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第一章
ボートに乗って
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没落したので、領地もない。あるのはメンテの必要な屋敷だけ。母と姉に褒賞金を渡して、自分は辺境伯に嫁ぐという状況の私からすると、エーリヒ城は信じがたいほど美しく贅沢な城だった。同じ伯爵とは思えない。今後数世紀にわたって、後世にエーリヒ城の美しさが伝わるであろうと想像できた。
エーリヒ城の門番もやはり、ラファエルの紋章を見ると態度を変えた。すぐに城主が門まで駆けつけてきて城の門が開いたのは、ベルタの街での出来事と同じだったのだ。
私とラファエルは案内がされるがままに城の中を案内されて、昼食の準備ができるまでの間、城の庭に流れるお堀のような川でボート漕ぎ遊びをすることになった。
「リシェール伯爵夫妻をまずお乗せしますね」
城主は痩せたすらっとした中年の男性だった。彼はいそいそとラファエルと私をボートにのせてくれ、自ら漕いでボートを進めてくれた。
両岸から色とりどりの花が咲き乱れる緑の葉をつけた木が鬱蒼と繁り、幻想的な雰囲気の中をボートは進んでいき、私とラファエルは言葉も失って眺めていた。冬でも花が咲き、緑の葉をつけている木ばかりを両岸に植えているようだ。
「素晴らしい光景ですわ」
私は思わず感嘆のため息をついた。ラファエルが私の手をそっと握り、私ははにかんで握り返した。こっそり後ろを振り向くと、レティシアも騎士2名と一緒に城の従者にボートを漕いでもらって、後からついてきていた。
「皇后様から伝言がございます」
城主は小さな声で私たち二人にささやいた。
「こちらをお渡しくださいとのことでした」
城主が渡してくれた封筒を開けて、中に入っていた手紙をラファエルは読もうとした。しかし、首を傾げて何度も紙を確認した後に私に渡してくれた。
それは、白紙の紙だった。
私はふと思いついて、ボートから手を伸ばして川の水に紙をつけた。
「やっぱりっ!」
私が小さく叫ぶと、城主が身を乗り出してきた。白紙の神は水に濡れると文字が浮かび上がったのだ。古代語だ。
大国ジークベインリードハルトの古代語だった。城主は古代語が読めず、私は少しなら読めるがまだラファエルに習っている途中の身だ。結局、ラファエルがその手紙をじっくりと読み、「意味がわからない」とささやいてきた。
その瞬間、私はドレスを脱ぎ出した。素早く下履きだけになり、水のなかに飛び込んだのだ。
没落令嬢の私は魚釣りをして食料を獲得していた。つまり、私は泳げたのだ。
一度水の中から上がって見ると、濡れて豊満な体の線が鮮やかになった。ボートの中でラファエルがささやいてきた。
「息を呑む艶かしさだよ、ロザーラ」
「ありがとうございます。恥ずかしいからあまり見ないで」
私は呼吸を整えて、もう一度穏やかな川の中に潜り込んだ。
8年前、ラファエルのおばあ様の皇后は、何かをバラして各地の城に預けて行った。全部つなぎ合わせると何かが完成するのだろう。これは私の推測だ。敵は二つの目的を持って私たちの命を狙っているのかもしれない。
一つは本当に後継者争いでラファエルの命を狙っている、もう一つはもしかすると、8年前におばあ様がバラバラにして各地の領地に隠した財宝を狙っている。この二つの目的だ。
前回の旅で、私とラファエルは焚き火をして野宿をしたことがあった。その時に見た星空を思い出して、ゆっくりと忘れていた記憶が呼びさまされた。
野宿をしたとき、星座の形と野にあるストーンが呼応するように並べられているのを確かに私は見た。水の中に、その時の形と全く同じ形に並べられているストーンを発見したのだ。焚き火をして野宿をしたときにはあまり重要視していなかったものだったけれども、今は違う。
エーリヒ城の美しい庭の川に、私たちはいた。
「人魚のように君が泳げるとは……濡れて豊満な体のラインが非常に鮮やかになってしまっている……」
ラファエルは私を見つめて驚いたようにつぶやいた。頬を赤らめている。そう言われて私も思わず赤面してしまった。しかし、もう後戻りはできない。私は分かったのだ。水に濡らした紙に浮かび上がった古代語の文字を並び変えると、冬の空に輝くオリオン座を示す古代語になる。
古代語で『オリオン座が救う者を決める』と書かれているのだ。
私の頭の中では、前回の旅で、焚き火をしながら野宿をした時に見つけたストーンサークルの景色がよぎっていた。それはオリオン座に相対する配置だったのだ。このお堀の水の中にも同じようはストーンサークルがあるのではないか。私の直感はそう告げていた。
水の中に潜って私は見つけた。確かにオリオン座とそっくり同じ形に配置されたストーンサークルがある。陸路で焚き火をしていた時に偶然見つけたストーンサークルで、私は古びた王冠を見つけていた。
――ならば、同じ位置に王冠があるはずでは?
――陸路でキャンプした時に見つけたのは、死の王冠かもしれない。あの時は気づいていなかったけれども、私は偶然古びた王冠を見つけてあれを持っていたから、死を招いたのかもしれないわ。違うのかしら?
私は大きく息を吸い込むと、再び水の中に潜り込んだ。丸い石を手で動かしてみた。
――やっぱり王冠があるわっ!
私はその古びた王冠を持って水の上に浮かび上がった。ラファエルが腕を伸ばしてくれて、私をボートの上に引き上げてくれた。
「これを見つけたのよ」
私が古びた王冠を見せると、ラファエルも城の城主も驚愕した。
――こちらは生の王冠かもしれないわ。
――陸路に、オリオン座と同じ配置のストーンサークルがあった。そこから見つかった王冠を荷物に持っていた私は死にかけた。死神と契約しなければ、今頃死んでいるのは間違いない。対になっているように見える、水中のストーンサークルから見つかった王冠は生の王冠かもしれない。
私はガタガタと震えながら、水の中から引き上げた古びた王冠を見つめた。前回見た時は意味がわからなかったけれども、王冠には9つの穴がある。ベルタの城でいただいた宝石を一つ埋めるとして、この城にも宝石があるのではないか、私はそう直感した。
「すごいな……よく見つけたよ。でも、君はずぶ濡れだ。すぐにお湯をいただいて暖炉の前であったまるんだ」
「そうですね。見つけたのは本当にすごいですが、このままでは奥様は風邪をひいてしまいますね。戻りましょう!」
城主とラファエルは懸命にボートを漕いだ。すぐに岸に寄せて、ガタガタ震えている私を騎士が岸に引き上げてくれた。赤毛のベアトリスと栗色の髪のジュリアが大慌てで走ってくる姿が見えた。二人とも私が水の中に落ちたと思い込んでいて、取り乱していた。
ジュリアはすばしこく走ってきて、真っ先に私に駆け寄ってきた。すぐに膝掛けで私を包み込み、「お湯をご用意できますでしょうか」と城主に頼んだ。
「もちろんだ」
城主の案内に従って私たちは庭を抜けて、暖かい城内に案内された。後ろを振り返ると、レティシアもが大慌てで岸に上がっているところだった。騎士たちと一緒にやってくるのが見えた。レティシアのお付きの侍女や騎士も慌ててついてくる。
暖炉の前に案内されてしばらく待つと、湯が沸いたと浴室に案内された。テキパキとジュリアが支度して、私はすぐに暖かい湯に浸かることができた。
「まったく奥様、災難でしたわね」
「ジュリア、ベアトリス、心配ないわ。私が自分で飛び込んだのだから。面倒な思いをさせてしまってごめんなさい」
「まあ、いくら美しいお堀だからと言って、それは無謀でございますわ」
ベアトリスは遠慮がちながらもそばかすだらけの顔を憤慨させて、私に抗議した。ジュリアはテキパキと私の髪の毛を洗ってくれている。
「ちょっとした探し物をしていたのよ。心配かけてごめんなさい」
私は二人に謝った。
エーリヒ城の門番もやはり、ラファエルの紋章を見ると態度を変えた。すぐに城主が門まで駆けつけてきて城の門が開いたのは、ベルタの街での出来事と同じだったのだ。
私とラファエルは案内がされるがままに城の中を案内されて、昼食の準備ができるまでの間、城の庭に流れるお堀のような川でボート漕ぎ遊びをすることになった。
「リシェール伯爵夫妻をまずお乗せしますね」
城主は痩せたすらっとした中年の男性だった。彼はいそいそとラファエルと私をボートにのせてくれ、自ら漕いでボートを進めてくれた。
両岸から色とりどりの花が咲き乱れる緑の葉をつけた木が鬱蒼と繁り、幻想的な雰囲気の中をボートは進んでいき、私とラファエルは言葉も失って眺めていた。冬でも花が咲き、緑の葉をつけている木ばかりを両岸に植えているようだ。
「素晴らしい光景ですわ」
私は思わず感嘆のため息をついた。ラファエルが私の手をそっと握り、私ははにかんで握り返した。こっそり後ろを振り向くと、レティシアも騎士2名と一緒に城の従者にボートを漕いでもらって、後からついてきていた。
「皇后様から伝言がございます」
城主は小さな声で私たち二人にささやいた。
「こちらをお渡しくださいとのことでした」
城主が渡してくれた封筒を開けて、中に入っていた手紙をラファエルは読もうとした。しかし、首を傾げて何度も紙を確認した後に私に渡してくれた。
それは、白紙の紙だった。
私はふと思いついて、ボートから手を伸ばして川の水に紙をつけた。
「やっぱりっ!」
私が小さく叫ぶと、城主が身を乗り出してきた。白紙の神は水に濡れると文字が浮かび上がったのだ。古代語だ。
大国ジークベインリードハルトの古代語だった。城主は古代語が読めず、私は少しなら読めるがまだラファエルに習っている途中の身だ。結局、ラファエルがその手紙をじっくりと読み、「意味がわからない」とささやいてきた。
その瞬間、私はドレスを脱ぎ出した。素早く下履きだけになり、水のなかに飛び込んだのだ。
没落令嬢の私は魚釣りをして食料を獲得していた。つまり、私は泳げたのだ。
一度水の中から上がって見ると、濡れて豊満な体の線が鮮やかになった。ボートの中でラファエルがささやいてきた。
「息を呑む艶かしさだよ、ロザーラ」
「ありがとうございます。恥ずかしいからあまり見ないで」
私は呼吸を整えて、もう一度穏やかな川の中に潜り込んだ。
8年前、ラファエルのおばあ様の皇后は、何かをバラして各地の城に預けて行った。全部つなぎ合わせると何かが完成するのだろう。これは私の推測だ。敵は二つの目的を持って私たちの命を狙っているのかもしれない。
一つは本当に後継者争いでラファエルの命を狙っている、もう一つはもしかすると、8年前におばあ様がバラバラにして各地の領地に隠した財宝を狙っている。この二つの目的だ。
前回の旅で、私とラファエルは焚き火をして野宿をしたことがあった。その時に見た星空を思い出して、ゆっくりと忘れていた記憶が呼びさまされた。
野宿をしたとき、星座の形と野にあるストーンが呼応するように並べられているのを確かに私は見た。水の中に、その時の形と全く同じ形に並べられているストーンを発見したのだ。焚き火をして野宿をしたときにはあまり重要視していなかったものだったけれども、今は違う。
エーリヒ城の美しい庭の川に、私たちはいた。
「人魚のように君が泳げるとは……濡れて豊満な体のラインが非常に鮮やかになってしまっている……」
ラファエルは私を見つめて驚いたようにつぶやいた。頬を赤らめている。そう言われて私も思わず赤面してしまった。しかし、もう後戻りはできない。私は分かったのだ。水に濡らした紙に浮かび上がった古代語の文字を並び変えると、冬の空に輝くオリオン座を示す古代語になる。
古代語で『オリオン座が救う者を決める』と書かれているのだ。
私の頭の中では、前回の旅で、焚き火をしながら野宿をした時に見つけたストーンサークルの景色がよぎっていた。それはオリオン座に相対する配置だったのだ。このお堀の水の中にも同じようはストーンサークルがあるのではないか。私の直感はそう告げていた。
水の中に潜って私は見つけた。確かにオリオン座とそっくり同じ形に配置されたストーンサークルがある。陸路で焚き火をしていた時に偶然見つけたストーンサークルで、私は古びた王冠を見つけていた。
――ならば、同じ位置に王冠があるはずでは?
――陸路でキャンプした時に見つけたのは、死の王冠かもしれない。あの時は気づいていなかったけれども、私は偶然古びた王冠を見つけてあれを持っていたから、死を招いたのかもしれないわ。違うのかしら?
私は大きく息を吸い込むと、再び水の中に潜り込んだ。丸い石を手で動かしてみた。
――やっぱり王冠があるわっ!
私はその古びた王冠を持って水の上に浮かび上がった。ラファエルが腕を伸ばしてくれて、私をボートの上に引き上げてくれた。
「これを見つけたのよ」
私が古びた王冠を見せると、ラファエルも城の城主も驚愕した。
――こちらは生の王冠かもしれないわ。
――陸路に、オリオン座と同じ配置のストーンサークルがあった。そこから見つかった王冠を荷物に持っていた私は死にかけた。死神と契約しなければ、今頃死んでいるのは間違いない。対になっているように見える、水中のストーンサークルから見つかった王冠は生の王冠かもしれない。
私はガタガタと震えながら、水の中から引き上げた古びた王冠を見つめた。前回見た時は意味がわからなかったけれども、王冠には9つの穴がある。ベルタの城でいただいた宝石を一つ埋めるとして、この城にも宝石があるのではないか、私はそう直感した。
「すごいな……よく見つけたよ。でも、君はずぶ濡れだ。すぐにお湯をいただいて暖炉の前であったまるんだ」
「そうですね。見つけたのは本当にすごいですが、このままでは奥様は風邪をひいてしまいますね。戻りましょう!」
城主とラファエルは懸命にボートを漕いだ。すぐに岸に寄せて、ガタガタ震えている私を騎士が岸に引き上げてくれた。赤毛のベアトリスと栗色の髪のジュリアが大慌てで走ってくる姿が見えた。二人とも私が水の中に落ちたと思い込んでいて、取り乱していた。
ジュリアはすばしこく走ってきて、真っ先に私に駆け寄ってきた。すぐに膝掛けで私を包み込み、「お湯をご用意できますでしょうか」と城主に頼んだ。
「もちろんだ」
城主の案内に従って私たちは庭を抜けて、暖かい城内に案内された。後ろを振り返ると、レティシアもが大慌てで岸に上がっているところだった。騎士たちと一緒にやってくるのが見えた。レティシアのお付きの侍女や騎士も慌ててついてくる。
暖炉の前に案内されてしばらく待つと、湯が沸いたと浴室に案内された。テキパキとジュリアが支度して、私はすぐに暖かい湯に浸かることができた。
「まったく奥様、災難でしたわね」
「ジュリア、ベアトリス、心配ないわ。私が自分で飛び込んだのだから。面倒な思いをさせてしまってごめんなさい」
「まあ、いくら美しいお堀だからと言って、それは無謀でございますわ」
ベアトリスは遠慮がちながらもそばかすだらけの顔を憤慨させて、私に抗議した。ジュリアはテキパキと私の髪の毛を洗ってくれている。
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