5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる

西野歌夏

文字の大きさ
上 下
52 / 68
第二章

ジークベインリードハルトの夜 ※

しおりを挟む
 夜が更ける前、ハンサムな夫は濡れ髪の隙間から碧い瞳を欲望に潤ませて、私を見つめて抱き寄せた。唇に唇が重なり、舌が入ってきた。両胸が揉まれて私は「あぁ……っんっ」と身悶えた。ネグリジェを脱がされ、胸の先を舌が弄び、私は甘い声を漏らして身悶えた。

 髪の毛をかきあげられ、唇を貪られながら、夫の下半身が逞しく隆々と聳り立っている状態で私の腹部に押し付けられ、私も興奮して夫の胸の先を手でそっと撫でた。

 あぁっん

 夫はビクッとして、ハンサムな顔で色っぽく喘いだ。私は胸の先に唇を当てて、舐めて夫の聳え立つ下半身にそっと手を添えてさすった。夫はますます切ない顔で悶え、私の太ももの間を指で優しく愛撫した。

 濡れているよ、ロザーラ

 夫は色々っぽい声でささやいた。私は既に十分に濡れていることに赤面してしまった。夫をそっとベッドに押し倒し、私は夫の下半身を舌で愛撫した。夫は甘い吐息をつき、目を瞑った。夫のそれがますます膨張したところで、私は思い切って夫にまたがり、体の中心に夫の下半身を入れて体をゆっくりと深く沈めた。

 あぁっんっ
 あぁ……っうっ

 私と夫は二人とも喘ぎ、息を震わせながら体を合わせた。夫の下半身が私の大事なところを貫き、私は甘く喘ぎながら腰を上下に揺らし始めた。大きな胸が揺れ、夫は私の胸を夢中で揉み、夫自身も腰を動かし始めて私は下からぐんぐんと貫かれた。

 いやっあぁっあぁっんっあぁっん

 私は体を震わせて高みに達した。その途端に夫に抱き抱えられて、ベッドに仰向けにされ、両足を大きく開かされて夫に熱烈に早く突かれ始めた。

 あぁっんっあぁっんっあぁっんっあぁっ……
 
「愛している。君は俺の一番の大切なものなんだ」

 愛を囁かれて唇にキスをされ、私は碧い瞳のハンサムな夫が色っぽく切ない表情で私を見下ろしているのを見つめた。夫はいよいよ激しく突き始めて、私は高みに達しそうになり体をそらせてシーツを握りしめて喘いだ。

 うぅっ
 っ……あぁっん

 夫と私は同時に高みに達した。二人でしっかりと抱きしめあい、私は夫のものが自分の体の中に放出されるのを感じていて、とてつもない幸せを感じていた。

「私も愛しているの、ラファエル」

 私も愛を囁き、私たち二人はしばらく抱き合っていた。


 夫の生まれた国、大国ジークベインリードハルトで私たちが一つになった夜だった。私のハンサムで格好良くて逞しい夫は、リシェール伯爵だ。またの身分は、皇帝の孫から大国ジークベインリードハルトの皇位継承者になろうとしていた。


 宿屋の窓の外では、オークやポプラの葉が紅葉して落ちて、マロニエやブナの葉も綺麗に紅葉して葉が落ちて行っていた。大気は冷えて、青いクリスマスローズの花が冷たい夜気の中で揺れているのが見えた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる

えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。 一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。 しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。 皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~

椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」 私を脅して、別れを決断させた彼の両親。 彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。 私とは住む世界が違った…… 別れを命じられ、私の恋が終わった。 叶わない身分差の恋だったはずが―― ※R-15くらいなので※マークはありません。 ※視点切り替えあり。 ※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろうにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

処理中です...