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第二章 恋
二日目 フランSide
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恋は人を変える。
公爵令嬢である私は婚約者となったミカエルに恋焦がれていたと思っていたが、違うのかもしれない。馬番のジョージは煌めく瞳で私を見つめたかと思うと、不意に屈託のない笑顔で私を優しく見つめる。私は、彼の瞳や笑顔にどうしようもなくドキドキが止まらなかった。気持ちが高揚して、私はヘンリード校で彼が常に一緒の部屋にいることに笑みが溢れてしまう状態だった。フォーチェスター城では何もかもが美しく見えた。
貧しい家の出身のエヴァとは真実の友になれそうだった。彼女の手はアカギレができてどうしようもない状態だったらしく、ヘンリード校で寝食を提供されて水仕事をせずに済む状態になってとても喜んでいた。
「まさか、あなたヘンリード校が給金を支払う学校だと知らないわけではないでしょう?」
そうエヴァに言われた時は、私は驚きのあまり無言だった。
「給金は毎週末に支払われるの。私は家に仕送りをするのよ」
私は心底驚いて嬉しかった。母に自慢したかった。弟のフランとルドルフに自慢したかった。公爵令嬢の私が給金をもらえるのだ。羊や馬で支払われるのではなく銅貨や銀貨で支払われるのだ。
エヴァはの夢は「メイド・オブ・オナー」という女王の女官制度を利用して、女王陛下に仕えることだった。花形の仕事だが、貴族の娘が婚姻に有利になるからとこぞって志願するものだ。私は興味がまるでなかったけれども。エヴァはヘンリード校で学んだあと、女王陛下に仕えたいと考えていた。
「あなたもそうしましょうよ、リサ。あなたなら女王陛下付きの女官になれば、美人だからすぐに良い縁談が舞い込むわよ」
エヴァは熱心に私を誘ってくれた。
「良い縁談には興味がないの。実は私は馬番に惹かれているのよ」
私はエヴァに正直に打ち明けた。
「昨日会ったばかりだけれど、夜に星空を見に行こうと誘われていたもんね!」
エヴァはニコニコして私に笑いかけた。私は真っ赤になってうつむいた。そうなのだ。私はジョージが私に笑いかけるたびに、私の気持ちは報われるのではないかと期待してしまっている自分がいた。
今から思えばミカエルの振る舞いは盗みを働くために、計算し尽くされた振る舞いだったのかもしれない。ジョージの気まぐれにも思える振る舞いは、私には新鮮だった。
馬番だけれども最高の星空を見える場所を教えてくれた。私はそれだけで、恋に落ちそうだった。もう、すでに恋に落ちたのかもしれない。
ヘンリード校では私の薬草学の奇跡のおかげで、私には強烈な特殊能力があると思われたようで、追い出される心配は無さそうだった。もう一度同じ薬を作れと言われたら、作れない自信があったけれども。
リサは大丈夫だろうか。私はこの時、ミカエルにリサが大切な体を許しているとは思いもしなかった。リサがミカエルに恋に落ちるとも思っていなかった。ひたすらリサが公爵邸に馴染むことができるかどうかだけを心配していた。
二日目の浮遊術の後は、自分が飛べるかの確認のクラスがあった。それは誰もできなかった。ただ、馬番のジョージはハシゴで登ったフォーチェスター城の庭の東屋の屋根からふわっと降りることができた。落下に空気抵抗を持たせる技だそうだ。
「二人一組になって」
メアリー・ウィンスレッドにそう言われて、ジョージに誘われた私は馬に乗ってに出かけた。春の暖かな日差しの中、門から城まで続くロングウォークを、メアリー・ウィンスレッドが見守る中一頭の馬に二人で乗って駆けた。
ある程度走ると、ふわりと馬はリンゴの木とライラックの木を飛び越えた。
「嘘でしょうっ!?」
皆が歓声を上げるなか、馬番ジョージの馬は私と彼を乗せて空気中を駆けて、水仙が咲き乱れる草むらに軽やかに降りて走り続けた。
「馬なら飛べるんだよ」
さすがジョージは馬番だった。彼はくしゃくしゃの前髪の間から煌めく瞳を嬉しそうに細めて私にささやいた。私は思わず彼に抱きついた。
「おっとっ!」
彼は驚いていたが満更でも無さそうな表情をしていた。
「はい、ジョージお見事です。次は透視術と遠聴のクラスです」
メアリー・ウィンスレッドは一人一人の透視術を確認して行った。壁の向こうの人が見える生徒が4人いた。さらに、遠くの衛兵が何をしているかを答えさせるテストもあった。この4人は全て正解を答えた。
「服の中は見えない」
4人ともそう答えていたが、実際どうだか分からないものだ。遠くの音が聞こえる者もは2人いた。遠く離れた部屋でバロン教授が話す言葉を聞き取ることができるかどうかの確認だった。
もちろん、私は透視も遠聴の能力のどちらもまるでなかった。
ここでお昼時間の時間になり、食堂で皆で楽しく食事をいただいた。
午後は海図と座標の勉強だった。艦隊の隊列と意味も学んだ。明日の予定にはヘンリード校はスルエラや諸外国の言葉の授業もあった。貿易商人でもさせるつもりだろうか。祖父のフォードが海賊まがいのことをしていたのは私も知っている。祖父の代よりずっと前からロベールベルク家は特殊能力を有する家系だ。私にはその片鱗は皆無だったけれども。昨日の薬草学で作り出した薬はおそらく偶然のものだと思う。母の真似をしてみたら、何か別のものが偶然できたのだと思っていた。
今まで私がワガママなのは祖父譲りだと陰口を叩かれた。海賊まがいのことをして領地拡大した祖父もワガママだったらしい。ロベールベルクが守らなければならないと小さな頃から教えられていたのは森だ。森の番人だと父はよく言っていた。その意味は教えてもらっていない。母は父と結婚したが、父と結婚したことで特殊な薬草が簡単に手に入るようになって助かったと私に教えてくれたことがある。
私の先祖に海賊まがいのことをしていた貿易商人がいたのは事実だ。だから、ヘンリード校の授業内容には海の航海を彷彿させる授業があるのは間違いないと思っていた。
女王陛下は私たちに何をさせようとしているのだろう。いずれにせよ、何かとんでもなく特殊なことであることには間違いなさそうだ。
授業が終わって、今日は湯の準備ができていると言われて、私たちは浮き足だった。昨日はなかったのだから。私は順番が来るまでエヴァとジョージと一緒にフォーチェスター城内を散策した。
馬番であるジョージは、フォーチェスター城にとても詳しかった。
公爵令嬢である私は婚約者となったミカエルに恋焦がれていたと思っていたが、違うのかもしれない。馬番のジョージは煌めく瞳で私を見つめたかと思うと、不意に屈託のない笑顔で私を優しく見つめる。私は、彼の瞳や笑顔にどうしようもなくドキドキが止まらなかった。気持ちが高揚して、私はヘンリード校で彼が常に一緒の部屋にいることに笑みが溢れてしまう状態だった。フォーチェスター城では何もかもが美しく見えた。
貧しい家の出身のエヴァとは真実の友になれそうだった。彼女の手はアカギレができてどうしようもない状態だったらしく、ヘンリード校で寝食を提供されて水仕事をせずに済む状態になってとても喜んでいた。
「まさか、あなたヘンリード校が給金を支払う学校だと知らないわけではないでしょう?」
そうエヴァに言われた時は、私は驚きのあまり無言だった。
「給金は毎週末に支払われるの。私は家に仕送りをするのよ」
私は心底驚いて嬉しかった。母に自慢したかった。弟のフランとルドルフに自慢したかった。公爵令嬢の私が給金をもらえるのだ。羊や馬で支払われるのではなく銅貨や銀貨で支払われるのだ。
エヴァはの夢は「メイド・オブ・オナー」という女王の女官制度を利用して、女王陛下に仕えることだった。花形の仕事だが、貴族の娘が婚姻に有利になるからとこぞって志願するものだ。私は興味がまるでなかったけれども。エヴァはヘンリード校で学んだあと、女王陛下に仕えたいと考えていた。
「あなたもそうしましょうよ、リサ。あなたなら女王陛下付きの女官になれば、美人だからすぐに良い縁談が舞い込むわよ」
エヴァは熱心に私を誘ってくれた。
「良い縁談には興味がないの。実は私は馬番に惹かれているのよ」
私はエヴァに正直に打ち明けた。
「昨日会ったばかりだけれど、夜に星空を見に行こうと誘われていたもんね!」
エヴァはニコニコして私に笑いかけた。私は真っ赤になってうつむいた。そうなのだ。私はジョージが私に笑いかけるたびに、私の気持ちは報われるのではないかと期待してしまっている自分がいた。
今から思えばミカエルの振る舞いは盗みを働くために、計算し尽くされた振る舞いだったのかもしれない。ジョージの気まぐれにも思える振る舞いは、私には新鮮だった。
馬番だけれども最高の星空を見える場所を教えてくれた。私はそれだけで、恋に落ちそうだった。もう、すでに恋に落ちたのかもしれない。
ヘンリード校では私の薬草学の奇跡のおかげで、私には強烈な特殊能力があると思われたようで、追い出される心配は無さそうだった。もう一度同じ薬を作れと言われたら、作れない自信があったけれども。
リサは大丈夫だろうか。私はこの時、ミカエルにリサが大切な体を許しているとは思いもしなかった。リサがミカエルに恋に落ちるとも思っていなかった。ひたすらリサが公爵邸に馴染むことができるかどうかだけを心配していた。
二日目の浮遊術の後は、自分が飛べるかの確認のクラスがあった。それは誰もできなかった。ただ、馬番のジョージはハシゴで登ったフォーチェスター城の庭の東屋の屋根からふわっと降りることができた。落下に空気抵抗を持たせる技だそうだ。
「二人一組になって」
メアリー・ウィンスレッドにそう言われて、ジョージに誘われた私は馬に乗ってに出かけた。春の暖かな日差しの中、門から城まで続くロングウォークを、メアリー・ウィンスレッドが見守る中一頭の馬に二人で乗って駆けた。
ある程度走ると、ふわりと馬はリンゴの木とライラックの木を飛び越えた。
「嘘でしょうっ!?」
皆が歓声を上げるなか、馬番ジョージの馬は私と彼を乗せて空気中を駆けて、水仙が咲き乱れる草むらに軽やかに降りて走り続けた。
「馬なら飛べるんだよ」
さすがジョージは馬番だった。彼はくしゃくしゃの前髪の間から煌めく瞳を嬉しそうに細めて私にささやいた。私は思わず彼に抱きついた。
「おっとっ!」
彼は驚いていたが満更でも無さそうな表情をしていた。
「はい、ジョージお見事です。次は透視術と遠聴のクラスです」
メアリー・ウィンスレッドは一人一人の透視術を確認して行った。壁の向こうの人が見える生徒が4人いた。さらに、遠くの衛兵が何をしているかを答えさせるテストもあった。この4人は全て正解を答えた。
「服の中は見えない」
4人ともそう答えていたが、実際どうだか分からないものだ。遠くの音が聞こえる者もは2人いた。遠く離れた部屋でバロン教授が話す言葉を聞き取ることができるかどうかの確認だった。
もちろん、私は透視も遠聴の能力のどちらもまるでなかった。
ここでお昼時間の時間になり、食堂で皆で楽しく食事をいただいた。
午後は海図と座標の勉強だった。艦隊の隊列と意味も学んだ。明日の予定にはヘンリード校はスルエラや諸外国の言葉の授業もあった。貿易商人でもさせるつもりだろうか。祖父のフォードが海賊まがいのことをしていたのは私も知っている。祖父の代よりずっと前からロベールベルク家は特殊能力を有する家系だ。私にはその片鱗は皆無だったけれども。昨日の薬草学で作り出した薬はおそらく偶然のものだと思う。母の真似をしてみたら、何か別のものが偶然できたのだと思っていた。
今まで私がワガママなのは祖父譲りだと陰口を叩かれた。海賊まがいのことをして領地拡大した祖父もワガママだったらしい。ロベールベルクが守らなければならないと小さな頃から教えられていたのは森だ。森の番人だと父はよく言っていた。その意味は教えてもらっていない。母は父と結婚したが、父と結婚したことで特殊な薬草が簡単に手に入るようになって助かったと私に教えてくれたことがある。
私の先祖に海賊まがいのことをしていた貿易商人がいたのは事実だ。だから、ヘンリード校の授業内容には海の航海を彷彿させる授業があるのは間違いないと思っていた。
女王陛下は私たちに何をさせようとしているのだろう。いずれにせよ、何かとんでもなく特殊なことであることには間違いなさそうだ。
授業が終わって、今日は湯の準備ができていると言われて、私たちは浮き足だった。昨日はなかったのだから。私は順番が来るまでエヴァとジョージと一緒にフォーチェスター城内を散策した。
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