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リリア助かる
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リリアは一命を取りとめた。私を襲った騎士から私を守って負った傷によって生死の堺を彷徨ったリリアは、二週間もの間寝込んでいたが、目を覚ましてくれたのだ。
私が死なせなかった。龍の魔力を使った。そのための見返りとして私は円深帝の邸宅に泊まり、食事とお部屋の掃除を良夜と共にこなす羽目になったけれども。その見返りは今日から、つまりこれから務めなければならない。
ジョシュアは戴冠式が終わって、国務に追われていた。私は狐の姿の時間帯でも、時々城の来賓用客間の一つに寝かされているリリアの様子を見に行った。ワールドツアーの合間にだ。
「ふふっ。グレースがもしかして狐なの?」
リリアは目覚めた時、窓辺に置かれた机に乗ってリリアをのぞき込んでいた私を見つめて笑った。
「リリア。目が覚めたのね!」
「あなたが死なせてくれないからよ」
リリアは憎まれ口を叩いたが、小さな声で「ありがとう」と言った。
「何言っているの。私があなたに命懸けで救われたんでしょう。私のほうこそ本当にありがとう」
私は狐のまま涙声でリリアに言った。感謝しても感謝しきれないほどの恩がリリアには出来てしまった。私はあの時、襲ってきた騎士を避けられなかった。子供の方に力を注いでいたから。
私は思い切って胸のうちを話し始めた。
「あなたがノア皇太子の愛人のとき、あなたがノア皇太子を殺す現場に私はいたのよ」
私はリリアが知らない事実を話し始めた。
「でも、あの時は私はあなたが夫を殺すのを止められなかったのよ。だから私も同罪なのだと思うの。だって、私はあなたがバリイエルの人間だとあの時は知っていて、あなたがクーデーターを起こそうとしていると勘づいていて、あの朝別荘に行ったのだから。だから、私は何が起きるか予測していたのに、結局あなたを止めなかったことになるの」
リリアは絶句していた。狐の私を「何を言い出すの?」と言いたげな表情で見つめている。
「あなたが夫を殺したとき、私はそれを見ていた。でも、体が動かなかったのよ。あれがジョシュアだったら、きっと私は飛び込んで止めていたわ」
私はリリアの顔を見つめた。
「ノアを愛していなかったのね?」
リリアは掠れた声で私に聞いた。
「そうよ。ノア皇太子も私のことなんて愛していなかったわ。それはあなたが一番知っているでしょう。ノア皇太子はあなたに夢中だったのだから。私はあなたを側妃にしようとしてあなたの身元を調べたの。それで、あなたがバリイエルの人間であり、あなたが何を計画しているかに気づいたのよ」
リリアは「そうか」と言ったようにうなずいた。
「いつからジョシュアと?」
リリアは私に聞いてきた。
「初めて会ったのは八歳の時よ。偶然出会ったの。でも最初はお互いにどの家の子かなんて知らなかったのよ。仲良くなって、ある日お互いに知ったのよ。でもどんどん仲良くなって、私たちは成長して行ったの。十六歳の時にお互いの気持ちに気づいて、誓約を結んだのは私の十八歳の誕生日の日よ」
「ノアはそのことを知っていたの?」
「知っていたわ。夫は偶然私とジョシュアが恋人同士だと気づいたの。だから私に執着したのよ。私のことなんて愛していなかったわ。ただ、ジョシュアから私を奪いたかっただけだったわ。私は十八歳の誕生日に誓約をジョシュアと交わしたけれど、その半年後にはジョシュアを裏切って、王家の嫁になったの」
「私はジョシュアを王にするために、ノアに近づいた。ジョシュアのことを愛していたのよ」
「リリア、本当にごめんなさい」
「いいのよ。考えてみれば、私が勝手にやったことだったから。ジョシュアには何度も他に好きな人がいるからと断られていたのよ。他に好きな人というのが、あなたのことだなんて知らなかったけれど。私の初めての相手はノアだったの。私は愛してはいなかったけれど、ノアは私には優しかった。ノアなりの優しさというもので、普通ではなかったけれど」
「そう」
私はリリアがベッドに横たわったまま、窓から遠くを見つめながら話してくれるのを、狐の姿のままで聞いていた。
「私はノアをひどい形で裏切ったわ。お墓に謝りに行ったのよ」
「ありがとう。元妻としてはお礼を言うわ」
「どこかで私は間違った。ジョシュアに執着してしまったのね。私は人を殺してしまったのだから、刑を償うつもりよ」
私は黙ってリリアにうなずいた。なんと言葉をかけて良いのか分からなかったけれど、リリアと私は思いが通じ合ったと思った。お互いに理解し合えた部分があった。
「目覚めてくれて本当にありがとう。明日もまたくるわ」
私はそう言って、リリアが寝かされている客間を後にした。リリアが目覚めてくれたので、円深帝の邸宅に行かなければならない。ジョシュアにも一言伝えてから行こうと思った。
金塊の契約が果たせなければ円深帝の妻にならねばならないことは、ジョシュアにはまだ内緒だ。それを言ってしまったら、ジョシュアは今回の見返りの務めも止めるはずだから。
今回のリリアの命を救った魔法に対する見返りのことだけを話そう。私は自分の部屋の結界を使って、ワールドツアー中に泊まっているロンドンのホテルの部屋に戻った。自分のホテルの部屋を飛び出して、ジョシュアの部屋まで走る。
ジョシュアはリハーサルでかいた汗を流すためにシャワーを浴びたらしく、ベランダで下のパンツだけ履いて涼んでいた。私はジョシュアの部屋をノックして、そのままジョシュアの胸に飛び込んだ。
「リリアが目を覚ましたわ!」
「お!そうか。それは良かった」
「これから見返りのために円深帝の小間使いをしばらくするわ」
「あぁ、そうだったね。助ける魔法を使った見返りはそれだったね」
「夕暮れ時は城に戻るわ。リハーサルとコンサートの時はこちらに戻ってくるわね。でも、それ以外は早く務めを果たして戻るために、円深帝のところで1週間過ごすわ」
私はジョシュアを見上げた。
「寂しいけれど、仕方ないか」
私はうなずき、ジョシュアに飛びついてキスをした。ジョシュアはぎゅっと抱きしめて、キスを返してくれた。私はそのままジョシュアから離れて、円深帝が待つという待ち合わせの場所に走って行った。ジョシュアのそばにいすぎると離れ難くなるので、私は思い切り走ってジョシュアから遠ざかったのだ。
――夕刻前後の城の時間と、コンサート中とリハーサル中は会えるのだし、大丈夫よ、グレース。
私は自分に言い聞かせていた。
私が死なせなかった。龍の魔力を使った。そのための見返りとして私は円深帝の邸宅に泊まり、食事とお部屋の掃除を良夜と共にこなす羽目になったけれども。その見返りは今日から、つまりこれから務めなければならない。
ジョシュアは戴冠式が終わって、国務に追われていた。私は狐の姿の時間帯でも、時々城の来賓用客間の一つに寝かされているリリアの様子を見に行った。ワールドツアーの合間にだ。
「ふふっ。グレースがもしかして狐なの?」
リリアは目覚めた時、窓辺に置かれた机に乗ってリリアをのぞき込んでいた私を見つめて笑った。
「リリア。目が覚めたのね!」
「あなたが死なせてくれないからよ」
リリアは憎まれ口を叩いたが、小さな声で「ありがとう」と言った。
「何言っているの。私があなたに命懸けで救われたんでしょう。私のほうこそ本当にありがとう」
私は狐のまま涙声でリリアに言った。感謝しても感謝しきれないほどの恩がリリアには出来てしまった。私はあの時、襲ってきた騎士を避けられなかった。子供の方に力を注いでいたから。
私は思い切って胸のうちを話し始めた。
「あなたがノア皇太子の愛人のとき、あなたがノア皇太子を殺す現場に私はいたのよ」
私はリリアが知らない事実を話し始めた。
「でも、あの時は私はあなたが夫を殺すのを止められなかったのよ。だから私も同罪なのだと思うの。だって、私はあなたがバリイエルの人間だとあの時は知っていて、あなたがクーデーターを起こそうとしていると勘づいていて、あの朝別荘に行ったのだから。だから、私は何が起きるか予測していたのに、結局あなたを止めなかったことになるの」
リリアは絶句していた。狐の私を「何を言い出すの?」と言いたげな表情で見つめている。
「あなたが夫を殺したとき、私はそれを見ていた。でも、体が動かなかったのよ。あれがジョシュアだったら、きっと私は飛び込んで止めていたわ」
私はリリアの顔を見つめた。
「ノアを愛していなかったのね?」
リリアは掠れた声で私に聞いた。
「そうよ。ノア皇太子も私のことなんて愛していなかったわ。それはあなたが一番知っているでしょう。ノア皇太子はあなたに夢中だったのだから。私はあなたを側妃にしようとしてあなたの身元を調べたの。それで、あなたがバリイエルの人間であり、あなたが何を計画しているかに気づいたのよ」
リリアは「そうか」と言ったようにうなずいた。
「いつからジョシュアと?」
リリアは私に聞いてきた。
「初めて会ったのは八歳の時よ。偶然出会ったの。でも最初はお互いにどの家の子かなんて知らなかったのよ。仲良くなって、ある日お互いに知ったのよ。でもどんどん仲良くなって、私たちは成長して行ったの。十六歳の時にお互いの気持ちに気づいて、誓約を結んだのは私の十八歳の誕生日の日よ」
「ノアはそのことを知っていたの?」
「知っていたわ。夫は偶然私とジョシュアが恋人同士だと気づいたの。だから私に執着したのよ。私のことなんて愛していなかったわ。ただ、ジョシュアから私を奪いたかっただけだったわ。私は十八歳の誕生日に誓約をジョシュアと交わしたけれど、その半年後にはジョシュアを裏切って、王家の嫁になったの」
「私はジョシュアを王にするために、ノアに近づいた。ジョシュアのことを愛していたのよ」
「リリア、本当にごめんなさい」
「いいのよ。考えてみれば、私が勝手にやったことだったから。ジョシュアには何度も他に好きな人がいるからと断られていたのよ。他に好きな人というのが、あなたのことだなんて知らなかったけれど。私の初めての相手はノアだったの。私は愛してはいなかったけれど、ノアは私には優しかった。ノアなりの優しさというもので、普通ではなかったけれど」
「そう」
私はリリアがベッドに横たわったまま、窓から遠くを見つめながら話してくれるのを、狐の姿のままで聞いていた。
「私はノアをひどい形で裏切ったわ。お墓に謝りに行ったのよ」
「ありがとう。元妻としてはお礼を言うわ」
「どこかで私は間違った。ジョシュアに執着してしまったのね。私は人を殺してしまったのだから、刑を償うつもりよ」
私は黙ってリリアにうなずいた。なんと言葉をかけて良いのか分からなかったけれど、リリアと私は思いが通じ合ったと思った。お互いに理解し合えた部分があった。
「目覚めてくれて本当にありがとう。明日もまたくるわ」
私はそう言って、リリアが寝かされている客間を後にした。リリアが目覚めてくれたので、円深帝の邸宅に行かなければならない。ジョシュアにも一言伝えてから行こうと思った。
金塊の契約が果たせなければ円深帝の妻にならねばならないことは、ジョシュアにはまだ内緒だ。それを言ってしまったら、ジョシュアは今回の見返りの務めも止めるはずだから。
今回のリリアの命を救った魔法に対する見返りのことだけを話そう。私は自分の部屋の結界を使って、ワールドツアー中に泊まっているロンドンのホテルの部屋に戻った。自分のホテルの部屋を飛び出して、ジョシュアの部屋まで走る。
ジョシュアはリハーサルでかいた汗を流すためにシャワーを浴びたらしく、ベランダで下のパンツだけ履いて涼んでいた。私はジョシュアの部屋をノックして、そのままジョシュアの胸に飛び込んだ。
「リリアが目を覚ましたわ!」
「お!そうか。それは良かった」
「これから見返りのために円深帝の小間使いをしばらくするわ」
「あぁ、そうだったね。助ける魔法を使った見返りはそれだったね」
「夕暮れ時は城に戻るわ。リハーサルとコンサートの時はこちらに戻ってくるわね。でも、それ以外は早く務めを果たして戻るために、円深帝のところで1週間過ごすわ」
私はジョシュアを見上げた。
「寂しいけれど、仕方ないか」
私はうなずき、ジョシュアに飛びついてキスをした。ジョシュアはぎゅっと抱きしめて、キスを返してくれた。私はそのままジョシュアから離れて、円深帝が待つという待ち合わせの場所に走って行った。ジョシュアのそばにいすぎると離れ難くなるので、私は思い切り走ってジョシュアから遠ざかったのだ。
――夕刻前後の城の時間と、コンサート中とリハーサル中は会えるのだし、大丈夫よ、グレース。
私は自分に言い聞かせていた。
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