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全世界の諸君に告ぐ
49_ヨーロッパ会談(アンジェロ)
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「わかった。」
俺は小さな声でミカナに言った。
「協力してくれるのね?」
ミカナは腕組みをして俺をにらんでいた。
「そう。君に協力するよ。」
俺は観念して言った。
ドアがノックされた。
「どうぞ。」
ミカナが言った。
部屋に入ってきたのは、メロンの弟のミカエルだった。
ミカエルが言う前に、俺はわかっていた。ミカエルもミカナ側にとっくについて協力していたのだと。
「わかった。ミカエルお前もミッチェリアルに協力しているんだな?」
俺はミカエルに聞いた。
「そうです。すみません。平和のために、大きな賭けに出ました。」
ミカエルは俺の目をまっすぐに見て言った。
「ほんとだよ、こんな大それたこと、よくやれたな。」
俺は本音を言った。
「ボス?」
その時、ソフィの声がして、俺はヒッと飛び上がりそうになった。
いつの間にか、俺の部下のソフィがすぐ横に立っていた。
「っていつ来たの?いつのまに?」
俺は突然姿を現したソフィに言った。
「ごめんなさい。ボス。私もミッチェリアル側について協力していました。」
ソフィは俺の目をまっすぐに見て言った。
どいつもこいつも・・・と内心思ったのは嘘ではない。ただ、だ。
ただ、それだけの魅力がミッチェリアルの計画にはあるということだ。
俺だって協力することを決めてしまったぐらいだ。
ソフィ、メロン、ミカエル。この3人を責めることは俺にはできない。
「だよね。モーリーが例の武器倉庫にいたから・・・・変だなとは思ったんだ。」
俺はソフィを見て、力なくそういった。
あーあ。脱力してしまう。
俺は自分が情けなくて、崩れ落ちそうだった。
「で?俺にできることって?」
俺はさっさと俺に期待された役目を果たしてこの場をおさらばしようと思って、メロンに聞いた。
メロンは俺の顔をじっと見ている。
ソフィもじっと見ていた。
「ボス、ボスが知り得るありとあらゆる武器商人から、武器を購入してください。名義は全てミカナ名義にしてください。」
「すでに購入済みの武器商人はこちらです。これ以外の武器証人から買い占めてください。」
ソフィが1枚のリストを差し出した。
びっしり名前が書かれている。
あー、俺の競合先リストを使ったんだな。
リストに書いてないやつに連絡して買い占めろってことか。
俺は納得した。
「そのくらいでいいなら。」
俺はミカナにうなずいた。
「次に、両者の大統領に会ってください。この国とこの国です。」
メロンは2カ国の大統領の写真をノートPCに表示して、俺に見せた。
「会ってどうする?」
俺は不安を覚えて聞いた。喉がカラカラだ。協力の内容は、俺の予想とだいぶ違ってかなり大胆な内容のようだ。俺は、自分の手がかすかに震えているのを感じた。
俺は姿を滅多に表さない謎の武器商人で通っていた。
大統領に会ったりしたら、俺が消されたりしないのか?
「それは、これから考える。」
非常に美しいミッチェリアルのメンバーが静かに言った。
確か、トオルという名前のメンバーだ。
「ミッチェリアルのツアーは続きます。アメリカ公演は大成功だったので、明日からヨーロッパに向けて出発します。」
「ヨーロッパで密かに会合を持ちます。あなたは、二人がその場に登場するよう、あることを二人に伝えるのです。」
トオルが英語で言った。
「この二人は、ミッチェリアルのファンよ。」
ミカナがニヤッと笑って言った。
俺は16歳の小娘に、どうやら完璧に負けたようだ。
「分かった。やるよ。」
俺は自分の心のままに返事をした。俺の考えより、俺の気持ちの方が勝った瞬間だった。
俺は小さな声でミカナに言った。
「協力してくれるのね?」
ミカナは腕組みをして俺をにらんでいた。
「そう。君に協力するよ。」
俺は観念して言った。
ドアがノックされた。
「どうぞ。」
ミカナが言った。
部屋に入ってきたのは、メロンの弟のミカエルだった。
ミカエルが言う前に、俺はわかっていた。ミカエルもミカナ側にとっくについて協力していたのだと。
「わかった。ミカエルお前もミッチェリアルに協力しているんだな?」
俺はミカエルに聞いた。
「そうです。すみません。平和のために、大きな賭けに出ました。」
ミカエルは俺の目をまっすぐに見て言った。
「ほんとだよ、こんな大それたこと、よくやれたな。」
俺は本音を言った。
「ボス?」
その時、ソフィの声がして、俺はヒッと飛び上がりそうになった。
いつの間にか、俺の部下のソフィがすぐ横に立っていた。
「っていつ来たの?いつのまに?」
俺は突然姿を現したソフィに言った。
「ごめんなさい。ボス。私もミッチェリアル側について協力していました。」
ソフィは俺の目をまっすぐに見て言った。
どいつもこいつも・・・と内心思ったのは嘘ではない。ただ、だ。
ただ、それだけの魅力がミッチェリアルの計画にはあるということだ。
俺だって協力することを決めてしまったぐらいだ。
ソフィ、メロン、ミカエル。この3人を責めることは俺にはできない。
「だよね。モーリーが例の武器倉庫にいたから・・・・変だなとは思ったんだ。」
俺はソフィを見て、力なくそういった。
あーあ。脱力してしまう。
俺は自分が情けなくて、崩れ落ちそうだった。
「で?俺にできることって?」
俺はさっさと俺に期待された役目を果たしてこの場をおさらばしようと思って、メロンに聞いた。
メロンは俺の顔をじっと見ている。
ソフィもじっと見ていた。
「ボス、ボスが知り得るありとあらゆる武器商人から、武器を購入してください。名義は全てミカナ名義にしてください。」
「すでに購入済みの武器商人はこちらです。これ以外の武器証人から買い占めてください。」
ソフィが1枚のリストを差し出した。
びっしり名前が書かれている。
あー、俺の競合先リストを使ったんだな。
リストに書いてないやつに連絡して買い占めろってことか。
俺は納得した。
「そのくらいでいいなら。」
俺はミカナにうなずいた。
「次に、両者の大統領に会ってください。この国とこの国です。」
メロンは2カ国の大統領の写真をノートPCに表示して、俺に見せた。
「会ってどうする?」
俺は不安を覚えて聞いた。喉がカラカラだ。協力の内容は、俺の予想とだいぶ違ってかなり大胆な内容のようだ。俺は、自分の手がかすかに震えているのを感じた。
俺は姿を滅多に表さない謎の武器商人で通っていた。
大統領に会ったりしたら、俺が消されたりしないのか?
「それは、これから考える。」
非常に美しいミッチェリアルのメンバーが静かに言った。
確か、トオルという名前のメンバーだ。
「ミッチェリアルのツアーは続きます。アメリカ公演は大成功だったので、明日からヨーロッパに向けて出発します。」
「ヨーロッパで密かに会合を持ちます。あなたは、二人がその場に登場するよう、あることを二人に伝えるのです。」
トオルが英語で言った。
「この二人は、ミッチェリアルのファンよ。」
ミカナがニヤッと笑って言った。
俺は16歳の小娘に、どうやら完璧に負けたようだ。
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