ガールズバンド“ミッチェリアル”

魔法

５９_魔法の音

　恋のはじまりが、ワクワクするのに似ている。
　ガールズバンド“ミッチェリアル”は戦闘地域で何をしたのか誰も知らない。知っているのは動物たちと世界有数の武器商人と伊賀の末裔だけだ。
　彼女たちの冒険は始まったばかりだ。

　困った子どもたちは、戦闘地域でなくても世界中にいる。特別なネットワークが見守っている。どうか、今日もこの瞬間もとてつもなく辛い思いをしている子どもたちを、救うことができますように。
　今日、まさに食べものもなく、途方に暮れて絶望している人は、日本にも世界のどこの国にもいる。
　どうか、彼女彼らに救いがありますうように。

　あなたのそばに、あなたをみてくれているものがきっといることを祈る。

　ミカナのドラムが凄まじい勢いでダイナミックに叩かれ、ミケがギターをかき鳴らし、トオルがチェロを奏でる。ブー子がピアノを弾きながら、歌い出す。バックコーラスのさと子さんの声が響く。

　今日も魔法の音があなたの元に届きますように。　
　日が暮れ始めて、この前まで戦闘地域だった地の空に、美しい花火が上がった。