上 下
23 / 107
1. 標的の選別 時は数億年先の地球

帝と沙織の初対面シーン(五右衛門)

しおりを挟む
 帝と沙織の初対面シーンは想定外そうていがいだった。
 恋に落ちる要素はゼロだった。

 もちろん、帝はキマっていた。初めて私は帝にお目にかかったが、なるほどふるえ上がるほどの美形びけいだった。

 ただ、御簾みすごしでそのハンサムな顔がまったく沙織に見えていなかった。沙織は沙織でおそれで震え上がっており、恋に落ちる気配は感じられない対面であった。

 私が驚いたのはことだ。そんな忍びは初めて出会ったので驚いた。

 帝の『じい』が帝の味方でないことは分かったし、『爺』が沙織と帝をつなぐ重要な役割を果たしているのも分かった。『爺』が仕組まなければ、敵の思惑通おもわくどおりに二人が近づくことはないのだから、私はそこをあえてどうこういうつもりはない。

 だが、この二人がどうやって急速に恋に落ちるのか、私もまったく読めなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい

三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです 無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す! 無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!

Betrayed Heroes -裏切られし勇者の末裔は腐敗世界を破壊し叛く-

砂糖かえで
ファンタジー
これは救ったはずの世界に裏切られた勇者達の物語。 かつて異世界より来訪した者達が魔族による大災厄から世界を救ったという。 彼らは勇者と呼ばれ、比類なき圧倒的な力を有していた。 民から大いに崇め奉られた彼らだが、たった1つの言葉でそれは儚くも崩れ去ることになる。 世界を恐怖に陥れた大災厄の主が実は勇者達と同じ異世界から来訪したというのだ。 その事実により勇者とその一族は救ったはずの民から迫害を受けて追放されてしまった。 それから数百年の時を経て、とある小さな町に少女が訪れた。 その少女はかつて勇者の一族を苦しめた大いなる渦の中心にいた大国の王女。 彼女はその町に住むという勇者の一族の末裔を訪ねてきたのだ。 そして出会った末裔に向かってなんとこう言った。「もう一度世界を救ってほしい」と。 裏切った側から差し出された身勝手な頼みに、末裔は憎悪に満ちた目を返した。 過去の血塗られた因縁。裏切った者と裏切られた者。 歴史の痕跡を辿りながら腐敗した世界を傍若無人に駆け巡り、気に食わない不条理を破壊していく。 異世界からの来訪者が救世した後の世界を描いたダークファンタジー開幕。 ※暴力的な描写が多いので苦手な方はご注意ください。小説家になろうにも掲載しています。

親が貧乏だから二番目だと言われて、フラれました。親が貧乏だからって何? 見返し案件、受けて立ち、やりきろうと思います!

西野歌夏
ファンタジー
とてつもなく好きだった人に、フラれました。 二番目だと言われました。 盛大な結婚披露宴を開催して、披露宴で友達同僚に自慢できる女性じゃない、親の大学が大したことない、親の職業が自慢できない、貧乏という理由で私は二番目だそうです。 必ず結婚して、子供も産み、幸せになることという約束をして、永遠に決別しました。 相手は酔っ払い過ぎていて、私に約束させたことも覚えていません。 見返し案件であり、やりきってやろうと思います。 -------------------- 大桜由莉子 職業は泣く子も黙る、最大勢力を誇るマテキの華取火鳥。 3人の子供がいる。 目標は、マテキのトップである次期組長に君臨すること。 切磋琢磨するライバルに、マテキの対抗組織であるゼニキバの蓮長の冴衞門がいる。 とある事件をきっかけに、由莉子と冴衞門は協力体制を構築することになる。 関東一帯陥没するほどの事件を検知したマテキとゼニキバは、大魔神の都に行き、誰が仕組むのかを事前に捜査して事件を防ごうと奔走する。 由莉子の父親には支配者貧乏大魔神がついており、大桜家は貧乏を長年強いられている。 由莉子の弟の綺羅介は、由莉子の目からは不甲斐ない弟に映っていたが・・・

【惑星(ほし)当たりました☆】若干ポンコツ女神と七人の眷属の物語

あ・まん@田中子樹
ファンタジー
 地球の日本にある神域と呼ばれる場所で働く女神アリア。彼女の夢は、神口密度が高い地球を離れ、自分だけの惑星(マイホーム)を手に入れること。その夢を追い求め、彼女は日々、仕事に励んでいた。  ある日、天界で開催された大抽選会で、アリアは特賞の惑星(メラ)を当て、大喜び。しかし、その後、彼女の周りでは謎の出来事が次々と起こる。  惑星メラでは、地球から移住した人間を含む、八つの異星から来た種族(魔・海・巨・獣・小・鬼・龍人族)たちが、自分たちの力で問題を解決しようと奮闘。その姿が描かれる。  これは宇宙の物語で、惑星メラの住人にとってはまさに幻想世界(ファンタジー!)。ギャグ満載で時折シリアスな展開、切ない恋心。若干ポンコツな女神が彼ら彼女らをバックアップするなど見どころ満載!   【表紙イラスト】mugi

伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦

未羊
ファンタジー
気が付くとまん丸と太った少女だった?! 痩せたいのに食事を制限しても運動をしても太っていってしまう。 一体私が何をしたというのよーっ! 驚愕の異世界転生、始まり始まり。

『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ
ファンタジー
主人公ゴウキは幼馴染である女勇者クレアのパーティーに属する前衛の拳闘士である。 スラムで育ち喧嘩に明け暮れていたゴウキに声をかけ、特待生として学校に通わせてくれたクレアに恩を感じ、ゴウキは苛烈な戦闘塗れの勇者パーティーに加入して日々活躍していた。 だがクレアは人の良い両親に育てられた人間を疑うことを知らずに育った脳内お花畑の女の子。 そんな彼女のパーティーにはエリート神官で腹黒のリフト、クレアと同じくゴウキと幼馴染の聖女ミリアと、剣聖マリスというリーダーと気持ちを同じくするお人よしの聖人ばかりが揃う。 勇者パーティーの聖人達は普段の立ち振る舞いもさることながら、戦いにおいても「美しい」と言わしめるスマートな戦いぶりに周囲は彼らを国の誇りだと称える。 そんなパーティーでゴウキ一人だけ・・・人を疑い、荒っぽい言動、額にある大きな古傷、『拳鬼』と呼ばれるほどの荒々しく泥臭い戦闘スタイル・・・そんな異色な彼が浮いていた。 周囲からも『清』の中の『濁』だと彼のパーティー在籍を疑問視する声も多い。 素直過ぎる勇者パーティーの面々にゴウキは捻くれ者とカテゴライズされ、パーティーと意見を違えることが多く、衝突を繰り返すが常となっていた。 しかしゴウキはゴウキなりに救世の道を歩めることに誇りを持っており、パーティーを離れようとは思っていなかった。 そんなある日、ゴウキは勇者パーティーをいつの間にか追放処分とされていた。失意の底に沈むゴウキだったが、『濁』なる存在と認知されていると思っていたはずの彼には思いの外人望があることに気付く。 『濁』の存在である自分にも『濁』なりの救世の道があることに気付き、ゴウキは勇者パーティーと決別して己の道を歩み始めるが、流れに流れいつの間にか『マフィア』を率いるようになってしまい、立場の違いから勇者と争うように・・・ 一方、人を疑うことのないクレア達は防波堤となっていたゴウキがいなくなったことで、悪意ある者達の食い物にされ弱体化しつつあった。

断罪された大聖女は死に戻り地味に生きていきたい

花音月雫
ファンタジー
幼い頃に大聖女に憧れたアイラ。でも大聖女どころか聖女にもなれずその後の人生も全て上手くいかず気がつくと婚約者の王太子と幼馴染に断罪されていた!天使と交渉し時が戻ったアイラは家族と自分が幸せになる為地味に生きていこうと決心するが......。何故か周りがアイラをほっといてくれない⁉︎そして次から次へと事件に巻き込まれて......。地味に目立たなく生きて行きたいのにどんどん遠ざかる⁉︎執着系溺愛ストーリー。

五百年後に再召喚された勇者 ~一度世界を救ったから今度は俺の好きにさせてくれ~

かたなかじ
ファンタジー
 異世界に召喚された勇者リツ。    彼は長き戦いの末、ついに魔王を倒した。その瞬間、闇に飲み込まれ封印されてしまう。  女神の導きにより闇から抜け出すことができたリツだったが、再びこの世界に召喚されてしまうこととなった。  彼と同時に召喚された三人は勇者の称号を、リツは元勇者の称号を持っていた。  巻き込まれたことを理解した彼は、あえて自分の力を隠して役に立たない一般人であると見せる。  そして、彼の思惑通り一人、城から旅立つことに成功した。  元勇者として最強の力を持つリツは、その力を持って自由に旅しようとするが、この世界は五百年の長き時が経過した世界だった。

処理中です...