてどうやって海運を守るのだ!馬鹿も休み休み言え!
だが折角の大和型も装甲空母も役立たずなのは事実。
無論、練磨の日々は送っている。
メイドさんに甘えながらであるが。それは良い。
良くないと言う奴もいるが良い。良いったら良いんだ!メイドさん、そして女性軍人が居なくては最早海軍は動かない。空母なんか艦載機乗員と対空班以外は全部女だぞ!
兎に角も、平和なのは良い事なのかもしれない。
良かった。これまでは。あいつは不味い、あの核兵器と言う奴は。輪形陣の真ん中で爆発してみろ。それだけで艦隊消滅。三回もやられたら、ハイ終わり。
海軍消滅さようなら。艦なら幾らでも作れる。もう驚くのも疲れたし当たり前になったが、幾らでも湧いて出てくる。
大和だって量産品だ。しかし乗員はそうではない。
やっとのことで、戦闘に耐える練度まで持ってきたのだ。それが艦隊戦をする間もなく蒸発だとやってられるか!核兵器のせいで派閥間のパワーバランスだって滅茶苦茶なんだぞ!
冷や飯食いだった、潜水艦隊は、核兵器戦での有効な戦力に躍り出てまあ幅を利かし始める。
潜水艦の第一人者、醍醐忠重中将等はドイツまで出張して、嫌がるデーニッツ提督から、電気UボートXXI型を毟り取り、事後承諾でライセンス運用を承諾させて来ている。
ヒトラーから無理に許可を取り、ゲシュタポを引き連れて設計図を奪い取ったと言うから無茶をするものだ。
もう、戦艦も空母も時代遅れなんでーす。これからは潜水艦の時代でーす。潜水艦派閥これまでの鬱憤で吠える。
この野郎!と思うが反論は難しい。空母閥は、艦載機がジェット化したら撃ち落とせるわ!そんなもん!と言えるが戦艦閥は肩身が狭い。
今まで威張りに威張っていた大砲屋は下を向いている。
核兵器相手では、頭の上に来たら即終了なのだ。対空砲火で叩き落とすと言う訳にはいかない。ああ、栄光の戦艦たちよ、お前は恐竜の如く絶滅してしまうのか?
「あの、もしもし、ご主人様」
何、メイドさん?黄昏てるんだ、一人にして。ミサイルキャリアー化?、うーんでも大砲を捨てるのはチョット、ほらあそこで有賀先輩が凄い顔で睨んでるし、猪口先輩が砲術学校の校舎裏に来いよって言ってる。
あの人ら怖いのよ。ガンバレル型核砲弾?ふむふむ他には?対空核砲弾?そんなのあるの?もう自重はしない?何のこと?まあ良い。センパーイ!メイドさんが良い話持って来てくれましたよ。
核の時代は始まった。敵も味方も後先考えず、核兵器を乱打する時代が、恐ろしさ?そんなもの知らないドイツ以外撃たれてないのだから。イエローケーキパイが当たって泣くのは果たして。
核魚雷?そんなものまであるのか?よーし開発開始!
ドイツ第三帝国を痛撃した核兵器その余りの威力にである。
核兵器。
既存の兵器体系を根底いから覆す兵器だ。
たった一発で都市を消滅させ、ドレスデン、ハンブルクでの死者は50万を超えると言う。
二発でこの惨劇。これが昨今の大発展で一千万都市になろうかと言う帝都で破裂したならばどれ程の事になるかは考えたくない。
しかし、考えなければいけないのが国防を担う者の務め。
ああでもないこうでもないと連日軍人たちは頭を捻っている。
常勝無敵名実ともに世界最強と胸を張って来た手前、打つ手なしですぅとは言えない。
新興組織大日本帝国空軍においてはそこは顕著だ。
今後、航空機の発展は更に進んでいくだろう。
今まではソコソコの性能で数で押すと言う戦法が取れたが、敵は成層圏ギリギリを高速で飛んでくるのだ。手元に実物が有るのだから間違いない。
撃墜された残骸を搔き集め、ドイツから奪い取って再現したB29の性能は目を見張るばかりだった。
600キロ以上出す高速に高度10000メートル以上の上昇能力、足の長さは爆装して3000キロ、搭載能力は10トンに届く。
何だこれ。とても敵わん。如何したらこんな物作ろうと思えるんだ。
米国も無理をして開発したのだろう、一回飛ぶ事にエンジンの何処かが故障するが、それでもとんでもない化け物だ。
それと一応礼は言っておこう。
「米国さん有り難う。今日から君は富岳だ!キ91?何それ知らない」
ドイツから貰った戦闘機フッケバインも何だこりゃ!マッハ1に届こうかと言う超高速。
空軍主力の三式戦闘機飛燕の速力が、600キロを超えたぞ万歳と叫んでいた自分たちが情けなくなってくる。
これで一息付けたが後はどうする?兵器開発は血を吐いて走るマラソンの如し。
こいつ等を超える物を作るんだよ!早くしろ!ボヤボヤしてると年内にでもマッハ越えの新型機が登場するぞ。
中島!「降ります」
立川!「駄目です」
川崎!「無理」
三菱!「如何しろと?」
「でしたら、こうしてはどうですか?」
なに?ああメイドさん如何したの?何々メーカー統合?どうせ量産は私ども何ですから、この際国営化してしまえ?
でもなー、一応メイカーにも聞かないと。何!もう軍需から足を洗いたい?民需一本にしたい?この非国民!まあ仕方ないか。
メイド軍団は日本国内の民需関連にはインフラ事業、サービス産業を除いて関与していないのだ。
幾何級数的に増える需要に応えるべく民間企業は増産に次ぐ増産。
儲からない軍事産業なぞやっていられないのが本音。
ここまでよく頑張った方だろう。こうして各メーカーは軍事から撤退。航空開発は国営企業、なかんずくメイド企業に吸収される。
開発はこれで良い。
働く満足度120%のメイドさん企業でなら。各社より放り出された技師も良い結果を上げてくれるだろう。
何々、わが社ではわーくらいふばらんすを重視しております。ふむふむ、ノルマ無し、社食無料、福利厚生充実、自由な出社時間、お見合いを斡旋、婚姻率100%。空軍止めてこっちに就職しようかな。
レーダー網の全国配備もやらなきゃならん。
ミサイルによる対空網整備?陸軍に投げろそこまでやれるか。しかし、これで本当に核攻撃を全て防げるのだろうか?もし、ドイツのロケットに搭載できるような小型核が登場したら、、、、
陸軍も悩んでいた。
新兵器ミサイルと言う奴を空軍が投げてきたが、こいつは有効な防御手段である。ドイツに送った観戦武官から効果大なりと報告も来ている。
悩みはそこではない。今後、核兵器を主力とした戦争でどの様な立ち回りをしたらよいか分からないのだ。
機械力と砲火を持って踏みつぶす戦いを行ってきた自分たちは核兵器の登場によって、過去の物になろうとしている。
どんな大兵力でも核の雨を受ければ蒸発確実。
ドレスデンを検分した観戦武官によれば市の中心部は文字通り蒸発していたとの事。
被害は市の数キロに及び、被害者の治療に当たっているドイツ医師団からの聞き取りでは、広範囲の放射線障害と言う聞いた事もない被害まで出ている。
こんなものがポンポン落ちてきたら、戦争どころではない。戦場に付く前に被害甚大、集めた兵力も即蒸発してしまう。どうしたら良いんだ?如何しろと言うのだ?
ええぃ!杞憂ばかりしていてもしょうがない。
全軍にミサイル主体の高射部隊を配備、歩兵もできうる限り熱線防御のため天蓋付きの装甲車両に乗って移動。それしかない。それよりない。戦車開発も今後は火力より防御優先、爆風で吹っ飛ばされない重い奴が必要だな。
後は本土防衛だ。これこそどうしたら良いんだ。空軍が撃ち落としてくれるのを待つか、ミサイルで撃ち落とす事くらいしかない。後は、、、。
核開発だ。
こちらも核兵器しかない。空軍に重爆運用を取られて航空機による核運用は出来ないが。ロケット兵器がある。全国に大陸間弾道弾に搭載した核を配備し、やられる前に殺る。だがその先は?もし相手も同じ物を持っていたら?勝者は誰だ?一面の焼け野原に残って何があると言うのだ?
如何したら、、、ん?如何したのメイドさん?ほう、そんな計画があるのか。それだったら最後に立つのは。しかし。本当にそれしかないのか?恨むなら米国か。そうだな。
海軍は、もうどうしたら良いのか分からない。
一向に活躍できなかった対ソ戦、存在する事に意義があるとは言え、やる事がない以上、国民の目は冷たい。そこに陸軍大活躍。
海軍いらなくない?空軍がいれば良いでしょ?馬鹿言うな!海軍が居なくてどうやって海運を守るのだ!馬鹿も休み休み言え!
だが折角の大和型も装甲空母も役立たずなのは事実。
無論、練磨の日々は送っている。
メイドさんに甘えながらであるが。それは良い。
良くないと言う奴もいるが良い。良いったら良いんだ!メイドさん、そして女性軍人が居なくては最早海軍は動かない。空母なんか艦載機乗員と対空班以外は全部女だぞ!
兎に角も、平和なのは良い事なのかもしれない。
良かった。これまでは。あいつは不味い、あの核兵器と言う奴は。輪形陣の真ん中で爆発してみろ。それだけで艦隊消滅。三回もやられたら、ハイ終わり。
海軍消滅さようなら。艦なら幾らでも作れる。もう驚くのも疲れたし当たり前になったが、幾らでも湧いて出てくる。
大和だって量産品だ。しかし乗員はそうではない。
やっとのことで、戦闘に耐える練度まで持ってきたのだ。それが艦隊戦をする間もなく蒸発だとやってられるか!核兵器のせいで派閥間のパワーバランスだって滅茶苦茶なんだぞ!
冷や飯食いだった、潜水艦隊は、核兵器戦での有効な戦力に躍り出てまあ幅を利かし始める。
潜水艦の第一人者、醍醐忠重中将等はドイツまで出張して、嫌がるデーニッツ提督から、電気UボートXXI型を毟り取り、事後承諾でライセンス運用を承諾させて来ている。
ヒトラーから無理に許可を取り、ゲシュタポを引き連れて設計図を奪い取ったと言うから無茶をするものだ。
もう、戦艦も空母も時代遅れなんでーす。これからは潜水艦の時代でーす。潜水艦派閥これまでの鬱憤で吠える。
この野郎!と思うが反論は難しい。空母閥は、艦載機がジェット化したら撃ち落とせるわ!そんなもん!と言えるが戦艦閥は肩身が狭い。
今まで威張りに威張っていた大砲屋は下を向いている。
核兵器相手では、頭の上に来たら即終了なのだ。対空砲火で叩き落とすと言う訳にはいかない。ああ、栄光の戦艦たちよ、お前は恐竜の如く絶滅してしまうのか?
「あの、もしもし、ご主人様」
何、メイドさん?黄昏てるんだ、一人にして。ミサイルキャリアー化?、うーんでも大砲を捨てるのはチョット、ほらあそこで有賀先輩が凄い顔で睨んでるし、猪口先輩が砲術学校の校舎裏に来いよって言ってる。
あの人ら怖いのよ。ガンバレル型核砲弾?ふむふむ他には?対空核砲弾?そんなのあるの?もう自重はしない?何のこと?まあ良い。センパーイ!メイドさんが良い話持って来てくれましたよ。
核の時代は始まった。敵も味方も後先考えず、核兵器を乱打する時代が、恐ろしさ?そんなもの知らないドイツ以外撃たれてないのだから。イエローケーキパイが当たって泣くのは果たして。
核魚雷?そんなものまであるのか?よーし開発開始!
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