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2. レエリナサウラと秘密結社 →数億年前地球 中世ヨーロッパ

第32話 貴族の社交会 舞踏会で舞う淑女の記憶(1)

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 私の恋紅色こいくれないいろの髪は、今の地球では珍しくはない。
 その日、私はゲームで中世ヨーロッパにされていた。

 この話は、誰にも話したことのない『私の懺悔ざんげ』であり、心奥深くにしまっておきたいあやまちの話である。

 ゲームに参加して、ひとしきりプテラノドンとして飛んだ後に、私はにぎやかな王都を探索たんさくしていた。

 色鮮やかな出店が立ち並び、何かのかぐわしい香りが漂い、最初のうちは私は物珍ものめずらしさも相まって、夢中で歩いていた。

 けれでも、何かの拍子ひょうしにふと気づくと、さびしい通りに入り込んでしまったらしいことに気づいた。

 まずい。そう思って元の賑やかな通りに戻ろうとしたのだけれども、突然とつぜんがらの悪そうな男たちに取り囲まれてしまった。
「助けて!」

 思わず叫んだが、誰にも聞こえなかったらしく、誰も助けには来なかった。
 私は手裏剣しゅりけんを使って、なんとか男たちを追い払って逃げようとした。
 しかし、かなりの集団でおそわれてしまい、袋小路ふくろこうじに入った所で完全に追いめられた。

 しまった。
 私は目の前が真っ暗になるような落胆らくたんを感じた。頭が熱くなり、息荒いきあらく肩をする。なんとかこの危機的状況をだっしようと考える。

 早くゲームの解放かいほうが始まって欲しいと祈ったけれども、まだゲームは続行中のようだ。

「ジョリーナ!」

 その時、通りがかった男性が大声で私に声をかけた。
 その紳士は、偶然ぐうぜん通りかかり、男たちの集団に金貨の袋を投げて私を救いだしてくれたのだ。

「君は、随分ずいぶんをしているな。」

 そう言って紳士は馬車まで私を運んでくれた。

 紳士が私のことをジョリーナと呼んだこととは覚えている。おそわれて頭を打っていたことと、空腹のあまり何時間も空を飛んだ疲れで私は気を失った。

 目が覚めた時、私は天蓋てんがい付きのベッドに寝せられてドレスのような寝巻きを着せられていた。
「え?ここはどこ?」

 私は目を開けた瞬間、自分がいる場所が実家でないことに気づいた。しかも、寺子屋時代てらごやじだいから習った地球に関する記憶が指し示すのは、人間の貴族の館にいるようだという点だ。

 まだ中世ヨーロッパからゲーム解放かいほうされていないのだ、そう私は思って落胆らくたんした。

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