73 / 84
3ー愛の着地
70 ばーちゃん、沙織
しおりを挟む
「ね、本当にそれでいいの?」
「これです。これでいいんですよ」
わたしはレジに掃除機の詰め替え用の袋を持って行った。まだ令和のお札が平成でも使える。諭吉ではなく野口英世で払えた。わたしの後ろには、メンズのトレーナー上下を来た公爵夫人と、わたしの高校時代のあずき色のジャージを着た幸子さんが立っていた。
公爵夫人の頭にはカメラバングルがついていて、実に奇妙な出立ちだ。
「外は暑いですよね。そのトレーナを脱いだらどんな格好なんでした?」
「何も着ていないわ」
「じゃあ、わたしの祖母の家まで我慢してください。何か借りてあげますから」
「沙織、わたしも・・・・・・」
「分かっています」
わたしたちは平成の夏にやってきていた。暑い夏だ。蝉が鳴いている。家電量販店のエアコンは効いていた。
「さあ、行きますよ。ここから少し歩きますけど、途中で水を買ってあげますから、ご辛抱ください」
わたしは渋るおばさま二人を炎天下に押し出した。早歩きで15分くらいだ。トレーナーとジャージの上は脱いでもらって、念の為に持ってきた旅館の浴衣に家電量販店のトイレで二人を着替えさせたのだ。
わたしはこれから掃除機の詰め替え用の袋を持って久しぶりに祖母の家に行くのだ。歩きながら途中の自動販売機に小銭を入れて3人分の水を買って、3人でごくごく飲んだ。
青い空には夏休みらしい入道雲が広がり、道すがらずっと蝉の声がみーんみーんと鳴いていた。田舎のあぜ道を歩いていく。
***
数時間前のこと。
露天風呂で「沙織のせいではないわ」とつぶやいた公爵夫人が突然言い出したのだ。
「沙織が会いたかったおばあさまに今から会いに行きましょう」
それにすぐにのったのは幸子さんだ。
「いいわねえ。わたしも沙織のおばあ様にお会いしてみたいわ」
「今からですかっ!」
「早い方がいいじゃないの。どうせ会いたくて会いてくて仕方がなかったんでしょう?」
「それはそうですけど」
ナディアに令和でまだ会っていない。53年越しにセンジロガハラで会ったあとは、フォンテーヌブローの森の冒険で一緒になっただけだ。令和で会うにはこのわたしの秘密を告白しなければならない。公爵夫人と王子の母上はぼんやりと受け入れているようだけだけれども、ナディアはしっかりとどういう意味かを知るはずだ。
そもそも平成のナディアと令和のわたしでは、5年の開きがあるのだ。ナディアの未来に会うことになる。それはなんとなく気が引けてしまい、わたしは行動に移せていなかった。
「公爵夫人、今回のカメラアプリミッションはなんですか?」
「あのねー、ひよおこまんじゅう、って名前だったと思うわ」
「分かった。ひよこ饅頭ですね。旅館のロビーのお土産品売り場にあると思います」
「じゃあ、ここをロビーでクリアして沙織のおばあ様に会ってから、また沙織は戻ってくればいいわね」
「そうなりますね。では高梨と美月に今から少し外を散歩してくると伝えます」
わたしは同期の高梨と美月に少し外を散歩してくると伝えて旅館のロビーに急いだ。平成の夏だ。暑いと思ったので、浴衣を2枚、部屋から拝借してきた。
「あった!ここにあります。今誰も見ていません。幸子さん、夫人、手を繋ぎましょう!」
わたしたち3人はしっかりと手を繋ぎ、公爵夫人のカメラアプリが「カメラアプリミッションをクリアしました」と爽やかな機会音で告げるのを聞いた。
1512年のガッシュクロース公爵夫人の冬の城にわたしたちはワープした。季節は夏から冬に進んでいた。窓から雪が見えて、暖炉には火がくべられていた。部屋は暖かい。
「沙織、行くわよ。何年何月?」
わたしは平成のある年の8月16日を指定した。お盆休みに祖母に会った最後の日だ。場所はわたしの故郷の田舎町。
わたしたち3人は平成の夏にワープした。そして家電量販店で真っ先にわたしが買い物をするのに公爵夫人と王子の母上は付きあったというわけだった。
あぜ道を抜けて、民家のある通りを過ぎた。そして懐かしい祖母の家にわたしは辿りついた。
「じゃあねっ!」
当時のわたしが荷物を持って、ちょうど東京に帰るところだったようだ。わたしたちがそっとブロック塀に身を潜めて見ていると、わたしが手を振って家の玄関から出てきて、そのまま門を抜けて歩いて通り過ぎて行った。
「沙織、若ーい!」
「しーっ!静かに」
「そうよ、若いわよ」
「わたしはこれを祖母に渡してきます」
わたしはそのまま祖母の家の玄関に向かった。
「ばあちゃーん、沙織」
いつものように声をかけた。でも、涙が込み上げてきてしまった。
亡くなった祖母に会うのは、あれ以来だ。わたしはお葬式にも駆けつけられなかった。祖母の家は取り壊されて令和の今はもうない。
「沙織ね。どうしたの。今東京に帰ったかと思ったら」
祖母の声がした。祖母は右側半身が全く使えない。わたしは靴を脱いで懐かしい祖母の家に上がった。当時と全く匂いがして、鼻の奥がツンとしてもう涙が止まらなかった。
「ばあちゃん、ただいま。これ、買ってきたから。掃除機につけておくね」
わたしは優しい祖母の顔を見たら、もう涙がぽろぽろ出るのを抑えられなかった。すぐに祖母に背を向けて、掃除機の閉まってある大きな押入れに向かった。
押入れに、わたしが夢にまで見た赤くて古い掃除機が置いてあった。わたしは震える手で、買ってきたばかりの新しい掃除機の袋を差し込んでセットした。
「そのためにわざわざ戻ってきてくれたのね」
祖母は杖をついてやってきた。右足を引きずっている。
「うん。ごめんね。遅くなって」
わたしは謝った。
「沙織、えらくなんかならんでもよかよ」
祖母が突然そう言った。
わたしの記憶では違ったはずだ。
祖母は一度倒れた後、お見舞いに行ったわたしのことが誰だか分からず、やっと分かった時は「沙織、えらくならなくちゃダメだよ」と言ったのだ。
「え?」
わたしはポカンとした目で祖母を見つめた。わたしの顔はぐちゃぐちゃに涙で崩れていて、鼻水だって出ている。
「沙織ちゃんが生まれた時はねえ、みんなで大騒ぎしてお祝いしたのよ。本当に可愛い子でねえ」
祖母は優しい顔をして思い出すように言った。わたしの涙腺はいよいよ決壊した。
「ばあちゃん、ティッシュもらうね」
そう言って、いつものリビングのティッシュが置いてある場所まで走って、声を殺して泣いたティッシュで涙と鼻水をふく。
「こんにちわー」
「お邪魔しまーす」
そこに、ガッシュクロース公爵夫人と王子の母上の声が玄関の方でした。
「あっ!」
わたしはティッシュを顔に貼り付けたまま、玄関に走った。
「どなたさんでした?」
祖母の声がして、杖をついて右足を引きずって歩く祖母が玄関までやってきた。
「おばあさま、いつも沙織さんにお世話になっております」
まるで日本人のような挨拶を王子の母上がした。
「ああ、沙織のお知り合いの方ですね。それはそれは、わざわざありがとうございます」
祖母は丁寧に頭を下げた。
「沙織、顔にティッシュがついているよ」
祖母はわたしに笑いながら言った。
「あれ?」
わたしは涙に曇った目を拭いながら、自分の顔に張り付いたティッシュをさがした。
「沙織さんは、大丈夫ですよ、おばあさま」
突然、王子の母上がそう言い出した。
「はい」
祖母はニコニコしてうなずいた。
「じゃあ、ばあちゃん、元気でね。また来るね。ここに買ってきた予備の掃除機の袋を置いておくからね」
わたしは祖母を抱きしめた。わたしは声をあげて泣いた。
「沙織、どうしたの」
祖母は驚いたようだったが、背中をよしよしと撫でてくれた。
「はい、またね。沙織、待ってるからね。元気でやるんだよ」
「うん」
わたしは涙に曇った目で玄関から土間に降りようとして転びかけた。涙で前がよく見えない。咄嗟にガッシュクロース公爵夫人と幸子さんが支えてくれた。
「ありがとうございます。じゃあ、ばあちゃん、またね。今までありがとうね」
わたしはそれだけ言うと、祖母に手を振って泣きながら祖母の家の玄関を出て、玄関扉を閉めて後にした。
嗚咽が止まらない。
玄関の門を過ぎて、ブロック塀の陰にしゃがみこんで泣き続けた。
「よし、沙織、帰りますよ」
「そうそう。さあ、カメラアプリミッションのモノを探しましょう」
王子の母上、幸子さんはわたしの頭を軽く撫でると、ガッシュクロース公爵夫人と一緒にわたしを立ち上がらせてくれた。
「カメラアプリミッションはなんですか?」
わたしは涙声で聞いた。
「滝のそばの水路にいるカニ」
田舎ならではの生物をガッシュクロース公爵が言った。わたしは思わず吹き出した。
「さあ、手を繋ぎましょう。すぐ、その辺にいますから」
わたしはガッシュクロース公爵夫人と王子の母上にそう言った。二人は浴衣姿のままだ。蝉の音がうるさい夏の田舎道で、わたしたちは手を繋いだ。
「カメラアプリミッション、クリアしました」
爽やかな機械音がして、そのままわたしたちは元の世界にワープした。
「これです。これでいいんですよ」
わたしはレジに掃除機の詰め替え用の袋を持って行った。まだ令和のお札が平成でも使える。諭吉ではなく野口英世で払えた。わたしの後ろには、メンズのトレーナー上下を来た公爵夫人と、わたしの高校時代のあずき色のジャージを着た幸子さんが立っていた。
公爵夫人の頭にはカメラバングルがついていて、実に奇妙な出立ちだ。
「外は暑いですよね。そのトレーナを脱いだらどんな格好なんでした?」
「何も着ていないわ」
「じゃあ、わたしの祖母の家まで我慢してください。何か借りてあげますから」
「沙織、わたしも・・・・・・」
「分かっています」
わたしたちは平成の夏にやってきていた。暑い夏だ。蝉が鳴いている。家電量販店のエアコンは効いていた。
「さあ、行きますよ。ここから少し歩きますけど、途中で水を買ってあげますから、ご辛抱ください」
わたしは渋るおばさま二人を炎天下に押し出した。早歩きで15分くらいだ。トレーナーとジャージの上は脱いでもらって、念の為に持ってきた旅館の浴衣に家電量販店のトイレで二人を着替えさせたのだ。
わたしはこれから掃除機の詰め替え用の袋を持って久しぶりに祖母の家に行くのだ。歩きながら途中の自動販売機に小銭を入れて3人分の水を買って、3人でごくごく飲んだ。
青い空には夏休みらしい入道雲が広がり、道すがらずっと蝉の声がみーんみーんと鳴いていた。田舎のあぜ道を歩いていく。
***
数時間前のこと。
露天風呂で「沙織のせいではないわ」とつぶやいた公爵夫人が突然言い出したのだ。
「沙織が会いたかったおばあさまに今から会いに行きましょう」
それにすぐにのったのは幸子さんだ。
「いいわねえ。わたしも沙織のおばあ様にお会いしてみたいわ」
「今からですかっ!」
「早い方がいいじゃないの。どうせ会いたくて会いてくて仕方がなかったんでしょう?」
「それはそうですけど」
ナディアに令和でまだ会っていない。53年越しにセンジロガハラで会ったあとは、フォンテーヌブローの森の冒険で一緒になっただけだ。令和で会うにはこのわたしの秘密を告白しなければならない。公爵夫人と王子の母上はぼんやりと受け入れているようだけだけれども、ナディアはしっかりとどういう意味かを知るはずだ。
そもそも平成のナディアと令和のわたしでは、5年の開きがあるのだ。ナディアの未来に会うことになる。それはなんとなく気が引けてしまい、わたしは行動に移せていなかった。
「公爵夫人、今回のカメラアプリミッションはなんですか?」
「あのねー、ひよおこまんじゅう、って名前だったと思うわ」
「分かった。ひよこ饅頭ですね。旅館のロビーのお土産品売り場にあると思います」
「じゃあ、ここをロビーでクリアして沙織のおばあ様に会ってから、また沙織は戻ってくればいいわね」
「そうなりますね。では高梨と美月に今から少し外を散歩してくると伝えます」
わたしは同期の高梨と美月に少し外を散歩してくると伝えて旅館のロビーに急いだ。平成の夏だ。暑いと思ったので、浴衣を2枚、部屋から拝借してきた。
「あった!ここにあります。今誰も見ていません。幸子さん、夫人、手を繋ぎましょう!」
わたしたち3人はしっかりと手を繋ぎ、公爵夫人のカメラアプリが「カメラアプリミッションをクリアしました」と爽やかな機会音で告げるのを聞いた。
1512年のガッシュクロース公爵夫人の冬の城にわたしたちはワープした。季節は夏から冬に進んでいた。窓から雪が見えて、暖炉には火がくべられていた。部屋は暖かい。
「沙織、行くわよ。何年何月?」
わたしは平成のある年の8月16日を指定した。お盆休みに祖母に会った最後の日だ。場所はわたしの故郷の田舎町。
わたしたち3人は平成の夏にワープした。そして家電量販店で真っ先にわたしが買い物をするのに公爵夫人と王子の母上は付きあったというわけだった。
あぜ道を抜けて、民家のある通りを過ぎた。そして懐かしい祖母の家にわたしは辿りついた。
「じゃあねっ!」
当時のわたしが荷物を持って、ちょうど東京に帰るところだったようだ。わたしたちがそっとブロック塀に身を潜めて見ていると、わたしが手を振って家の玄関から出てきて、そのまま門を抜けて歩いて通り過ぎて行った。
「沙織、若ーい!」
「しーっ!静かに」
「そうよ、若いわよ」
「わたしはこれを祖母に渡してきます」
わたしはそのまま祖母の家の玄関に向かった。
「ばあちゃーん、沙織」
いつものように声をかけた。でも、涙が込み上げてきてしまった。
亡くなった祖母に会うのは、あれ以来だ。わたしはお葬式にも駆けつけられなかった。祖母の家は取り壊されて令和の今はもうない。
「沙織ね。どうしたの。今東京に帰ったかと思ったら」
祖母の声がした。祖母は右側半身が全く使えない。わたしは靴を脱いで懐かしい祖母の家に上がった。当時と全く匂いがして、鼻の奥がツンとしてもう涙が止まらなかった。
「ばあちゃん、ただいま。これ、買ってきたから。掃除機につけておくね」
わたしは優しい祖母の顔を見たら、もう涙がぽろぽろ出るのを抑えられなかった。すぐに祖母に背を向けて、掃除機の閉まってある大きな押入れに向かった。
押入れに、わたしが夢にまで見た赤くて古い掃除機が置いてあった。わたしは震える手で、買ってきたばかりの新しい掃除機の袋を差し込んでセットした。
「そのためにわざわざ戻ってきてくれたのね」
祖母は杖をついてやってきた。右足を引きずっている。
「うん。ごめんね。遅くなって」
わたしは謝った。
「沙織、えらくなんかならんでもよかよ」
祖母が突然そう言った。
わたしの記憶では違ったはずだ。
祖母は一度倒れた後、お見舞いに行ったわたしのことが誰だか分からず、やっと分かった時は「沙織、えらくならなくちゃダメだよ」と言ったのだ。
「え?」
わたしはポカンとした目で祖母を見つめた。わたしの顔はぐちゃぐちゃに涙で崩れていて、鼻水だって出ている。
「沙織ちゃんが生まれた時はねえ、みんなで大騒ぎしてお祝いしたのよ。本当に可愛い子でねえ」
祖母は優しい顔をして思い出すように言った。わたしの涙腺はいよいよ決壊した。
「ばあちゃん、ティッシュもらうね」
そう言って、いつものリビングのティッシュが置いてある場所まで走って、声を殺して泣いたティッシュで涙と鼻水をふく。
「こんにちわー」
「お邪魔しまーす」
そこに、ガッシュクロース公爵夫人と王子の母上の声が玄関の方でした。
「あっ!」
わたしはティッシュを顔に貼り付けたまま、玄関に走った。
「どなたさんでした?」
祖母の声がして、杖をついて右足を引きずって歩く祖母が玄関までやってきた。
「おばあさま、いつも沙織さんにお世話になっております」
まるで日本人のような挨拶を王子の母上がした。
「ああ、沙織のお知り合いの方ですね。それはそれは、わざわざありがとうございます」
祖母は丁寧に頭を下げた。
「沙織、顔にティッシュがついているよ」
祖母はわたしに笑いながら言った。
「あれ?」
わたしは涙に曇った目を拭いながら、自分の顔に張り付いたティッシュをさがした。
「沙織さんは、大丈夫ですよ、おばあさま」
突然、王子の母上がそう言い出した。
「はい」
祖母はニコニコしてうなずいた。
「じゃあ、ばあちゃん、元気でね。また来るね。ここに買ってきた予備の掃除機の袋を置いておくからね」
わたしは祖母を抱きしめた。わたしは声をあげて泣いた。
「沙織、どうしたの」
祖母は驚いたようだったが、背中をよしよしと撫でてくれた。
「はい、またね。沙織、待ってるからね。元気でやるんだよ」
「うん」
わたしは涙に曇った目で玄関から土間に降りようとして転びかけた。涙で前がよく見えない。咄嗟にガッシュクロース公爵夫人と幸子さんが支えてくれた。
「ありがとうございます。じゃあ、ばあちゃん、またね。今までありがとうね」
わたしはそれだけ言うと、祖母に手を振って泣きながら祖母の家の玄関を出て、玄関扉を閉めて後にした。
嗚咽が止まらない。
玄関の門を過ぎて、ブロック塀の陰にしゃがみこんで泣き続けた。
「よし、沙織、帰りますよ」
「そうそう。さあ、カメラアプリミッションのモノを探しましょう」
王子の母上、幸子さんはわたしの頭を軽く撫でると、ガッシュクロース公爵夫人と一緒にわたしを立ち上がらせてくれた。
「カメラアプリミッションはなんですか?」
わたしは涙声で聞いた。
「滝のそばの水路にいるカニ」
田舎ならではの生物をガッシュクロース公爵が言った。わたしは思わず吹き出した。
「さあ、手を繋ぎましょう。すぐ、その辺にいますから」
わたしはガッシュクロース公爵夫人と王子の母上にそう言った。二人は浴衣姿のままだ。蝉の音がうるさい夏の田舎道で、わたしたちは手を繋いだ。
「カメラアプリミッション、クリアしました」
爽やかな機械音がして、そのままわたしたちは元の世界にワープした。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
双神の輪~紡がれる絆の物語~
Guidepost
ファンタジー
大きくそびえ建つ王宮の脇にある木陰から空を見上げる。
晴れ渡った空から反射する光が木漏れ日となり二人に注ぐ。
あれから何年経っただろうか。もう、九年になるのだろうか。
──九年前のクリスマス、俺たちは当たり前のように生きていた「日本」から、全く異なるこの世界へ召喚された。
その頃、俺たちはまだ、9歳の子供だった。
剣や魔法が当たり前のようにあるこの世界。
漫画やゲームでしかあり得なかった魔獣が出る世界。そんなファンタジーな世界に自分たちがいるということにワクワクもした。
だが、この世界はそんなゲームのような夢物語ではなく、平和な世界で生きてきた無知な子供には、とても残酷な世界だった……
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
伝説の霊獣達が住まう【生存率0%】の無人島に捨てられた少年はサバイバルを経ていかにして最強に至ったか
藤原みけ@雑魚将軍2巻発売中
ファンタジー
小さな村で平凡な日々を過ごしていた少年リオル。11歳の誕生日を迎え、両親に祝われながら幸せに眠りに着いた翌日、目を覚ますと全く知らないジャングルに居た。
そこは人類が滅ぼされ、伝説の霊獣達の住まう地獄のような無人島だった。
次々の襲い来る霊獣達にリオルは絶望しどん底に突き落とされるが、生き残るため戦うことを決意する。だが、現実は最弱のネズミの霊獣にすら敗北して……。
サバイバル生活の中、霊獣によって殺されかけたリオルは理解する。
弱ければ、何も得ることはできないと。
生きるためリオルはやがて力を求め始める。
堅実に努力を重ね少しずつ成長していくなか、やがて仲間(もふもふ?)に出会っていく。
地獄のような島でただの少年はいかにして最強へと至ったのか。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる