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1.求婚 ダメ。王子の魅力は破壊力があり過ぎ。抵抗は難易度高な模様。
04 これ、待ていっ!
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「沙織は、男性とお付き合いしたことはある?」
「ない。キスすらない。」
「そういう相手は欲しくないの?」
「お付き合いしたくないわけではなくて、今までそういう相手に出会えなかったから。」
わたしとジョンは城の門を出てきたところだ。
「魔法寺小屋学校は国家教育機関だから無償でしょ。無償じゃなかったら、給食費すら払えなかったわ。生きていくだけで精一杯だったから、お付き合いなんて考えられなかった。」
「そっか。さっき、王子に『沙織』って呼ばれたでしょう?どうだった?」
「どうって。そりゃ、ジョンに呼ばれるのとは違ったわ。王子に呼ばれると身体が震えた。」
そうなのだ。王子に名前を呼ばれたら身体が震えた。それは多分危険なことなのだ。
ジョンは表現するなら同志かもしれない。恋をする対象にお互いをとらえていないから。ジョンに名前を呼ばれても平気なのに、王子は違った。
借金のかたがわりしてもらってお妃候補になることを一瞬でも考えなかったと言えば、嘘。そういう楽な生き方もある。
でも、王子は爽やかで若くて、そんな理由でお妃を選んで良い立場にないと思った。わたしも親が作った借金をきっかけに、わたしのことを好きでもない人と一緒になると嘘の婚約をして自分を傷つけるのは良くない。
立派な城を振り返って、本当にわたしには縁がない場所だと首を振った。
――これ以上はお近づきになってはならない。
お昼をまだ食べていない。お腹がひどくすいてしまって力が入らなかった。
「ね、喫茶にでも行く?」
「今日は家から持ってきたにぎりがあるから。」
ジョンがさっさと歩き出したわたしを後ろから追いかけてきて聞いた。そんなお金に余裕はないので、わたしは小さな声で断った。
――奉行所に戻って、用事が早く終わったと説明して、奉行所のただコーヒーを飲みながら家から今朝持ってきたパンとおにぎりを食べよう。そうすれば昼ご飯に余計なお金を使う必要はない。
「そっか。」
ジョンはそれだけつぶやくと、一緒に並んで歩きはじめた。
城門を抜けると、丘をくだる道なりから、遠くに青い海が見えた。天気は晴れていて、キラキラと辺りに照りつける陽光がまぶしい。城は小高い丘の上にあるのだ。眺望は綺麗だった。
ここは、令和だと二子玉川あたりだ。不思議な気持ちでわたしは街並みを眺めた。
――五重の塔あたりは令和ではどこだろう?
ここ数年は海に行っていなかった。どうしても行きたいわけではないけれど、仕事をサボりたくなる人の気持ちが今日はなんとなく分かった。
丘をくだり切ったところに、レエリナサウラの引く車が停まっていた。ふかふかの毛皮でつつまれているレエリナサウラが引く車は超お高い。そんじょそこらの家を20軒合わせたよりも高い値段だ。庶民の魔法使いからすると、そういった馬車の持ち主は大金持ちということになる。
――あ、ヒメがいる
私はため息をついた。
レエリナサウラの引く馬車の前に腕組みして仁王立ちしている美人がいた。それを見て、わたしの気持ちはズンとさらに重くなった。綺麗な振袖を着ているが、おでこにバンダナをまいていて髪の毛はザンバラだ。首から上がヒッピースタイルで首から下がお姫様スタイルの彼女は、有名な貴和豪一門の家長の娘のヒメだ。
「今日もお綺麗ね。ごきげんよう。」
私はそれだけ笑顔でさりげなく会釈をして足早に通りすぎようとした。
「これ、待ていっ!」
ヒッピー姫は大声を出してわたしに呼びかけた。
ふふっと思わずジョンが笑った。
「そこ、何を笑ってる?何かおかしいのかしら?」
ヒッピー姫はジョンに突っかかった。そのすきにわたしはおさらばしようと、小走りに走り去ろうとした。
「待てってば!」
わたしはヒメに飛びかかられて首根っこをつかまれた。
――信じられない。
「痛いってば。」
わたしはいきなり飛びかかられたので転びかけた。まあ、私も魔女忍なので転ぶ寸前で体勢を立て直したけれど。
「なに?今日も綺麗な金茶色の振袖を着ているのに、そんな乱暴狼藉を立ち回っていたら、あなたの自慢の美しい振袖が泣くわよ。」
わたしはヒッピー姫を振り返って言った。
「顔貸して。」
ヒッピー姫はそれだけ言うと、わたしに微笑んだ。こわい。綺麗な顔で微笑まれると、少し怖い。
「いや。顔は貸さない。ほんじゃね。」
わたしはそう言って、「じゃあ」と手をあげてさっさと通り過ぎようとした。
「なんか食べにいく?美味しいもの。おなか減ってない?」
小走りに走り去ろうと目論むわたしに、ヒッピー姫の声が後ろから追いかけてきた。不覚にも、お気楽な物言いで思わずわたしも笑ってしまった。懐かしい物言いだ。
「減ったあ。減っているの!王子のせいでお昼を食べそこねたのよね。」
わたしは思わず本音を言った。
私はこのヒッピー姫に弱い。大金持ちの娘なのに、気さくなところがあってわたしにとっては話しやすかった。魔法寺小屋学校時代にわたしは特殊な忍術と魔術が使えるということで、特選クラスに入れられていた。そこでヒメと一緒のクラスになり、2年間一緒に学んだことがある仲だった。かつての同級生だ。
「じゃあ、乗ってよ。」
ヒッピー姫はニンマリ笑って、レエリナサウラが引く馬車の扉をさっと開けた。
「しっかたないなあ。あのにぎり飯は後で食べようかな。ジョンも行く?」
「行く!」
「よしよし。さあさ、我が一門の富の証である、レエちゃんがひく馬車にのりたまえ。」
ヒッピー姫はご機嫌そうに鼻歌まで歌いながら、私とジョンを馬車に乗せてくれた。私はお腹が空いたという現状に負けた。ついでにジョンも誘ったら、ジョンもニッコリ笑って乗り込んできた。
ふんふんふーん。
なんのメロディか分からないけれど、ヒッピー姫はゴキゲンなご様子だ。
「あんたさあ、あのね。レエちゃんとかまじ気持ち悪いよ。そこ略さない方がいい。」
「そお?」
「色白で目が切長で美人。その漆黒の髪を華麗に結いあげたらあんた本当のお姫様なのにちょっともったいないよ。」
「私の自由。あんたの恋紅色の髪とかジョンの唐茶色の髪の方が、私は好きよ。目立たないもん。」
「こら、今のはちょっとディスり入ってるよね。」
ヒメは私の助言を相手にせずに鼻で笑った。わたしのような庶民を笑うようなヒメの発言に、私は思わず彼女を軽くにらんだ。
今の時代、漆黒の髪はとある強力な一族であることを意味している。生まれた時から大金持ちの特権階級に生まれ落ちたことを意味している。ヒメの姿を一目見ただけでわたしたち一般庶民の魔女や魔法使いや忍びは、「ああ、大金持ちの貴和豪一族のお嬢様なんでございますね」とわかる。私とは大違いだ。
少し浮かれて豪華な馬車に乗ったわたしとジョンは街並みを楽しく眺めながら、ヒッピー姫と一緒におしゃべりをした。
ヒメが神経質そうに時々窓の外を確認する様子が気になったが、わたしは同級生との再会の方に意識を持っていかれ、持てる者と持たざる者の富の差を忘れそうになっていた。
「ね、沙織。」
「なーに、ヒメ。」
「ごめんね。」
「何が?」
「騙してごめんやち。」
「はっ?何がごめんやちなの?」
「こうなること、ごめん!」
走っている馬車の後ろの扉か4人の男たちが飛び出してきた。
「うわっ!」
「何するのっ!」
飛び出してきた4人の男たちに、わたしとジョンはいきなり頭から黒い布袋をかぶせられた。
金持ちの馬車には仕掛け扉がある。そう聞いたのは、ヒメからだっけ。わたしの記憶が魔法寺小屋学校の特選クラスで隣に座っていたヒメの横顔を思い出させた。そうだ、ヒメから聞いたのだった。
――しまった
――騙された
袋をかぶせられながら腕も後ろに縛られ、足も縛られた。
わたしとジョンはひとしきり暴れた。
しかし、むなしい抵抗だった。相手の男たちに蹴りを入れようとしたが、足を縛られてしまってどうにもならなかった。
「ちょっと!」
「腹減っているところごめん。うちもやらなきゃならんことはやらなきゃならんのさ。」
叫ぶわたしに、ヒメはきつい声で言った。普段のヒメの声とまるで違う。わたしは背筋が寒くなった。
目をふさぐと、私の承継門前がうまく使えない。知っていて、貴和豪一門は敢えて黒い袋を頭からかぶせたのだ。計算づくでやっているな。
わたしは後ろに縛られた手を何とかほどこうと歯を食いしばった。無駄なことだった。
王子に命を狙われていると言われたのに、私は油断していたのだ。
「ない。キスすらない。」
「そういう相手は欲しくないの?」
「お付き合いしたくないわけではなくて、今までそういう相手に出会えなかったから。」
わたしとジョンは城の門を出てきたところだ。
「魔法寺小屋学校は国家教育機関だから無償でしょ。無償じゃなかったら、給食費すら払えなかったわ。生きていくだけで精一杯だったから、お付き合いなんて考えられなかった。」
「そっか。さっき、王子に『沙織』って呼ばれたでしょう?どうだった?」
「どうって。そりゃ、ジョンに呼ばれるのとは違ったわ。王子に呼ばれると身体が震えた。」
そうなのだ。王子に名前を呼ばれたら身体が震えた。それは多分危険なことなのだ。
ジョンは表現するなら同志かもしれない。恋をする対象にお互いをとらえていないから。ジョンに名前を呼ばれても平気なのに、王子は違った。
借金のかたがわりしてもらってお妃候補になることを一瞬でも考えなかったと言えば、嘘。そういう楽な生き方もある。
でも、王子は爽やかで若くて、そんな理由でお妃を選んで良い立場にないと思った。わたしも親が作った借金をきっかけに、わたしのことを好きでもない人と一緒になると嘘の婚約をして自分を傷つけるのは良くない。
立派な城を振り返って、本当にわたしには縁がない場所だと首を振った。
――これ以上はお近づきになってはならない。
お昼をまだ食べていない。お腹がひどくすいてしまって力が入らなかった。
「ね、喫茶にでも行く?」
「今日は家から持ってきたにぎりがあるから。」
ジョンがさっさと歩き出したわたしを後ろから追いかけてきて聞いた。そんなお金に余裕はないので、わたしは小さな声で断った。
――奉行所に戻って、用事が早く終わったと説明して、奉行所のただコーヒーを飲みながら家から今朝持ってきたパンとおにぎりを食べよう。そうすれば昼ご飯に余計なお金を使う必要はない。
「そっか。」
ジョンはそれだけつぶやくと、一緒に並んで歩きはじめた。
城門を抜けると、丘をくだる道なりから、遠くに青い海が見えた。天気は晴れていて、キラキラと辺りに照りつける陽光がまぶしい。城は小高い丘の上にあるのだ。眺望は綺麗だった。
ここは、令和だと二子玉川あたりだ。不思議な気持ちでわたしは街並みを眺めた。
――五重の塔あたりは令和ではどこだろう?
ここ数年は海に行っていなかった。どうしても行きたいわけではないけれど、仕事をサボりたくなる人の気持ちが今日はなんとなく分かった。
丘をくだり切ったところに、レエリナサウラの引く車が停まっていた。ふかふかの毛皮でつつまれているレエリナサウラが引く車は超お高い。そんじょそこらの家を20軒合わせたよりも高い値段だ。庶民の魔法使いからすると、そういった馬車の持ち主は大金持ちということになる。
――あ、ヒメがいる
私はため息をついた。
レエリナサウラの引く馬車の前に腕組みして仁王立ちしている美人がいた。それを見て、わたしの気持ちはズンとさらに重くなった。綺麗な振袖を着ているが、おでこにバンダナをまいていて髪の毛はザンバラだ。首から上がヒッピースタイルで首から下がお姫様スタイルの彼女は、有名な貴和豪一門の家長の娘のヒメだ。
「今日もお綺麗ね。ごきげんよう。」
私はそれだけ笑顔でさりげなく会釈をして足早に通りすぎようとした。
「これ、待ていっ!」
ヒッピー姫は大声を出してわたしに呼びかけた。
ふふっと思わずジョンが笑った。
「そこ、何を笑ってる?何かおかしいのかしら?」
ヒッピー姫はジョンに突っかかった。そのすきにわたしはおさらばしようと、小走りに走り去ろうとした。
「待てってば!」
わたしはヒメに飛びかかられて首根っこをつかまれた。
――信じられない。
「痛いってば。」
わたしはいきなり飛びかかられたので転びかけた。まあ、私も魔女忍なので転ぶ寸前で体勢を立て直したけれど。
「なに?今日も綺麗な金茶色の振袖を着ているのに、そんな乱暴狼藉を立ち回っていたら、あなたの自慢の美しい振袖が泣くわよ。」
わたしはヒッピー姫を振り返って言った。
「顔貸して。」
ヒッピー姫はそれだけ言うと、わたしに微笑んだ。こわい。綺麗な顔で微笑まれると、少し怖い。
「いや。顔は貸さない。ほんじゃね。」
わたしはそう言って、「じゃあ」と手をあげてさっさと通り過ぎようとした。
「なんか食べにいく?美味しいもの。おなか減ってない?」
小走りに走り去ろうと目論むわたしに、ヒッピー姫の声が後ろから追いかけてきた。不覚にも、お気楽な物言いで思わずわたしも笑ってしまった。懐かしい物言いだ。
「減ったあ。減っているの!王子のせいでお昼を食べそこねたのよね。」
わたしは思わず本音を言った。
私はこのヒッピー姫に弱い。大金持ちの娘なのに、気さくなところがあってわたしにとっては話しやすかった。魔法寺小屋学校時代にわたしは特殊な忍術と魔術が使えるということで、特選クラスに入れられていた。そこでヒメと一緒のクラスになり、2年間一緒に学んだことがある仲だった。かつての同級生だ。
「じゃあ、乗ってよ。」
ヒッピー姫はニンマリ笑って、レエリナサウラが引く馬車の扉をさっと開けた。
「しっかたないなあ。あのにぎり飯は後で食べようかな。ジョンも行く?」
「行く!」
「よしよし。さあさ、我が一門の富の証である、レエちゃんがひく馬車にのりたまえ。」
ヒッピー姫はご機嫌そうに鼻歌まで歌いながら、私とジョンを馬車に乗せてくれた。私はお腹が空いたという現状に負けた。ついでにジョンも誘ったら、ジョンもニッコリ笑って乗り込んできた。
ふんふんふーん。
なんのメロディか分からないけれど、ヒッピー姫はゴキゲンなご様子だ。
「あんたさあ、あのね。レエちゃんとかまじ気持ち悪いよ。そこ略さない方がいい。」
「そお?」
「色白で目が切長で美人。その漆黒の髪を華麗に結いあげたらあんた本当のお姫様なのにちょっともったいないよ。」
「私の自由。あんたの恋紅色の髪とかジョンの唐茶色の髪の方が、私は好きよ。目立たないもん。」
「こら、今のはちょっとディスり入ってるよね。」
ヒメは私の助言を相手にせずに鼻で笑った。わたしのような庶民を笑うようなヒメの発言に、私は思わず彼女を軽くにらんだ。
今の時代、漆黒の髪はとある強力な一族であることを意味している。生まれた時から大金持ちの特権階級に生まれ落ちたことを意味している。ヒメの姿を一目見ただけでわたしたち一般庶民の魔女や魔法使いや忍びは、「ああ、大金持ちの貴和豪一族のお嬢様なんでございますね」とわかる。私とは大違いだ。
少し浮かれて豪華な馬車に乗ったわたしとジョンは街並みを楽しく眺めながら、ヒッピー姫と一緒におしゃべりをした。
ヒメが神経質そうに時々窓の外を確認する様子が気になったが、わたしは同級生との再会の方に意識を持っていかれ、持てる者と持たざる者の富の差を忘れそうになっていた。
「ね、沙織。」
「なーに、ヒメ。」
「ごめんね。」
「何が?」
「騙してごめんやち。」
「はっ?何がごめんやちなの?」
「こうなること、ごめん!」
走っている馬車の後ろの扉か4人の男たちが飛び出してきた。
「うわっ!」
「何するのっ!」
飛び出してきた4人の男たちに、わたしとジョンはいきなり頭から黒い布袋をかぶせられた。
金持ちの馬車には仕掛け扉がある。そう聞いたのは、ヒメからだっけ。わたしの記憶が魔法寺小屋学校の特選クラスで隣に座っていたヒメの横顔を思い出させた。そうだ、ヒメから聞いたのだった。
――しまった
――騙された
袋をかぶせられながら腕も後ろに縛られ、足も縛られた。
わたしとジョンはひとしきり暴れた。
しかし、むなしい抵抗だった。相手の男たちに蹴りを入れようとしたが、足を縛られてしまってどうにもならなかった。
「ちょっと!」
「腹減っているところごめん。うちもやらなきゃならんことはやらなきゃならんのさ。」
叫ぶわたしに、ヒメはきつい声で言った。普段のヒメの声とまるで違う。わたしは背筋が寒くなった。
目をふさぐと、私の承継門前がうまく使えない。知っていて、貴和豪一門は敢えて黒い袋を頭からかぶせたのだ。計算づくでやっているな。
わたしは後ろに縛られた手を何とかほどこうと歯を食いしばった。無駄なことだった。
王子に命を狙われていると言われたのに、私は油断していたのだ。
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