14 / 45
再会と身分違いの恋
処刑ルートからループ カイル王子Side
しおりを挟む
雪の降る日だった。
はらはらと舞い降りる雪の中、俺は後ろに手を回されて縄で縛られ、腰に紐を回されて拘束されたまま歩いた。寒かった。吐く息がとても白かったのを覚えている。
何もかもが時が止まったかのようなのに、これは夢ではなく、現実のものだと分かっていた。歩く時、上等な靴が雪の上にギシギシと音を立てて沈んだ。土足で踏み躙られた真っ白な雪は、陵辱されたかのように黒く汚れていて、薄汚れた自分の地位と同じように見えた。
台に上る瞬間、俺が足を乗せるたびに乾いた音を立てる板を見た。現実のものなのに、俺の出している足音じゃないような感じがした。だが、これはあくまでも現実だ。
うつ伏せにさせられ、目をつぶった。
なんでこんなことにっ!?
なぜだ?
ザーッと何かが落下してくる音がして、俺は一瞬で目の前が真っ暗になった。
俺が断頭台に送られたのは、間違いないと思う。だが、俺は気づけば何事もなかったかのように日常に戻ってきていた。俺が知っている時間より3年戻っていた。
俺は何事もなかったし、知らなかったふりをして過ごしている。
今日は街の仕立て屋のお針子兼デザイナーの若いメイドを城に呼んで、次の舞踏会の衣装を新しく考え直すのだ。
心の中とは裏腹に、敢えて呑気な王子のフリでいるのだ。これまで通りで結構なことだと周りには思わせておこう。
代筆屋のルーシャス・オークスドンには、辺境の地にいる叔父であるザッカーモンド公に手紙を書いてもらった。辺境の地にある国々の間で、何かおかしな動きがないか探ってもらうためだ。同時に、叔父自身にも物騒な事を目論む意図がないかを探るものでもあった。
俺が書くと意味不明な文章になりそうなものを、ルーシャス・オークスドン子爵はさすがの筆力でうまく手紙をまとめてくれた。手紙はジーン・ハット子爵令嬢の鳩郵便屋から配達されたのだから、もう叔父の手元には手紙自体は届いている頃だろう。返事を受け取りたい日時も記しておいたのだから、きっと何らかの返事をもらえるはずだ。
俺は、確かに、間違いなく自分が処刑されるのを経験した。
19世紀ともなれば、非公開で処刑される。だから民は見ていないが、俺自身に起こったことは、夢ではないと断言できるほどリアルなものだった。あの時、処刑台に向かう時に俺が見た父は、国王でありながら泣き崩れていて、一気に年を10年ほど取ってしまったかのようだった。
確かに、死んでしまった、何もかも終わった、敵の罠にまんまと嵌められた、そういう手応えを感じた。
それなのに、気づけば、王子である自分の部屋で目が覚めた。
何事もない3年前に戻ってきていたのだ。引き続きボーデランドのカイル王子として過ごす俺は、元気に毎日を過ごしている。
しかも、俺以外の誰もこの王子処刑の件を知らぬようだった。まさか自分で周りに聞いて回るわけにもいかない。俺だけが時間を戻ったようだった。周りの誰も何も知らないようで、俺は相変わらず趣味の菓子作りに呑気に夢中になっているフリをし続けている。
俺がお菓子作りが好きなのは、今や厨房周辺の使用人だけが知らない公然の秘密となっていた。
もちろん、処刑される前も、俺は努力をしていなかったわけではなかった。だが、所詮は王子を失墜させて王国を混乱に陥れて売国しようとしている輩がいることを知らない者の努力だった。
危機に瀕していることに、父である国王と一緒で、これまでは親子共々まるで気づいていなかった。
俺はこれから何が起きるのか、大体予測がつく。
行動を変えなければならないが、何をどう変えれば、処刑されるのを回避できるのか、よく分かっていない。まずは叔父だ。動機があるものを片っ端からあたるつもりだ。
今日は、ジーン・ハット子爵令嬢の仕立て屋で一昨日初めて会ったエミリーに、舞踏会の衣装を新しく仕立ててもらうためにもう一度会う。
彼女のアドバイスを元に今度こそ結婚相手を見つけるつもりだ。エミリーどこか、10年前に亡くなってしまったクラリッサを彷彿させた。
クラリッサの忘れ形見のジーン嬢も確かにクラリッサに近しいものを感じる。母娘なのだから、そうだろう。
しかし、なぜか、エミリーという赤毛でグリーンの瞳を持つメイドは、より強烈にクラリッサの事を思い出させたのだ。彼女が「ミルクレープ」の事を言い当てたからだけではない。何となくだ。
何となく、彼女のそばにいると17歳で俺が別れを告げたクラリッサを思い出すのだ。
今日はその彼女にまた会えると思うと、年甲斐もなくドキドキした。38歳で未経験だと、これほどの事で胸の高鳴りを覚えるものなのだろうか。
「エミリー!」
彼女がハット子爵邸の門の前で、俺を待っている姿を見てほっとした。いかにもクラリッサがデザイン画として描いていそうなドレスだったからだ。一度クラリッサに見せてもらったことがあったと思う。
グリーンの瞳を輝かせて、彼女が期待に胸を弾ませるように俺を見つめた瞬間、なぜか一瞬、17歳のクラリッサのブルーの瞳を思い出した。
「エミリー、朝早くからすまない。ありがとう」
私は彼女を馬車の中にエスコートして一緒に座ってもらった。季節は秋で、美しい紅葉の中を馬車で走っていくのはとてもワクワクした。こんなに胸がときめくのは久しぶりだ。
「何歳になられましたか?」
突然エミリーから控えめな様子で恐る恐るといった様子で聞かれて戸惑った。
「すみません。どうしても気になりまして」
彼女はグリーンの瞳を真剣に見開き、俺に聞いてきた。
「38歳になった。君は?」
エミリーはうつむいて、小さな声で「18歳でございますわ」と言った。こんなおじさんが若いメイドにドキドキしてしまい、こちらが恐縮してしまう。
「ますます若々しくなられて……」
そう言いかけたエミリーはハッとして様子で口を手で押さえて、謝罪してきた。
「大変申し訳ございません……!」
「いや、大丈夫だ。どこかでお会いしたことがあったかな?」
俺はエミリーの様子が気になって確認した。
「いえ、そんなことはないのですが!」
エミリーは真っ赤になっていた。
「よく、メイドを宮殿にお連れになるのですか?えっ!あの……いえ、この質問はその……私のような者が王子様とご一緒の馬車に乗っていること自体があり得ないと言いますか。おこがましいと言いますか、夢のようと言いますか……」
エミリーは自分で質問をしていて、しどろもどろになった。
「いや、君が初めてだ。君がお菓子が好きだということと、一昨日君と初めて会ったわけだが、君がある人を彷彿させるんだ。なぜか。あと、本当に舞踏会用の衣装を新しく仕立て直したいという切実な目的がある」
俺の言葉にエミリーは一瞬ビクッとしたが、「衣装……ですね」とうなずいた。
「君も知っての通り、俺は18歳からこのかたずっと妃候補に翻弄されているが、一度も成功していない。今回は是が非にでもでも成功させたいのだ」
俺は断頭台で処刑されたリアルな記憶から、切実な思いがあった。とにかく妃は必須だ。このままでは決して良くないのだから。
「わかりました」
エミリーは急に仕事モードになり、馬車の中でスケッチブックを出した。
「こちらにいくつかサンプルを書いてまいりました。どういったものをお望みでしょうか」
見たこともないモードなスタイルのものまで様々あった。
「これは?君がデザインを考えたのか?」
「さようでございます。今より、よりシンプルで着心地が良いものをと考えました」
俺はエミリーが見せてくれたデザインを真剣に見始めた。そして、エミリーの顔をのぞき込むようにして見つめた。
「君は一体、こんな才能をどこに隠していたんだ?」
俺の言葉を聞いて、彼女のグリーンの瞳が輝いた。
エメラルドのように煌めくのを見つめて、一瞬、心を奪われそうになった。
はらはらと舞い降りる雪の中、俺は後ろに手を回されて縄で縛られ、腰に紐を回されて拘束されたまま歩いた。寒かった。吐く息がとても白かったのを覚えている。
何もかもが時が止まったかのようなのに、これは夢ではなく、現実のものだと分かっていた。歩く時、上等な靴が雪の上にギシギシと音を立てて沈んだ。土足で踏み躙られた真っ白な雪は、陵辱されたかのように黒く汚れていて、薄汚れた自分の地位と同じように見えた。
台に上る瞬間、俺が足を乗せるたびに乾いた音を立てる板を見た。現実のものなのに、俺の出している足音じゃないような感じがした。だが、これはあくまでも現実だ。
うつ伏せにさせられ、目をつぶった。
なんでこんなことにっ!?
なぜだ?
ザーッと何かが落下してくる音がして、俺は一瞬で目の前が真っ暗になった。
俺が断頭台に送られたのは、間違いないと思う。だが、俺は気づけば何事もなかったかのように日常に戻ってきていた。俺が知っている時間より3年戻っていた。
俺は何事もなかったし、知らなかったふりをして過ごしている。
今日は街の仕立て屋のお針子兼デザイナーの若いメイドを城に呼んで、次の舞踏会の衣装を新しく考え直すのだ。
心の中とは裏腹に、敢えて呑気な王子のフリでいるのだ。これまで通りで結構なことだと周りには思わせておこう。
代筆屋のルーシャス・オークスドンには、辺境の地にいる叔父であるザッカーモンド公に手紙を書いてもらった。辺境の地にある国々の間で、何かおかしな動きがないか探ってもらうためだ。同時に、叔父自身にも物騒な事を目論む意図がないかを探るものでもあった。
俺が書くと意味不明な文章になりそうなものを、ルーシャス・オークスドン子爵はさすがの筆力でうまく手紙をまとめてくれた。手紙はジーン・ハット子爵令嬢の鳩郵便屋から配達されたのだから、もう叔父の手元には手紙自体は届いている頃だろう。返事を受け取りたい日時も記しておいたのだから、きっと何らかの返事をもらえるはずだ。
俺は、確かに、間違いなく自分が処刑されるのを経験した。
19世紀ともなれば、非公開で処刑される。だから民は見ていないが、俺自身に起こったことは、夢ではないと断言できるほどリアルなものだった。あの時、処刑台に向かう時に俺が見た父は、国王でありながら泣き崩れていて、一気に年を10年ほど取ってしまったかのようだった。
確かに、死んでしまった、何もかも終わった、敵の罠にまんまと嵌められた、そういう手応えを感じた。
それなのに、気づけば、王子である自分の部屋で目が覚めた。
何事もない3年前に戻ってきていたのだ。引き続きボーデランドのカイル王子として過ごす俺は、元気に毎日を過ごしている。
しかも、俺以外の誰もこの王子処刑の件を知らぬようだった。まさか自分で周りに聞いて回るわけにもいかない。俺だけが時間を戻ったようだった。周りの誰も何も知らないようで、俺は相変わらず趣味の菓子作りに呑気に夢中になっているフリをし続けている。
俺がお菓子作りが好きなのは、今や厨房周辺の使用人だけが知らない公然の秘密となっていた。
もちろん、処刑される前も、俺は努力をしていなかったわけではなかった。だが、所詮は王子を失墜させて王国を混乱に陥れて売国しようとしている輩がいることを知らない者の努力だった。
危機に瀕していることに、父である国王と一緒で、これまでは親子共々まるで気づいていなかった。
俺はこれから何が起きるのか、大体予測がつく。
行動を変えなければならないが、何をどう変えれば、処刑されるのを回避できるのか、よく分かっていない。まずは叔父だ。動機があるものを片っ端からあたるつもりだ。
今日は、ジーン・ハット子爵令嬢の仕立て屋で一昨日初めて会ったエミリーに、舞踏会の衣装を新しく仕立ててもらうためにもう一度会う。
彼女のアドバイスを元に今度こそ結婚相手を見つけるつもりだ。エミリーどこか、10年前に亡くなってしまったクラリッサを彷彿させた。
クラリッサの忘れ形見のジーン嬢も確かにクラリッサに近しいものを感じる。母娘なのだから、そうだろう。
しかし、なぜか、エミリーという赤毛でグリーンの瞳を持つメイドは、より強烈にクラリッサの事を思い出させたのだ。彼女が「ミルクレープ」の事を言い当てたからだけではない。何となくだ。
何となく、彼女のそばにいると17歳で俺が別れを告げたクラリッサを思い出すのだ。
今日はその彼女にまた会えると思うと、年甲斐もなくドキドキした。38歳で未経験だと、これほどの事で胸の高鳴りを覚えるものなのだろうか。
「エミリー!」
彼女がハット子爵邸の門の前で、俺を待っている姿を見てほっとした。いかにもクラリッサがデザイン画として描いていそうなドレスだったからだ。一度クラリッサに見せてもらったことがあったと思う。
グリーンの瞳を輝かせて、彼女が期待に胸を弾ませるように俺を見つめた瞬間、なぜか一瞬、17歳のクラリッサのブルーの瞳を思い出した。
「エミリー、朝早くからすまない。ありがとう」
私は彼女を馬車の中にエスコートして一緒に座ってもらった。季節は秋で、美しい紅葉の中を馬車で走っていくのはとてもワクワクした。こんなに胸がときめくのは久しぶりだ。
「何歳になられましたか?」
突然エミリーから控えめな様子で恐る恐るといった様子で聞かれて戸惑った。
「すみません。どうしても気になりまして」
彼女はグリーンの瞳を真剣に見開き、俺に聞いてきた。
「38歳になった。君は?」
エミリーはうつむいて、小さな声で「18歳でございますわ」と言った。こんなおじさんが若いメイドにドキドキしてしまい、こちらが恐縮してしまう。
「ますます若々しくなられて……」
そう言いかけたエミリーはハッとして様子で口を手で押さえて、謝罪してきた。
「大変申し訳ございません……!」
「いや、大丈夫だ。どこかでお会いしたことがあったかな?」
俺はエミリーの様子が気になって確認した。
「いえ、そんなことはないのですが!」
エミリーは真っ赤になっていた。
「よく、メイドを宮殿にお連れになるのですか?えっ!あの……いえ、この質問はその……私のような者が王子様とご一緒の馬車に乗っていること自体があり得ないと言いますか。おこがましいと言いますか、夢のようと言いますか……」
エミリーは自分で質問をしていて、しどろもどろになった。
「いや、君が初めてだ。君がお菓子が好きだということと、一昨日君と初めて会ったわけだが、君がある人を彷彿させるんだ。なぜか。あと、本当に舞踏会用の衣装を新しく仕立て直したいという切実な目的がある」
俺の言葉にエミリーは一瞬ビクッとしたが、「衣装……ですね」とうなずいた。
「君も知っての通り、俺は18歳からこのかたずっと妃候補に翻弄されているが、一度も成功していない。今回は是が非にでもでも成功させたいのだ」
俺は断頭台で処刑されたリアルな記憶から、切実な思いがあった。とにかく妃は必須だ。このままでは決して良くないのだから。
「わかりました」
エミリーは急に仕事モードになり、馬車の中でスケッチブックを出した。
「こちらにいくつかサンプルを書いてまいりました。どういったものをお望みでしょうか」
見たこともないモードなスタイルのものまで様々あった。
「これは?君がデザインを考えたのか?」
「さようでございます。今より、よりシンプルで着心地が良いものをと考えました」
俺はエミリーが見せてくれたデザインを真剣に見始めた。そして、エミリーの顔をのぞき込むようにして見つめた。
「君は一体、こんな才能をどこに隠していたんだ?」
俺の言葉を聞いて、彼女のグリーンの瞳が輝いた。
エメラルドのように煌めくのを見つめて、一瞬、心を奪われそうになった。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

義妹が大事だと優先するので私も義兄を優先する事にしました
さこの
恋愛
婚約者のラウロ様は義妹を優先する。
私との約束なんかなかったかのように…
それをやんわり注意すると、君は家族を大事にしないのか?冷たい女だな。と言われました。
そうですか…あなたの目にはそのように映るのですね…
分かりました。それでは私も義兄を優先する事にしますね!大事な家族なので!

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。

お飾り公爵夫人の憂鬱
初瀬 叶
恋愛
空は澄み渡った雲1つない快晴。まるで今の私の心のようだわ。空を見上げた私はそう思った。
私の名前はステラ。ステラ・オーネット。夫の名前はディーン・オーネット……いえ、夫だった?と言った方が良いのかしら?だって、その夫だった人はたった今、私の足元に埋葬されようとしているのだから。
やっと!やっと私は自由よ!叫び出したい気分をグッと堪え、私は沈痛な面持ちで、黒い棺を見つめた。
そう自由……自由になるはずだったのに……
※ 中世ヨーロッパ風ですが、私の頭の中の架空の異世界のお話です
※相変わらずのゆるふわ設定です。細かい事は気にしないよ!という読者の方向けかもしれません
※直接的な描写はありませんが、性的な表現が出てくる可能性があります
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる