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1.求婚 ダメ。王子の魅力は破壊力があり過ぎ。抵抗は難易度高な模様。
07 覚醒しなければ死ぬわ
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パチパチと焚き火がはぜる音がする。崖の近くの洞穴で今日は一晩を過ごすことになりそうだ。
ナディアが食べ物を取りに行って待っていた。空腹だった。
ナディアが食料と焚き火用の木の枝を拾いに行った隙に、わたしは王子に指導していた。高い崖から見ると、遠くの空に一番星が見えた。さっきまで空は赤く染まり、日がまもなく沈もうとしていた。ナディアが言うにはここは邪馬台国らしい。とんだ過去までタイムバックしたものだ。
「ヘタくそ。やり直し!」
「えっ!ダメか。」
「ダメです。帝王学の教授陣が泣きますよ。王子のなりきる術はその程度ですかっ!ご自身の得意なもので、空を飛べるものになってください。」
「分かった。これはどうだ?」
「だめ。全然ダメ。全然ダメすぎます。ダメダメダメ。わたしは同等レベルに術ができる方でなければ、イヤです。」
「じゃあ、これは?」
「えっ……」
「またコウモリですか?知らないコウモリですけど。」
大きなため息が王子の口から漏れた。わたしだって泣きたい。邪馬台国の卑弥呼の写真がゲームクリアの条件だと分かってから、今晩は野宿で確定した。でも、王子の身を守るには、なりきる術を王子自身が完璧にこなさなければならない。
数時間前のことだ。
***
腹が減っては戦はできぬ。それは本当だ。
でも戦えないほど腹が減る時は、また別の時だと思う。わたしの体にはアドレナリンが再びめぐったから。どきどきしたのは一瞬で、すぐに全てがゆっくりと
見渡せる達観した状態になった。
覚醒しなければ死ぬ。
雪景色の中に、わたしはふるえながら立っていた。ずぶ濡れだったから、余計に寒さがこたえる。はく息が白い。身を切るような冷たさの中で、闘志のようなものが湧き上がってきていた。生存本能だ。
ここは、おそらく中世ヨーロッパ。令和の時代にも残っている有名な城が見える。時刻は夕暮れ。空に一番星が見える。まもなく日が暮れるだろう。薄く月が見える。
――オーケー。どこだか分かった。前にもゲーム召喚で来たことがある。
「うおっ!ゲーム召喚!?ウッホホーッ、嬉しぃー!」
王子のかすれたうめき声を聞いて、わたしはハッとして我にかえった。振り返ると、私の後ろに辺りをキョロキョロと見渡している王子が立っていた。テンション高めなご様子だ。
びっくりを通り過ぎて頭がまっしろになった。わたしの歯が寒さでカチカチなる。
――しまった。
――王子まで昔の地球に連れてきてしまった。
王子はポカンと口を開けて、何がなんだかといった様子で雪の中に立っている。笑って飛び跳ねたあとは、召喚された場所に驚いているようだ。王子の衣装は、あの城で謁見した時と同じの、ご大層で派手な忍び服のままだ。
わたしはゲームプレイヤーが危険に陥ったり、何かゲームプレイヤーだけでは手に負えない事態が起きた時の助っ人要員だ。
――王子。あなたにとっては命が取られるほどのリスクがある場所よ。その淡麗な容姿も地位も通じない、油断なく戦うことを要求される場所なのよ。
そう心の中で思ったが、何も言わず、わたしは役目を果たすために一瞬でなりきる術を使った。オオワシに変身したのだ。
「おおっ!」
そう小さく感嘆の声を上げると、王子もわたしにならって一瞬でオオワシになった。真っ白い雪の中で、はく息が白いオオワシが2匹いた。いや。一匹はオオワシに近いけど、もう一匹は正確にはオオワシではない。わたしは一言で王子の変身術を却下した。
「へたくそです!」
「えっ、だめかっ!」
「ダメ。やり直しです。空を飛べるもので一番得意なものになって。」
わたしは魔法寺小屋学校から培った秘密言葉を使った。短い言葉で指示を出す。ゲームの中では、わたしの方が生き延びるための知識を持っている。
「そっか。じゃあ、これ!」
「なんかぽいけど。ちょっとコウモリ入ってる?うーん。」
横目で隣を見ると、シノマクロプス・ボンディがいた。小さな小さな翼竜だ。私は首をかしげた。
――近いけれど、惜しい。
「プテラ!」
その時、わたしを目ざとく見つけたナディアが雪にまみれて走ってきながら叫んだ。真っ白い雪の中でわたしに向かって大きく手を振っている。プテラは、ナディアが私につけたニックネームだ。
ナディアは追われていた。何頭もの大型犬が、雪の中でナディアを追っていた。ナディアは雪の中転びそうになりながら必死にわたしに向かって手を振っている。
わたしは素早く飛び上がり、ナディアのすぐそばまで降下した。ナディアが慣れた手つきでわたしの背中にひらりと飛び乗った。わたしは犬に激しく飛びかかれられながらも、すんでの所でうまく逃げおおせた。
ナディアを背中に乗せて空高く旋回してあたりを見渡す。雪に覆われた昔の地球は、絶景だ。
ふと気づくと、すぐそばに王子のシノマクロプス・ボンディが一緒に飛んでいた。王子のシノマクロプス・ボンディは、わたしに馴れ馴れしく抱きつくナディアをにらんでいた。ナディアが首をすり寄せている様子を、嫌悪感丸出しの目つきでにらんでいる。
「この人はゲームプレイヤーのナディアで、21世紀の国際的なスパイなの。」
わたしは秘密言葉で王子にささやいた。
「ここはどこだ?」
「中世ヨーロッパの冬のザルツブルク。目の前にホーエンザルツブルク城が見えるでしょ。」
王子が秘密言葉で聞いてきて、わたしも秘密言葉で答えた。そのときだ。
「キャっ!何か変なコウモリがいるわっ!」
ナディアが、王子の化けた翼竜に気づいた。気味が悪がって怯えた声を出している。
――そうでしょ?
――なんか変な生き物いるでしょう。ほおら、やっぱり王子のなりきる術の成果は、コウモリに間違えられているじゃない。
むかっときた王子は、コウモリじゃなくて翼竜だと指摘したかったらしく、奇妙な言葉でナディアにそれっぽいことを言った。
「ひょうりゅー」
「ヒョーリュー?変な鳴き声だわ……」
ナディアはますます王子の化けた翼竜を怖がった。
「ひょうりゅー」
王子は、コウモリじゃないと言いたいらしく、性懲りもなくまたそう言った。翼竜とはっきり言うとバレるので適度にごまかそうとして、もはや意味不明な言葉になっている。やめなよ、とわたしは王子に言おうと思ったが、ナディアがわかったわと言い出した。
「分かったわ。あなたの名前は今からヒョーリューね。でも見た目が気味がわるいわ。」
「ヒョーリュー」
わたしもオオワシの姿のままで言ってやった。
わたしがナディアを真似して、気味の悪いコウモリをそう呼んだと思い込んだナディアはキャッキャっと笑って大喜びした。
「くっそ。」
――あ、王子。今、普通の言葉で言った。
「え、ヒョーリュー?くっそと言わなかったかしら?」
めざとくナディアに聞かれて、聞き直された王子は慌てて「ヒョーリュー」とまた言った。
「なんだ、気のせいかしら。『くっそ』と普通に聞こえた気がしたわ。」
ナディアはそう言うと、首を振った。
「あの城の上を飛ぶ必要があるのよ。月明かりの下でのカメラアプリミッションなの。きっと弓矢が飛んでくる。ビッグはできる?」
ナディアが空を飛びながら、雪に覆われた城を指差した。
できるも何も、カメラアプリミッションがあるなら、それをクリアしないとゲームから解放されない。つまりやるしかないということだ。
実家のボロ家が抵当に入っていて、父の借金のおかげで家が取られると分かり、さすがのわたしも倒れかけた時に比べたら、弓矢が飛び交う中を飛ぶのもまだマシかという気分だった。
お腹が空きすぎていた。とにかく早くミッションクリアしてゲームから解放されたい。
――うわっ!まじでやんの。
シノマクロプス・ボンディの王子はうめいた。
「やるのよ。やらないとゲームから解放されない。なんなら、王子も一生、こちらで過ごされたらいかがでしょう?」
わたしは軽く嫌味を秘密言葉で言ってから、近くの森の木陰に舞い降りた。雪が積もった枝のしたで、足踏みしなが日が暮れて月が上がるのを待った。満月だ。
「よし、行こう。月明リの下でのカメラアプリミッションよ。」
ナディアがそう言って、わたしは一気に空に飛び上がった。高速でバッサバッサと翼を動かしてホーエンザルツブルク城まで飛ぶ。王子も小さな体で必死で追ってきた。わたしと一緒にいないと、昔の地球に閉じ込められるのだ。
城の上空に入ると、あちこちから弓矢が飛んできた。弓矢をかいくぐって城のてっぺんまで急いだ。
「うわっ本物の弓矢だ!ウッソ!死んでしまうじゃうっ!」
月明かりのミッションで、王子は騒ぎに騒いだ。満月と雪に覆われた城という絶景を楽しむ余裕はなかった。
ナディアが食べ物を取りに行って待っていた。空腹だった。
ナディアが食料と焚き火用の木の枝を拾いに行った隙に、わたしは王子に指導していた。高い崖から見ると、遠くの空に一番星が見えた。さっきまで空は赤く染まり、日がまもなく沈もうとしていた。ナディアが言うにはここは邪馬台国らしい。とんだ過去までタイムバックしたものだ。
「ヘタくそ。やり直し!」
「えっ!ダメか。」
「ダメです。帝王学の教授陣が泣きますよ。王子のなりきる術はその程度ですかっ!ご自身の得意なもので、空を飛べるものになってください。」
「分かった。これはどうだ?」
「だめ。全然ダメ。全然ダメすぎます。ダメダメダメ。わたしは同等レベルに術ができる方でなければ、イヤです。」
「じゃあ、これは?」
「えっ……」
「またコウモリですか?知らないコウモリですけど。」
大きなため息が王子の口から漏れた。わたしだって泣きたい。邪馬台国の卑弥呼の写真がゲームクリアの条件だと分かってから、今晩は野宿で確定した。でも、王子の身を守るには、なりきる術を王子自身が完璧にこなさなければならない。
数時間前のことだ。
***
腹が減っては戦はできぬ。それは本当だ。
でも戦えないほど腹が減る時は、また別の時だと思う。わたしの体にはアドレナリンが再びめぐったから。どきどきしたのは一瞬で、すぐに全てがゆっくりと
見渡せる達観した状態になった。
覚醒しなければ死ぬ。
雪景色の中に、わたしはふるえながら立っていた。ずぶ濡れだったから、余計に寒さがこたえる。はく息が白い。身を切るような冷たさの中で、闘志のようなものが湧き上がってきていた。生存本能だ。
ここは、おそらく中世ヨーロッパ。令和の時代にも残っている有名な城が見える。時刻は夕暮れ。空に一番星が見える。まもなく日が暮れるだろう。薄く月が見える。
――オーケー。どこだか分かった。前にもゲーム召喚で来たことがある。
「うおっ!ゲーム召喚!?ウッホホーッ、嬉しぃー!」
王子のかすれたうめき声を聞いて、わたしはハッとして我にかえった。振り返ると、私の後ろに辺りをキョロキョロと見渡している王子が立っていた。テンション高めなご様子だ。
びっくりを通り過ぎて頭がまっしろになった。わたしの歯が寒さでカチカチなる。
――しまった。
――王子まで昔の地球に連れてきてしまった。
王子はポカンと口を開けて、何がなんだかといった様子で雪の中に立っている。笑って飛び跳ねたあとは、召喚された場所に驚いているようだ。王子の衣装は、あの城で謁見した時と同じの、ご大層で派手な忍び服のままだ。
わたしはゲームプレイヤーが危険に陥ったり、何かゲームプレイヤーだけでは手に負えない事態が起きた時の助っ人要員だ。
――王子。あなたにとっては命が取られるほどのリスクがある場所よ。その淡麗な容姿も地位も通じない、油断なく戦うことを要求される場所なのよ。
そう心の中で思ったが、何も言わず、わたしは役目を果たすために一瞬でなりきる術を使った。オオワシに変身したのだ。
「おおっ!」
そう小さく感嘆の声を上げると、王子もわたしにならって一瞬でオオワシになった。真っ白い雪の中で、はく息が白いオオワシが2匹いた。いや。一匹はオオワシに近いけど、もう一匹は正確にはオオワシではない。わたしは一言で王子の変身術を却下した。
「へたくそです!」
「えっ、だめかっ!」
「ダメ。やり直しです。空を飛べるもので一番得意なものになって。」
わたしは魔法寺小屋学校から培った秘密言葉を使った。短い言葉で指示を出す。ゲームの中では、わたしの方が生き延びるための知識を持っている。
「そっか。じゃあ、これ!」
「なんかぽいけど。ちょっとコウモリ入ってる?うーん。」
横目で隣を見ると、シノマクロプス・ボンディがいた。小さな小さな翼竜だ。私は首をかしげた。
――近いけれど、惜しい。
「プテラ!」
その時、わたしを目ざとく見つけたナディアが雪にまみれて走ってきながら叫んだ。真っ白い雪の中でわたしに向かって大きく手を振っている。プテラは、ナディアが私につけたニックネームだ。
ナディアは追われていた。何頭もの大型犬が、雪の中でナディアを追っていた。ナディアは雪の中転びそうになりながら必死にわたしに向かって手を振っている。
わたしは素早く飛び上がり、ナディアのすぐそばまで降下した。ナディアが慣れた手つきでわたしの背中にひらりと飛び乗った。わたしは犬に激しく飛びかかれられながらも、すんでの所でうまく逃げおおせた。
ナディアを背中に乗せて空高く旋回してあたりを見渡す。雪に覆われた昔の地球は、絶景だ。
ふと気づくと、すぐそばに王子のシノマクロプス・ボンディが一緒に飛んでいた。王子のシノマクロプス・ボンディは、わたしに馴れ馴れしく抱きつくナディアをにらんでいた。ナディアが首をすり寄せている様子を、嫌悪感丸出しの目つきでにらんでいる。
「この人はゲームプレイヤーのナディアで、21世紀の国際的なスパイなの。」
わたしは秘密言葉で王子にささやいた。
「ここはどこだ?」
「中世ヨーロッパの冬のザルツブルク。目の前にホーエンザルツブルク城が見えるでしょ。」
王子が秘密言葉で聞いてきて、わたしも秘密言葉で答えた。そのときだ。
「キャっ!何か変なコウモリがいるわっ!」
ナディアが、王子の化けた翼竜に気づいた。気味が悪がって怯えた声を出している。
――そうでしょ?
――なんか変な生き物いるでしょう。ほおら、やっぱり王子のなりきる術の成果は、コウモリに間違えられているじゃない。
むかっときた王子は、コウモリじゃなくて翼竜だと指摘したかったらしく、奇妙な言葉でナディアにそれっぽいことを言った。
「ひょうりゅー」
「ヒョーリュー?変な鳴き声だわ……」
ナディアはますます王子の化けた翼竜を怖がった。
「ひょうりゅー」
王子は、コウモリじゃないと言いたいらしく、性懲りもなくまたそう言った。翼竜とはっきり言うとバレるので適度にごまかそうとして、もはや意味不明な言葉になっている。やめなよ、とわたしは王子に言おうと思ったが、ナディアがわかったわと言い出した。
「分かったわ。あなたの名前は今からヒョーリューね。でも見た目が気味がわるいわ。」
「ヒョーリュー」
わたしもオオワシの姿のままで言ってやった。
わたしがナディアを真似して、気味の悪いコウモリをそう呼んだと思い込んだナディアはキャッキャっと笑って大喜びした。
「くっそ。」
――あ、王子。今、普通の言葉で言った。
「え、ヒョーリュー?くっそと言わなかったかしら?」
めざとくナディアに聞かれて、聞き直された王子は慌てて「ヒョーリュー」とまた言った。
「なんだ、気のせいかしら。『くっそ』と普通に聞こえた気がしたわ。」
ナディアはそう言うと、首を振った。
「あの城の上を飛ぶ必要があるのよ。月明かりの下でのカメラアプリミッションなの。きっと弓矢が飛んでくる。ビッグはできる?」
ナディアが空を飛びながら、雪に覆われた城を指差した。
できるも何も、カメラアプリミッションがあるなら、それをクリアしないとゲームから解放されない。つまりやるしかないということだ。
実家のボロ家が抵当に入っていて、父の借金のおかげで家が取られると分かり、さすがのわたしも倒れかけた時に比べたら、弓矢が飛び交う中を飛ぶのもまだマシかという気分だった。
お腹が空きすぎていた。とにかく早くミッションクリアしてゲームから解放されたい。
――うわっ!まじでやんの。
シノマクロプス・ボンディの王子はうめいた。
「やるのよ。やらないとゲームから解放されない。なんなら、王子も一生、こちらで過ごされたらいかがでしょう?」
わたしは軽く嫌味を秘密言葉で言ってから、近くの森の木陰に舞い降りた。雪が積もった枝のしたで、足踏みしなが日が暮れて月が上がるのを待った。満月だ。
「よし、行こう。月明リの下でのカメラアプリミッションよ。」
ナディアがそう言って、わたしは一気に空に飛び上がった。高速でバッサバッサと翼を動かしてホーエンザルツブルク城まで飛ぶ。王子も小さな体で必死で追ってきた。わたしと一緒にいないと、昔の地球に閉じ込められるのだ。
城の上空に入ると、あちこちから弓矢が飛んできた。弓矢をかいくぐって城のてっぺんまで急いだ。
「うわっ本物の弓矢だ!ウッソ!死んでしまうじゃうっ!」
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