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ミラの初めて ミラの場合 ※

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「ねぇ、あなた入れて……」

 十八歳の私は夫に懇願する。あの素晴らしい初夜からしばらく指だけで私はイカされていた。私が初めてだから痛がるかもしれないからと夫は気遣ってまだ私は夫のそのものを入れてもらったことがなかった。

 私は上気した頬を夫に近づけて、唇を奪った。舌を入れる。さっきから夫は私の体を愛撫し続けていた。私の体はとっくに蜜で溢れ、私は乱れまくって嬌声をあげていた。夫のそれは逞しくそそり立ち、私はそれを入れて欲しくてたまらない。

 夫に私は組み敷かれた。大きく膝を開かされ、夫が私の上におおいかぶさり、私の胸を揉んで胸の先を甘噛みされた。私は快感に喘ぐ。

「行くよ。愛している」

 熱を帯びた瞳で私を見つめる夫はそうささやくと、そっと私の太ももの間に夫のそれを入れてきた。

 あぁっ……ん

 私は初めての感覚にのけぞる。指とは全然違う重厚な何かが私の体に入ってきて、私は息もできないほどの初めての感覚に喘ぐ。

「だいじょうぶ?」

 夫は私の表情を見つめている。

「大丈夫。全然痛くないわ。続けて……んっ」
 
 あぁっんっあっ……んっ

 奥まで入ってきて、私は喘ぐ。何かとてつもなく満たされた感覚だ。足りなかった何かが足されてやっと一つになった感覚で、幸せな何かを私はやっと手に入れたような感じだ。

「気持ちいい……ミラ、すごく気持ちいい。可愛いよ」

 夫の切ないような恍惚の表情を私は下から眺めて、キュンとくる。

 あぁっんっ

 その途端に夫が喘ぐ。夫の美形な顔が艶っぽくなり喘ぎ声を出すと、私の体はますます快感の波に溺れた。

 夫はゆっくりと腰を動かし始め、私は猛烈な迫り来る快感に声が漏れ出て喘ぐ。

 あっ……んっんっあぁっあぁっんっいやっんっあっあぁんっあぁっん

 弾む胸を夫の指が揉みしだき、私はさらにいやいやと首を振り、息つく間もない快感に飲み込まれた。

 夫は私の太ももの間の秘密のところを同時に指でなぞるようにして腰を打ちつけ、私は迫り来る快感に高みに達して小さく叫んだ。体がびくびくと痙攣する中、夫も「うっ……あぁん」とうめき、夫の動きが止まった。

 はぁはぁと荒い息を吐きながら、私たちは口付けを交わした。

「最高に気持ちよかった。ミラ、本当に愛している」


 夫はそうささやいて、私の隣にゆっくりと寝転んで仰向けになった。私は夫の腕にキスをして、夫に抱きついた。お互いの体をふきあう。

 幸せで満ち足りた夫婦の初めての交わりは、こうして成功したのだ。

 私は十八歳で結婚して、最愛の夫に初めて抱かれた。この夜のことを一生忘れないと思う。

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