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第二章 恋
公爵家の家族と初対面 リサSide
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公爵邸に着くと二人の侍女がやってきた。私は少し気分が優れないと伝えた。いつもと違うフランだと、印象付けて別人だと気づかれないようにしたのだ。フランの部屋へは侍女二人と歩いているうちに、彼女たちが自然と誘導するのに任せているうちに辿り着いた。信じられないほど贅沢な部屋だった。ふわふわの天蓋付きベッド、薔薇の花が飾られたテーブル、我が国のモノではない最高級品質の絨毯、何もかもが見惚れてしまうものだった。
海を超えて届いたモノと、自国の最高級品質のモノで品よく整えられた部屋だ。
「まあ、お嬢様、そちらの服はいかがなされましたか?」
「見たこともない……その……質素な服のようですが……」
天国のような部屋で、私は『お嬢様』『お嬢様』とかしづかれた。悪い気はまったくしなかった。最高の気分だ。
「困っている貧しい娘さんとドレスを交換したの。この服は捨ててしまってちょうだい。お湯に入りたいのだけれど、良いかしら」
「お嬢様、すぐにご用意しますわっ。とてもお疲れのご様子ですわね。支度を急ぎますわ」
「いつもの衣装をご用意しますから、お待ちくださいませ」
侍女二人は私をフランだと信じて疑わなかった。
ワガママし放題の悪い評判しか聞こえてこなかったフランだが、昨日の様子といい、執事にも侍女二人にも慕われているようだ。御者も私にとても親切だった。これは最高だ。
フランは公爵邸の中では仕えてくれる者には非常に優しい人なのだろう。覚えておこうと思った。普段の心遣いからくる振る舞いに差が出てはならないから。
天蓋付きのベッドからは窓の外が見えて、夕暮れに赤く染まる空と幾何学模様にきちんと手入れをされた美しい庭園が見えた。ピンクや赤や黄色のバラが咲き誇っているのが見える。心が洗われるような眺めだった。
しばらくするとお湯の支度ができたと侍女に言われて私は浴室に案内された。胸がフランより良く発達しているはずなので、私はすぐに湯に浸かってさりげなく手で胸を覆った。
「髪の毛を洗いますね」
侍女がささやいて、私は夢こごこちで髪を洗ってもらった。体を洗うのは自分でやると伝えて、侍女にはしばらく一人にして欲しいと伝えた。
私はぼうっとしながら、フランの姿を思い出した。彼女の髪の色は輝くようなブロンドで、私もだ。エメラルドの宝石のような瞳、赤いふっくらと色づいた唇、強い意志を表すはっきりとした眉。色白で細いウェスト。
ただ、二つだけ違いがある。私はフランより二つ年上だが、見た目で大きく違うのは胸のサイズとお尻のサイズだ。私の方がよく成熟していて胸は大きいし、細いウェストの割にお尻も大きい。フランの婚約者のミカエルを誘惑して籠絡するなら、この体を十分に強調する衣装を選ぶことだろう。
ミカエルを騙して彼に悪さをさせないこと。これが私の計画だった。彼の謀略を邪魔するのだ。ただし、徹底的にミカエルを籠絡しないと、私の命も危ないだろう。私はループする前にロベールベルク公爵夫人が命の危険を伴う状態にあったことを知っている。
それについては実に苦々しく思っていた。
さて、重要なことが待っている。夕食の席で会うであろう公爵夫人に私がフランではないことがバレないようにできるか、まだ会っていない弟二人にフランでないことがバレないようにできるか。
2週間も時を戻して体力を使い果たして、少し気分が悪いという事実を利用して、気分が悪いことを全面に押し出すべきか。いつもと違うフランであることをそれで誤魔化すのだ。私はそうしようと決めた。
昨日会ったフランは、婚約者に結婚前に体を許すようなタイプに見えなかった。彼女はワガママと言われるのかもしれないが、純情で純粋なところがありそうだ。
しかし、私の知っている限り、婚約者ミカエルは下世話で男の本能に忠実に振るまうタイプだ。フランに隠して黙っていることが沢山あるような男だ。油断も隙もない男だ。
もしも、私がフランだと思わせて大胆にミカエルを誘惑したら、彼はきっと驚いてこちらに靡くような気がしていた。今までのギャップで本気で私に落ちてくれないだろうか。
ただ私は男をまだ知らない。これは一世一代の大仕事だ。父がロベールベルク公爵なのだから、私だって父の財産をペテン師に騙し取られてならないという気持ちだった。
湯から上がると自分で体を拭いて、侍女が用意してくれていた下履きを着てリラックスした部屋着を着た。
「あら、お嬢様っ!」
侍女は私が全部自分で着付けたことを知ると、驚いた声を上げた。
私は「疲れているの。しばらく一人にしておいてくれる?」と囁くように侍女に伝えて、静かにベッドに横になった。ただ、公爵令嬢であるお嬢様は髪が濡れたまま寝ることは許されないようだ。
「髪の毛を乾かしますわ。こちらへどうぞ」
侍女が指し示したのは横になりながら、髪の毛だけ乾かせるようになった寝椅子のようなものだった。
私はゆっくりとそちらに移動して横になって目を瞑った。本当に疲れている。人に髪の毛を触ってもらうのは気持ち良すぎて、すぐに瞼が重くなった。私はそこでしばらく寝入ってしまった。誰かが上から毛布のようなものをかけてくれた。暖かくてありがたかった。
寝入る瞬間「土地の権利書を回収しておかなければ。ミカエルに万が一取られてはならないわ」と思ったが、気を失うように眠ってしまっていた。
「お嬢様。夕食はどうなさりますか」
ささやくような優しい声で侍女に起こされた。目を開けるとしばらく自分がどこにいるのか理解するまで時間がかかった。ゆっくりと目をしばたく。自分がフランとしてロベールベルク公爵邸にいる事に気づいた。
「いただくわ」
食べておかないと、2週間も時を戻した体はなかなか元に戻らないだろう。私はまだ若い。少し横になっただけでだいぶ体が回復したように感じた。
「では、こちらに衣装に着替えましょう」
私は侍女二人に言われるがままに、豪華な衣装に着替えさせられた。
「胸の辺りが少しキツくなりましたね。そろそろ衣装を仕立て直しましょうか、お嬢様」
「まだ、大丈夫よ」
そんな会話をさりげなくしながら、私はフランとして仕立て上げられて夕食の席に侍女と一緒に行った。廊下も何もかも贅沢な造りすぎて、ため息ものだった。
貴族階級の贅沢さは信じがたいものだった。居心地が最高に良かった。
「フラン、具合が悪いと聞いたけれど大丈夫かしら?」
声をかけられて気づいた。ロベールベルク公爵夫人だ。フランとはあまり似ていない。フランの容姿はロベールベルク公爵の祖母に生き写しだと聞いている。
「大丈夫でございます、お母様」
私はゆったりと答えた。昨日のフランの様子を頭の中で再現して、そのイメージ通りに答えた。これほど似た他人もいないので、誰しもが私をフランと間違えるのかもしれない。
ロベールベルク侯爵夫人の魔力と私の魔力は方向性が違うものだ。私は時間操作術で、ロベールベルク公爵家では四代前の先祖が少しだけその力を持っていたと聞く。私の力はそれより強い。ロベールベルク公爵夫人の魔力は主に薬草の知識をベースにしたものだ。つまり、私と公爵夫人の魔力は共鳴しないはずだ。フランには魔力がないという評判だった。私の魔力を悟られてはならないが、今のところ心配なさそうだ。
「そう、よかったわ。夕食を食べたらお部屋ですぐに休むといいわ」
「はい、そうします、お母様」
公爵夫人と私の会話はさりげないもので、私はリラックスして続けられた。
そこにバタバタと弟二人が駆け込んできて、お行儀が悪いと公爵夫人に叱られ、食卓は賑やかになった。誰一人、私がフランではないと気づいていないようだった。私は事前に学んできた食事作法を完璧にやりこなした。
生まれながらにこの公爵邸で育ったかのような錯覚すら起こしたほどだ。
でも、私の使命を忘れてはいない。私は公爵夫人の命を救い、父ロベールベルク公爵の財産を守るためにここにやってきたのだ。
さあ、公爵令嬢フランとしてやるべきことをやろう。
海を超えて届いたモノと、自国の最高級品質のモノで品よく整えられた部屋だ。
「まあ、お嬢様、そちらの服はいかがなされましたか?」
「見たこともない……その……質素な服のようですが……」
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「お嬢様、すぐにご用意しますわっ。とてもお疲れのご様子ですわね。支度を急ぎますわ」
「いつもの衣装をご用意しますから、お待ちくださいませ」
侍女二人は私をフランだと信じて疑わなかった。
ワガママし放題の悪い評判しか聞こえてこなかったフランだが、昨日の様子といい、執事にも侍女二人にも慕われているようだ。御者も私にとても親切だった。これは最高だ。
フランは公爵邸の中では仕えてくれる者には非常に優しい人なのだろう。覚えておこうと思った。普段の心遣いからくる振る舞いに差が出てはならないから。
天蓋付きのベッドからは窓の外が見えて、夕暮れに赤く染まる空と幾何学模様にきちんと手入れをされた美しい庭園が見えた。ピンクや赤や黄色のバラが咲き誇っているのが見える。心が洗われるような眺めだった。
しばらくするとお湯の支度ができたと侍女に言われて私は浴室に案内された。胸がフランより良く発達しているはずなので、私はすぐに湯に浸かってさりげなく手で胸を覆った。
「髪の毛を洗いますね」
侍女がささやいて、私は夢こごこちで髪を洗ってもらった。体を洗うのは自分でやると伝えて、侍女にはしばらく一人にして欲しいと伝えた。
私はぼうっとしながら、フランの姿を思い出した。彼女の髪の色は輝くようなブロンドで、私もだ。エメラルドの宝石のような瞳、赤いふっくらと色づいた唇、強い意志を表すはっきりとした眉。色白で細いウェスト。
ただ、二つだけ違いがある。私はフランより二つ年上だが、見た目で大きく違うのは胸のサイズとお尻のサイズだ。私の方がよく成熟していて胸は大きいし、細いウェストの割にお尻も大きい。フランの婚約者のミカエルを誘惑して籠絡するなら、この体を十分に強調する衣装を選ぶことだろう。
ミカエルを騙して彼に悪さをさせないこと。これが私の計画だった。彼の謀略を邪魔するのだ。ただし、徹底的にミカエルを籠絡しないと、私の命も危ないだろう。私はループする前にロベールベルク公爵夫人が命の危険を伴う状態にあったことを知っている。
それについては実に苦々しく思っていた。
さて、重要なことが待っている。夕食の席で会うであろう公爵夫人に私がフランではないことがバレないようにできるか、まだ会っていない弟二人にフランでないことがバレないようにできるか。
2週間も時を戻して体力を使い果たして、少し気分が悪いという事実を利用して、気分が悪いことを全面に押し出すべきか。いつもと違うフランであることをそれで誤魔化すのだ。私はそうしようと決めた。
昨日会ったフランは、婚約者に結婚前に体を許すようなタイプに見えなかった。彼女はワガママと言われるのかもしれないが、純情で純粋なところがありそうだ。
しかし、私の知っている限り、婚約者ミカエルは下世話で男の本能に忠実に振るまうタイプだ。フランに隠して黙っていることが沢山あるような男だ。油断も隙もない男だ。
もしも、私がフランだと思わせて大胆にミカエルを誘惑したら、彼はきっと驚いてこちらに靡くような気がしていた。今までのギャップで本気で私に落ちてくれないだろうか。
ただ私は男をまだ知らない。これは一世一代の大仕事だ。父がロベールベルク公爵なのだから、私だって父の財産をペテン師に騙し取られてならないという気持ちだった。
湯から上がると自分で体を拭いて、侍女が用意してくれていた下履きを着てリラックスした部屋着を着た。
「あら、お嬢様っ!」
侍女は私が全部自分で着付けたことを知ると、驚いた声を上げた。
私は「疲れているの。しばらく一人にしておいてくれる?」と囁くように侍女に伝えて、静かにベッドに横になった。ただ、公爵令嬢であるお嬢様は髪が濡れたまま寝ることは許されないようだ。
「髪の毛を乾かしますわ。こちらへどうぞ」
侍女が指し示したのは横になりながら、髪の毛だけ乾かせるようになった寝椅子のようなものだった。
私はゆっくりとそちらに移動して横になって目を瞑った。本当に疲れている。人に髪の毛を触ってもらうのは気持ち良すぎて、すぐに瞼が重くなった。私はそこでしばらく寝入ってしまった。誰かが上から毛布のようなものをかけてくれた。暖かくてありがたかった。
寝入る瞬間「土地の権利書を回収しておかなければ。ミカエルに万が一取られてはならないわ」と思ったが、気を失うように眠ってしまっていた。
「お嬢様。夕食はどうなさりますか」
ささやくような優しい声で侍女に起こされた。目を開けるとしばらく自分がどこにいるのか理解するまで時間がかかった。ゆっくりと目をしばたく。自分がフランとしてロベールベルク公爵邸にいる事に気づいた。
「いただくわ」
食べておかないと、2週間も時を戻した体はなかなか元に戻らないだろう。私はまだ若い。少し横になっただけでだいぶ体が回復したように感じた。
「では、こちらに衣装に着替えましょう」
私は侍女二人に言われるがままに、豪華な衣装に着替えさせられた。
「胸の辺りが少しキツくなりましたね。そろそろ衣装を仕立て直しましょうか、お嬢様」
「まだ、大丈夫よ」
そんな会話をさりげなくしながら、私はフランとして仕立て上げられて夕食の席に侍女と一緒に行った。廊下も何もかも贅沢な造りすぎて、ため息ものだった。
貴族階級の贅沢さは信じがたいものだった。居心地が最高に良かった。
「フラン、具合が悪いと聞いたけれど大丈夫かしら?」
声をかけられて気づいた。ロベールベルク公爵夫人だ。フランとはあまり似ていない。フランの容姿はロベールベルク公爵の祖母に生き写しだと聞いている。
「大丈夫でございます、お母様」
私はゆったりと答えた。昨日のフランの様子を頭の中で再現して、そのイメージ通りに答えた。これほど似た他人もいないので、誰しもが私をフランと間違えるのかもしれない。
ロベールベルク侯爵夫人の魔力と私の魔力は方向性が違うものだ。私は時間操作術で、ロベールベルク公爵家では四代前の先祖が少しだけその力を持っていたと聞く。私の力はそれより強い。ロベールベルク公爵夫人の魔力は主に薬草の知識をベースにしたものだ。つまり、私と公爵夫人の魔力は共鳴しないはずだ。フランには魔力がないという評判だった。私の魔力を悟られてはならないが、今のところ心配なさそうだ。
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でも、私の使命を忘れてはいない。私は公爵夫人の命を救い、父ロベールベルク公爵の財産を守るためにここにやってきたのだ。
さあ、公爵令嬢フランとしてやるべきことをやろう。
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