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1.求婚 ダメ。王子の魅力は破壊力があり過ぎ。抵抗は難易度高な模様。
21 令和のドラキュラ
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その日のゲーム召喚は、いつにもまして大変だった。
ルーブルの周りは薄暗く、令和のわたしが知っている面影は皆無だった。
令和でわたしはNetflixシリーズのルパンの話を見た。ルーブルが出てくるが、初期のルーブルとは似ても似つかない。建物の中は面影があるのかもしれない。平成でルーブル美術館を訪れたが、やっぱり外観は印象がまるで違った。
ジョは六歳ぐらいの子供を抱えて右往左往していた。わたしはナディアを背中に乗せて必死でミッションクリアに努めた。
わたしとジョンの頭の中にあることは、早く未来の地球に戻って忍びの薬学の知識を使い、子供の解毒をはじめないとならないということだけだった。
「沙織!早く!急いで解毒しないとっ!」
ジョンはそう秘密言葉でわたしに言い続けた。
そうなのだ。一刻も早く解毒だ。解毒するためには、王子に助けを求めないと。
わたしはパリの王に使える騎士たちの剣をかわして、なんとかナディアがミッションクリアするのを手伝った。正直、何が今回のクリア条件なのかさっぱりわからなかった。後ろから子供を抱えてついてくるジョンが気になって気になって仕方がなかったからだ。
「カメラアプリミッションをクリアしました。」
そう爽やかな声が告げたとき、ジョンは子供を抱えたままわたしに飛びついた。
***
ぐわんっと世界が反転して暗闇に引きずり込まれた。ルーブルは暗闇に沈んだ。目を開けると、奉行所のセグウェイ置き場に戻ってきていた。
「さあ、行こう!」
ジョンは片手で子供を抱っこしてセグウェイに乗り、そのまま飛び上がった。わたしも後に続いた。
「おっ!戻ってきた!」
「子供だっ!」
城のから衛兵が一瞬消えたわたしと五右衛門が、子供を抱えて現れたことに気づいて騒いでいると、そこに王子がやってきた。
「この子は咬まれた。ドラキュラになりかけ。」
それだけわたしがささやくと王子は真っ青な顔になり、慌てふためいた様子で「解毒は間に合うのか?」と小さな声で聞いてきた。
「猶予はない。至急で対処が必要。」
「猛スピードで城へ!」
わたしたちは、乗っているセグウェイのスピードを最高速度にして城まで飛んだ。
城に着くと、慌ただしく王子の部屋の近くに子供を運び入れた。
「中等の二年、秋、解毒術!」
ジョンが正確に寺小屋で習った時期を言いあて、王子は自分の部屋に飛び込んで昔の教科書を探し出して持ってきた。
「あったぞ!」
「特殊な蚊に咬まれた場合の対処法!その昔、ドラキュラに……これだっ!」
「城の薬倉庫に確かこの薬はあるぞ!持ってくる!」
王子は一気に部屋を飛び出して駆けて行った。
子供が小さな声でうなった。
「うーん。喉が渇いた。」
「待てっ!ちょっと待てっ!」
ジョンがあとずさった。
「血が飲みたいってことだよね?」
わたしも恐怖におののいてあとずさった。
「城のお台所で何かスープもらってくるっ!薬を入れるから!」
わたしはそうジョンにささやいてそっと部屋を出た。とにかく急がないとならない。
――あの子は血を渇望している。
わたしは走りに走った。忍びとしての最高スピードで城内を走った。秘密のお妃候補だと城内に知れ渡っていなければ、くせものとして捕えられていたかもしれない。
「スープをくださいっ!」
わたしは城のお台所に駆け込んだ。王子の秘密のお妃候補として知れ渡った素性を遺憾無く活かし、美味しいスープを容器に入れてもらって、全速力で城内を駆け抜けて王子の部屋に戻った。
「待てっ!」
王子の悲鳴が部屋の外にまで聞こえてきていた。
わたしは部屋に飛び込んだ。
「スープもらってきたわ。」
見ると、王子が部屋の隅に追い詰めらていた。子供が王子に手を伸ばして「喉が渇いたよお」と言っていた。わたしはスープの容器の蓋を開けて、子供に差し出した。
「飲んでいいわよ。」
「王子っ!薬を入れて!」
わたしは怯える王子に薬を中に入れるように言い、王子はハッとした様子で手に持った薬の包みを開けて、素早くスープの中に入れた。わたしはそれをスプーンで混ぜて、子供の口元にそっとスープの容器を持っていって子供に話しかけた。
「飲んで。すっごく美味しいから。喉が渇いたでしょう?これを飲むとスッキリするわ。ぜーんぶ飲んでね。」
ゴクっと子供は一口スープを飲み、続けて一気に全部ごくごくとスープを飲んだ。
「眠い。」
スープを飲み干した子供はそれだけいうと、そのまま床に寝転がった。
わたしはそっと子供を抱えてベッドまで運んだ。
その後、子供が起きて喉が渇いたというたびに薬を混ぜた水かスープを飲ませた。
「待てっ!待てっ!」
子供が起き上がるたびに、王子とジョンは怯えてそう言って、甲斐甲斐しくお世話をしていた。
こうして、ドラキュラになりかけた子供は、なんとか無事に解毒に成功した。
その夜は交代で子供の世話をしようとなり、先にわたしが王子の部屋の隣の部屋で寝ることになった。
となるとだ。
――令和の多摩川河川敷の土手スタート2回目だ。
――仕方あるまい。
わたしは覚悟してそのまま寝入った。
***
目を開けると、雨が顔にも体にも当たっているのが分かった。
パジャマにしている上下白いトレーナー姿だったが、濡れていた。わたしは起き上がり、そのまま歩いて二子玉川公園のスタバまで向かった。スマホショルダーバックの中にスマホはある。足元はいつも予防ではいている黒い靴下だ。ずぶ濡れのまま、靴下で歩き続けた。
スタバの店内で、誰もわたしの足元なんて見ていないことを願いつつ、スマホ決済でホットのスターバックスラテをテイクアウトした。そのまま飲みながら歩き続けて、ライズを抜け、駅を抜け、自宅にたどりついた。自宅の鍵もいつもスマホショルダーバックに入れたまま寝るので簡単に自宅に入れた。
暖かいシャワーを浴びた。いつものようにはスターバックスラテを美味しく感じなかったことに違和感があったが、わたしはこの時点で何も気づいていなかった。
身支度を整え、お化粧をして、食欲がまるでないと思いながらも、無理やりトーストを食べた。
水筒に冷蔵庫から出したピッチャーから麦茶を入れた。それをカバンに詰めた。一息いれて、玄関を閉めて出勤した。
駅に着くと、そのまま満員電車に乗った。
違和感を感じたのは、そこからだ。
目の前におじさんが立っていた。右横にもおじさん、左横にもおじさん。その日はおじさんに四方を囲まれて電車の中で立っていた。
――かぶりつきたい……
目の前のおじさんの首筋が美味しそうで美味しそうでたまらない。とにかく無性にかぶりつきたいのだ。
お腹の虫がなった。
――お腹がすいた。
――とてつもない喉の渇きを感じる。
おじさんの首筋にかぶりつけば、美味しい何かで満たされる気がして仕方がない。おじさんの首筋が光輝いて見える。
――まぶしい。
――なんだろう。
わたしはハッとして、身震いした。
わたしはパリで悪戦苦闘している時、五右衛門が抱えている子供が、わたしが化けたプテラにキスをしたような記憶がふっと頭に思い浮かぶのを感じた。
すっかり忘れていたが、どさくさに紛れて、わたしは子供にキスされたのだ。
――あれはキスではなく、ドラキュラになりかけた子供がプテラの首を噛んだのだったら?
――忍びの抵抗力では大丈夫だったかもしれないが、令和の人の体ではどうなのか?
――――わたしは、令和のドラキュラになっているといういことか?
――令和の吸血鬼?
――ひえっ!
わたしの口から奇妙な声が漏れて、周囲のおじさんがビクッとしてわたしを見つめた。一瞬で、数センチおじさんたちが身をよじった。変な声を出すわたしから少しでも離れようとしたのがわかった。
――正解だ。
――今のわたしに近づかない方がいい。
わたしは必死で、おじさんにかぶりつきたい欲望と戦った。
――頼む、満員電車よ、早く駅に着いて。
ルーブルの周りは薄暗く、令和のわたしが知っている面影は皆無だった。
令和でわたしはNetflixシリーズのルパンの話を見た。ルーブルが出てくるが、初期のルーブルとは似ても似つかない。建物の中は面影があるのかもしれない。平成でルーブル美術館を訪れたが、やっぱり外観は印象がまるで違った。
ジョは六歳ぐらいの子供を抱えて右往左往していた。わたしはナディアを背中に乗せて必死でミッションクリアに努めた。
わたしとジョンの頭の中にあることは、早く未来の地球に戻って忍びの薬学の知識を使い、子供の解毒をはじめないとならないということだけだった。
「沙織!早く!急いで解毒しないとっ!」
ジョンはそう秘密言葉でわたしに言い続けた。
そうなのだ。一刻も早く解毒だ。解毒するためには、王子に助けを求めないと。
わたしはパリの王に使える騎士たちの剣をかわして、なんとかナディアがミッションクリアするのを手伝った。正直、何が今回のクリア条件なのかさっぱりわからなかった。後ろから子供を抱えてついてくるジョンが気になって気になって仕方がなかったからだ。
「カメラアプリミッションをクリアしました。」
そう爽やかな声が告げたとき、ジョンは子供を抱えたままわたしに飛びついた。
***
ぐわんっと世界が反転して暗闇に引きずり込まれた。ルーブルは暗闇に沈んだ。目を開けると、奉行所のセグウェイ置き場に戻ってきていた。
「さあ、行こう!」
ジョンは片手で子供を抱っこしてセグウェイに乗り、そのまま飛び上がった。わたしも後に続いた。
「おっ!戻ってきた!」
「子供だっ!」
城のから衛兵が一瞬消えたわたしと五右衛門が、子供を抱えて現れたことに気づいて騒いでいると、そこに王子がやってきた。
「この子は咬まれた。ドラキュラになりかけ。」
それだけわたしがささやくと王子は真っ青な顔になり、慌てふためいた様子で「解毒は間に合うのか?」と小さな声で聞いてきた。
「猶予はない。至急で対処が必要。」
「猛スピードで城へ!」
わたしたちは、乗っているセグウェイのスピードを最高速度にして城まで飛んだ。
城に着くと、慌ただしく王子の部屋の近くに子供を運び入れた。
「中等の二年、秋、解毒術!」
ジョンが正確に寺小屋で習った時期を言いあて、王子は自分の部屋に飛び込んで昔の教科書を探し出して持ってきた。
「あったぞ!」
「特殊な蚊に咬まれた場合の対処法!その昔、ドラキュラに……これだっ!」
「城の薬倉庫に確かこの薬はあるぞ!持ってくる!」
王子は一気に部屋を飛び出して駆けて行った。
子供が小さな声でうなった。
「うーん。喉が渇いた。」
「待てっ!ちょっと待てっ!」
ジョンがあとずさった。
「血が飲みたいってことだよね?」
わたしも恐怖におののいてあとずさった。
「城のお台所で何かスープもらってくるっ!薬を入れるから!」
わたしはそうジョンにささやいてそっと部屋を出た。とにかく急がないとならない。
――あの子は血を渇望している。
わたしは走りに走った。忍びとしての最高スピードで城内を走った。秘密のお妃候補だと城内に知れ渡っていなければ、くせものとして捕えられていたかもしれない。
「スープをくださいっ!」
わたしは城のお台所に駆け込んだ。王子の秘密のお妃候補として知れ渡った素性を遺憾無く活かし、美味しいスープを容器に入れてもらって、全速力で城内を駆け抜けて王子の部屋に戻った。
「待てっ!」
王子の悲鳴が部屋の外にまで聞こえてきていた。
わたしは部屋に飛び込んだ。
「スープもらってきたわ。」
見ると、王子が部屋の隅に追い詰めらていた。子供が王子に手を伸ばして「喉が渇いたよお」と言っていた。わたしはスープの容器の蓋を開けて、子供に差し出した。
「飲んでいいわよ。」
「王子っ!薬を入れて!」
わたしは怯える王子に薬を中に入れるように言い、王子はハッとした様子で手に持った薬の包みを開けて、素早くスープの中に入れた。わたしはそれをスプーンで混ぜて、子供の口元にそっとスープの容器を持っていって子供に話しかけた。
「飲んで。すっごく美味しいから。喉が渇いたでしょう?これを飲むとスッキリするわ。ぜーんぶ飲んでね。」
ゴクっと子供は一口スープを飲み、続けて一気に全部ごくごくとスープを飲んだ。
「眠い。」
スープを飲み干した子供はそれだけいうと、そのまま床に寝転がった。
わたしはそっと子供を抱えてベッドまで運んだ。
その後、子供が起きて喉が渇いたというたびに薬を混ぜた水かスープを飲ませた。
「待てっ!待てっ!」
子供が起き上がるたびに、王子とジョンは怯えてそう言って、甲斐甲斐しくお世話をしていた。
こうして、ドラキュラになりかけた子供は、なんとか無事に解毒に成功した。
その夜は交代で子供の世話をしようとなり、先にわたしが王子の部屋の隣の部屋で寝ることになった。
となるとだ。
――令和の多摩川河川敷の土手スタート2回目だ。
――仕方あるまい。
わたしは覚悟してそのまま寝入った。
***
目を開けると、雨が顔にも体にも当たっているのが分かった。
パジャマにしている上下白いトレーナー姿だったが、濡れていた。わたしは起き上がり、そのまま歩いて二子玉川公園のスタバまで向かった。スマホショルダーバックの中にスマホはある。足元はいつも予防ではいている黒い靴下だ。ずぶ濡れのまま、靴下で歩き続けた。
スタバの店内で、誰もわたしの足元なんて見ていないことを願いつつ、スマホ決済でホットのスターバックスラテをテイクアウトした。そのまま飲みながら歩き続けて、ライズを抜け、駅を抜け、自宅にたどりついた。自宅の鍵もいつもスマホショルダーバックに入れたまま寝るので簡単に自宅に入れた。
暖かいシャワーを浴びた。いつものようにはスターバックスラテを美味しく感じなかったことに違和感があったが、わたしはこの時点で何も気づいていなかった。
身支度を整え、お化粧をして、食欲がまるでないと思いながらも、無理やりトーストを食べた。
水筒に冷蔵庫から出したピッチャーから麦茶を入れた。それをカバンに詰めた。一息いれて、玄関を閉めて出勤した。
駅に着くと、そのまま満員電車に乗った。
違和感を感じたのは、そこからだ。
目の前におじさんが立っていた。右横にもおじさん、左横にもおじさん。その日はおじさんに四方を囲まれて電車の中で立っていた。
――かぶりつきたい……
目の前のおじさんの首筋が美味しそうで美味しそうでたまらない。とにかく無性にかぶりつきたいのだ。
お腹の虫がなった。
――お腹がすいた。
――とてつもない喉の渇きを感じる。
おじさんの首筋にかぶりつけば、美味しい何かで満たされる気がして仕方がない。おじさんの首筋が光輝いて見える。
――まぶしい。
――なんだろう。
わたしはハッとして、身震いした。
わたしはパリで悪戦苦闘している時、五右衛門が抱えている子供が、わたしが化けたプテラにキスをしたような記憶がふっと頭に思い浮かぶのを感じた。
すっかり忘れていたが、どさくさに紛れて、わたしは子供にキスされたのだ。
――あれはキスではなく、ドラキュラになりかけた子供がプテラの首を噛んだのだったら?
――忍びの抵抗力では大丈夫だったかもしれないが、令和の人の体ではどうなのか?
――――わたしは、令和のドラキュラになっているといういことか?
――令和の吸血鬼?
――ひえっ!
わたしの口から奇妙な声が漏れて、周囲のおじさんがビクッとしてわたしを見つめた。一瞬で、数センチおじさんたちが身をよじった。変な声を出すわたしから少しでも離れようとしたのがわかった。
――正解だ。
――今のわたしに近づかない方がいい。
わたしは必死で、おじさんにかぶりつきたい欲望と戦った。
――頼む、満員電車よ、早く駅に着いて。
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