5分前契約した没落令嬢は、辺境伯の花嫁暮らしを楽しむうちに大国の皇帝の妻になる

西野歌夏

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第一章

ハイルヴェルフェ城の浴室で ※

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新規開校までの1ヶ月間はひたすらポスティングをした。

日中は朝から晩まで私がポスティングをしてその後、私が帰宅した夜から朝まで大山がポスティングをした。

歩いてポスティングをするのはたくさん配れず効率も悪いので自転車に乗ってひたすらポスティングをした。

ポスティングをする際、大山からの指示でルールを決めていた。新規開校する学習塾を拠点としてエリアマップを作成した。

配布したエリアに日付、時間帯を記入してどのエリアにいつどのくらい配布したのか正確にわかるようにした。

こうすることによって同じエリアに何度も配布することはなくなり、実際に電話がかかってきた際にいつどこで誰が配ったチラシなのかを正確に把握することができた。

始めの数日間はチラシを配っても反応は1件もなかった。大山からはチラシの内容が悪いのではといった指摘を受けることもあったが、最低10日はこのチラシを配ってみようということになった。

ちょうどポスティングをしてから1週間程経過した後、2件の反応があった。

私が配布したエリアと大山が配布したエリアから共に1件ずつ反応があったので二人で喜んだ。

なかなか反応がなかったので、大山も深刻な表情をしていることが多かったが、久しぶりに大山から笑みがみられた。

さらにその後もポスティングをする度に数件反応があって、新規開校の前日までに7、8件の問い合わせがあった。

私は主に新規開校に合わせて教室内外にはる簡単なチラシ作りをしたり、新聞広告にだす本格的なチラシを作成するために広告会社にも足を運んだ。

さらに新聞広告にだすエリアや部数設定なども大山と一緒に話し合いながら予算などをみて決めた。

いよいよ新規開校の当日を迎えた。10時と13時からの2回入塾説明会を行った。

10時の時の入塾説明会には5人程参加した。九州本部から来た人が入塾説明会の全体説明はすべてやってくれたので、大山と私は個々の説明があれば対応する感じだった。10時からの部はその場で3名入塾してくれて2人は保留だった。

13時からの入塾説明会も同様の流れで開催した。3人程説明会に参加してくれたが、残念なことに一人も入塾者はいなかった。

無事に説明会が終わると九州本部から来た人は帰宅し、大山と二人だけになった。

大山からたったの3人だけど入ってきてくれたから良かったよといわれた。ちなみに小学生2人、中学生1人だった(続)



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