34 / 171
花嫁衣装と誕生日(2)
しおりを挟む
「これ、お客様がいらしているんですよ!」
「それが、その……王太子閣下がお見えです」
「ええっ!」
「お通しいたします」
「まあっ!」
「キャロライン、勝手に押しかけてすまない、うわっ!おおっ!」
私は試着したばかりの花嫁衣装のドレス姿で、他のデザインを選んでいた。王太子閣下は私の姿を見るなり、顔を真っ赤にして絶句した。
「言葉にならないときめきが…………ちょっと胸がいっぱいで。あなたが私の妻になってくれるなんて信じられない」
王太子閣下はそうささやいて、数歩さらに歩み寄ってきた。
母とデザイナーのエミリーとマリアと店の者は、すぐさま互いに目配せをして部屋から静かに退出した。
部屋の中には試着した花嫁衣装を着た私と王太子閣下だけになった。
「キャロライン、とても美しいです」
「あの、その………………王太子閣下はまだ見てはいけないと思うのですが」
「おお、そうか!そうであった!」
王太子閣下はしどろもどろになり、慌てた様子でくるりと私に背を向けた。
「実は、その…………キャロライン、あなたの誕生日を祝おうと思ってあなたの実家に行ったら、あなたはドレスの仕立て屋に行っているとお義父様に聞きまして。突然で驚かせてしまうとは思ったのですが、急いでやってきたんです」
「私の誕生日?王太子閣下はご存じだったのですか」
「もちろん、あなたは私の初恋の人なのでもちろん知っていますよ」
「まあ、ありがとうございます」
「明日は私たちは国王と王妃に二人で挨拶をしなければなりません」
「ええ、そうでございます」
「そのあとはお妃教育があなたを待っている。三ヶ月の間に色々詰め込まれてしまっているので…………それは私があなたと挙式をあげるのが待ちきれないせいです」
「それが、その……王太子閣下がお見えです」
「ええっ!」
「お通しいたします」
「まあっ!」
「キャロライン、勝手に押しかけてすまない、うわっ!おおっ!」
私は試着したばかりの花嫁衣装のドレス姿で、他のデザインを選んでいた。王太子閣下は私の姿を見るなり、顔を真っ赤にして絶句した。
「言葉にならないときめきが…………ちょっと胸がいっぱいで。あなたが私の妻になってくれるなんて信じられない」
王太子閣下はそうささやいて、数歩さらに歩み寄ってきた。
母とデザイナーのエミリーとマリアと店の者は、すぐさま互いに目配せをして部屋から静かに退出した。
部屋の中には試着した花嫁衣装を着た私と王太子閣下だけになった。
「キャロライン、とても美しいです」
「あの、その………………王太子閣下はまだ見てはいけないと思うのですが」
「おお、そうか!そうであった!」
王太子閣下はしどろもどろになり、慌てた様子でくるりと私に背を向けた。
「実は、その…………キャロライン、あなたの誕生日を祝おうと思ってあなたの実家に行ったら、あなたはドレスの仕立て屋に行っているとお義父様に聞きまして。突然で驚かせてしまうとは思ったのですが、急いでやってきたんです」
「私の誕生日?王太子閣下はご存じだったのですか」
「もちろん、あなたは私の初恋の人なのでもちろん知っていますよ」
「まあ、ありがとうございます」
「明日は私たちは国王と王妃に二人で挨拶をしなければなりません」
「ええ、そうでございます」
「そのあとはお妃教育があなたを待っている。三ヶ月の間に色々詰め込まれてしまっているので…………それは私があなたと挙式をあげるのが待ちきれないせいです」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
912
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる