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初夜の始まり(1)※

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 王太子閣下を待つ私は念入りに隅々まで体を洗い、簡単に脱げる美しいネグリジェを着て寝室で待った。花嫁衣装を仕立てた時にレースを使ったネグリジェを何枚も用意したのだ。

「王太子妃さま、今日は一段とお美しいです」

 マリアはため息をついて、惚れ惚れと私を眺めて私を褒めそやした。確かに鏡の向こうの私は頬が自然に蒸気していて、自分でもいつもより妖艶だと思えた。

「マリア、照れてしまうからよして」
「では、何かござましたら呼び鈴でお呼びください。存分にお楽しみあそばせ」

 マリアはちゃめっけたっぷりに微笑むと、寝室を出て行った。

 何せ、王家に取って輿入れの第一目的はお子。私と王太子閣下が交わることが第一目的だ。子ができるまではノンストップで毎晩子作りに励むことを推奨される。

 それはつまり……

 私はぎゅっとレースの縁取りを握りしめた。毎晩毎夜、王太子閣下に私は抱かれ続けるということだ。第一義務がこんなに快楽を伴うことであるのは、王家ぐらいしかない。国民の総意で交わることを求められる。

 私は一人で赤面した。大好きな恋焦がれる人に抱いてもらえる。それは女性ならば誰しもが夢見ること。

 マリアが部屋を出てすぐに、王太子閣下が寝室に入ってきた。

「キャロル」
「はい」

 王太子閣下は私を抱き寄せて私の唇を貪った。荒ぶる息に私が胸で息をすると、私の胸元に顔を埋めた。

 あぁっ……ん

 そして、ネグリジェの胸元のボタンを一つ一つ外していった。その間、私の心臓はときめきと期待と恥ずかしさで、どうにかなってしまいそうなぐらいの高鳴りだった。レースをふんだんに使ったネグリジェはするりと脱がせられ、私の足元に落とされた。

 王太子閣下は私の裸を熱に浮かされたかのような瞳で見つめた。

 そして、身一つになった私を横抱きに軽々と抱き上げ、王太子閣下はベッドにそっと下ろした。

「本当にあなたは美しい。そして見惚れてしまうほど…あなたを見れば見るほど抱きたくなる」

 王太子閣下の手が私の胸を優しく包み、揉んだ。胸の先を王太子閣下が口に含んだ瞬間、私の体はピクンと跳ね上がった。
 
 あぁんっ

 甘い息を吐く。舌でなめあげられ、私は喘いだ。体が疼いて腰が勝手にくねる。

 あんっ……あぁっ…ん

「王太子閣下……」
「違うでしょ。エドでしょ……ちゃんと呼ばないとお仕置きしますよ」

 そのまま王太子閣下は私の太ももを撫で上げて、私は思わず嬌声をあげた。太ももの付け根をさらっと手がかすめ、お腹に温かな唇が押し付けられて私は息も絶え絶えなほどの快感に耐えた。胸は揉まれ続け、私は愛撫に身悶えし、甘い息を吐いた。

 やっ……あぁっ…ん

「エド……」
「それでいい」

 私と王太子閣下の熱い熱いめくるめくような長い夜が始まった。私の首筋に舌をはわせ、右手で胸を揉み、太ももの付け根にそっと手が当てられ、私は思わず叫んだ。

 あぁん…ダメ…そこはだめっ…あぁ

「キャロルはもう、濡れてるから」
 だめえぇぇっ…あんっ
 
 王太子閣下はふっと笑い、赤めた頬にいたずらっぽい笑みを浮かべ、何もかも脱ぎ去って逞しく鍛え上げられた裸身を私の前にさらした。

 いやんっ…格好よすぎでございますわ…王太子閣下…

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