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4. 決着
第77話 謀略を吹き飛ばせー最強術合戦直前(帝)
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ー時は西暦2018年より数億年先の地球 忍歴2020年 帝の城ー
「止まれ!」
私はガグリア草原の地上に飛び降りた。私の頭上を城から乗ってきたプテラノドンが旋回する。それを目標に続々と軍の大群が私の後ろに集結する。
軍の翼竜最大のハツェゴプテリクスたちも大群で押し寄せて私の頭上を旋回していた。オルニトミムスに乗った兵士も続々とやってきた。私に仕える軍の大軍が、ガグリア草原と都の間を埋め尽くす。軍に仕える恐竜たちは首に青いスカーフを皆つけていた。
私は『雷声道の術』を使って、全軍と言わず、エクスロゲが率いている恐竜たちにも全て伝わる術を使って話した。
エクスロゲは術を使えない。あいつは仕方なく拡声器を使っている。となると、あいつの後方にいる者にはほぼあいつの声は聞こえず、私の声だけ聞こえることになる。
「止まれ!」
私は腕を振り上げてもう一度叫んだ。
とてつもない声量で山脈にも都にもがグリア草原の隅々にまで私の声が届いた。
エクスロゲをはじめ、暴走した恐竜は翼竜含めてすべて止まった。
「ええい!」
「俺たちはこの地球の支配権をもらいたい。」
地団駄踏んだエクスロゲは叫んだ。
「黒の秘密結社より、我々に依頼が届いた。お前がお妃候補とした忍びを始末してくれという依頼だ。」
「お前はそれを無視した。黒の秘密結社の依頼に反いた。」
「黒は、我々の地球の歴史を過去から変える力がある。」
「我々は今すぐに、黒の依頼に従いたい。」
「我々の地球に危険を及ぼす行為をするお前を帝とは認められない!」
エクスロゲは叫んだ。
つられて、エクスロゲの真後ろにいた大型恐竜が前に出てこようとした。
その時だ。私は、私の背後に控えるオルニトミムスも前に出ようとしたのが分かって止めようとチラッと後をみた。このままここで合戦になるのは避けたい。
「待て!まだだ。」
私は術を使わずに小声で合図を送った。
背後を振り返って見た時、私の少し後ろの小高い丘に2匹のプテラノドンが降り立ったのが目に入った。
なんだ?
あっというまに二人の忍びの姿に変わった。一人は沙織だ。もう一人は五右衛門か?
素早く、五右衛門がさっと腕を伸ばすのを私は見た。
途端に空に閃光が走り、両陣の翼竜が飛び交うはるか上空に巨大な穴が出現した。
「うお!!!!」
「なんだあれは!」
ガグリア草原にどよめきが起こった。
こんな現象は見たこともない。なんの術だ。
その割れ目から漆黒の鳥の大群がやってきた。何十万羽といる。
「カラス?」
「カラスだ!」
「カラスじゃえ!」
エクスロゲもたじろいだ。私もたじろいだ。一体これはなんだ。
「みなさん、数億年先の地球の支配者はカラスだ!」
「次の地球の支配者はカラスなんだ!」
橘五右衛門が『雷声道の術』の術を使って、叫んだ。
「今、数億年先の地球からカラスはワープしてきた。」
「エクスロゲ!聞け!」
「お前がやっていることは自滅の道だ!」
はい?
そう思ったのは、私だけではないはずだ。五右衛門の隣に立つ沙織も、腰を抜かしたように座り込んだのを私は見た。
「止まれ!」
私はガグリア草原の地上に飛び降りた。私の頭上を城から乗ってきたプテラノドンが旋回する。それを目標に続々と軍の大群が私の後ろに集結する。
軍の翼竜最大のハツェゴプテリクスたちも大群で押し寄せて私の頭上を旋回していた。オルニトミムスに乗った兵士も続々とやってきた。私に仕える軍の大軍が、ガグリア草原と都の間を埋め尽くす。軍に仕える恐竜たちは首に青いスカーフを皆つけていた。
私は『雷声道の術』を使って、全軍と言わず、エクスロゲが率いている恐竜たちにも全て伝わる術を使って話した。
エクスロゲは術を使えない。あいつは仕方なく拡声器を使っている。となると、あいつの後方にいる者にはほぼあいつの声は聞こえず、私の声だけ聞こえることになる。
「止まれ!」
私は腕を振り上げてもう一度叫んだ。
とてつもない声量で山脈にも都にもがグリア草原の隅々にまで私の声が届いた。
エクスロゲをはじめ、暴走した恐竜は翼竜含めてすべて止まった。
「ええい!」
「俺たちはこの地球の支配権をもらいたい。」
地団駄踏んだエクスロゲは叫んだ。
「黒の秘密結社より、我々に依頼が届いた。お前がお妃候補とした忍びを始末してくれという依頼だ。」
「お前はそれを無視した。黒の秘密結社の依頼に反いた。」
「黒は、我々の地球の歴史を過去から変える力がある。」
「我々は今すぐに、黒の依頼に従いたい。」
「我々の地球に危険を及ぼす行為をするお前を帝とは認められない!」
エクスロゲは叫んだ。
つられて、エクスロゲの真後ろにいた大型恐竜が前に出てこようとした。
その時だ。私は、私の背後に控えるオルニトミムスも前に出ようとしたのが分かって止めようとチラッと後をみた。このままここで合戦になるのは避けたい。
「待て!まだだ。」
私は術を使わずに小声で合図を送った。
背後を振り返って見た時、私の少し後ろの小高い丘に2匹のプテラノドンが降り立ったのが目に入った。
なんだ?
あっというまに二人の忍びの姿に変わった。一人は沙織だ。もう一人は五右衛門か?
素早く、五右衛門がさっと腕を伸ばすのを私は見た。
途端に空に閃光が走り、両陣の翼竜が飛び交うはるか上空に巨大な穴が出現した。
「うお!!!!」
「なんだあれは!」
ガグリア草原にどよめきが起こった。
こんな現象は見たこともない。なんの術だ。
その割れ目から漆黒の鳥の大群がやってきた。何十万羽といる。
「カラス?」
「カラスだ!」
「カラスじゃえ!」
エクスロゲもたじろいだ。私もたじろいだ。一体これはなんだ。
「みなさん、数億年先の地球の支配者はカラスだ!」
「次の地球の支配者はカラスなんだ!」
橘五右衛門が『雷声道の術』の術を使って、叫んだ。
「今、数億年先の地球からカラスはワープしてきた。」
「エクスロゲ!聞け!」
「お前がやっていることは自滅の道だ!」
はい?
そう思ったのは、私だけではないはずだ。五右衛門の隣に立つ沙織も、腰を抜かしたように座り込んだのを私は見た。
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